月別アーカイブ:2008年10月

国保証のない子が山口県で690人

 親が国民健康保険の保険料を払えないために国保証を取り上げられ、「無保険」状態になっている中学生以下の子どもが、全国で32903人にのぼることが、30日、厚生労働省の調査で明らかになりました 厚生労働省は、資格証明書の発行について「滞納者と接触の機会を増やし、保険料の納付を促す」ことを目的にしていると説明しています。しかし、今回の厚生労働省の調査で、休日の電話督促や訪問をしている自治体は、22~26%しかないことなどが明らかになりました。資格証明書の発行が滞納者との接触機会を増やすという厚生労働省の言い分が成り立たないことが明らかになりました。つまり機械的に、資格証明書が発行され、子どもがいる世帯からも保険証が奪われていることが浮き彫りになりました。

 山口県内では、690人の子どもに保険証が渡っていないことが明らかになりました。また、年齢別に県内の状況を見ると、0歳から6歳までが、152人。小学生が、320人。中学生では、218人となっています。市町別で、一番多いのは、岩国市の390人です。その次が、宇部市の87人。その次が、山口市の73人。その次が、防府市の50人となっています。

 一方で、子どものいる世帯に資格証明書を発行していない自治体は、周南市など県内にも多数あることも明らかになりました。また、この間の日本共産党議員の議会質問で、山陽小野田市や下松市では、今後、子どものいる世帯に、資格証明書を発行しないことを公言しました。

 全国的にも、子どものいる世帯への資格証明書発行を止める自治体や資格証明書の発行そのものを中止する自治体が増えています。この調査結果を受けて、国は、子どもの医療を受ける権利を奪う資格証明書の発行をただちにやめるべきです。

 さらに、私は、山口県内で、子どものいる世帯から国保証を奪う事態が生じないように、県としての対応の強化を求めていきたいと思います。

上田耕一郎さんが死去

 日本共産党の上田耕一郎元副委員長・元参議院議員が、本日、午前6時28分、慢性呼吸不全のために、都内の病院で死去されました。享年81歳でした。

 上田耕一郎さんは、山口県にも何度も演説会や赤旗まつりの弁士で来県していただきました。特に私が印象に残っているのは、私が、大学を卒業して、宇部協立病院に就職したばかりで、まだ市会議員になるなどとは思いもしなかった時、徳山で赤旗まつりが行われました。その時のメイン弁士が上田さん。20そこそこの私は、上田さんが宿泊するホテルで、上田さんの到着を待つ担当でした。上田さんがホテルに到着されれば、私の役割は終わるのですが、初めて近くで見る現職国会議員の上田さんに迫力を感じました。その頃、上田さんは、還暦前後で、脂の乗り切ったころだったのでしょう。

 上田さんの演説は面白かったです。徹底的に追及する一方で、どこかにユーモアがありました。これこそ、上田さんの持ち味だったと思います。新聞の切り抜きなどを持って片手を上げて、力強く国政革新を訴えてられた姿を私は忘れることが出来ません。私の議員生活を続ける上で、大変お世話になった国会議員のお一人だったことは間違いありません。

 私の本棚に、上田さんの平凡社新書「国会議員」があります。この中に、上田さんが行った最後の代表質問(98年2月20日)が掲載されてます。

 「国民の生存権を保障した憲法25条は、第2項で『国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない』と定めています。ところが、橋本内閣は、こともあろうに国民生活の現行水準のカットに乗り出しました。これらは社会福祉、社会保障及び公衆衛生の紛れもない後退、低下にほかならず、憲法25条違反です。」

 橋本内閣から政権を受け継いだ、小泉内閣が打ち出した構造改革は、毎年社会保障費を2200億円削減するものでした。あれから7年。削減された社会保障費は、総計で、1兆6200億円にも及びます。

