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かえる通信No89(2022年9月1日)

「黒い雨」職員増の広島県・広島市に交付金が交付される

 日本共産党山口県委員会が8月24日に行った政府要望に対して、今日は、厚生労働省に関する内容について報告します。


 日本共産党山口県委員会の政府要望 前列が、岩国市議団、後列が県議団(後列左が私)

  厚生労働省関係では、新型コロナ感染からいのちを守る施策について要望しました。
 一つは「医療機関、高齢者・障害者・子どもの福祉施設・事業所、学校等においては、頻回検査を実施できるよう必要な予算を確保すること」を要望しました。
 県内では、8月だけで、新型コロナ陽性の方の中から100人超お亡くなりになる方が出ています。
 背景の一つは、医療機関や高齢者施設で次々にクラスターが発生していることです。
 この状況を改善するために、医療機関や高齢者施設などで、従業者等に対する検査体制を強化することが重要です。
 私たちの要望に対し、厚生労働省の担当者は、「7月15日に、都道府県などに『高齢者施設等の従業者等に対する検査の実施について』とする事務連絡を行っている。この中で、オミクロン株の感染拡大に対応した高齢者施設等の従業員等に対する検査の『集中的実施計画』の見直しを求めた。計画を変更する場合は、厚労省に7月25日までに報告するよう求めている。」と答えました。
 山口県が高齢者施設等の従業者等の検査を実施する『集中的実施計画』をどのように見直したのか、確認したいと思います。
 二つ目は、「保健所の正規・常勤の人員増、施設・設備の拡充が可能となるように必要な財政支援を行うこと」を要望しました。
 県内の療養者数が常時2万人を超える状況が長期間続いています。県内では、療養者の9割以上が自宅療養であり、その一人一人に対応するために、司令塔である保健所体制の抜本的強化が求められます。
 厚生労働省の担当者は、「昨年度と今年度で、全国で保健師を900人増員する予算措置を行った。」と答えました。
 私は、「その事には感謝するが、今、療養者数の急増に耐えきれない保健所の体制強化が必要だ。今、人材を各保健所に配置する緊急の措置が必要だ。」と訴えました。
 厚生労働省の担当者は、「保健所がひっ迫している状況は理解している。何ができるか検討したい。」と答えました。
 三つ目は、「子ども、若年層の感染者が増加していることを踏まえ、同居する家族等への感染を防ぐため、積極的に宿泊療養施設への受け入れを行うとともに、受け入れ可能な居室を増やすための支援を講じること。」です。
 県内では、陽性患者の家族に、基礎疾患がある者や高齢者がいなければ、原則、自宅療養となっています。
 自宅療養者の家族に感染が拡大するという悪循環が広がっています。
 私は、家族が陽性患者になった経験を伝え、「自宅療養で隔離することは難しい。若年者であっても、希望すれば、宿泊療養できるようにすべき。若年層感染者を宿泊療養にし、感染拡大を防止する観点から、宿泊施設を増やすことを厚労省から都道府県に通知してほしい。」と訴えました。
 厚労省の担当者は「宿泊療養施設の確保については、交付金を措置している。若年層に向けて宿泊療養施設を増やすことを都道府県に通知できないか検討したい。」と答えました。
 厚生労働省関係では、原爆被爆者の救済についても要望しました。
 要望内容は「いわゆる『黒い雨』による放射能被害にあわれた方々の認定手続きについては、円滑かつ早急に進めるよう都道府県への支援を強めること。」です。
 いわゆる「黒い雨」による被爆者健康手帳の申請及び交付状況は、中国新聞の報道によると次の通りです。
 広島県では8月4日現在で833人の申請があり314人に交付されているのに対し、山口県では、7月末現在で、申請20人、8月上旬までに、交付3人となっています。
 厚生労働省の担当者は、「広島県と広島市から、認定手続きの事務を行うための増員が必要との要請を受け、交付金を自治体に交付した。」と答えました。
 県内では、昨年11月に申請した方が、今年6月に「書類に不備があるので書き直してほしい」との連絡が入り、8月上旬にようやく手帳が交付された事案がありました。
 私は、「山口県が、認定手続きのための増員を国に要請すれば、交付金を交付していただけるのか。」と質しました。
 厚生労働省の担当者は「山口県から増員の要望があれば、予算を確保したい」と答えました。
 その他の省庁に関する要望と懇談の内容は後日報告します。

