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県知事選目前に、村岡氏代表の「政友会」が自民党県連に1100万円の寄附行う

 私は、1月15日、次のような照会を村岡つぐまさ事務所に行いました。
〇質問
 令和4年分の自由民主党下関支部の政治団体収支報告書の収入に、村岡嗣政事務所選挙事務機器使用料が13万8907円計上されているが、村岡嗣政知事が代表の「政友会」や「村岡つぐまさ後援会」に使用料を支出したことに対する具体的な明記がない。
①どのような経緯で、自民党下関支部へ村岡嗣政選挙事務所事務機器使用料を支出することになったのか。
②事務機器使用料は、「政友会」や「村岡つぐまさ後援会」でどのような支出として処理しているのか。
 この程、村岡つぐまさ後援会事務所から回答がありましたので以下紹介します。
〇回答
 当該経費は、令和4年2月6日に執行された山口県知事選挙における選挙事務所において支出されたものであり、「山口県知事選挙における選挙運動に関する収支報告書」の中で、報告されています。
 なお、個々の選挙費用に係る詳細については、お答えしかねます。
 私は、村岡嗣政候補の令和4年2月6日執行山口県知事選挙における収支報告書の要旨を見ました。
 私が指摘した事務機器は、文具費の39万7306に入っているものと思われます。
 収入を見てみます。
 村岡候補は、無所属でありながら、自民党から200万円、自民党山口県支部連合会から100万円の寄付を受けていることが分かります。
 その他は、政友会から1500万円、村岡つぐまさ事務所から72万4302円となっています。
 令和3年分の政友会の支出を見ると、令和3年12月14日に、村岡嗣政氏へ1100万円を、令和3年10月18日、と同年12月15日に、村岡つぐまさ後援会に合計400万円の寄付があり、この合計1500万円が、政友会から村岡嗣政候補への寄附になっているものと思われます。
 その他、令和3年12月14日に、政友会から自由民主党山口県支部連合会に1100万円の寄付が行われていることも判明しました。

 令和3年分の「政友会」の支出総額は、3000万円余ですので、支出の3分の1強を自民党県連に行っています。

 村岡嗣政氏が代表を務める政治団体「政友会」は、県知事選挙目前に、自民党県連に1100万円の寄付を行い、県知事選挙にあたっては、自民党と同県連から300万円の寄付を受けていたことが分かりました。
 村岡嗣政候補は、無所属でありながら、自民党と資金のやり取りが密接にあったことが明らかです。
 令和4年の県知事選挙の直前に、小松前副知事が自民党の林芳正氏の後援会の勧誘などを県幹部に行ったことで、公選法違反の罰金刑を受け、辞職し、村岡知事が、自民党との関係を見直すことを表明したにも関わらず、自らの選挙は、資金的に自民党との深い関係があったことは重大です。

下関市と長門市にまたがる(仮称)新白滝山風力発電事業に反対する要望書が長門市長に提出される

 2010年から下関市豊北町で、風力発電事業として、白滝山発電所(総出力/5万キロワット)が事業期間を終了しました。
 JR東日本エネルギー開発株式会社・株式会社きんでんは、白滝山発電所の長門市側に、(仮称)新白滝山風力発電事業を行うために、環境影響評価配慮書を県に提出し、昨年10月30日、知事意見が出されています。
 事業規模は、最大7万キロワットと、最大18基の風車を設置しようとするものです。運転開始は、2031年頃としています。
 2月2日、新白滝山風力発電事業を考える市民の会(廣岡綾子代表)は、江原長門市長に対して「(仮称)新白滝山風力発電事業についての要望書」を提出しました。
 要望書は以下の通りです。
・・・
 長門市長 江原達也様

