月別アーカイブ:2023年1月

県人事課が、名簿作成は「職務上の行為で問題ない」と答えたとの報道について

  昨日、読売新聞は、県庁ぐるみの公選法違反事件に関して、次のように報じました。
 「2021年10月の衆院選山口3区で当選した林外相の後援会入会を巡る公選法違反事件で、部下に入会を勧誘させたとして罰金刑を受けた山口県の前副知事が、勧誘用の職員リストを部下に作らせたと山口地検の調べに供述していたことが分かった。読売新聞の請求に対し、地検が開示した掲示確定記録の供述調書に記載されていた。リスト作成には県の人事データが使われていた。供述調書によると、前副知事は21年4月頃、リストの作成を部下に指示した。部下は別の職員に、県の人事データを基に山口3区内の住所や出身校、本籍などがある職員のリストを作らせ、前副知事に渡した。前副知事は『3区に縁がある県職員を抽出した名簿を作成して配った方が効果的に動ける』と考えたと説明。『リストの職員数を見ながら計算して、各部局ごとに入会申込書の配布枚数を決めた』という。リストを作成した職員の供述調書によると、職員は名簿を業務で使うと考えており、『勧誘に使用されていたとは知らなかった。そのような目的なら断っていた』と主張していた。前副知事に勧誘を頼んだとされる自民党関係者の供述調書もあり、『同様の依頼を歴代の副知事にしていた。県庁全体に申込書を配ってくれると考えた』と話していた。この職員や関係者の氏名は黒塗りだった。供述内容について、前知事は取材に対し、『お話できない』と述べた。県人事課は、名簿作成は『職務上の行為で問題はない』とした上で、勧誘への利用は『業務外での使用で、不適切だった』としている。自民党県連は『県連としては全く関与していない』とコメントした。事件を巡っては、入会申込書を県幹部に手渡して部下を勧誘させたとして、前副知事が21年12月に公選法違反(公務員の地位利用)で罰金30万円の略式命令を受け、辞職。県の調査では課長級以上の幹部職員191人が入会などの協力依頼に応じていた。」
 私も山口地検の刑事確定記録に目を通しましたが、前副知事に勧誘を頼んだとされる自民党関係者の供述調書は読み飛ばした箇所であり、次回、記録を閲覧する際に、しっかり読み込もうと思います。
 記事に、県人事課は「職務上の行為で問題はない」としているが果たしてそうでしょうか。
 名簿作成に関与した職員は、上司から「山口3区の関係で」と言われ「選挙の何かに関することなのだろう」と感じたと21年11月21日、山口警察署で供述しています。
 名簿づくりは、「職務上の行為で問題はない」と言えないことは明らかです。
 県は、名簿づくりに関し、全容を再調査し、結果を公表すべきです。
 引き続き、この問題に対する調査を継続したいと思います。
 この問題に関する皆さんのご意見をお聞かせください。

