議員日誌

雨宮処凛講演会大盛況

 本日、憲法と暮らしを守る宇部地域共同センターが主催した雨宮処凛講演会が宇部市シルバーふれあいセンターで開催されました。講演会には、県内各地から250名の参加者があり大盛況でした。

 講演は、ローカルユニオン宇部委員長松富豊さんをインタビュアーに進行しました。雨宮さんは、2年間、右翼団体で活動した経験がありますが、離れるきっかけは、権力そのものが、右翼団体の主張をはじめたからと語りました。自民党へのアンチテーゼだった私たちの主張を、自民党がそのまま実行しはじめたことにおかしいと思った、と語ります。

 そして、雨宮さんは、自らフリーターとして生活してきましたが、その「生きづらさ」の原因が分かるきっかけとなった出来事を語りました。それは、06年にフリーター方々が組織したメーデーに参加したことでした。今までは、自分がフリーターであるこは、自己責任だと感じていたが、原因は、新自由主義であったり、柔軟型雇用形態などという財界の主張が実際の雇用現場に持ち込まれたことなどによることが分かったと雨宮さんは語ります。

 その頃から雨宮さんは、労働問題を扱う著作活動を本格的に開始をします。雨宮さんは、蟹工船と現代の状況は酷似していると言います。ある派遣労働者は、1日7700円の賃金と言われながら、部屋代や服代などを引かれて、残りは520円という状況だと言います。まさに、現代の派遣労働者の状況は、蟹工船の時代と同じだと語ります。

 後半は、参加者から雨宮さんに、質問も積極的に寄せられました。子どもさんが不登校だった経験を持つ女性、学費の高さに苦しむ学生、雨宮さんと同世代の女性として生きづらさを語る女性などから質問が相次ぎました。

 私は、この企画の言いだしっぺとして、多くの参加者で盛況の内に講演会が終わったことを大変喜んでいます。

 私が、雨宮さんの話を聞きたいと思ったのは、昨年でした。NHKラジオで語った労働問題に対する彼女の語り口と視点に感銘しました。そして、今年に入り私が、彼女にメールを送り、この講演会の準備がスタートしました。

 憲法9条を学ぶ市民講座は3回目です。第一回目は、高遠菜穂子さん。第二回目は、森達也さん。第三回目が、雨宮処凛さんでした。どの方も独自の視点で、貧困や平和や民主主義の問題に対する論述活動に取り組んでおられます。

 どの方々も山口県で初めての講演会が宇部市での私たち企画であったことを自負しています。

 雨宮さんと実行委員会のメンバーで食事を済ませた帰り道、「さあ、今度は、誰をお呼びしようか」と新たな構想を考え始めている私です。皆さん、宇部市に呼びたい方のリクエストがあればお教えください。

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    参加者の質問に答える雨宮処凛さん

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会場一杯の参加者が雨宮さんの話に耳を傾けました

入閣祝賀会県職員派遣中止の方針が明らかに

 昨日、定例記者会見で、県選出の国会議員が大臣に就任した際、県や県議会など地方6団体と自民党の主催で開いている就任祝賀会について、二井知事は、政治的な中立性に指摘があるとして、今後は県職員を公務で派遣しない方針を明らかにしたとの報道が今朝の各社新聞で報道されています。

 また、県が共催することも、今後検討する考えを明らかにしたとも報道されています。

 この問題は、本ブログでも再々取り上げてきましたが、少し振り返っておきます。

 この問題を最初に指摘したのは、今年1月22日の中国新聞でした。中国新聞は、入閣祝賀行事に中国地方4県は県が主催になることはないと答えたと報じました。

 そして、私は、今年2月議会で、独自に中国5県を調査した結果も明らかにしながら、「中国5県では、県が主催者になることも、県職員がスタッフとして参加することもない」と指摘しました。その事実を岡田総合政策部長も認め、今後については、「その都度、他の団体や関係政党と協議したい」と含みを持たせました。