 今、上田さんが国会議員として質問すれば、この状況を何と表現するでしょう。

 上田さんが死去した本日、麻生首相は、新たな経済対策を打ち出しました。その目玉は、新たな給付金の創設です。それより先に、新年度も社会保障費を2200億円削減することを中止することが先ではないでしょうか。麻生首相は、3年後の消費税値上げを打ち出しましたが、それより先に、軍事費5兆円、大企業・大資産家減税7兆円を見直すことが先ではないでしょうか。

 日本共産党は、今度の選挙で、削減された1兆6200億円を復活して社会保障を拡充しようと訴えています。

 麻生首相の記者会見の日に上田さんは亡くなられました。激動の時代を激しく生きた上田さんを象徴するようです。

 私たちは、憲法25条違反の状況をこの国からなくし、国民の命と暮らしを守るためにこれからも奮闘します。

 上田さん、あの豪快な笑顔で、私たちを見守っていて下さい。そして、総選挙での躍進を後押しして下さい。

 上田さんお世話になりました。ご冥福をお祈りいたします。

PTA家庭教育学校で金融広報アドバイザーの話を聞く

 本日、西宇部小学校の家庭教育学級で、山口県金融広報委員会の金融広報アドバイザー、前田洋子さんのお話をお聞きしました。

 前田さんは、自らの子育ての経験を存分に語りながら、「豊かな時代のお金教育」と題してお話をされました。この間、お父さんの小遣いは、92年月平均7万円だったものが、04年に月平均4万円に減少しています。しかし、子どものお年玉の平均額は、この10年3万円前後で横ばいとなっている。子どもたちは、祖父母から年間3万5千円の小遣いをもらっている。このことから、子どもたちは、エンジェル化していると話されました。エンジェル化とは、金銭的に子どもたちが質的にも量的にも特別扱いされ過ぎている状況です。

 その上で、子どもへ「小遣い」を渡すポイントは、「①小遣いで何の費用をまかなうのか明確にする。②金額は今現在親が払っている当該費用を参考にして決め、その範囲内で管理。③小遣いが足りなくなっても補填しない。」だと話されました。我が家でも長男と二男に小遣いを渡しています。しかし、「ノートが無くなった」と言われて、親のお金で買ってしまうなど、反省することが多々ありました。これからは、我が家でも、小遣いを教材に、「お金教育」に取り組みたいと思いました。

 前田さんは、子どもへのお金教育は、「自分で目標を見つけて走ることが出来る自走人間を作ること」と話されました。親が子どもに「自分自身でチャレンジする機会を与えてやることが大切」と話されました。この点も、共働きで時間がない我が家では、ついつい親が肩代わりし過ぎるところがあるなあと反省しました。

 多重債務者が急増している昨今。この問題を解決するためには、高利をむさぼる金融機関を監督することや貧困をなくすことが急務だと思います。同時に、個々人の金銭感覚を強めていくことが重要であることは否めません。この点で、私も一人の生活者として、本日は、貴重な話を聞くことが出来たと思います。

 山口県金融広報委員会は、山口県県民生活課内にあります。前田さんのような金融広報アドバイザーは、全県に11人しかおられません。宇部市では1人です。金融広報アドバイザーを増やし、各種の講習会や講演会を旺盛に行っていくべきだと感じました。この点、今後の議会で県に改善・充実を要望したいと思いました。

平原八幡宮秋季大祭で神輿を担ぎました

 26日の日曜日、私が住んでいる宇部市大字際波地域の氏神である平原八幡宮で秋季大祭が行われました。神輿を担ぐ自治会を神役と呼びます。全体を4つの地域に分け、4年に1回神役が回ってきます。今年の神役は、私が住む西ヶ丘自治会が含まれ、神輿を担ぎました。

 朝、8時に自治会館に集合して、神社に向かいました。8時30分頃から、神輿を組立ます。私は、子ども神輿の組み立てを担当したのですが、去年の写真を頼りに組立ましたが、上手くいきません。大人も子どもも両方の神輿が出来た頃に、大人神輿の横木と子ども神輿の縦木が逆ではないかと気づき急きょやり直しました。来年に向けて、氏子総代の方が写真を取られていました。