オスプレイの岩国基地配備は許されない

 8月25日、日本共産党山口県委員会は、防衛省など8省庁に政府要望を届け懇談を行いました。
 政府要望には、にひ参議院議員、大平元衆議院議員、私と木佐木県議、岩国市議団が参加しました。
 岩国基地問題に関する防衛省への要望項目の一つは、「沖合移設事業はあくまでも、従前の基地機能の移設が前提であり、同事業によって基地機能強化が行われていることはあってはならない事態である。政府の認識を明らかにされたい。」です。
 2005年9月県議会の私の質問に、当時の総務部理事は、沖合移設後の基地港湾施設について(国の見解を確認したところ)「従来とおり燃料及び補給物資等の積み下ろしを行うためのもので、大型艦船停泊のために建設したものではない」(との説明を受けた)と回答しました。
 岩国基地には、「遠征洋上基地」と言われる巨大艦船ミゲルキースがこれまでに4回寄港するなど、大型艦船が次々停泊しています。
 私は、「沖合移設後、岩国基地港湾施設には、明確に大型艦船が次々に停泊しており、国が県に説明した内容から乖離している。」と指摘しました。
 防衛省の担当者は「従来とおり燃料及び補給物資等の積み下ろしが目的の入港だと認識している」と答え、大型艦船の入港についてもあくまで、燃料及び補給物資等の積み下ろしを目的とした入港であるとの説明を行いました。
 私は、「沖合移設後の岩国基地の港湾施設について、国は、県に対し、大型艦船停泊のために建設したものではないと説明している。大型艦船が次々入港している実態が、当初の説明から乖離している」と指摘しました。
 空母艦載機の機種変更に関し、防衛省への要望項目の第二は、「米側の資料によると近日中に輸送船C2がオスプレイに機種変更すると記されている。明らかな機能強化であり、容認しないこと。」です。
 2016年秋、米海軍は「海軍航空展望2016ー2025」で、原子力空母艦載機部隊の一部である連絡機C2グレイハウンドに代えて、垂直離着陸機「CMV22オスプレイ」を25年までに交替を完了する計画だと明らかにしました。
 米空軍は、今月、CV22オスプレイの全機地上待機を命じました。
 私は、「政府は、深刻な欠陥があることを受けて、地上待機が命じられている空軍機CV22オスプレイと同機種の米海軍CMV22オスプレイの岩国基地配備を中止するよう米側に求めるべきだ」と質しました。
 防衛省の担当者は、「オスプレイが岩国基地に移転されるという報道があったことは承知している。しかし現時点で、具合的な情報は米側から示されていない。米側から具体的な情報は入り次第、地元には伝えたい。」と答えました。
 私は、「25年までにオスプレイが岩国基地に配備されるのなら、時間はない。政府は、米側に情報提供を求めると同時に、配備するなとの意思を示すべきだ」と指摘しました。

 防衛省以外の政府要望と懇談の内容は、明日以降報告します。

山口県障害者差別解消のための条例素案に対し、当事者団体が要望書を提出

  8月25日、障害者当事者を中心に構成され、当事者からの自立支援、権利擁護活動を行い、障害のある人もない人も共にエンパワメントし合いながら生きることができるインクルーシブルな社会の実現に向けて活動している団体である「ILサポート merry merry」(松井恵子代表)は、村岡知事に対し、「『障害の有無にかかわらず共に暮らしやすい山口県づくり条例(仮称)』(素案)についての要望書」を提出しました。
 要望書は、松井代表から県健康福祉部の担当者に渡されました。また、要望書提出には、私と宮本県議が同席しました。


