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県知事が、中間貯蔵施設に対する調査段階での補助金は申請しないと記者会見で答える

 昨日、NHK山口放送局は、中間貯蔵施設に対する知事の姿勢について次のように報じました。
 「建設に向けた調査が進められている上関町の中間貯蔵施設をめぐって周辺自治体から不安の声が相次いでいることについて、山口県の村岡知事は、『不安が先立つのは当然だ』とした上で、今後、建設に同意するか判断する際には周辺自治体の理解も重要な要素になるという認識を示した。中間貯蔵施設をめぐっては、岩国市の福田市長が『率直に賛成とは言えない』と述べたほか、田布施町や平生町の町長からも懸念を示す発言が相次いでいます。これについて山口県の村岡知事は13日の定例会見で、『原発の関連する施設が近隣に立地するとなったときに不安が先に立つのは当然だ。中国電力が進めたいのならよほど丁寧な説明を周辺地域にもしてもらわないといけない』と述べました。その上で、現時点で知事としては賛成も反対もしないとした上で、今後、建設に同意するか判断する際には安全性に加えて、周辺自治体の理解も重要な要素の一つになるという認識を示しました。また、調査が始まった年度から交付される国の交付金について県は申請せず、受け取らない考えを示しました。さらに、中国電力側がどのような施設をつくるのかまだ詳細が固まっていないとして、現時点で中国電力側に説明を求める考えはないと述べました。」

 13日、中国新聞は、上関周辺首長の中間貯蔵施設に対する態度について次のように報じました。

 福田岩国市長(8月21日記者会見)

 「近隣市町の住民の安心安全が担保されておらず、率直に賛成とは言えない」

 井原柳井市長(9月6日市議会一般質問)

 「(上関町に)周辺への事前の配慮もあってよかったのでは。国、中電の一方的な説明ではなく、質疑を出し尽くし、安全の限界を見極めたい」

 井川光市長(12日市議会一般質問)

 「市民の声に耳を傾け、市民の安全安心の確保を念頭に置きながら、注意深く経過を見守っていく」

 国井下松市長(12日市議会一般質問)

 「国、事業者から説明を受けていない。市民の安全安心が確保されるか注視していきたい」

 藤井周南市長(12日市議会一般質問)

 「国や県、周辺自治体の動向を注視する。市民の不安が払拭できるよう適切に対応する」

 藤本周防大島町長(1日町議会行政報告)

 「町民の安全安心の確保に努める責務があり、動向を注視し適切に対応する」

 東田布施町長(7日町議会一般質問)

 「情報がない。周辺のイメージ低下は避けられず、現時点でメリットはないと考える。地域振興を基に話が進み、順番が逆」

 浅本平生町長(8日町議会一般質問)

