毎日新聞は、12日、村岡知事が、11日に党本部で開かれた党所属の県選出国会議員との会合に参加したと次のように報じました。
「任期満了に伴う知事選(2022年1月20日告示、2月6日投開票)へ3選出馬の意向を固めている村岡嗣政知事(48)は11日、自民党本部で開かれた党所属の県選出国会議員との会合で、立候補の意向を伝えた。既に党県連に推薦願を提出しており、会合で国会議員の承認を得たという。県連は近く党本部に正式に村岡知事の推薦を上申する予定だ。会合は、11日早朝、岸信夫県連会長(防衛相)や安倍晋三元首相、林芳正外相ら県選出国会議員が集まる中、非公開であった。同席した友田有県連幹事長によると、村岡知事から推薦願が提出されたことについて国会議員が拍手で承認したといい『(村岡知事には)党と連携しながら山口県のためにまい進してほしい』と話した。県連は近く選挙対策委員会などを開き、党本部に村岡知事の推薦を求めることを正式に決めるという。会合後、村岡知事は、国の22年度の予算編成や政策決定に対する要望のため各省庁を回った。訪問先の防衛省で取材に応じ、会合について『私の思いを述べさせていただいた。考えを整理し、環境を整えてきちんとした形で表明したい』と話した。30日開会予定の県議会11月定例会で正式表明する見通しだ。」
これらの報道を視聴した県民から「村岡知事が、党本部で開かれた会合に参加した際、県職員が同行していなかったか。」との問い合わせがありました。私が、県総務部秘書課に確認したところ、県職員は、予算要望等には、同行したが、党本部での会合については、「同行していない。」と答えました。
14日、NHK山口放送局は、岸防衛大臣が防府市の航空自衛隊基地を視察し、「第二宇宙作戦隊」を新設する意向を表明したと次のように報じました。
「宇宙領域での防衛能力強化に向けて、岸防衛大臣は、専門で対応にあたる『第2宇宙作戦隊』を、来年度、防府市の航空自衛隊防府北基地に新設する方針を明らかにしました。岸防衛大臣は14日、防府市の航空自衛隊防府北基地を視察しました。岸大臣は隊員への訓示で、宇宙領域の専門部隊『第2宇宙作戦隊』を、来年度、防府北基地に新設する方針を明らかにし、『宇宙空間の安定的な利用の確保が極めて重要で、しっかり準備を進めてほしい』と指示しました。『宇宙作戦隊』は日本の人工衛星を、他国からの攻撃や妨害、それに宇宙ごみから守るための部隊で、防府北基地は東京の航空自衛隊府中基地に次いで2カ所目になります。防衛省によりますと、おそよ20人体制で発足し、山陽小野田市に整備を進めているレーダーなどを活用しながら監視にあたる予定だということです。視察のあと、岸大臣は記者団に対し、『宇宙・サーバー・電磁波といった新たな領域と陸海空という従来の領域の組み合わせが死活的に重要だ。わが国の防衛を全うするため、積極的に宇宙領域における能力強化に取り組んでいく』と述べました。」
日本共産党中央委員会理論政治誌「前衛5月号」に党政策委員会の山根隆志さんの「増大する日米軍事同盟の危険性(上)は自衛隊に宇宙作戦隊が発足したことに対し次のように書いています。
「1969年に衆院本会議において全会一致で採択された『我が国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議』は『宇宙に打ち上げられる物体及び利用は、平和の目的に限り(中略)行うものとする』と明記されていた。いわゆる憲法9条にもとづく『宇宙の平和利用』である。ところが、2008年の『宇宙基本法』で『我が国の安全保障に資する宇宙開発利用を促進する』ことが加えられたことを契機に、内閣府や防衛省、自衛隊による宇宙の軍事利用に道が開かれた。『宇宙の平和利用』の国会決議をないがしろにするものにほかならない。さらに、2015年の新日米ガイドラインで、初めて『宇宙システムの抗たん性を確保し、宇宙監視状況に係る協力を強化する』ことが明記され、自衛隊と米軍の間で宇宙協力ワーキンググループもつくられた。こうした憲法9条を踏みにじる宇宙の軍事利用と日米協力をさらに加速させるために、新『防衛大綱』で宇宙領域での新たな軍拡と日米連携を打ち出したのである。」
憲法9条を踏みにじる宇宙の軍事利用と日米協力をさらに加速させる「第2宇宙作戦隊」が航空自衛隊防府北基地に新設されることは重大です。山陽小野田市に設置されようとしている宇宙監視レーダーとバックアップする形で「第2宇宙作戦隊」が機能することは重大です。
山口県には、東アジア最大の米軍岩国基地があります。萩市沖にイージスアショア搭載艦を配備する動きもあります。その上、山陽小野田市の宇宙監視レーダーとバックアップする宇宙作戦隊が県内に設置されようとしています。
まさに、山口県が「増大する日米同盟の危険性」が集中する地域になろうとしています。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
しんぶん赤旗日曜版(2021年11月14日号)に、作家である深沢潮さんのインタビューが掲載されていました。
「父は在日韓国人1世、母は在日2世です。2012年に在日コリアンの婚活を描いた『金江のおばさん』でデビューして以来、在日の葛藤やアイデンティティーを掘り下げる作品を発表してきました。」
インタビューの中で紹介してあった最新作の「翡翠色の海へうたう」は書店に注文し、棚にあった「海を抱いて月に眠る」を一気に読みました。
文庫本の背表紙を引用します。