 県が示した障害者差別解消のための条例素案に対する要望書を提出する松井代表(左)右二人目が私

 日本は2014年に国連の障害者権利条約を批准し、障害者差別解消法が改正されました。山口県は、これらを受けて、県独自の条例素案を策定し、パブリックコメントを経て、9月県議会に条例案を提出しようとしています。
 要望書は、まず前文について「障害者権利条約にあるように、障害のある人は守られるべき『保護の対象』ではなく、『権利の主体者』であることを前提とし、障害者が生活を行う上での様々なバリアは、障害そのものに原因があるのではなく、社会の仕組みや社会環境(=社会的障壁)に問題があるとされている『障害の社会モデル』の考えを基底に前文として明記してください。」としています。
 第一章総則のうち「基本理念」に関し、「共生社会の実現について」要望書は、「差別は障害がない人が標準として設計された今ある社会の『ふつう』で『当たり前』という考えの中から、誤解や偏見として生じるものであり、多様性を受け入れていない社会構造に問題があるため、社会全体のあり方を変えていかなければならない旨記載すべきと考えます。そのためには、障害のある人との積極的な対話を通じた理解促進、社会的障壁の除去に取り組むことを含め、障害者権利条約が求めている幼児期から同じ場で共に学び合い育ち合う『インクルーシブ教育』を推進し、明確にした上で、共生社会の実現に向けた取り組みをしていく必要があると思います。」としています。
 第二章の『障害を理由とする差別の禁止」について、要望書は、条例素案が「県及び事業者は、その事務又は事業を行うに当たり、やむを得す、障害のある人に対して、障害を理由として、障害のない人と異なる不利益な取扱いをする場合には、当該、障害のある人にその理由を説明し、理解を得るよう努める』としていることに対し「これは、差別の取扱いの禁止とされながらも、不当な差別的扱いをしても良い、とうことになるので削除してください。」としています。
 第三章「障害を理由とする差別を解消するための体制」について、要望書は「県は市町で対応困難な事案についてのみ対応すると記載され、また第2節では、障害当事者やその家族その他の関係者は、市町に相談しても解決が見込めない時に知事にあっせんを求めることができると書かれています。つまり、当事者や家族、関係者が直接県に相談できる仕組みになっていないのではないかと思われます。相談体制について、内閣府の障害者政策委員会の議事資料では、『国、都道府県にも市町村にもワンストップの相談窓口を期待』と明記されています。差別にあった時、必要に応じて国、県、市町のどのレベルにも相談ができて、且つそれぞれのレベルでワンストップ相談窓口が設置されていることが望ましいと考えます。そのことを念頭におき、調査、あっせん、勧告をしていくと同時に、『山口県障害者差別解消調整委員会(仮称)』を拡充したものにしていただきたいです。」としています。
 要望書は最後に「障害者権利条約のスローガンである『わたしたちのことを私たち抜きで決めないで(Nothing About us without us)』にも表されている通り、障害者に関する施策や条例等を決めていく際、障害者当事者を始め、その家族、関係者等との積極的な対話から施行してください。」としています。
 要望書を受け取った健康福祉部の担当者は「パブリックコメントを終了し、条例案を9月県議会に提出する予定である。パブリックコメントに対する県の見解について条例制定に合わせて公開する予定である。本日の要望書は、パブリックコメントを補足するものとして受け止める。要望内容を条例を所管している課に伝える。」と答えました。
 県が策定する障害者の差別を解消するための条例が、国連の障害者権利条約の内容が盛り込まれ、差別解消のために実効あるものになるよう、障害者当事者を中心とした団体の皆さんから更に学び、9月県議会において、大いに発言していきたいと思います。
 障害者の差別を解消するための条例素案に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