 「周辺の住民に寄り添った丁寧な対応を国、県、中電に求める。将来にわたってまちづくりに大きな影響があると危惧する」

 周辺自治体首長の使用済み核燃料の中間貯蔵施設に対する不安や懸念は当然です。

 知事が、計画段階の補助金を申請しないという姿勢も当然です。

 上関町だけで、中間貯蔵施設の県内設置に向けての調査開始を判断してはならないと思います。

 今日は、上関原発に反対する団体の皆さんと一緒に、知事に中間貯蔵施設に対する同意をしないよう求める要請行動に同行します。

 山口県内に中間貯蔵施設ができないようにしっかり9月県議会で発言する予定です。

 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

「県が中間貯蔵施設の調査に係る交付金の申請の手続きに向けて調整中」との報道について

 昨日の中国新聞は、上関中間貯蔵施設調査に関する山口県の姿勢について次のように報じました。
 「中国電力が山口県上関町に建設を検討する使用済み核燃料の中間貯蔵施設を巡り、県が、中電の立地可能性調査に伴う地元への国の交付金の申請に向けて調整を進めていることが11日、分かった。県は、中電からの調査の申し入れについて8月に同町が容認した直後は交付金の申請の検討をしていなかった。中間貯蔵施設に関する国の交付金の制度では、『原電立地等初期対策交付金相当部分』として立地可能性調査の開始年度から地元市町村と都道府県から地元市町村と都道府県に最大年計1億4千万円が出る。知事が設置に同意した場合、翌年度から2年間は最大年計9億8千万円に増額される。県産業政策課電力対策班は中電が既に文献調査を開始していることを踏まえた上で『中電が調査に入ったという事実を受け、交付金の申請の手続きに向けて調整中』と説明。一方で設置の同意については区別して考えるとしている。上関町の西哲夫町長が調査を容認した8月18日、村岡嗣政知事は報道陣に対し、県が交付金を受け取る可能性について『今のところはない』と述べていた。村岡知事は町の調査容認の判断を尊重する一方で、建設について現時点で賛否を示していない。」
 西上関町長は、8月18日、中国電力に、使用済み核燃料の中間貯蔵施設に係る調査を受け入れる回答を行った際に、「使用済燃料中間貯蔵施設の設置についは、具体的な計画をご提示いただいた後に判断するものであり、現時点では、町としてその是非の判断を行っていないことを申し添えます。」と述べました。
 上関町は、調査・検討を受け入れたのであり、設置の是非の判断は行っていないということです。
 原発に反対する上関町民の会、上関原発を建てさせない祝島島民の会、上関の自然を守る会、原発いらん!山口ネットワーク、原水爆禁止山口県民会議の5団体が、中国電力と関西電力に対し「上関町『中間貯槽施設』建設中止を求める署名」を開始しました。
 署名にはこう書かれてあります。
 「中国電力が建設検討を表明した中間貯蔵施設は、使用済み核燃料を『一時的に』保管する施設であり、その場しのぎの対策です。これは、国が進める核燃料サイクル政策において、最も重要な六ケ所再処理工場が着工から30年経った現在も完成していないため、増え続ける使用済み核燃料の新たな貯蔵施設が必要となったからに過ぎないからです。こうした状況にあるにも関わらす、国は、原発の再稼働を進め、次世代に『負の遺産』となる使用済み核燃料を、将来にわたって作り続けようとしています。今、必要な政策は中間貯蔵施設の建設ではありません。直ちに原発を停止し、これ以上使用済み核燃料を作り出さない政策が必要です。未来の社会を生きる子どもたちが、これからも安全で安心に、ごく普通に暮らすことができる社会を残すことが、今の私たちの責務です。」
 中間貯蔵施設に係る調査が開始されることを受けて、県が、交付金の申請の手続きに向けて調整を行うということは、施設の是非を認めたわけではないと弁明するでしょう。
 しかし、県は、国が進める核燃料サイクル政策の破綻をどう評価しているのでしょうか。
 現時点での中間貯蔵施設は最終処分場になる可能性が十分考えられます。
 交付金の申請は、調査を容認したことになります。中間貯蔵施設の建設へ向けての手続きに県は協力したことを意味すると思います。
 福井県が、27年前から拒否している使用済み核燃料の中間貯蔵施設の建設へ向けての手続きに県はなぜ、協力しなければならないのか、県民に十分に説明をすべきです。
 県は、交付金の申請手続きを行う理由を明らかにするときです。
 中間貯蔵施設に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

中国四国各県の高校再編方針を調査 島根・鳥取は再編しない 他の県は中山間地域などで独自方針を持つ

 私は、昨日までに、中国四国各県の高校再編方針を調査しました。

 各県の高校再編方針の抜粋は以下の通りです。

・・・

中国四国の高校再編方針について(藤本調べ)

◇広島県
 「今後の県立高等学校の在り方に係る基本計画」2014年2月26日
 「具体の学校の規模については、1学年6学級を標準とし、今後の生徒数の推移や通学時間の現状などの地域ごとに状況が異なることを考慮し、中山間地域については、1学年2~6学級の範囲内を基本とし、中山間地域以外の地域については、1学年4~8学級の範囲内を基本とします。」
 「1学年1学級規模の全日制高校については、各学校が学校関係者、所在する市町及び市町教育委員会等で構成する『学校活性化地域協議会(仮称)』(以下、『協議会』という。)を設置し、その協議会において、教育活動や部活動等において他校に見られない取組の強化等による活性化策を検討します。その検討結果を踏まえ、各学校において、3年間、市町と連携しながら活性化策を実施し、全生徒数が毎年度、収容定員の2/3(80人)以上になることを目指します。以上の協議会の設置及び活性化策の検討・実施に係る3年間が経過した後、全校生徒数が2年連続して収容定員の2/3(80人)未満となった学校については、協議会の意見を聴いた上で、地理的条件を考慮し、次の①から③までのいずれかとします。
① 近隣の県立高等学校のキャンパス校
② 特定の中学校と緊密な連携による一体的な学校運営を行う『中高学園構想(仮称)』への移行
③ 統廃合(市町立学校として存続を含む
ただし、教育活動及び部活動において、充実した活動を行うために、地域の人々が指導者として協力したり、地域の施設・設備が活用できるなど、地域の支援体制が整っており、これらの支援を受けながら、全国トップレベルの特筆すべき実績をあげ、将来も同様の成果が見込まれる学校については別途検討します。