(仮称)新白滝山風力発電事業についての要望書

 二期目の長門市政でのご活躍を期待いたします。
 現在稼働中の豊北町の白滝山ウインドファームに関連して、JR東日本エネルギー開発株式会社(以下JR東日本)が油谷町の天井ヶ岳に規模を拡大して新たな風力発電所建設計画をしています。(最大出力7万7400キロワット、4千300キロワット×18基 想定区域面積 約1456ヘクタール)
 巨大な陸上風力発電所計画は、白紙撤回になった天井山風力発電所計画に前後し、関西電力による一位ヶ岳~天井ヶ岳での計画に続き今回で3回目です。次々に起こる計画に驚くと共に、改めて地域の環境や生活への影響に懸念を持っています。
 現在の白滝山風力発電事業で粟野など近隣の地区では、すでに稼働後から川の漁業への被害が起きている実情もふまえ、以下要望いたします。

 長門市は(仮称)新白滝山風力発電事業を許可しないでください。

<要望理由>
①天井ヶ岳は水源地
 天井ヶ岳の尾根を開発することは、油谷町民の飲料水、農業用水に影響を及ぼします。水脈は一度切ってしまうと元にもどらず、油谷湾の水質にも関わります。

②風力発電機の巨大化
 稼働中の風車より巨大化され(出力約1.72倍 高さ約1・5倍)、更にくっきり威圧感を増して見えることになります。当然騒音や低周波問題もより大きく、広範囲に広がります。騒音に関しては天井山風力発電事業計画の件で岩藤睦子議員が議会で浜田市の風力発電で6キロ先に騒音がある例を出されたことからすると、浜田市のウインドファームより高さ約2倍、出力約2.5倍の本事業については大いに心配です。(向津具半島、日置、俵山への影響の可能性を危惧します。)
 騒音や低周波の問題が起きた場合、その地域から出て行く人はいても、新たに入ってくる人はいません。その土地を売却することも困難になり、過疎化、荒廃が進みます。
 威圧的な巨大風車を見ながら、騒音がする山に登ったり自然に親しむことができるかもはなはだ疑問です。
 風車の巨大化により、既存の風車の土台を転用する事はむづかしいと思われます。新たな土台を建設する為に油谷側だけでなく豊北側にさらに土地を開けば、土地の乾燥、保水力の低下は進みます。土砂災害、渇水、山から海への栄養分供給力の低下のリスクが高まります。
 更なる風車建設で粟野川の漁の復活は遠のくと考えられます。また尾根を通り道とし、山で暮らしていた動物が今以上に人間の生活圏に降りて来ることが当然考えられます。また絶滅危惧種ツキノワグマやチュウゴクブチサンショウウオ、クマタカ等の動物、白滝山から角島を渡りのルートとしている鳥類への影響が心配されます。

③事業者の問題
 2023年10月11日、粟野自治会館で事業者JR東日本の職員は、「現在の風力発電で困っている。元に戻してほしい。」と意見する粟野地区の人々に「環境調査だけはさせてください。」と発言しました。環境調査は風車建設に必要な手順であり、すでに困っている人たちに、「さらい大きな風車を立てさせてほしい。」ということは、地元の人の生活はどうでもよいと考えていることを示しています。
 JR東日本は、現在進めている山形県の栗子山風力発電計画で国の天然記念物イヌワシの営巣地調査でデーターを改ざんしていることが発覚しています。事業者側から意見をもとめられている岩手県立大学由井正敏名誉教授は再調査を要求。その調査のさなか、再調査の事実を県に報告せず準備書を提出し、環境庁や山形県がイヌワシの営巣地の調査に乗り出す事態になったと地元さくらんぼテレビが報じています。
 「日本イヌワシ研究会」「日本野鳥の会」などからは計画の見直しや中断を求められています。(2023年10月11日、10月21日、12月8日放送)
 このような事業者に環境調査をさせてよいものでしょうか?そもそも第三者の調査ではないやり方には意味がありません。白滝山ウインドファームでも残土に石灰を混ぜ、谷を埋めていたことが最近になり判明しました。
 また後々何か困る事が起きた時、誠意ある対応が得られるとは思えません。岩国市や山口市のメガソーラーでは事業者と連絡が取れない、話し合いができないなどの事態が起きており、地元が泣き寝入り状態となっていることは他人事ではありません。

