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大量の障害者をつくり出す最大の悪、それが戦争

 5月初旬のしんぶん赤旗日刊紙に、日本障害者協議会の藤井克徳さんがウクライナの状況を受けて詩を発表したと次のように報じました。
 「ロシアのプーチン政権によるウクライナ侵略の被害が深刻化しています。『現地の障害のある人を励ましたい』ー。そんな思いでつくられた詩が、ウクライナの障害者を元気づけています。詩をつくったのは、日本障害者協議会の代表で自身も全盲の藤井克徳さんです。8日に3作目の『小さな市民』を発表しました。藤井さんの詩が、ウクライナの障害者団体のホームページに載るなど現地で反響が広がっています。『人の心を動かすのは言葉。言葉は国境を超える。平和をつくるのに必要なものは武器ではありません』と強調します。侵略が始まったとき、『自分に何ができるかと考えた。募金とともに(反戦)と(連帯)を言葉で伝えようと思った。』と藤井さんは言います。その手段として『言霊』が凝縮された『詩』を選びました。詩は「きょうされん」のホームページに掲載されています。作成時間は約2時間。『連帯と祈り ウクライナの障害のある同胞(はらから)へ』と題しました。普段から藤井さんは、テレビの映像を家族に説明してもらっています。『ウクライナの障害者は270万人といわれるが、車いすや白杖(はくじょう)を使っている人がテレビに出てこない。置き去りにされているのではないかと心が痛かった』詩は知人に頼み、英語、ウクライナ語、ロシア語などに翻訳されました。なんとか現地に詩を届けたいと、欧州の障害者団体に連絡。『ウクライナ障害者国民会議』を紹介してもらいました。メールを送ると、数日で返事がきました。返事の主は、同会議の事務局のラリーサ・バイダさんです。3月14日のメールには、『日本の障害者NGOが私たちとともにいることは非常に重要』『詩に心から感謝をします』とありました。ラリーサさんによると、同会議には118の当事者や家族などの団体が加盟。ラリーサさんらは国内にとどまる人たちへの支援物資を届けたり、国外へ避難する人たちのルートの確保をしたりしています。『(食べ物や水、薬が手に入らず)常に介助や投薬が必要な障害のある人にとって、死がそこに迫っている』『重度障害のある子どもがいて街を出られない家庭がある』といった状況があります。藤井さんはきょうされんの専務理事でもあります。ラリーサさんとメールでやりとりをしているきょうされんの赤松英知常務理事は『ラリーサさんたちは、現状を世界に広げてほしいと強く考えている』と話しています。きょうされんはホームページで、ウクライナの障害者の実態を発信しています。きょうされんは、活動の重点方針の一つに、9条(戦争放棄)と25条(生存権)を中心とする憲法を守ることを位置付けています。赤松さんは、『障害のある人もない人もともに生きていける社会は、平和じゃないとめざせないと確信している』と語ります。現在、日本ではウクライナ侵略に乗じて軍拡を狙う動きが強まっています。藤井さんは『日本では戦争中、障害者のことを『米食い虫』『非国民』と日常的に呼んでいた。戦争が障害者の人権を踏みにじってきた』と指摘。『そんな歴史を二度と繰り返してはいけない』と訴えます。」
 藤井克徳さんの詩「連帯と祈り ウクライナの障害のある同胞(はらから)へ」を紹介します。
・・・
 連帯と祈り ウクライナの障害のある同胞(はらから)へ
 
 戦争は、障害者を邪魔ものにする
 戦争は、障害者を置き去りにする
 戦争は、優生思想をかきたてる
 大量の障害者をつくり出す最大の悪、それが戦争

 朝一番のニュースを恐る恐る
 キエフの包囲網がまた狭まった
 教会も文化財も悲鳴を上げて崩れ落ちる
 禁じてが反故(ほご)にされ原子力発電所から火の手
 
 殺し合いではなく話し合いを
 侵攻ではなく停戦を
 停戦ではなく平和を
 青い空と黄色の豊作に似合うのは平和

 私たちは祈ります 
 西北西の方角をじっとみつめながら
 心の中から希望が切り離されないように
 とにかく生き延びてほしい

 戦争は、障害をたちどころに重くする
 戦争は、障害者の尊厳を軽々と奪い去る
 戦争は、障害者の明日を真っ黒に塗りたくる
 早いうちに、否、この瞬間に終わらせなければ

 もう一度くり返す
 とにか生き延びてほしい
 たとえ、食べ物を盗んでも
 たとえ、敵兵に救いを乞うてでも

 遠い遠い、でも魂はすぐ傍(そば)の日本より
  
    ふじいかつのり(NPO法人日本障害者協議会/きょうされん)

・・・
 日本国憲法の9条をなくせば
 殺し合いは止まりません。
 侵攻は止まりません。
 停戦はやってきません。
 平和はやってきません。
 ウクライナ危機に乗じて9条なくして軍拡と核保有の日本にするのか、9条を生かした平和を構築する日本をつくるのか、戦争か平和かが問われる参議院選挙が目前です。
 私は、障害者問題を大学時代学んだ者として、藤井克徳さんの詩を支持し、9条と25条を生かした平和で豊かな日本を築くために、参院選挙で力を尽くしたいと思います。
 藤井克徳さんの詩にたいする皆さんのご意見をお聞かせ下さい。 

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