 昼ごはんをいただいて、お神酒も少々いただいて、いよいよ出発です。今年は、長陽雅楽会の方々による巫女舞も披露されて出発しました。二つの班に分かれて西宇部校区全域をくまなく回りました。途中でちょっとした事故もあり、神社に到着したのは、5時過ぎでした。それから神事をして、解体して、地元の自治会館に到着したのは、6時過ぎとなりました。実に、10時間の神輿担ぎとなりましたが、充実した一日でした。子どもたちも子ども神輿担ぎに参加して楽しそうでした。

  神輿を担いた二日後の今日になって、少々肩が張ってきました。これも祭りに参加した醍醐味でしょうか。

 神役の中に、県庁の職員の方もおられました。様々な職業の方が、神輿を担ぐという一点で協力する。これも醍醐味でしょう。

 とにかく、祭りの主役になれるのは楽しいものです。このような地域の伝統行事は、今後とも守っていくべきだと思います。今度は、4年後。また親子で参加したいと思います。

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 子ども神輿のまわりは、笑顔に包まれます。

厚東川通信No240(2008年11月1日)

 旧楠町社会福祉協議会でずさんな会計処理が明らかに

簿外預金2180万円

山口県の調査で明らかになる

 旧楠町社会福祉協議会でずさんな会計処理が行われていたことが明らかになりました。旧楠町社会福祉協議会の会計処理で問題と思われる点は、以下の通りです。
 第一は、平成十五年度決算に係る貸借対照表で、重複計上が発覚したことです。借方の普通預金と運営積立特定預金に一九八五万一千円の重複計上があり、貸方に同額が未払金として計上されていました。
 第二は、簿外の預貯金の存在が判明したことです。山口銀行船木支店、山口宇部農業協同組合万倉支店におけるすべての旧楠町社会福祉協議会の取引口座に関する残高証明書を確認したところ、平成十五、十六年度の貸借対照表に計上されているもの以外に、合計六件の口座が存在してことが明らかになりました。
 県厚政課は、「不正流用の事実は確認できなかったが不適切な会計処理であったことは事実。」と述べています。
 楠地区自治会連合会は、二井知事に、「問題の責任と、明快な回答及びその説明、今後の取り組みについての回答を」求め申し入れ書を提出しました。

9月県会報告シリーズ②

雇用促進住宅の廃止問題


 藤本県議は、国、雇用能力開発機構が雇用促進住宅の売却・廃止を決定したため、県内では二八七〇戸のうち一八〇〇戸が二〇一〇年度末までの廃止対象となり、十分な説明もないまま、追い出される住民の不安は相当なものがあると指摘。国に廃止方針を白紙撤回するよう求めるとともに、県として支援を行うよう求めました。
 佐本商工労働部長は、廃止方針は閣議決定されており、白紙撤回を求める考えはないとのべ、円滑な転居や退去困難者への配置など、廃止が入居者の理解を求めながらすすめられるよう国に働きかけると答えました。また、機構から要請があれば住民説明会への参加や具体的な譲渡交渉があれば検討すると答えました。

信号機設置・改善実現へ

 

 この間、住民の要望を受けて藤本県議が求めていた信号機の設置や改善が実現する見通しとなりました。一つは、市道神原町・草江線と市道草江・五十目山線の交差点に信号機が設置されます。
 二つ目は、県道宇部・船木線と市道宇部駅・小野田線の交差点の信号機が時差式に変更されます。いずれも、年度内には工事が行われる見通しです。

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 信号機の設置を待つ恩田ふれあいセンター前
 

一気

藤沢周平原作の映画化、五作品目の「山桜」を観ました。「たそがれ清兵衛」「隠し剣鬼の爪」「蝉しぐれ」「武士の一分」もそれぞれ良かったですが、私は、「山桜」を藤沢原作映画化作品ナンバーワンの称号を与えてもいいと思いました。今月七日まで宇部市の映画館で上映されていますので、是非、皆さんもご覧下さい▼主人公の手塚弥一郎は、突然城中で、諏訪平右衛門を斬ります。諏訪は、財政が厳しい中、田園開発を強行し、農民の年貢を厳しくした張本人でした。その弥一郎に憧れる野江の人生も曲折を繰り返したものでした。 藤沢作品は、自分の生き方を励ましてくれます。「今の生き方でいいんだ。」と声高ではない清音で、励ましてくれます。藤沢作品は、ライフワークとして、少しずつ読んでいきたいと思います。今後の映像化も楽しみです。

