山口県立大学付属高校に関して、これまでの経過について報告します。
2月県議会の一般質問の最終日3月6日、自民党の西本議員が、「付属高校を設置し、高校から大学まで一貫した教育を行うことは、より専門的で幅広い知識や技能を身に付けることが可能となる。また、地域に根差した人材育成が実現でき、若者の県内定着へとつながることも期待される。進行する少子化の中で、山口県立大学が高校生から選ばれる魅力ある大学となり、地域に貢献していくためには、付属高校を設置するなど、一歩前に出た特色ある高大連携を進めて行くことが必要ではないかと考える。県立大学では、昨年3月、将来構想を策定され、その中で、『高大連携の推進』にも取り組み、今後、県内高等学校との連携方策を検討することとされている。県立大学では、高大連携の推進にどう取り組まれるのか、県の所見を伺う。」との質問に内海総務部長(当時)は「現在、将来構想を実現するための今後の取組方針等について議論しているところですが、本県が必要とする人材の育成や若者の県内定着をより強力に進める観点から、お示しのような付属高校の設置は有効な取組の一つと考えており、こうした取組も含め、県立大学とともに具体的な検討を進めてまいります。」と答えました。
3月29日、岡理事長は、「山口県立大学将来構想の推進について」記者会見を行いました。
読売新聞は、この記者会見で、岡理事長が「県立大(山口市)は29日、付属高校を設置する方針を明らかにした。7年間の『高大一貫教育』により、時代や社会の変化に対応できる人材の育成や県内への定着を図る狙い。手法や時期は未定で、4月に県や県教育委員会などと協議会をつくり、具体的な方向性を協議する。」という内容を明らかにしたと報じました。
県に確認したところ、報道にある県や県教育委員会などでの「協議会」は開催されていないとのことです。
4月6日、岡理事長らは、「山口県立大学将来構想推進局」「高大連携推進室」を開設したことを明らかにしました。
山口新聞は、このことについて「山口市桜畠の県立大学は1日付で将来構想推進局と高大連携推進室を開設した。同大南キャンパスで6日、看板設置式があり、岡正朗理事長と田中マキ子学長が看板を設置した。同大は新たに付属高校を設置する方針を打ち出しており、実現に向けた実務をスタートさせる。」と報じました。
2022年3月に策定された「山口県立大学将来構想」に「高大連携の推進や学びの多様性への対応」とあります。
高大連携の推進では「引き続き、高校における出前講座や入試説明会等の充実に取り組むとともに、県内高等学校との連携方策について検討していかなければならない」とあるだけです。
将来構想13頁の将来構想の推進では、①国際文化部の再編②子ども家庭福祉問題に対応するセンター的機能③幼稚園教諭・保育士養成学科等の検討については、2023・24年に具体化することが示されていますが、「地域・企業・高校等の連携強化」については、「各連携方策の具体化を検討し可能なものから順次着手し、第4期中期目標期間における実現を目指していくものとする」とされています。
2023年度早々に、県立大学に「高大連携推進室」が設置され、付属高校の具体化を進めようとしているにも関わらず、2022年3月に策定された県立大学将来構想に、付属高校設置の具体的な方針が示されていないことに、私は疑問を感じます。
県立大学将来構想発表後の昨年度に入って、急遽、付属高校設置の方針が盛り込まてた感は否めません。
22年3月作成の「山口県立大学将来構想」に具体的な記述がなかった県立大学付属高校を何故、つくるべきとなったのかの経緯について県は、県民に丁寧に説明すべきです。
時同じくして、県教育委員会は、「県立高校将来構想」を示し、県立宇部西高校などの募集停止などを発表しました。
県立宇部西高校などの募集停止の方針を示す一方で、急遽、県立大学付属高校が県立大学将来構想の全面に出てきた事実を指摘したいと思います。
県は、宇部西高校などを廃校にする一方で、なぜ、県立大学付属高校を設置する必要があるのかについて、県民に分かりやすく説明すべです。
県は、県立大学将来構想に具体的記述がなかった付属高校の設置を急遽進めようとしています。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
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