今日のしんぶん赤旗日刊紙が県庁ぐるみの公選法違反事件を報じる

 今日のしんぶん赤旗日刊紙が県庁ぐるみの公選法違反事件に関する記事を次のように報じました。

「2021年10月の衆院選で自民党の林芳正外相(山口3区)の後援会に入るよう小松一彦・前山口県副知事が県職員を勧誘し、公職選挙法違反(公務員の地位利用)の罪で罰金30万円の略式命令を受けた事件をめぐり、県職員の人事データをもとに対象者の名簿を作らせていたことが日本共産党の藤本一規県議の調べで分かりました。藤本県議が13日に山口地検で閲覧した同事件の刑事確定記録から判明したもの。藤本県議によると、名簿を作った職員は21年4月末、上司から『リストを作ってくれ』と指示されたと県警に供述しています。その際に上司は、住所や出身などで山口3区に縁がある職員の名簿を『所属ごとに分けて作成してくれないか』と依頼したといいます。この職員は当時、県庁に勤務する全職員の氏名、本籍、住所、生年月日、所属などが入力された人事データを取り扱っていました。名簿を作成するため、この職員は勤務時間中に人事データをコピーして別のファイルとして保存。山口3区に該当する地域を確認した上で条件に合う職員を絞り込み、勧誘対象者を抽出する作業を行いました。名簿の用途は上司に聞きませんでしたが「選挙に関して何らかの形で活用されることは想像していた」としています。小松前副知事の供述内容などによると、同時期に県内の自民党関係者が『今回も頼むね。林先生のやつなんだけど』と協力を要請。林氏の略歴や政治信条などが書かれた後援会のリーフレットと入会申込書を県庁職員に配布し、入会申込書を回収するよう求められたと認めています。山口県が設置した調査チームの報告書によると、21年の衆院選で上司などから選挙リーフの配布や後援会入会の協力依頼を受けた職員は、調査に応じた部課長級305人のうち195人にのぼります。依頼の時期は、同年4月(97人)と5月(40人)に集中しています。一方、村岡嗣政知事は小松前副知事に協力を依頼した自民党関係者を明らかにせず、勧誘に関与した職員の処分は、訓告12人、厳重注意8人にとどまっています。政治家の後援会への勧誘は、県庁内で常態化していたとみられます。元山口県職員の松林俊治さん(75)は『職員の個人情報が細かく記された人事データを職務の目的外で使うのは許されない。県政の信頼回復と再発防止のためには、事件の全容を再調査した上で名簿作成に関与した職員を処分し、膿(うみ)を出しきってほしい』と強調します。神戸学院大学の上脇博之教授(政治資金オンブズマン共同代表)は『衆院選で林氏を当選させるため、山口3区に関係する職員を調べて幅広く勧誘していた実態が明らかになった。県は調査の範囲を広げ、事件の真相を解明する必要がある。林氏も積極的に事実関係を説明するべきだ』と述べています。」

 今朝の読売新聞も県庁ぐるみの公選法違反事件を報じました。

 今日までに、中国新聞、NHK、しんぶん赤旗、読売新聞で、この問題が報じられたことになります。

 しんぶん赤旗の記事で、上脇教授が指摘しているように、「県は、調査の範囲を広げ、事件の真相を解明する必要」があります。

 引き続き、私にも許可された地検が開示した掲示確定記録を読みながら、県に真相の解明を求めていきたいと思います。

 この問題に関する皆さんのご意見をお聞かせください。

「前の副知事は、過去にも同じ依頼に、数回、応じていた」との報道について

  昨日、NHK山口放送局は、県庁ぐるみの公選法違反事件に関し、次のように報じました。
 「おととしの衆議院選挙をめぐり、前の副知事が、候補者の後援会の入会申込書を部下に配らせて県の職員を勧誘したとして、公職選挙法違反の罪で略式命令を受けた事件。前の副知事が操作の段階で、『行政運営を行うために自民党との良好な関係を維持したいから』などと述べていたことや、県の人事データをもとに勧誘するための職員リストを作らせていたことが分かりました。おととしの衆議院選挙をめぐっては、前の副知事が、山口3区から立候補した自民党の林芳正外務大臣の後援会入会申込書を部下の職員らに配らせて勧誘したとして、公職選挙法違反の罪で略式命令を受けました。この事件について、NHKが閲覧を請求した山口地方検察庁の刑事確定記録から、勧誘の動機やその手口が明らかになりました。それによりますと、前の副知事は、おととし4月に、立候補者を支援する自民党の関係者から後援会の入会申込書などを職員に配布して回収するよう依頼されていたことや、過去にも同じ依頼に、数回、応じたことが記されています。配布当時は候補者が決まっていなかったため、前の副知事は、林外務大臣が立候補した際に、確実に当選できるよう支援者を集めるための準備だと考えて依頼を受けることを決めた』と供述しています。また、山口3区に住所や出身校、それに、本籍地がある職員のリストを作るように部下に指示し、別の職員が、県の人事データから条件にあうリストを作成したとしています。前の副知事は、このリストをもとに各部局ごとの配布枚数を決め、職員らに申込書の配布を支持していたとしています。この事件で、前の副知事は、罰金30万円の略式命令を受けて納付し、辞職しています。」
 本ブログで紹介したように私も、この事件の刑事確定記録を閲覧しています。
 記事にある「前の副知事は、おととし4月に、立候補者を支援する自民党の関係者から後援会の入会申込書などを職員に配布して回収するよう依頼されたことや、過去にも同じ依頼に、数回、応じたことが記されています」という記述は私も記録から確認したところです。
 また、小松前副知事は、依頼した自民党関係者の名前を供述していることを確認しています。
 2022年3月に公表された公選法違反事案に係る調査チームの報告書に「検察庁から開示を受けた本件事件について刑事確定記録(写し)も調査の参考に供している」とあります。
 私は、16日、県総務部に、①県は、小松前副知事に後援会勧誘を依頼した人物の氏名等を承知しているのではないか。②この人物を承知しているのなら司直に告発すべきではないか。について今月中に回答するよう求めています。回答が届いたら報告します。
 また、小松前副知事の「自民党関係者の依頼を過去にも数回応じている」との供述も重大です。この点についても引き続き、解明が必要だと感じました。
 引き続き、検察庁の刑事確定記録を読み解きたいと思います。
 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