◇岡山県
 「県立高等学校における再編整備基準の適用方針」2022年12月16日
1、再編整備基準
① 第1学年の生徒数が100人を下回る状況が、2023年度以降2年続いた場合には、再編整備の対象とする
② 第1学年の生徒数が80人を下回る状況が、2023年度以降2年続いた場合には、翌年度の生徒募集を停止する。
2、地域の状況への配慮に関する基本的な考え方
・周辺部の県立高等学校の更なる再編整備は、地元中学生に対し、通学や進路選択の面で影響を与えるとともに、地元自治体の移住政策等へ影響を及ぼしかねないことから、地方創生の観点からも、地域の状況には、より慎重な配慮が必要である。
・高校進学における最低限の教育機会を保障することが必要である。
3、基準の適用における配慮事項
 県教育委員会は、再編整備基準を定めて、魅力化・活性化に取り組んできたが、今後の更なる再編整備が及ぼす影響の大きさに鑑み、県教育委員会の責任として、同一市町に県立高等学校が1校になっている場合は、現在の実施計画の期間中に(2028年度まで)は、当該校への再編整備基準の適用を保留することとする。

◇鳥取県
 2019年度から2025年度までの県立高等学校の在り方
 「平成31年度以降の生徒数の減少への対応については、分校化や再編等ではなく『原則として学級減で対応する』とともに、『特色ある取組を推進する学校の存続に最大限努力する』こととしています。現時点で、分校化や再編等を行う計画はありません。」
 
◇島根県
 「県立高校魅力化ビジョン」2019年2月
〇全ての高校において、地域と協働しながら「目指す学校像」、「育てたい生徒像」、特色ある教育課程及び「求める生徒像」等の明確化を図る。
〇教職員、生徒・保護者、市町村、小・中学校、大学、社会教育機関、地元企業、地域住民、関係団体等の多様な主体が参画し、魅力ある高校づくりに取り組む協働体制(以下「高校魅力化コンソーシアム」という。)を、全ての高校において構築する。

◇愛媛県
 再編整備基準
 「地域への配慮」
  次の①または②に該当する県立高校等について、市町や地域から学校の存続のために必要と思われる支援が得られる県立高校等を、1市町につき1校に限り、特別の統廃合基準を適用する「魅力化推進校」に認定できる。
① 同一市町内にある県立高校等が1校で。その1校が適正規模を下回る。
② 同一市町内にある県立高校等が複数で、そのうち1校以上が適正規模を下回り、その県立高校等が、次のいずれかに該当する。
・島しょ部にある県立高校等
・教育委員会が特別に認める県立高校等

◇香川県
 「魅力あふれる県立高校推進ビジョン」2020年3月
 県立高校・学科・コースの配置や整備についての基本的な考え方
〇県立高校において育成すべき、グローバル社会への対応や郷土への理解、イノベーションを創出するために必要な資質・能力は、多様な価値観を持つ集団で共に学ぶことにより育まれることから、高校には一定の規模が必要である。
〇本計画においては、県立高校で学ぶ高校生が主役であり彼らの学びに必要な高校とはどのようなものかということを主眼とし、地方創生の観点も踏まえた上で、今後の県立高校の在り方を考えるものとする。
〇高校の再編整備はマイナス面が強調されることが多いが、計画的に進めることで教育の充実につながる。例えば、いくつかの高校の同じ学科を統合した場合、規模の拡大に伴い可能な教育活動の幅が広がるとともに、新しい学びを取り入れるチャンスとなる。
 