 しかし、8月30日に、防衛大臣祝賀会が県・県議会など地方6団体と自民党が主催し、県職員が、14名公務で参加して行われました。

 日本共産党県委員会と県議団は、8月22日に、県が祝賀会に関与するのは、「県民感情からも、憲法・地方公務員法からも許されない行為」と、知事と議長に対して、主催者の辞退と県職員の派遣を行わないように申し入れを行いました。

 朝日新聞も8月31日付けで、「今回の内閣改造で入閣した18閣僚のうち、民間出身者と比例代表選出国会議員をのそく14閣僚の地元都道府県で、祝賀会を主催する例は山口以外にはない。」と報じました。

 知事が定例記者会見で明らかにた判断は、この問題を最初に議会で指摘をした議員として率直に評価したいと思います。

 しかし、知事は、これまで祝賀会に関与しつづけたことに対し県民に反省の弁を述べるべきです。そして、法律を守る点からも他県の状況からも祝賀会に県・県議会が主催者になることは「今後検討」ではなく、即刻中止すべきであることは明確です。

2008山口オープン空手交流試合の大会会長に

 今日、夕方、次男と一緒に空手教室に行きました。三男は、先般受けた昇級試験でめでたく一つ飛びで昇級して、これまでの青帯(8級)から黄帯(6級)になり、得意顔でした。

 そして、私は、来月12日に道場開催でされる「2008山口オープン空手交流試合」の大会会長として大会パンフレットに掲載する原稿を師範にお渡ししました。

 わが道場が開設されて約5年になります。道場主催の大会としては、06年に、緑代表をお招きして「山口県下新人交流空手道選手権大会」を開きました。その時の参加者選手は67名でした。07年の「秋季山口県空手道交流大会」は、参加選手が115名でした。今大会は、参加選手が130名の予定です。道場が主催する大会としては過去最大となります  

 私は、道場開設以来、主催行事の大会役員をしてきましたが、道場のこれまでの発展に感激しています。

 私たちの道場の創始者である大山倍達氏は「強く行きたい君へ」という本の中で、戦後、世界に空手が広がった背景に、「『戦争』への反発」を挙げています。「子どもたちは支配する強さを求めるのではなく、抵抗し、あるいは自分を守る強さを求めているのである。私は、ここに空手の現代的な意味を痛感する。」と述べています。
 私は、あいさつ文で「大会に参加する子どもたちが、大会を通じて空手の道を深め、将来、平和を築く人材に育っていくことを願ってやみません。」と書きました。
 

 空手に打ち込む子ども達の目は、とても澄んでいます。この澄んだ目に対峙できる大人でありたいと思います。

藤原正彦さん

 我が実家では昔から「家の光」という雑誌を取っています。母が、「国家の品格」を書いた数学者の藤原正彦さんの記事を読んでおけと言います。先日読んでみました。引用します。

 「地方を歩き、荒れ果てた田んぼや自然を歩くと、涙が出てきます。わが国にとってもっともたいせつにしなければならないものが、粗末にされているからです。こんな国家は滅んでいくでしょう。」

 「21世紀は、グローバリズムではなく、ローカリズムの時代です。世界をばっこするグローバリズムは、能率や効率という点では優れているかもしれませんが、各国、各民族、各地方に生まれた、伝統や文化や情緒などのほうかはるかに価値が高いのです。そしてその根源が美しい田園や自然です。」と書いておられます。

 自然が多いと思われる私の田舎の吉部も、私の子どもの頃にあった美しい田園や自然が壊れていることを実感します。

 藤原正彦さんの「国家の品格」は斜め読みしました。正直、「祖国への誇り」などという言葉が躍り、相容れない部分が多いのかなと思っていました。しかし、この小論は少し違いました。