 ④大規模開発への対応
 宮城県は昨年、再エネ発電所による森林の大規模開発に対するため、県独自で「再生エネルギー地域共生促進条例」で事業者に課税するシステムを制定しました。
 地域の自然や市民の生活を守る為には、はっきり拒否する事やまた宮城県のような自衛の対策が必要ではないでしょうか。

 ⑤市財政への影響
 昨今は気候変動による災害が多発しており、その上巨大風力発電事業を許可して自らの環境破壊に手をかせば、その対応にさらに市の財政を費やすことになります。市民生活の困難さが増すこと、地域の荒廃が進むことを懸念します。

   2024年 2月2日

 新白滝山風力発電事業計画を考える市民の会
  代表 廣岡綾子

・・・

 この要望書を参考にして、(仮称)新白滝山風力発電事業についてしっかり学び、必要な発言を行っていきたいと思います。

 風力発電事業に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

パートナーシップ制度人口8割超地域で導入される 県制度は全国最先端のものにすべき

 しんぶん赤旗日刊紙は、1月1日時点で性的マイノリティー関係を自治体が公証する「パートナーシップ制度」が人口の8割超の地域に広がったと次のように報じました。
 「性的マイノリティーのパートナー関係を自治体が公証する『パートナーシップ制度』が1日時点で人口の8割超の地域に広がったと、公益社団法人『結婚と自由をすべての人に』が公式X(旧ツイッター)で明らかにしました。同日、新たに開始したのは和歌山県や新潟県上越市、愛知県江南市、鹿児島県出水市。20都道府県19政令市をはじめ2県が域内すべての市町村で導入し、合計391自治体となりました。人口の合計は1億127万人を超え、総人口の80・7%に達したとしています。パートナーシップ制度の広がりを受けて、同法人は、『自治体はできることをやっている。性別に関係なく結婚を認めることは国にしかできないこと。一日も早く、婚姻の平等(同性婚法制化)を実現してほしい』と訴えています。導入自治体の一覧は『結婚の自由をすべての人に 日本のパートナーシップ制度』のサイトで見ることができます。
 私は、性的マイノリティーの当事者の方から、村岡知事が、パートナーシップ宣誓制度導入に向けて検討を表明したことを受け、どのような制度がいいのか意見をお聞きし、次の意見が帰ってきました。
 ①同居要件はなし
 ②災害時の復興住宅に入居できるようにする
 ③パートナーシップ制度+ファミリーシップ制度とする
 ④県職員の福利厚生制度の改正 
 ⑤研修の推進
 今月中にも、調整会議が開かれ、パートナーシップ制度の内容の検討が行われるものと思われます。
 全国最先端のパートナーシップ宣誓制度となるように、皆さんのご意見をお聞かせください。