◇徳島県
 「新時代における徳島県公立高等学校の在り方検討会議報告書」2022年2月
 「公立高等学校の共同的な学びの確保に向けた方策」についての提言
 ・将来的な生徒数の減少、とりわけ地域ごとの生徒数の減少状況を見据えて、再編統合による高等学校の特色化・魅力化を図る視点も必要である。また、適正配置、再編統合の方針等を検討する際には、地域振興の核としての高等学校の役割や地元地域等に与える影響を考慮し、様々な意見を聞いて進める必要がある。

◇高知県
 県立高等学校再編侵攻計画
 学校設置の基準
◇適正規模
・適正規模としては、「1学年4~8学級」が必要です。
・一定の生徒数が見込まれる高知市及びその周辺地域は、より活力あふれる学校づくりができる「1学年6学級以上」の学校規模の維持に努めます。
◇過疎化が著しく、近隣に他の高等学校がない学校
・地域の学びの機会を保障するために、最低規模を「1学年1学級(20人以上)以上」として維持します。
◇学び直しの機能を持った学校
・不登校や中途退学を経験した生徒、発達障害のある生徒等を受け入れる体制を整えた学校の最低規模を「1学年1学級(20人以上)以上」として維持します。
◇分校の最低規模
・「1学年1学級(20人以上)」とし、この規模を下回った際に、募集停止の猶予期間は「入学者数が20人に満たない状況が3年間で2度ある場合」を「2年連続して満たない状況になった場合」に緩和し、2015年度から新たに適用します。

・・・

 以上から次のことが分かりました。

 ①島根県・鳥取県は、現時点で、分校化や再編等を行う計画を持っていない。

 中山間地域の多い、島根県・鳥取県では、小規模の高校が多い特徴があると思います。

 これ以上の再編等は保留し、各学校の特色や魅力を高めることを模索しています。

 島根県は、地域で組織をつくり、ボトムアップで、高校を軸とした地域づくりを模索しています。

 ②他の中国四国各県では、中山間地域などに独自の基準を設けて対応しています。

 広島県は、1学年1学級規模の学校の存立を①キャンパス校、②中高学園構想(仮称)などで認める策を示しています。

 岡山県は、周辺部の県立学校の更なる再編整備は、地元自治体の移住政策等への影響を及ぼしかねないとの認識を示し、再編統合基準の適用を留保する措置を取る学校を認めています。

 愛媛県は、同一市町内にある県立高校が1校の場合や島しょ部にある学校の統廃合に対する独自基準を設けています。

 香川県は、地方創生の観点も踏まえた上で、今後の県立高校の在り方を考えることに言及しています。

 徳島県は、地域振興の核としての高等学校の役割や地元地域等に与える影響を考慮することに言及しています。

 高知県は、過疎化が著しく、近隣に他の高等学校がない学校などについて独自の基準を示しています。

 ③山口県は、1学級当たりの生徒数を原則40人とし、1学年4~8学級を望ましい学校規模とする基準しか示していません。

 山口県は表記の基準で、2031年度まで高校再編を推し進めようとしています。

 現在の前期計画に続いて、後期計画もこの基準を高校再編を推し進めたら中山間地域の高校は皆無となり、市町に一つも高校がない学校が広がります。

 山口県は、県立高校が地域創生の核との他の中国四国各県の高校再編方針を学び直し、現在の4学級以上という基準を急いで再検討し、今報じられている、周南・柳井地域の5校を2校にする計画を再検討すべきです。

 更に、奈古分校は、阿武町になくてはならない高校として存続させるべきです。

 山口県が、3学級以下の高校は認めない方針で次々と再編を進めています。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

中教審が「小規模校のメリットを最大化する」と表現 県教委の「望ましい学校規模」見直し必要

 7日、子どもと教育をまもる山口県民会議(熊野譲代表)と山口県高等学校教職員組合(石田高士委員長)と山口県教職員組合(林淳生委員長)は、繁吉教育長に「県立高校再編前期計画(2022年度~2026年度計画)」による柳井・周南地域における再編・統廃合についての要請」を行いました。