 藤原さんは、こうも書いています。「市場原理の下、構造改革で地方や農業がズタズタにされているのも、そんな製作をとる政治家を選択した国民の責任でもあるのです。」

 藤原さんの里山衰退に対する分析や再生を求める想いは、共感できる点が多いようです。

雇用・能力開発機構山口センターに雇用促進住宅問題で申し入れ

 本日、日本共産党山口県国会議員団事務所(吉田貞好所長)と日本共産党山口県地方議員団(水野純次代表)は、雇用・能力開発機構山口センター所長に対して「雇用促進住宅に関する申し入れ」を行いました。

 申し入れ項目は、以下の通りです。

①入居者の理解を得ない一方的な住宅廃止決定を白紙に戻し、「説明会」開催と連動した再契約拒絶通知、貸与契約終了通知を中止すること

②定期契約者を含めて入居者の声を十分に聞き、事情をよく理解したう上で納得のいく話し合いを行い、一方的な住宅廃止や入居者退去を強制しないこと

③種々の事情で退去が難しい入居者には、入居継続を認めるほか、納得を得て同一住宅内の別棟や近隣住宅への移動により居住権を保障すること

④地方自治体への売却が適当と認められる場合は、固定的な価格提出に固執することなく、柔軟な態度で自治体当局と協議をつくし、入居者にとって最善の結果が得られるようにすること

⑤ワーキング・プアと呼ばれる人たちをはじめ、低賃金により住居を確保できない人たちの住宅対策の一環として、耐震補強など大規模修繕を前提にした雇用促進住宅の新たな活用方法を早急に検討すること

 対応した清水総務課長は、①~③について、機構本部に確認したという3点を明らかにしました。

①入居者の退去は、H22年11月末まで猶予措置を取る

②特定入居者(1年契約)の更新拒絶通知は、H21年4月から順次実施する

③各団地の説明会を開催する

 清水総務課長は、以上の内容の文書が来週早々に、機構本部から全国のセンターに届き、その後、ブロックごとの会議が開かれて、その後、説明会の開催の運びになると説明しました。

 私たちは、①や②の退去の延期措置については、説明会を待たずとも住民に通知すべきではないかと指摘しました。清水課長は、「検討する」と約束しました。

 次に、私たちの申し入れ項目の④について、清水課長は、現在、市町と譲渡の話し合いを行っているところだと説明しました。

 私は、清水課長に、「廃止団地数も多く、市町だけでなく、県とも交渉を行っているのか」と質しました。清水課長は、「県とも数度交渉を行っている。県は、『総合的な活用方策が決まれば、窓口となる部署を決めて協議したい。』と答えた。」と答えました。

 この事を、私は県に確認をしたいと思います。

 私たちの要望項目の⑤について清水課長は、「要望があったことを機構本部に伝える」と答えました。

 私たちは、住民の意向も聞かず、契約更新拒否通知を一方的に機構が出したことが混乱の根源であることを繰り返し指摘しました。

 これに清水課長は、「住民の不安は当然と思っている。昨年12月の前倒しで2分の1の団地を廃止するという閣議決定に行き過ぎた点があったと考えている。しかし、閣議決定を無視できない立場を理解してほしい。」と答えました。

 私は、県が、雇用促進住宅を前倒して廃止するという閣議決定を白紙撤回するよう国に働きかけることと同時に、住民の居住権を守るために、団地の譲渡交渉に市町とともに参加することを強く望みます。

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  雇用・能力開発機構山口センターへの申し入れ

阿武北2期・阿武東2期広域農道整備事業を視察しました。

 本日、西宇部校区敬老会に参加して、来賓あいさつを済ませた後、宮内萩市議の案内で、阿武北2期と、阿武東2期広域農道の建設現場を視察しました。

 まず、阿武北2期広域農道の建設現場の内、伊良尾火山の活動痕跡をのこす地層を訪ねました。地層は、阿武町福田上の伊良尾山東部に位置する広域農道の工事により法面に現れたものです。H18年12月に、山口大学の永尾准教授が地層を調査され、明らかになりました。地層には火山弾や火山礫が谷状の地形に降り積もっったもので、地面に平行にたまったため、まるで地層がしゅう曲しているように見える地層です。私も現地で、火山弾を拾って帰りました。来週、 永尾先生にもお会いしてお話しを聞くことにしています。