「公選法違反事件で県の人事データが悪用されていた」との報道について

 2021年10月の衆議院で山口3区から立候補した自民党の林芳正外相の後援会に入るように、県副知事が部下に勧誘させた事件で、勧誘に県の人事データが使われていたことが分かったと今朝の中国新聞が次のように報じました。
 「2021年10月の衆院選で山口3区から立候補した自民党の林芳正外相の後援会に入るよう、山口県副知事(当時)が部下に勧誘させた公選法違反事件で、勧誘に県の人事データが使われていたことが16日、中国新聞の請求に基づき山口地検が開示した刑事確定記録で分かった。副知事の支持で職員が人事データから住所や出身高校などの個人情報を抽出し、勧誘用の職員リストを作っていた。供述調書によると、副知事は21年4月下旬、部下を副知事室に呼び出し『自民党からの依頼でリーフレットと入会申込書を配らないといけない。衆院山口3区に住所、出身校、本籍がある職員リストを作って』と指示した。3区在住者以外も求めた理由は『出身校や本籍が3区なら同級生や知人が同区内にいる可能性が高く、職員が協力を依頼してくれる可能性があると考えた』などと供述した。上司を通じて指示を受けた職員は、全職員の個人情報が記されたエクセルファイルの人事データをコピーし住所や出身高校、本籍などの条件に合う職員をリストアップして印刷した。副知事はリストを基に各部局に配る入会申込書の枚数などを決め、別の職員に『林議員のリーフレットと入会申込書を配って。3区に関係する職員を入れているから』と封筒などに入れて渡したこともあった。リストを作った職員は『山口3区と言われ選挙に活用されるとなんとなく想像したが詮索したり考えたりせず名簿を作った』と供述した。一方『人事データは円滑な業務や組織運営のためにある。職員が勤務中に勧誘活動をすることは問題だ』とも述べた。副知事に依頼した人や名前や名簿作りに携わった職員らの名前や所属部署は、いずれも黒塗りとなっている。事件を巡っては、副知事が21年12月に山口区検から公選法違反の罪で略式起訴された。副知事室で知事部局の部次長級職員5人に依頼し、県職員78人に後援会の会員になるよう勧誘させたとして罰金30万円の略式命令を受け辞職した。県が設けた調査チームによると管理職191人が事件に関与していた。」
 本ブログにも書いたように、私は、先週、山口地検が開示した刑事確定記録を閲覧しました。
 人事データを選挙勧誘用のデータに流用することに携わった職員の供述も閲覧しました。
 私は、昨日付で、この問題で、県はどのように職員の処分を行い、再発防止策を講じたのかについて、今月中に回答するよう県総務部に照会を行いました。
 県からの回答があれば、報告したと思います。

