月別アーカイブ:2018年1月

くまのゆずるさん出発式

 山口県知事選挙が昨日告示され、市民と野党の共同候補、くまのゆずる候補の出発式が県庁前で行われました。

 くまの候補は「立候補を表明し、さまざまな人と出会うなかで『今の知事ではだめ、山口を変えたい』という県民の強い思いを感じてきた。米軍岩国基地の拡大強化、上関町への原発建設計画、萩市が配備候補地とされる地上配備型迎撃ミサイルシステム『イージス・アショア』は、安倍政権からもたらされる危険な3点セットをなくさなければ住み続けられる県にならない。」と力強く訴えました。

くまの出発式

 出発式で訴えるくまのゆずる候補

 選挙母体の「99%の民意をいかす山口の会」の纐纈厚代表は「私たちの力で保守の厚い壁を押し倒し、希望ある未来へと進む橋にしよう」と呼びかけました。

 日本共産党の仁比そうへい参議院議員、社民党の佐々木あけみ県議、新社会党の田中健次防府市議らが挨拶を行いました。

 仁比議員は「山口でも市民と野党の共闘が前進するなか、くまのさんを先頭に知事選をたたかえる、こんなうれしいことはない。平和を脅かし、暮しを痛めつける安倍政権の方ばかり見る知事ではなく、しっかりと立ちはだかって国にもの言う知事をともに勝ち取ろう」と熱く訴えました。

 

 

日米安保と戦争法に代わる選択肢

 21日に一橋大学名誉教授の渡辺治さんを招いての学習会を企画しています。

 詳しくは、本ブログのインフォーメーションにありますので参照下さい。

 当日、会場で、渡辺先生の編著を2冊販売します。

 その一冊が「日米安保と戦争法に代わる選択肢」です。

 先日、我が家に届き、いち早く読んでいます。

 冷戦後のアメリカ帝国主義の3つのねらいが書かれています。

 「一つは、拡大した自由主義秩序の維持と陶治」「二つ目のねらいは、グローバル企業総体の擁護者としてふるまうだけでなく、自国のグローバル企業の権益の擁護者となること」「三つ目のねらいは、グローバル経済によって影響を受ける自国国民の利益を擁護するという課題」

 その上で、渡辺先生は、「冷戦後の戦争の主なものは、こうしたアメリカ帝国主義の三つのねらいのうち前二者の利害の実現をめざして遂行されたものであった。」と書いています。

 党旗びらきで志位委員長は、①大国中心の世界が過去のものとなるとともに②トランプ大統領が「米国主導の国際秩序」への「責任」を投げ捨て、米国の国際的地位の孤立が著しくなるという-世界は「二重の大変動」が起っていると訴えました。

 「アメリカファースト」で孤立を深めるアメリカの暴走を許さず、平和・対等・互恵の国際社会をつくっていけるチャンスが広がっている今日と言えます。

 取り分け、東アジアの平和と安定を願います。北朝鮮問題が平和的に解決される年にしたいと思います。

 

軽井沢バス事故から2年

 条約乗員15人が死亡、26人が重軽傷を負った長野県軽井沢町のスキーバス事故から15日で2年目です。

 15日付しんぶん赤旗日刊紙の矢野記者の記事を紹介します。

 「総務省行政評価局が昨年7月に公表した報告書。16都道府県の72の貸し切りバス事業者への調査をまとめ、国交省に改善を求めたものです。」「運転手147人の勤務実態を調べたところ、50人(34%)が『自動車運転者の労働時間等の改善の基準』に違反していました。」「この基準は、バス運転手の働くルールを厚生労働省が定めたものですが、過労死認定基準を超える長時間労働を容認する不十分なものです。この基準すら34%が違反していたのです。」

 自交総連大阪地方連合会の松下末宏書記次長は「今の『基準』のもとでは、たとえ大手のバス会社の運転手であっても健康に起因する事故は起こりうる。根本的な問題が放置されている」と語ります。