県教委が、今年度中に「教員の働き方改革加速化プラン」改訂・公表する考え示す

  2021年7月に、山口県教育委員会は、「山口県学校における働き方改革加速化プラン(改訂版)」(以下、改訂版)を発表しました。
 私は、県教委に改訂版の達成状況について照会し、この程、回答が示されましたので報告します。
 2018年3月の当初の加速化プランの目標は、「2017年度からの3年間で、教員の時間外業務時間を30%削減する」というものでした。
 2020年度の平均時間外業務時間と2017年度比での削減率は次の通りです。
 小学校37.6時間、7.9% 中学校45.9時間、19.0% 県立学校29.8時間、31.5%
 2023年4月~8月の平均時間外業務時間と2017年度比での削減率は次の通りです。
 小学校36.5時間、10.4% 中学校44.9時間、20.1% 県立学校34.2時間、21.6%
 2023年度(4月~8月)を見ると、小学校と中学校の平均時間外業務時間は、微減していますが、達成率30%には到達していません。
 県立高校の平均時間外業務時間は、2020年度は目標の30%を超えていたのに、2023年度(4月~8月)の数字は、2020年度より平均時間外業務時間が増え、削減率が2割台に減少しました。
 改訂版では、「時間外在校等時間の上限方針の遵守(月45時間、年360時間を超える教員の割合を
%に近づける」としました。
 2020年度の時間外在校等時間が月45時間超、年360時間超を超える人数の割合をみます。
 小学校、月45時間超34.5%、年360時間超66.6%
 中学校、月45時間超46.4%、年360時間超77.3%
 県立学校、月45時間超22.1%、年360時間超40.2%
 2023年度(4月~8月)を見てみます。
 小学校、月45時間超35.3%、年360時間超64.5%
 中学校、月45時間超45.7%、年360時間超75.7%
 県立学校、月45時間超27.4%、年360時間超45.3%
 2020年度の数値より2023年度の数値が増えているものが以下の通りです。
 小学校の月45時間超の割合、県立学校の月45時間超の割合、県立学校の年360時間超の割合。
 2023年度の数字を見ても、年360時間超で働いている人が、小学校、中学校半数以上いることは「割合を0%に近づける」目標からの乖離は甚大です。
 昨年10月に県教委は2023年度から2027年度の「山口県教育振興基本計画」を発表しました。
 推進指標の一つが、「教員の1か月当たりの時間外在校等時間の平均」です。
 現状値は、2022年度のもので、小学校38.4時間、中学校47.0時間、県立学校33.0時間。
 これを2027年度に、30時間にするというものです。
 2020年の教員の1か月当たりの時間外在校等時間の平均の数値より、2022年度の数値が、小学校、中学校、県立学校ともに増えている状況にあるものを、2027年度までに30時間に下げる目標を達成するのは、至難の業です。
 私は、これら数値を見て、正規職員を抜本的に増やす努力を強めていくことの重要性を痛感しました。
 現行の「学校の働き方改革加速化プラン(改訂版)」は今年度末が期限です。
 私の「新しい改訂版を公表する時期と内容」を問う照会に次のように答えました。
 「プランの改訂については、『山口県教育振興基本計画』に新たなに示した推進指標の目標達成に向け、時間外在校時間等時間や取組の状況、国の施策等の視点を踏まえ、取組の柱や具体的な取組等の整理・検討を行っているところであり、今年度中に公表を考えている。」
 私は、プランの改訂にあたっては、小中学校で、年360時間超の職員が過半数以上という状況を直視、この状況を改善する実効ある計画づくりを県教委に強く求めたいと思います。
 同時に、計画を達成できる正規職員を抜本的に増やすことを県教委に強く求めたいと思います。
 更に、奈良県教委では、メンタルヘルス対策の窓口である推進室を設置したことを学びました。山口県でもプラン改訂と併せて、奈良県同様の窓口設置を強く求めたいと思います。
 教員の働き方改革に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

長生炭鉱水没事故82周年犠牲者追悼集会行われる

 3日、宇部市内で、「長生炭鉱水没事故82周年犠牲者追悼集会」が宇部市内で行われました。
 私は、主催者の「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」の運営委員の一人として追悼式の運営にあたりました。


 韓国遺族会の皆さんが、犠牲者追悼碑の前で手を合わせておられます。

 追悼式の様子を4日、中国新聞は次のように報じました。
 「戦時中に宇部市の長生炭鉱で発生した水没事故から82年となった3日、同市床波の長生炭鉱追悼ひろばで追悼集会があった。同市の市民団体『長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会』の主催で、韓国から訪れた遺族5人のほか市民や国会議員たち約130人が参列。いまだに海底に残されたままの犠牲者183人を悼んだ。1942年2月3日、長生炭鉱の陸上部の坑口から約1キロの坑道で浸水が発生。作業員を残したまま坑口は閉められた。犠牲者の7割強の136人が朝鮮人だった。坑口は現在も閉じたままで、国による遺骨発掘の調査は一度も行われていない。追悼集会では黙とう後、同会の井上洋子共同代表(73)が『坑口を目指して必死に走った犠牲者に対し、まずは坑口を開けることが道義的責任。今年中に開ける決意です』とあいさつ。韓国遺族会の楊玄会長(76)は『年に1度、私はここで涙を流す。一日も早く犠牲者の遺骨を母国に返してほしい』と日本政府に求めた。日韓の中高生13人も参列し『あたたかいかぞくのもとへ』と書いたメッセージカードを掲げた。中高生が全犠牲者の名前を読み上げる中、参列者は追悼ひろばにある碑に花をささげた。遺族たちは追悼ひろば近くの浜辺も訪れ、『ピーヤ』と呼ばれる坑道の排気・排水筒跡に向けて海に献花した。31年ぶりに韓国・仁川から参列した林正一さん(82)は、生後1か月で当時21歳の父朴猛文さんを失った。高齢のため今回が最後の参列とし『父を失い、当時22歳の母と口では言えないほどの貧しい生活を送った。悲しくて、魂だけでも父に会いたい』と唇をかんだ。」
 私も刻む会の運営委員の一人として、遺族に一日も早く遺骨が返還されるよう運動を継続させていきたいと思います。
 長生炭鉱の問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