宇部港東見初広域最終処分場の完工式が行われる

 本日、宇部港東見初広域最終処分場の完工式が行われました。この施設は、山口県で初めて完成した公共関与の産業廃棄物最終処分場です。この施設は、県や市町などが出資して設立した財団法人山口県環境保全事業団が設置者となり、宇部興産コンサルタント(株)が委託を受け管理するものです。

 私は、本日の完工式にもろ手をあげて賛成し参加した訳ではないとことを若干説明しておきたいと思います。

 2000年1月(社)経済団体連合会は、「循環型社会の課題と産業界の役割」という提言を発表しました。提言は、「国・地方公共団体は、処理・処分施設は社会として必要不可欠なインフラの一部として位置づけ、周辺住民をはじめとする利害関係者の調整に積極的に取り組む等の環境整備を行うことが当面の最重要課題である」とし、財界として、国、地方公共団体に、産業廃棄物処理に積極的にかかわるよう求めました。ですから、公共関与の産業廃棄物処理施設が単なる税金による産業廃棄物処理対策になったのでは本末転倒です。私は、公共関与の産業廃棄物処理施設の根本的問題点は、ここにあると思います。

 次に、それでは、産業廃棄物処理の原則は何かという問題です。私は、鳥取県の片山知事(当時)の議会答弁を引用したいと思います。鳥取県では、県が率先して公共関与の産業廃棄物処理施設を推進しようとしましたが、住民の強い反対運動で断念に追い込まれました。この時に、当時の片山知事は、議会でこのように発言しました。

 「産業廃棄物というのは、排出者が責任を持って処理する、というのが原則であります。したがって、それに対応する民間レベルでの産業廃棄物処分場が設置される、というのが基本だろうと思うのです。(中略)一般廃棄物の場合は、市町村がこれを処理するということになっていますから、市町村が組合をつくったりして自分で処理施設をつくるのですけれども、産廃行政はそうなっていないわけです。(中略)あくまでも、県は法令にのっとって適正がどうかのチェックをするという、これが基本であります。

 山口県は、「産業廃棄物処理は、排出者である企業の責任である」ことを基本にして産廃問題に対応すべきです。月刊廃棄物では、石渡さんという千葉県の職員の方がこのような寄稿をしています。

 「廃棄物を排出する企業ですが、処理能力がないのに生産してはいけないという観点から、自前の処理施設を確保していただいて、処理能力と製造能力をリンクさせた形で考えていただきたいと思う」

 全くその通りで、企業は製造するだけして、そこから生まれた廃棄物は、県や市町にお願いでは、産業廃棄物問題は解決しません。その大原則をしっかり守った企業への指導の強化が求められます。

 私は、更に、廃棄物を埋めた後の管理を心配しています。有害物の漏出防止のために処分場底面等に設置されているゴムシートやコンクリートが永久に劣化しないという保障はありません。埋め立てた後は、緑地公園やスポーツレクリエーション広場になる計画です。美祢市に建設が計画されている産業廃棄物処理施設に関して広島高裁は、住民が求めた操業禁止を求める仮処分申請を認める決定をしました。住民は、操業禁止を求めて提訴しました。

 宇部市の処分場では、住民の反対運動はありませんが、宇部市はゴルフ場を水がめ付近で推進しようとした市長をリコールした環境先進地です。一旦、最終処分場に対する住民の不安が生じれば、大きな問題になることは必至です。

 東見初最終処分場の完工にあたり、搬入される廃棄物の安全性のチェックを徹底することと、問題が生じた場合は、県民への情報公開を徹底することを監督する県に強く要望したいと思います。

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廃棄物を搬入する最終視点であるダンピングヤード