 昨年末にはJR西日本が東海道・山陽新幹線「のぞみ」の台車に亀裂が入ったまま走行させるという、一歩間違えば大事故につながりかねない危険な事態を引き起こしました。

 儲けと効率を最優先させ、労働者の命と乗員の意に血を後回しにする交通機関の状況は早急な改善を計る必要があります。

 軽井沢バス事故で亡くなった多くは、大学生でした。

 私は、大学生の時に、犀川スキーバス事故での生存者です。

 私が遭遇した事故の時も20名を超える大学生の命が奪われました。

 後を絶たない交通機関の重大事故。

 私は、交通機関の重大事故の生存者の一人として、二度と交通機関の事故が起きないことを願います。

 私は、事故後、就職結婚などこの30年様々な経験を積むことができました。

 私が遭遇した事故で、20歳前後で人生を閉じた多くの仲間がいることを決して忘れることは出来ません。

 事業者及び国が交通機関の安全対策を強化することを望みます。

 軽井沢バス事故から2年。皆さんは何を感じておられますか。

スパコン疑惑

 1月14日号のしんぶん赤旗日曜版に「スパコン疑惑」の記事が掲載されています。

 風邪をひき今朝、病院を受診し、待合室で週刊誌を読んでいると、この話題が大きく取り上げられていました。

 「森友・加計疑惑」と同じ構図で安倍政権を直撃している疑惑です。

 「スパコン疑惑」は、今月から始まる国会で、リニア談合問題と併せて、安倍政権を直撃する一大疑惑であることは明らかです。

 しんぶん赤旗には、この問題の概要をこう書いています。

 「経済産業省所管の『新エネルギー・産業技術総合開発機構』(NEDO)の助成金約1億9千億円をだましとった-。東京地検特捜部は4日、スーパーコンピューター開発ベンチャー『ぺじーコンピューティング』社長(辞任届提出)の斎藤元章被告らを詐欺容疑で再逮捕しました。被告らは昨年12月、NEDOの別の助成金約4億3千万円を詐取したとして起訴されています。これらを含めNEDOから同社への助成金は2010~17年度で計約35億円にのぼります」「疑惑が指摘されているのは、文部科学省所管の科学技術振興機構(JST)の『産学共同実用化開発事業」(ベンチャータイプ)』。斎藤被告が代表取締役に就いた関連会社・エクサㇲケーラー(エクサㇲ社)が同事業の対象に選ばれ、60億円の無利子融資枠が認められました。すでに52億円が支払い済み。」

 しんぶん赤旗は「エクサ社ありき」とも思われる「異例」な実態が相次いでいると報じています。

 異例その1は、「公募期間が短すぎる」という点です。

 「同事業の対象企業の公募は16年10月12日からの2週間です。応募のための説明会を開いたのは10月21日の金曜日。締め切りの25日正午のまずか4日前で、しかも土日をはさんでいました。」「応募したのはエクサㇲ社と他の1社で、その2社が対象企業に選ばれました。」

 異例その2は、上限「原則50億円」に1社のみ60億円認可されたことです。

 「JSTの事業概要は『上限を超える申請も可能』としています。しかし対象をベンチャーに限定しないで実施された過去の実績を含めても『過去5年間に上限を超えて融資した例はほかになく、それ以前は確認できない』(JTS)といいます。」「ベンチャー企業に特化したこの融資制度は、16年8月に安倍政権が閣議決定した『未来への投資を実現する経済対策』に基づいて実施されました。この事業についた予算は120億円。うち半分をエクサ社が獲得したことになります。残りの予算についてJTSは『引き続き、支援対象を随時募集しているといいますが、採択された企業はありません。」

 しんぶん赤旗にある専門家は「公募前から事実上、斎藤被告の企業が融資対象に決まっているとしか考えられない」と語っています。

 昨年暮れの「週刊文春」は、麻生財務大臣が、早くから斎藤被告の会社を高く評価する発言をしていたことなどを報じています。

 「女性自身」は、東京新聞の望月記者のインタビュー記事を掲載しています。

 望月記者は「官邸の官僚の対立が激化し、『スパコン疑惑』への関心が官僚の中で高まっている」ことを語っています。

 NHK(Eテレ)の100分de名著は西郷隆盛の言葉を後の人が遺した「南洲翁遺訓」を日本大学の先崎彰容教授が解説しています。

 「南洲遺訓」の四に、「万民の上に位する者、己れを慎み、品行を正しく驕奢を戒め、節倹を勉め、職事に勤労して人民の標準となり、下民其の勤労を気の毒に思ふ様ならでは、政令は行われ難し。」とあります。

 安倍政権は、維新150年をことさら強調するなら、「南洲遺訓」に学び、疑惑に対する国民の声に真摯に答えるときです。

 加計と同構図のスパコン疑惑について皆さんはどうお考えですか。

 