 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

藤本かずのりサポーターズ第1回通常総会に約100名の市民が集う

  昨日、宇部市男女共同参画センターで、藤本かずのりサポーターズ第1回通常総会が開かれ、会則、役員などが承認されました。

 会場いっぱいの約100人の参加者がありました。

 藤本かずのりサポーターズ第1回通常総会は、会場いっぱいの約100人の参加者で埋め尽くされました。

 二部では、バイオリン演奏や民踊など楽しい出し物もありました。

 私が訴えた要旨は、以下の通りです。

 藤本かずのりサポーターズ通常総会ありがとうございます。
 資料1は、昨日、しんぶん赤旗日刊紙に掲載された記事です。先日、市内の弁護士の方から、「法務省が、宇部拘置支所が廃止され下関拘置支所に統合する計画を発表した。是非、力になってほしい」との電話をいただきました。宇部西高校の存続問題を含めて、「住民の要求がある限り、ベストを尽くし、一緒に汗を流す」決意です。
 資料2は、新型コロナウイルスの12日までの感染状況です。問題は、死者数です。昨日までの死者数が94人。今月倍とみて、188名。月別で過去最大の去年8月を上回り、過去最悪の勢いで死者が出ています。
 私は、高齢者施設でクラスターを起こさないために職員への定期的検査を行うよう求め昨年秋から実施しています。コロナから命を守ります。
 東京都が子育て支援策を次々に実行に移しています。一つは、子どもの医療費を18歳まで無料にする。二つは、18歳まで子ども一人あたり年6万円支給する。三つは、第2子以降の0~2歳の保育料を無料にします。東京都は合計特殊出生率1・08に危機感を持っているようですが、山口県も同様です。山口県は、子どもの医療費を未就学にして19年拡大していません。新年度予算子育て対策に力を入れるべきです。
 タレントのタモリさんが、年末の「徹子の部屋」で2023年はどんな年になるか聞かれ、「新しい戦前になる」と答えました。
 タモリさんの発言は、敵基地攻撃能力保有と大軍拡を宣言した「安保3文書」の閣議決定し、5年間で43兆円の大軍拡を行うことを決めたことを捉えてのものです。
 資料3の通り、安保3文書の中に明記してあるのが、イージスシステム搭載艦です。山口と秋田に計画さていた陸上イージスのイージスシステムを船に乗せる計画です。記事にある「迎撃ミサイル用垂直発射装置を改修して載せ、米国と購入に向けた調整が進むトマホークを発射できる性能を付与する方向だ」が重大です。
ついに、イージスシステム搭載艦の建造費が新年度予算に計上され、その金額は、2千208億円。二隻の建造費は、1兆円を超えます。
大軍拡は、社会保障切り捨てと大増税への道、藤本を県議会に。