 H19年12月に永尾先生も加わった「イラオ火山灰層法面保護工検討協議会」が設置され、これまで現場の工法が検討されてきました。

 私は、今回の視察前に、県農林部の担当者に状況を聞いたところ、「工事の実施及び安全上の制約はあるが、関係機関の調査及び地層の保護等には可能な限り協力する方針である。」「第2回の協議会は、10月中に開催予定である。」と言う説明でした。

 今日、現場に行ってみると、路面から5メートルほどブロックを積み上げる工事が一部行われていました。現地に立ってみて、この5メートルの部分をブロックで隠すと、岩盤に火山灰がしゅう曲して堆積している様子が見えなくなることがよく分かりました。協議会で、路面から5メートルブロックを積み上げることが了承されたのでしょうか。私は、ブロック積み上げ工事を当面、中止し、10月の「協議会」で再度協議されるべきだと率直に感じました。宮内市議は、この地域を含む阿武火山群をジオパーク地質世界遺産に登録すべく取り組むべきだと萩市議会で質問しています。宮内議員は質問で、「地元では、この道路に価値があるとすれば、この地層だけ。一番価値のあるところを潰して、意味のない道路だけが作られるような愚は犯すなよといわれています。」と発言しています。私も現地に立ってこのことを実感しました。

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 褐色の土が火山灰。立て掛けられた梯子の高さまで、

 ブロックが積まれようとしています。手前は施行済みのブロック。

 次に、私たちは、阿武北2期広域農道での落石事故現場を訪ねました。今年7月9日、午前11時45分頃、萩市弥富下の、広域農道工事現場で、重機により掘削作業中に、崩れた岩塊(直径1.5メートル)が現場から約60メートル下の市道及谷線に転げ落ちました。被害としては、市道の陥没、用水路の破損、立木の損傷などがありました。幸い、人的被害が出ませんでしたが、正午前の時間でしたから、不幸中の幸いと言えます。

 現在、掘削方法の見直しが行われ、市道には交通見張員が配置され広域農道の工事は再開されています。

 私たちが、現場を訪れた時も、市道の60メートル上では、農道工事の重機が唸っていました。貼り直されたばかりの市道と傷の残った立木が事故の凄まじさを私たちに伝えてくれました。

 宮内議員も参加した事故後の地元説明会では、「自分は工事の再開は納得していない。」との声も出されたようです。

 市道は、センターラインもなく、普通車の離合がギリギリという道路でした。それに平行して豪華農道が建設されている風景は、私には異様に思えました。

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農道から転落した岩塊で市道が陥没しました。

張り直された跡がよく分かります。水路には土嚢が。

 このように様々な問題が露見している阿武北広域農道ですが、3.2キロの延長で、63億4千万円の事業費が使われようとしています。今年度だけで4億円の事業費です。

 最後に、阿武東2期広域農道の橋脚建設現場を視察しました。一般道として考えても大変豪華な橋脚が建設されていました。この広域農道は、2.8キロの延長で、41億6千万円の事業費が使われようとしています。今年度だけで5億円の事業費です。

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阿武東広域農道で建設されている橋脚。豪華です。

 現在、県内で、このような広域農道事業が、8ヶ所で実施されています。総延長39キロ、総事業費はなんと533億8千万円。今年度の事業費だけで、36億1千万円です。

 山口県内で道路が狭いから収益が上がらないという農家がいるでしょうか。農業予算の過半は土木費です。農家の窮状を考えるならば、その予算を農家への直接助成に充てるべきことは当然です。視察した道路は、はっきり申し上げて無駄だと実感しました。言葉を控えて言ったとしても、不急の工事であることは確かだと断言できます。

 533億のお金を農家の直接助成に充てれば、どれだけ農家が潤うでしょう。私も農業に携わるものの一人としてそのことを痛感しました。