 要請文は以下の通りです。

・・・

2023年9月7日

山口県教育委員会
 教育長 繁吉 健志様

子どもと教育をまもる山口県民会議
 代表   熊野 譲

山口県高等学校教員組合     
 執行委員長 石田高士
山口県教職員組合        
 執行委員長 林 淳生

 「県立高校再編計画前期実施計画(2022年度~2026年度計画)」による柳井・周南地域における再編・統廃合についての要請

 子どもたちの成長と発達を保障する行政、教育行政の推進に敬意を表します。
 さて、山口県教委が、柳井・周南地域の5つの高校を2校に再編する方向で調整を進めており、早ければ9月県議会に再整備案を提出する見込みであるとの報道がなされています。「県立高校再編整備計画前期実施計画(2022年度~2026年度)」には、「柳井地域・周南地域については、引き続き再編整備の検討を進め」とありますが、あまりにも拙速すぎ、教職員だけでなく、生徒、保護者、地域住民、自治体に戸惑いと不安が広がっています。そもそも県教委が掲げる「1学年4~8学級を望ましい学校規模」とする「選択幅の広い教育の推進」が、子どもたちにとって本当に選択幅が広い教育の推進になるのか、どの子どもにも教育権が十分に保障されるのか、小規模校を切り捨ててよいのかなど、「県立高校再編整備計画」に対してはさまざまな意見があります。中教審で現在検討が進められている「高等学校教育の在り方ワーキンググループ中間まとめ(案)」では、「公立高校の適正規模・適正配置については、多様な人間関係の中で得られる学びなどを踏まえれば、一定の規模を確保することの意義は大きいとされてきたが、(中略)学校の存続は地域の存続にも関わる重要な課題となり得るものである。地域と密着した小規模校ならではの多様な人間関係の構築の在り方も考えられる」と指摘し、小規模校の意義について改めてスポットを当てています。
 県立高校とはいえ、地域と住民の共有財産です。また文科省も、「公立高等学校の設置については、設置者である地方公共団体が適切に判断いただくものですが、生徒や保護者のニーズ、進学動向、生徒の通学事情、地域の実情等に十分配慮しつつ判断いただくことが望ましいと考えています。このため、各設置者においては適宜、各高等学校が所在する地元の市町村をはじめとする地域社会の関係機関との丁寧な意見交換等も行いながら、各地域における生徒の学びを第一に考え、特色・魅力ある高等学校の整備に取り組んでいただきたい」と示しているように、高校再編整備・募集停止については、生徒や保護者、教職員だけでなく、地域にとっても重要な事柄であり、関係者や保護者・地元の民主的な話し合いによる合意を重視し、決定されるべき事柄だと考えます。
 つきましては、下記の事項について要請するものです。

1.柳井・周南地域における県立高校「再編整備計画」はあまりにも拙速であり、9月県議会での公表はおこなわないでください。

2.柳井・周南地域における県立高校「再編整備計画」の具体化については、検討の段階から対象となる学校の会計者や生徒、保護者、地域住民、自治体等の参加によるオープンかつ十分な時間を保障した話合いの場をもってください。また、当事者の合意をもとにすすめてください。当該校の教職員との民主的な討論を十分保障してください。

3、これまでの県立高校再編整備について総括・検証し、県民に明らかにしてください。

4、「県立高校再編整備計画前期実施計画(2022年度~2026年度)」が掲げている「1学年4~8学級を望ましい学校規模」として高校再編整備を進めるのではなく、地域の存続、教育を受ける権利の保障等の視点から、小規模の意義を見直し、適正配置の議論をすすめてください。