平野啓一郎著「ある男」を読みました。

 NHKのドラマになった平野啓一郎さんの「空白を満たしなさい」で、平野愛に目覚め、「ある男」を読了しました。
 平野啓一郎著「ある男」は、「マチネの終わりに」に次いで映画化され、11月18日から公開されます。
 「ある男」文庫版の裏表紙からあらすじを紹介します。
 「弁護士の城戸はかつての依頼者・里枝から奇妙な相談を受ける。彼女は離婚を経験後、子どもを連れ故郷に戻り『大祐』と再婚。幸せな家庭を築いていたが、ある日突然夫が事故で命を落とす。悲しみに暮れるなか、『大祐』が全くの別人だという衝撃の事実が・・・。愛にとって過去とは何か?人間存在の根源に触れる読売文学賞受賞作。」
 大祐とはいったい誰だったのかを城戸探偵が謎を解き明かすミステリー小説のような面白さがありつつ、引用した文庫裏表紙にあるような「人間存在の根源に触れ」る深い内容を持った作品で、とても読み応えがありました。
 また、様々な社会問題に対し、作家である平野さんがどのような考えをもっておられるのかも伺える内容でもあります。
 主人公の城戸が、死刑囚が描いた絵画展に足を運ぶシーンで、城戸が、死刑についてこのように心の中で語ります。
 「国家は、この一人の国民の人生の不幸に対して、不作為だった。にも拘わらず、国会が、その法秩序からの逸脱を理由に、彼を死刑によって排除し、宛らに、現実があるべき姿をしているかのように取り澄ます態度を、城戸は間違っていると思っていた。立法と行政の失敗を、司法が、逸脱者の存在自体をなかったことにすることで帳消しにする、ということは、欺瞞以外の何ものでもなかった。もしそれが罷り通るなら、国家が堕落すればするほど、荒廃した国民は、ますます死刑によって排除されなければならないという悪循環に陥ってしまう。」
 この文章には、平野さんの死刑に対する考え方が明確に書かれてあるものだと思いました。
 死刑について「立法と行政の失敗を、司法が、逸脱者の存在自体をなかったことにすることで帳消しにする」ことだという平野さんの指摘に、深く共感しました。
 主人公の城戸は、在日3世という設定です。城戸は、関東大震災で、朝鮮人が殺害される事件が横行したことについて次のように回想しています。
 「彼は、関東大震災の記録を幾つか目にしていたが、立件された朝鮮人殺害事件だけでも53件あり、当時の司法省によれば、その被害死者数は233人とされていた。実際にはー異説も多いが、ー恐らくその数の数倍だろうと推定されている。更に、中国人も殺されていた。しかも、その殺し方がまた、どうして?吐き気を催すほどに惨たらしかった。彼は、それだけの数の惨殺死体を想像し、存在を奪われた彼らのその冷たさが、直接皮膚に触れるような悪寒を感じた。確かに、それは自分の同胞だろうという気がした。(中略)出生以後、肉体のかたちと体積を通じて、特に誰の許可を必要とするわけでもなく空間的に独占していた自分という領域を、なくものにしようとするようなあの圧迫感。在日として、彼はその被害者意識に、自分が今、ほとんど同一化しつつあるものを意識した。」
 死刑と関東大震災の朝鮮人殺害事件とは当然、同一に考えることはできないけれど、平野さんは通底しているものがあることを言いたかったと私は感じました。
 通底しているものは、大きな力が小さな者の命を奪う残酷さだと私は感じました。
 その一方で、平野さんは、大きな力が小さな者の命を奪う残酷さの対局として、小さな者の命をひたすら守ろうとするする存在として「大祐」を描こうとしたのではないかと感じました。
 「大祐」という存在を失った妻・里枝へ息子の悠人がお父さんがなぜ自分に優しかったのか語るこんな言葉があります。
 「自分が父親にしてほしかったことを僕にしてきたんだと思う。」
 「人は愛によって変わることができる」ことを平野さんはこの小説で書きたかったのではないかと感じました。
 とにもかくにも、11月、この原作が映画化されることを楽しみにしています。
 そして、私は、今、平野啓一郎さんの最新の長編作品「本心」を読み始めています。この作品も映像化は確実だと思います。この作品の映像化を想い描きながら、「本心」を読み進めたいと思います。
 平野啓一郎ファンの皆さん、推しの作品をお教え下さい。

県内の遺族に遺骨が32件返還される

 8月19日、「辺野古に土砂を送らせない!」山口のこえ(大谷正穂代表)は、県健康福祉部長寿社会課と遺骨収集問題で懇談を行いました。私と中島・宮本県議が同席しました。
 2016年度に成立した「戦没者遺骨収集推進法」に基づき、ご遺族に、ご遺骨を返還する事業が行われています。
 特に、厚生労働省は、2024年度までを遺骨収集・返還の集中実施期間として、ご遺族に、DNA鑑定を無料で行っていることなどの新聞広告を全国の新聞に掲載しています。
 山口県関係では、全国紙のほか、中国新聞、山口新聞、宇部日報に「戦没者遺骨をご遺族のもとへ」とする厚生労働省の広告がこの夏、掲載されました。
 19日の懇談の中で、県長寿社会課は、県庁1階のエントランスホールに厚生労働省の遺骨収集の取組内容を紹介する展示を行ったことを明らかにしました。
 また、県長寿社会課は、「アジア太平洋各地の戦場等でお亡くなりになった方々のご遺骨のうち、遺品などが近くにあり、人物が推定されたものが59件ある。そのうち、DNA判定を行った結果、ご遺族が特定され、ご遺骨が返還されたケースが32件あった。」ことを明らかにしました。
 参加者からは、県の取組を評価する意見が出され、「厚労省が設定した遺骨を遺族に戻す集中期間中に、一人でも多くの遺骨が遺族に返還されるよう、県としての広報活動を強化してほしい。」との意見が出されました。
 私は、「県長寿社会課のホームページの内、『旧軍人軍属・戦没者遺族等の援護』のサイトを見ると、特別弔慰金などに関する広報は行われているが、遺骨収集に関する広報はされていない。県庁のエントランスホールに掲示した内容など遺骨収集に関する広報を課のホームページで広報すべきではないか。」と指摘しました。
 県長寿社会課の担当者は、「遺骨収集について、ホームページに掲載できないかどうか検討したい。」と答えました。
 遺骨収集に関する厚生労働省の問い合わせ先は、03-3595-2219です。
 県としての担当は、県長寿社会課援護班 083-933-2800です。
 アジア・太平洋戦争で亡くなられたご遺族の皆さん、ご遺骨の収集に対するご意見をお聞かせください。