鹿児島県・熊本県を襲った豪雨災害で、熊本県の特別養護老人ホーム「千寿園」が浸水し、多くの人的被害が出ました。
山口県においても、2009年に県央部で土石流災害が発生し、防府市の特別養護老人ホームライフケア高砂で、14名が死亡する災害が発生しました。
2013年の山口・島根豪雨災害では、奇跡的に人的被害は出ませんでしたが、萩市の特別養護老人ホーム阿北苑に川の氾濫流が流れ込み、甚大な被害が出ました。私は、県内で発生した老人施設を襲った二か所の災害、どちらにも、発災直後に、国会議員などとともに現場を訪ねました。
この経験から、6月県議会の環境福祉委員会の質疑で、福祉・医療施設防災マニュアルの各施設での策定状況について質しました。
山口県は、県内の福祉・医療施設の防災マニュアル作成指針を作成し、県内の福祉・医療施設の防災マニュアル作成を促してきました。
私は、新型コロナウイルス感染症対策を含めた作成指針となるように、県の福祉・医療施設の防災マニュアル作成指針を改定するよう求めました。
これに、山﨑厚政課長は「新型コロナに関して全体的な検証も終わっていないので、今後、そういうものも踏まえて、改正の是非も含めて、検討したい」と答えました。
私は、県内施設の防災マニュアルの策定状況について質しました。
山﨑課長は「後日、回答する」と答えました。後日、県厚政課から私に「県内全ての施設で、防災マニュアルが作成されている」との回答が寄せられました。
次に私は、要配慮者利用施設における避難確保計画の策定状況について質問しました。
2019年3月31日時点で、県内の要配慮者利用施設563の内、策定数は295で策定率は52.4%です。
私は、健康福祉部として、各施設に避難確保計画作成を進める援助を行うよう質しました。
山﨑課長は「防災マニュアルは、避難確保計画の内容を網羅している。今ある防災マニュアルを避難確保計画という形で市町に届ければOKということになる。指導監査等を通じて、県としても、核施設に、市町の防災担当の方に届け出るよう言っていきたい。」と答えました。
この程、国土交通省が、今年1月1日現在の要配慮者利用施設における避難確保計画の策定状況を公表しました。
山口県は、要配慮者利用施設645の内、策定数は、392で策定率は60.8%でした。
策定率が低いのは、美祢市が9.5%、萩市16.4%、岩国市が21.8%などです。
厚政課と防災危機管理課が連携し、県内の要配慮者利用施設における避難確保計画策定が100%となるよう市町や施設を指導すべきだと思います。
また、福祉・医療施設の防災マニュアル作成指針を新型コロナ感染症に対応した内容に早急に改定すべきだと思います。
施設が諸計画を持つことは当然ですが、実際の災害で効果を発揮し、人的被害を生まないための日頃の点検や訓練が不可欠だとも感じます。
防災対策を進める上で、各施設で何が求められているのか施設の方々のご意見もお聞かせいただきたいと思います。
福祉施設等での防災対策に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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