しんぶん赤旗日刊紙は、日本が石炭火力発電所に固執している状況を次のように報じました。
「世界が石炭火発から撤退へと動く中、日本は石炭火発に固執しています。日本の石炭火発は全発電量の32%(19年度実績)を占め、その上、9基もの大型施設を建設中です。石炭火発は新規建設であれば30年程度の稼働ができます。温室効果ガス排出を『実質ゼロ』の目標としている50年になっても、石炭火発が大量のCO2を吐き出し続けることになります。また石炭火発の海外輸出にも執着しています。20年7月に改定された政府の『インフラシステム輸出戦略』は相手国から日本の石炭火発への要請があった場合に『導入を支援』すると明記しました。6月のG7サミットでは『排出削減対策が講じられていない石炭火力発電への国際的な投資をすぐ止めなければならない』として、石炭火発への政府による新規直接投資は『2021年末までの終了』を宣言しました。しかし、すでに計画中になっているバングラディッシュやインドネシア、ベトナムなどの事業は『新規』ではないから続ける構えです。
日本政府が石炭火発に固執するのは、電力会社を頂点に、石炭炉メーカーや鉄鋼会社、商社、金融機関、建設会社など、石炭火発で地球をむしばみながらもうけをあげている『石炭火発利益共同体』があるからです。企業・団体献金をなくし、天下りを規制するなど、大企業と政治の癒着を断つことが必要です。」
国連のグテレス事務総長は、8月、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書発表に際し、「2021年以降、石炭火力発電所は新設されるべきではない。経済協力開発機構(OECD)加盟国は2030年までに、他のすべての国々も2040年までに、既存の石炭火力発電所を段階的に廃止しなければならない」と発言しました。
まず、しんぶん赤旗には、主要7カ国の石炭火力への態度が掲載されています。
フランス=2022年までに撤退
英国=2024年までに撤退
イタリア=2025年までに撤退
カナダ=2030年までに撤退
ドイツ=2038年までに撤退
米国=2035年までに「電力部門のCO2排出実質ゼロ」を表明
日本=2030年に発電量比19%を維持
次にしんぶん赤旗は、計画中・建設中の石炭火力発電所を次のように報じました。
〇IGCC広野発電所(福島県広野町)
広野IGCCパワー合同会社(2021年11月)
〇横須賀発電所新1号(神奈川県東横須賀市)
JERA(2023年)
〇横須賀発電所新2号(2024年)
〇武豊発電所5号(愛知県武豊町)
JERA(2022年3月)
〇神戸発電所3号(兵庫県神戸市)
神戸製鋼(2021年度)
〇神戸発電所4号(2022年度)
〇三隅発電所2号(島根県浜田市)
中国電力(2022年11月)
〇徳山製造所東発電所3号(山口県周南市)
株式会社トクヤマ(2022年11月)
〇西条発電所新1号(愛媛県西条市)
四国電力(2023年3月)
現在、株式会社トクヤマを通じ、事業を実施している周南パワー株式会社に問い合わせたところ次の回答が寄せられました。
Q周南市での石炭火力発電所の状況は。
A2022年9月営業運転開始予定です。
Q環境アセスはどうなっているのか。
A2009年10月に環境影響評価書の公告は完了している。
株式会社トクヤマは、国際的なCO2削減の要請に応えて、石炭火力発電所計画の中止を決断すべきだと思います。
日本共産党は、「気候危機を打開する2030戦略」で30年度までに、CO2を10年度比で50%~60%削減することを目標としています。そのために30年に石炭火発をゼロとすることをめざし、新規増設の中止と既存火発の段階的な廃止を掲げています。気候危機打開に向けて政府の本気さが問われています。地球が直面する危機の打開へ、石炭火発や原発に固執する今の政治の転換が不可欠です。
参院補選と総選挙の争点の一つが気候危機打開であり、30年までに石炭火発ゼロの達成です。この点でも石炭火発に固執する自公政権を転換し、野党連合政権の樹立が求められています。
山口県内では、宇部興産などが進めてきた石炭火力発電所の計画が中止されました。
しかし、株式会社トクヤマが新たに石炭火力発電所の建設を計画しています。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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