以上

・・・
 8月31日に、中央教育審議会初等中等教育分科会が発表した「高等学校の在り方ワーキンググループ中間まとめ」に、「少子化が加速する地域における高等教育の在り方:小規模校の教育条件の改善に向けて」があります。
 この中に、上記の要請文でも一部引用されている内容を見ていきたいと思います。
 「公立高等学校の適正規模・適正配置については、多様な人間関係の中で得られる学びなどを踏まえれば、一定の規模を確保することの意義は大きいとされてきたが、一方で、少子化が加速する中、生徒の通学可能な範囲を私立の高等学校の設置状況も踏まえて考慮し、適正配置を考えていくことも必要である。また、高等学校は地方創生の核となる存在であり、少子化が加速する地域においては、学校の存続は地域の存続にも関わる重要な課題ともなりうるものでもある。さらに、地域人材との交流や、小中学校や他の高等学校等との連携による、地域と密着した小規模校ならではの多様な人間関係の構築の在り方も考えられる。こうした観点から、都道府県が適正規模・適正配置に関する議論を行う中で、一定の小規模校について地域に残す必要がある場合に、小規模校のメリットを最大化するとともに、過大を最大限解消し、教育条件の改善につながる方策を国としても考えていく必要がある。」
 2022年3月に県教委が発表した「第3期 2022年度~2031年度)県立高校将来構想」では、「望ましい学校規模」を「1学級当たりの生徒数を原則40人として、1学年4~8学級を望ましい学校規模とします」としています。
 この大方針の元、これまで3学級以下の高校や分校などが次々に統廃合されてきました。
 上記で引用した中間とりまとめに「都道府県が適正規模・適正配置に関する議論を行う中で、一定の小規模校について地域に残す必要がある場合に、小規模校のメリットを最大化する」との指摘があります。この点について山口県としても検討すべきです。
 また、「高等学校は地方創生の核となりうる存在であり、少子化が加速する地域においては、学校の存続は地域の存続にも関わる重大な課題ともなりうるものである」との「中間まとめ」の指摘についても県教委は重く受け止めるべきだと思います。
 私は、県教委の「望ましい学校規模=生徒数を原則40人、1学年4~8学級」との方針を中教審の中間まとめの指摘を受けて小規模校のメリットを認めた内容に抜本的に見直すべきだと考えます。
 県内で、高校の統廃合が止まりません。
 このままでは、多くの中山間地域で高校がなくなります。
 高校再編に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

子どもの医療費助成制度  県制度を拡充させる時

  9日、しんぶん赤旗日刊紙は、子どもの医療費助成のペナルティーに対する厚労省の方針について次にように報じました。
 「厚生労働省は7日、小学生から18歳未満への医療費助成を独自に行う自治体への『ペナルティー(罰則)」と強いてきた国民健康保険への国庫負担金の減額措置を廃止する方針を社会保障審議会の部会に示し、大筋了承されました。自治体の努力を妨害する国を追及してきた長年の住民運動や日本共産党の議会論戦などに押されたもので今後、省令を改正します。ただ、助成制度の拡充につながると問題視し、医療費抑制策を強化します。子どもの医療費助成は各自治体で年々拡充され、18歳未満までは人口で約9割が助成対象になっています(2022年度厚労省調査)。しかし、厚労省は助成制度が医療費増を無くとして罰則措置を実施。18年度から未就学児への助成に限って罰則を廃止していました。この日の部会で厚労省は、国の少子化対策として18歳未満までの助成への罰則措置を窓口での一部負担金や所得制限の有無を問わず廃止すると提起。廃止の時期については今後、調整するとしました。一方で、窓口無料化や助成対象年齢の拡大につながり、受診患者が増えるなどの『課題』が生じると警戒。子どもの医療を『適正化』する取り組みや医療費抑制の達成を自治体にけしかけるための財政優遇を導入する案を示しました。この医療費抑制策に対し、全国市長会の委員は子育て支援を進めるには『あまり過度なものにしないように』と懸念を表明。地域差を生まないように『全国一律の助成制度の創設を国の責任と財源で早期に実施を』(全国知事会)を求める意見も出ました。」
 厚生労働省は、9月7日に行った第167回社会保障審議会医療保険部会に提出した「こどもによってより良い医療の在り方等」という資料で、「こども医療費助成に係る国民健康保険の減額調整措置の廃止」を明記しました。
 今年6月13日に閣議決定した「こども未来戦略方針」で「こども医療費について、国民健康保険の国庫負担の減額調整措置を廃止する」ことが示されました。
 社会保障審議会の部会で「市町村の助成内容(自己負担や所得制限の有無等)を問わず、18歳未満までの子どもの医療費助成に係る減額調整措置を廃止する」ことが示されました。
 山口県保険医協会会報(6月25日)に、子どもの医療費助成制度が3市3町で今年度から拡充したことが報じられれいます。
 下関市は、入院の場合、対象年齢を中学3年から高校3年に拡大させました。また、一部負担金を無くしました。いずれも実施は今年10月からです。
 周南市は、所得制限を今年10月からなくします。
 山陽小野田市も今年8月から所得制限をなくしました。
 上関町は、今年8月より、通院・入院とも対象年齢を中学3年から高校3年までに拡大しました。
 田布施町は、今年4月より、通院・入院とも対象年齢を中学3年から高校3年までに拡大しました。
 平生町も、今年4月より、通院・入院とも対象年齢を中学3年から高校3年までに拡大しました。
 防府市は、来年度中に、通院・入院とも対象年齢を小学6年から高校3年までに拡大することを池田市長が明らかにしました。
 これによって、対象年齢が小学6年となっているのは、下松市の通院のみで、全ての県内市町で対象年齢が中学3年以上となります。
 一部負担金があるのが、萩市と下松市のみ、所得制限があるのは、萩市、光市、長門市のみとなりました。
 市町がこれだけ制度を拡充させているのに、県制度は、対象年齢が就学前までで一部負担金と所得制限もあります。
 8月1日時点の山口県の推計人口が、前月比2082人減の129万8572人になったことが報じられていました。
 昨年5月1日時点の県内の児童生徒数は、小学生が6万1935人(前年度比1891人減)、中学生が3万3333人(同149人減)、高校生が2万9697人(同551人減)となり、1947年の調査開始以降、過去最低となったことが報じられていました。
 急激な人口減少、子どもの数の減少を食い止める鍵は、若者の給与を引き上げることと、子育ての財政負担を軽減することです。
 急激な人口減少と少子化を食い止めるために、県は、子どもの医療費無料化の制度を拡充させる時です。
 子どもの医療費へのペナルティーを国がなくそうとしている今、県の制度を拡充させる好機です。
 この点を県議として、今後の議会で大いに発言していきたいと思います。
 子どもの医療費助成制度に関する皆さんのご意見をお聞かせください。

