議員日誌

上田耕一郎さんが死去

 日本共産党の上田耕一郎元副委員長・元参議院議員が、本日、午前6時28分、慢性呼吸不全のために、都内の病院で死去されました。享年81歳でした。

 上田耕一郎さんは、山口県にも何度も演説会や赤旗まつりの弁士で来県していただきました。特に私が印象に残っているのは、私が、大学を卒業して、宇部協立病院に就職したばかりで、まだ市会議員になるなどとは思いもしなかった時、徳山で赤旗まつりが行われました。その時のメイン弁士が上田さん。20そこそこの私は、上田さんが宿泊するホテルで、上田さんの到着を待つ担当でした。上田さんがホテルに到着されれば、私の役割は終わるのですが、初めて近くで見る現職国会議員の上田さんに迫力を感じました。その頃、上田さんは、還暦前後で、脂の乗り切ったころだったのでしょう。

 上田さんの演説は面白かったです。徹底的に追及する一方で、どこかにユーモアがありました。これこそ、上田さんの持ち味だったと思います。新聞の切り抜きなどを持って片手を上げて、力強く国政革新を訴えてられた姿を私は忘れることが出来ません。私の議員生活を続ける上で、大変お世話になった国会議員のお一人だったことは間違いありません。

 私の本棚に、上田さんの平凡社新書「国会議員」があります。この中に、上田さんが行った最後の代表質問(98年2月20日)が掲載されてます。

 「国民の生存権を保障した憲法25条は、第2項で『国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない』と定めています。ところが、橋本内閣は、こともあろうに国民生活の現行水準のカットに乗り出しました。これらは社会福祉、社会保障及び公衆衛生の紛れもない後退、低下にほかならず、憲法25条違反です。」

 橋本内閣から政権を受け継いだ、小泉内閣が打ち出した構造改革は、毎年社会保障費を2200億円削減するものでした。あれから7年。削減された社会保障費は、総計で、1兆6200億円にも及びます。

 今、上田さんが国会議員として質問すれば、この状況を何と表現するでしょう。

 上田さんが死去した本日、麻生首相は、新たな経済対策を打ち出しました。その目玉は、新たな給付金の創設です。それより先に、新年度も社会保障費を2200億円削減することを中止することが先ではないでしょうか。麻生首相は、3年後の消費税値上げを打ち出しましたが、それより先に、軍事費5兆円、大企業・大資産家減税7兆円を見直すことが先ではないでしょうか。

 日本共産党は、今度の選挙で、削減された1兆6200億円を復活して社会保障を拡充しようと訴えています。

 麻生首相の記者会見の日に上田さんは亡くなられました。激動の時代を激しく生きた上田さんを象徴するようです。

 私たちは、憲法25条違反の状況をこの国からなくし、国民の命と暮らしを守るためにこれからも奮闘します。

 上田さん、あの豪快な笑顔で、私たちを見守っていて下さい。そして、総選挙での躍進を後押しして下さい。

 上田さんお世話になりました。ご冥福をお祈りいたします。

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  1. 上田耕一郎さんの逝去の知らせを聞き、時代の変化を感じるものです。東京で何度かお会いしました。同じ上田姓だったものですから、不破さんにも色々懇意にしていただき。81歳まだまだこれからも活躍いただきたかったですね。長寿の時代に60定年がおかしいのです。80定年でも良いのではと思われる時代。そのような時代の実現を目指して頑張りましょう。

    by 上田佳一 — 2008年11月2日 2:39 AM

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