市民連合@やまぐち発足集会

 昨日、山口市内で「市民連合@やまぐち発足集会」が行われ、約250名の市民が県内各地から集まりました。

 第一部の総会では、「本会は、立憲主義・民主主義・平和主義の確立を目標にします。市民主体の政治=市民政治を実現するため、市民ひとりひとりを主体とする個人の集合体です。そのために目標・理念を共有する政党と市民との接着剤としての役割を果たしていきます。」などとする規約と役員案が纐纈厚共同代表から提案され承認されました。

 第二部では、中野晃一上智大学教授が「これからの市民運動はどうあるべきか-野党共闘+市民共闘で平和市民社会の創造を!」と題する記念講演を行いました。

市民連合写真2

市民連合@やまぐち発足集会で訴える中野教授

 中野教授は、「安倍政治は、極右化しているといえる。立憲主義・民主主義・平和主義を求める日本の市民社会の変化は、止まるきざしは見えない。」と参加者を大いに励ましました。

 第三部のパネルデスカッションでは、知事予定候補のくまのゆずるさんもパネラーとして参加し「中学校教師として36年の経験を生かして、子育て先進県の山口を実現し、子どもの貧困と過疎化を打開したい」などと決意を語りました。

市民連合

市民連合@やまぐち発足集会で発言するくまのさん

 私は中野教授のお話しや多くの参加者の熱気に大いに励まされました。

 山口をアベ県にしないために、くまの予定候補勝利のために力を尽くしたいと思います。

 

能力至上社会を生きる

 山口新聞に新年から「私たちの平成 能力至上社会を生きる」という特集が組まれています。

 平成という時代の30年で社会がどう変わったのかを問う興味深い特集です。

 次のような文章でこの特集は幕を開けます。

 「バブル末期に始まった平成は、残り1年あまりで幕を閉じる。『1億総中流』を支えた終身雇用が崩壊し、急速な人口減少で国の未来は見通せない。時代は『自立した強い個人』を求めるようになり、効率性や生産性の高さが個人の評価を決めていく。能力を至上とする価値観は、人々の生き方に一体何をもたらしたのか。平成を生きる『私たちの物語』をたどる。」

 東京都の大塚さん41歳は、2001年に大学を卒業。消費者金融に就職後退社。その後は派遣社員になります。

 「大学では友人より就職活動に熱心ではなかった。過酷な仕事に耐えきれなかった。派遣先では社員に反抗し、首を切られた。『結局、自分の力がなかったということか。』大きくため息をついた。」

 この特集では、社会活動家で法政大学教授の湯浅誠さんのコメントが掲載されています。

 「自己責任論は『努力したか、しないか』を問うが、努力をしても報われなかった人への想像力、そしてどうすれば努力できる意欲が持てるのかという議論が欠けている」

 「ワーキングプアや貧困高齢者ら格差社会の下層に落ち込んだ人たちは、事情も顧みられることもなく『努力してこなかったのが悪い』と突き放される。

 特集は、このようにも書いています。

 志位委員長が、石川康宏神戸女学院大学教授との新春対談で「世界的な規模で格差と貧困が拡大している」と次の例を挙げています。

 「OECD(経済協力開発機構)が、『大半のOECD諸国では、過去30年で富裕層と貧困層の格差が最大になった』という報告書を出しました。」

 日本の「平成」の時代の過去30年で、世界の格差と貧困は最大になったのです。

 「自己責任論」や「自立した強い個性」は、格差と貧困に対する政府の責任を国民が問わないしくみづくりに私は思えてしかたがありません。

 今、一人一人の国民が、「ルールある経済社会を」求めて連帯して立ち上がるときだと思います。

 同時に憲法を生かす社会の実現を望みます。 

 国民は健康で文化的な生活を営む権利がある。

 社会保障・社会福祉の増進は国の責任で行う。

 大企業は史上空前の利益を上げています。それが内部留保に貯め込まれています。

 国公労連が行った試算では、主要96社の「内部留保」のわずか3%未満で、正規従業員に月額2万円の賃上げが可能です。

 大企業の内部留保を社会保障の財源や賃上げに回せば、国内の格差と貧困が大きく改善するでしょう。

 99%の民意が生きる社会の実現は急務です。

 そういえば、県知事選挙に立候補予定のくまのゆずるさんの確認団体は「99%の民意を生かす山口の会」ですね。

 県政を99%の民意が生きるものにすることも急務です。

 県政を変え、国政を変えるために、市民の連帯を進めましょう。