朝日新聞が、「陸のイージス」という特集を5回にわたって掲載しました。
どの記事もとても興味深い内容でした。
特に、私が、注目したのが最終回(1日)の政治学者・中島岳志さんの指摘です。
中島さんの文章は、私のブログに度々登場します。
昨日、取り上げた、山際寿一さん同様、中島岳志さんは、私の敬愛する学者のお一人です。
中島さんは、「小泉純一郎政権以降、新自由主義を使った主体的服従を迫るという政策に変わった」と述べ、次のように解説しました。
「官から民への規制緩和など市場優先の新自由主義では、競争の中で困窮する自治体も出てくる。自立できなくなれば、補助金を得ようと迷惑施設を誘致する自治体も現れる。無理やり迫らず、丁寧な合意形成もないまま、自治体が主体的に手を挙げてくれる。『主体的服従』といえるもので、政府にとっては楽だ。そういう統治手法が新自由主義の構造としてあることを理解しておくべきだ。」
地方の「主体的服従」の典型が、私は、「ひと・まち・しごと」総合戦略の手法だと思います。
国が示した全国一律のまちづくりの方式に地方を従わせる。
国は、地方が従ったのではなく、主体的に選んだのだという。まさに「ひと・まち・しごと」総合戦略の手法は、地方の「主体的服従」の典型です。
山口県内で起こる、基地問題も原発問題も同様の構図があり、そして、イージス・アショアの配備にも同様の構図を感じます。
中島さんは、国と地元の合意形成で何が必要かと問われ次のように述べています。
「住民がボトムアップしていくシステムがないと、国と地元のぶつかりあいが起きる。イージス・アショアの問題に限らず、住民が集まって対等に議論する多様な場をつくっていくことが重要」と語ります。
中島さんは、地方の「主体的服従」を越えた、住民がボトムアップで合意形成していくシステムの重要性を指摘しています。
昨日に続き、私は、日本共産党の志位委員長のメーデーメッセージを引用します。今日は、次の部分を引用しました。
「新型コロナを克服した、その先には、よりよい未来をつくろうではありませんか、社会保障を大切にし、人間らしいく働けるルールをつくり、環境破壊を抑え、すべての人びとが人間らしく生きることのできる社会を」
私は、国の新型コロナウイルスへの対応に対する、全国知事会の発言に、希望を持っています。
昨日の飯泉全国知事会長の「『緊急事態宣言』の延長を受けて』と題するメッセージには、次の文章がありました。
「国民や事業者に更なる負担を強いることを踏まえ、『地方創生臨時交付金』や『緊急包括支援交付金』、『持続化給付金』、『雇用調整助成金』更には『特別低額給付金』など、こうした対策の充実を図る第二弾の補正予算の速やかな検討」
地方から国へのボトムアップとてしての貴重な提案が列記してあります。
国が地方の声を誤魔化し中途半端な対応に終始するならば、新型コロナウイルスの収束は展望できなくなるでしょう。
新型コロナウイルスを克服するためには、「主体的従属」を越えた新しい国と地方との関係が必要です。
中島さんは、イージス・アショアが必要なのかとの問いにこう答えています。
「日米安保『だけ』では限界なのに、仮想敵をアジアとする巨額な配備が合理的なのか説明がない」
今朝のしんぶん「赤旗」に、「新型コロナが問う 日本と世界」という特集記事に軍事ジャーナリストの半田滋さんが登場し、次のように語っています。
「トランプ大統領から武器購入を要求されて導入を決めたイージス・アショアや、計画そのものが破綻している辺野古新基地の建設工事など、『不要不急』の支出はあります。これらを一時停止して、休業を余儀なくされている店舗への補償など、コロナで苦しむ国民の負担軽減のために使うべきです。」
イージス・アショアへの支出を社会保障と雇用の安定にあてる時です。
コロナ禍を克服し、よりよい未来をつくる岐路に私たちは立っているのだと思います。
引き続き、中島岳志さんから多くのことを学んでいきたいと思います。
山口県は、緊急事態宣言の延長を受け、今日、対策本部員会議を開いて、県としての方針を明らかにするようです。
県の方針を見極め、必要な発言を行っていきたいと思います。
新型コロナ対策についての皆さんのご意見を引き続きお寄せ下さい。
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