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 藤本かずのりサポーターズを募集中です。

 一人でも多くの皆さんの加入をお願いいたします。

 また、藤本を囲む集いの開催をお願いいたします。

 二人以上なら、宇部市内ならどこでもお伺いいたします。

米シンクタンク報告書 「台湾防衛」で死者3200人と想定

 12日のしんぶん赤旗日刊紙は、米シンクタンク報告書に日本の先制攻撃が言及されていると次のように報じました。
 「米シンクタンク『戦略国際問題研究所」(CSIS)は9日付で、中国が2026年に台湾を侵攻すると想定した『台湾防衛』机上演習結果を公表しました。結果をまとめた報告書は、日本の役割は、あらゆる同盟国の中でも最重要の『要』となると指摘。在日米軍基地の使用と自衛隊の参戦を促しました。報告書は、想定するすべてのシナリオで『在日米軍基地を使用しなければならない』と断定。とりわけ、『在日米軍基地の使用なしに戦闘機・攻撃機は戦争の惨禍できない』として、航空基地の嘉手納(沖縄県)、三沢(青森県)、横田(東京都)、岩国(山口県)に言及しています。『台湾防衛』のための在日米軍基地の使用は、日米安保条約第6条に基づく事前協議の対象になりますが、報告書は、『日本は使用を認めるだろう』としています。その場合、在日米軍基地は当然、中国軍によるミサイル攻撃の対象となると想定しています。そのため、報告書は、基地の防護シェルターの増強と、舞台を分散して展開するために民間空港の使用を提案しています。自衛隊の参戦については、『(自衛隊)基地、または米軍基地が攻撃された場合にのみ、日本が戦争に参加する可能性が最も高い』としていますが、在日米軍基地への攻撃が前提となっている以上、自衛隊は自動的に参戦することになります。さらに、報告書は、日本の国土が攻撃を受けていなくても、自衛隊が当初から戦争に参加する可能性に言及。その根拠として、『日本政府は、(敵対国が)日本への攻撃に着手したとみなせば、先制攻撃は可能だとしている』として、『台湾戦争のたくらみは、先制行動を正当化する環境を整えるかもしれない』と指摘しています。同報告書は、敵基地攻撃能力は『先制攻撃』に使われるものだとみなしています。敵基地攻撃能力や、米軍・自衛隊基地の強靭化、民間空港の軍事利用はいずれも、岸田政権が閣議決定を強行した安保3文書に盛り込まれています。米シンクタンク『戦略国際問題研究所』(CSIS)による『台湾防衛』机上演習報告書は、在日米工区基地には『絶大な価値』があると強調。とりわけ、沖縄県内の基地について特筆しています。報告書は、アラスカやハワイから飛来した米軍機も中国軍を攻撃できるとした上で、沖縄の嘉手納基地や『日本南部の基地』から出撃した航空機は、より多くの航空優勢作戦を、より少ない空中給油で実行できると指摘しています。さらに、米海兵隊が沖縄に相悦するとしている開閉沿岸連隊(MLR)に言及。中国の台湾進攻が始まる前に沖縄から台湾に出撃し、対艦ミサイルを配備するシナリオを想定しています。ただ、実際に台湾侵攻が始まった後は補給が困難だと指摘。こうした弱点を補い、沖縄からたたかうため、地上配備型の長距離巡航ミサイル・トマホークを平時から沖縄の基地に配備するよう提案しています。米軍にとって沖縄の基地が特筆すべき価値を有しているのは、台湾との地理的な近さです。同時に、中国とも距離的に近く、攻撃対象にもなるという脆弱性を抱えることになります。報告書は、あらゆるシナリオで中国の台湾侵攻が失敗に終わり、最終的に米・台湾・日本を中心とする『同盟軍』が勝利するとの結論を導き出しました。同時に、膨大な艦船や航空機が破壊され、大量の兵士が死傷すると想定。最初の3~4週間の戦闘で発生する米軍の犠牲者は6000~1万人に達し、約3200人が戦死すると想定。1日平均で約140人で、ベトナム戦争の1日平均約30人の4倍以上になるとしています。報告書は、その象徴として、嘉手納の惨状を想定。全飛行隊が攻撃され、滑走路の両枠には、米軍・自得たい双方の期待の残骸が大量に横たわり、基地内の病院は負傷者で埋め尽くされ、臨時の墓地が広がるとしています。ただ報告書は、戦闘に巻き込まれる民間人の犠牲については想定していません。日本の軍事基地の多くは民間地域に位置しており、大量の民間人が犠牲になることは必然です。報告書は、米軍基地だけでなく、自衛隊基地を含む『すべての軍事基地』が攻撃の対象となるとしています。報告書は、『台湾防衛』は必要だとの立場ですが、為政者はこうした大量の犠牲が出ることを理解する必要があるとしています。『台湾有事は日本有事』などとして、米軍の戦争に喜んで参加しようとする勢力は、少なくとも、どれだけの自衛隊員と一般国民が犠牲になるのかを示す責任があります。」
 米シンクタンクの「台湾防衛」机上演習結果報告書に、県内の岩国基地が使われ、中国軍のミサイルの対象となることが言及されていることは重大です。報告書は基地の防護シェルター増強に言及していることも重大です。
 報告書が、米軍基地だけでなく、自衛隊基地を含む「すべての軍事基地」が攻撃対象になるとしていることも重大です。
 そして、約3200人が戦死すると想定していることも重大です。
 13日、岸田首相とバイデン大統領は日本政府が保有を決めた敵基地攻撃能力の「効果的な運用」に向けた協力強化を進めるよう合意しました。
 14日、志位和夫委員長は、「これは、米軍の指揮統制のもと、自衛隊が敵基地攻撃能力を使って、相手国に攻め込むことを、公然と宣言したものだ」と厳しく批判しました。
 これまで日米安保条約は、自衛隊が「盾」の役割を担い、米軍が「矛」の役割を担うことは建前とされてきました。今回の日米共同声明は、こうした従来の建前を一変させ、日米が一体に「矛」となってたたかうというものです。志位委員長は「それは日米軍事同盟の侵略的大変質を、世界に宣言することにほかならない」と厳しく批判しています。
 今回の日米軍事同盟の侵略的大変質宣言の下、「台湾防衛」となれば、中国軍は、それに対抗し、沖縄の在日米軍基地とともに、県内の米軍岩国基地や自衛隊基地が標的となり、死傷者が生まれ、周辺の民間人の犠牲も当然生まれる可能性を強めるものです。
 日本共産党は、「外交ビジョン」で、東南アジア諸国連合(ASEAN)と協力し、地域のすべての国ぐに包摂する平和の枠組みを強化し、東アジアに平和を創出していく憲法9条を生かした外交戦略を進めることを提唱しています。
 志位委員長は、「この方向こそが、唯一の現実的かつ理性的な方向であることは、今回の日米共同声明でも『ASEANインド太平洋高層』(AOIP)への支持を言及せざるをえないことに示されている。排他的ではなく包摂的な平和の枠組みこそ、戦争の心配のない東アジアをつくる道である。」と訴えています。
 タモリさんが昨年末指摘した「2023年を新しい戦前に」しないためには、包摂的な平和の枠組みを東アジアで広げていくことだと思います。日本とアメリカは、東アジアでの平和構築にこそ力を注ぐべきです。
 アメリカのシンクタンクの報告書及び日米首脳会議などに対する皆さんのご意見をお聞かせください。