帚木蓬生著「紫式部物語 香子 1」を読む

 私は、今、帚木蓬生さんの「紫式部物語 香子 1」を読んでいます。
 2日の毎日新聞は、帚木蓬生さんが、1月に福岡県内で行った本作に関する講演が記事としてまとめられています。
 本書の特徴について次のように報じています。
 「本書は紫式部が主人公。式部の幼少期から書き起こし、式部の生涯と『源氏物語』の創作過程を描く。作中作として『源氏~』を登場させ、自身の手による現代語訳を掲載。『紫式部の人生も、源氏物語も分かる一粒で二度おいしい』作品だ。これまでもさまざまな作家が『源氏~』の現代語訳に取り組んできたが、紫式部がいかにこの物語を描いたかは『誰も小説にしていない』ことから着想したという。」   

 私が、今、読んだところは、一度目の結婚相手が病死した所で、まだ、「源氏~」の執筆に至っていな場面です。これから、「源氏~」と式部の人生を重ねて楽しむことができることが楽しみでなりません。
 帚木蓬生さんは、「源氏~」について次のように語ったと報じています。
 「帚木は『源氏~』について『紫式部はこの物語で女性を描きたかったのだ』と語る。式部は学者の家系に生まれ、幼い頃から漢籍を始め、さまざまな書物を読んで育った。しかし、それまでの物語はほとんどが男性の手による男の物語だった。式部は女性の物語、その個々の姿、『あはれさ』を書きたかったのだと言う。江戸時代の国学者、本居宣長は『源氏~』は『もののあはれ』を描いたと指摘したが、その下にあるのは、物語の各所に出てくる『心細さ』『心うし(憂し)』であり、『式部は、心細く、心に憂いを抱えながら生きている女性たちの姿を書きたかったのだと思う』と語る。当時の女性たちはさまざまな制約の中で、どこか満たされない思いをいだいていたはずだとし、主人公の光源氏は『黒衣みたいなもので、(主役は)女性』と指摘。」
 「源氏~」について、光源氏は「黒衣みたいなもの」で主役は女性との解釈を聞くのは私自身初めてです。
 改めて、本書を読む視線が定まったように感じました。
 1000年前の女性作家が、当時の女性たちの生き様を描き出した物語が「源氏~」なのですね。その作品を描いた式部も1000年前の息苦しさや制限を受けた女性だったのだという視点も本作では読み取ることができます。
 私が、今、読んでいる部分でも、庶民も貴族も多くの命が病気などで簡単に奪われる中での生活だったことが分かります。藤原家でも多くの男子が亡くなる中での道長だったことも分かりました。
 また、式部が最初に結婚した相手も遠方に赴任した際に亡くなってしまいました。式部に病弱な姉がいたことも分かりました。
 1000年前の人々の暮らしは、今では考えられないような死と隣合わせのものだったことが分かります。
 だからこそ貴族が、加持祈祷に熱心だったことも分かりました。
 1000年前の庶民の暮らしぶりが見事に描かれた中で、式部と「源氏~」の世界が現代の私たちに鮮明に浮かびあがってくる本作に大いに期待しています。
 大河ドラマ「光る君へ」を視聴しながら、本作を読み進めていきたいと思います。