「生物多様性やまぐち戦略」 来年6月に最終案・公表との改定スケジュールが県環境審で示される

 9月4日、2023年度第1回山口県環境審議会が行われました。審議会には、山口県環境基本計画の改定について知事から諮問を受けての議案が提出されました。
 知事からの諮問内容は、「令和5年3月に国が生物多様性国家戦略を改定したことから、『生物多様性やまぐち戦略』についても内容を見直し、改定することとしたので、貴会の意見を問うものである」というものです。
 審議会に事務局から「山口県環境基本計画(生物多様性やまぐち戦略部分)の改定について」との資料が提出されました。
 資料には改訂スケジュールが示されました。
 スケジュールは以下の通りです。
 今年度9月に環境審議会・自然環境保全審議会(骨子案)
 同じく9月に県議会環境福祉委員会報告(骨子案)
 同じく10月~来年1月に市町、関係団体等への意見聴取
 来年2月に環境審議会・自然環境保全審議会(素案)
 同じく2月に県議会環境福祉委員会報告(素案)
 同じく3月~4月にパブリック・コメント
 同じく6月に環境審議会(最終案)
 同じく6月に県議会環境福祉委員会報告(最終案)、公表
 5日、県は、報道発表で、12日に、山口県自然環境保全審議会の開催を明らかにしました。
 12日の審議会で、生物多様性やまぐち戦略の骨子案が示されるものと思われます。
 私は、2月県議会と6月県議会で、生物多様性やまぐち戦略を改定すべきとの一般質問を行ってきました。6月県議会で藤田環境生活部長は、生物多様性やまぐち戦略の改訂について「現在、検討をすすめている」と答えましたが、具体的なスケジュールは明らかにしませんでした。
 4日に行われた環境審議会で、生物多様性やまぐち戦略の改定に向けたスケジュールが示されたことは、この問題を一貫して取り上げてきた議員の一人として評価したいと思います。
 12日の県自然環境保全審議会に示される骨子案を注視し、県内で、30BY30目標(2030年までに陸と海の30%以上を保護・保全)を積極的に設定されることなど、意欲的な戦略になるよう、引き続き、必要な発言を行っていきたいと思います。
 来年6月の最終案確定・公表に向け、生物多様性やまぐち戦略の改定スケジュールが明らかになりました。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。