「離婚して働きながら一人娘を育てる梨愛。横暴で厳格だった在日一世の父は、親戚にも家族にも疎まれながら死んだ。しかし、通夜では見知らぬ人たちが父を悼み、涙を流していた。父はいったい何者だったのか。遺品の中から出てきた古びたノートには想像を絶する半生が記されていた。新しい在日文学の傑作!」
私は、「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」の役員を務めています。
1943年に海底炭鉱で起きた水没事故で、183名の労働者が亡くなり、136人は朝鮮人労働者でした。
私たちは、毎年、事故が起きた時期に、韓国から遺族を招き、追悼集会を開催してきました。
その中で、韓国で暮らす方、在日一世や二世の方々、朝鮮半島に関する運動団体の方々と交流してきました。
また、韓国が独裁政権だった時代を描いた映画を観てきました。
小説を読みながら、今まで出会った朝鮮半島に関する方々の顔が浮かんできて、とてもリアルにこの本を読みました。
この本は、朝鮮半島をめぐる戦後の歴史と、在日の方々が日本で歩んできた歴史を知る最良の入門書だと痛感しました。
日本による朝鮮半島の統治。解放後の朝鮮半島の政治の混乱。朝鮮戦争。韓国の独裁政権誕生。日本での在日の方々への政治の希薄さ。
日本と朝鮮半島の政治の混乱の中で、在日一世の方の人生は、筆舌に尽くしがたいものだったことをこの小説でリアルに感じることができました。
先のしんぶん赤旗にある深沢さんの経歴から見ても、この小説は、フィクションですが、深沢さんの家族の歴史が根底にあるから、リアルな小説になったのだと思います。
深沢さんは、しんぶん赤旗のインタビューで述べています。
「それまで生きづらかったのが、小説を書くようになって楽になりました。普段の生活では背負うものがたくさんあるので、小説を書いている時は、すごく解放されて自由な感じです。もともと自己肯定感の低い人間だったんですが、書いたものを読んでくれる人がいることが励みになっています。いま、こうして小説を書かせてもらえていることへの、感謝の気持ちでいっぱいです。」
読者の私こそ、深沢さんの小説に出会えて感謝の気持ちでいっぱいです。
最新作「翡翠色の海へうたう」の到着を待ちながら、今、昨年刊行された「乳房のくにで」を読んでいます。
総選挙後、11月県議会前のひととき、深沢潮さんの世界に浸っています。
深沢潮ファンの皆さん、お勧めの作品をお教え下さい。
12日、小鯖の自然を守る会の会議が開かれ、私は、9月議会の報告を行いました。
私が行った報告の要旨は以下の通りです。
・・・
私は、9月15日、一般質問で、下小鯖のメガソーラーについて質問を行いました。
8月13日の豪雨で、開発地内の法面が崩壊し、開発地周辺から濁水が流出しました。私は、地元住民は砂防堰堤の新設を求めていると質しました。
松岡農林部長は、「要望のあった砂防堰堤については、当該地区における近年の災害の発生状況や下流の人家戸数等を踏まえると、現時点では、整備することは困難と考える」と答えました。
私は、設置された監視装置や緊急告知装置は周辺住民が広く活用できるようにすべきと質しました。
松岡農林部長は、「監視装置等の活用については、事業者と地元自治会が締結した協定等に基づき、双方協議の上で、検討されるべきもの」と答えました。
下小鯖メガソーラーの開発に当たり業者は林地開発許可を県から受けています。県が業者に許可した要件に「30㎝ごとの盛り土の締め固め」があります。これが行われたのに、表土が崩壊したのですから、今後は、土砂が崩壊しないように私は、「新たな許可が必要だ。そのために事業者から林地開発許可の変更申請を求めるべきだ」と質しました。
松岡農林部長は、「この程の盛土法面の表土流出については、記録的な豪雨により、緑化等が未完了の箇所において発生したものと考えている。現在、県では事業者に対して、セメントを利用した被災法面の強化など、施工方法の見直しを指示しているところである。この見直しに伴う許可条件の変更は必要ないことから、事業者に林地開発許可の変更申請を求めることはない」と答えました。
下小鯖のメガソーラー開発地周辺に土砂災害警戒区域や土石流危険渓流があります。土砂災害警戒区域や土石流危険渓流周辺にメガソーラーの建設を規制するガイドラインや条例を制定すべきと質しました。
三浦商工労働部理事は、「太陽光発電等の発電施設は、国が電気事業法に基づき規制しているものである。建設を規制するルールの制定についても、まずは国において検討されるべき」と答えました。
・・・
小鯖の自然を守る会、7区橋本川水利組合、小鯖7区寺内4班は、山口県に、9月8日に「下小鯖太陽光発電所建設の防災工事拡充に伴う第4次要請事項のとりまとめ」を提出しました。
県は、10月8日に回答しました。
県は、次の要請項目は、「事業者と地元自治会が締結した協定等に基づき、双方協議の上で、検討されるべきもの」と答えました。
①防水壁と共同墓地の護岸工事の改善について
②緊急通報装置の改善について
③監視装置の改善について
④緊急告知放送の指揮命令系統の統一化について
⑤生活用水の安全性について
⑥農業用水路の共同清掃作業の荷重負担について
10月27日に現地説明会が行われました。
この際に、事業者は、上記の6点について、11月末日までに自治会等に回答すること、併せて、回答書の説明を開催することを承諾しました。
12日の会議の中で、事業者による11月中の回答と説明会の開催が履行されるよう県に働きかけてほしいとの要望が参加者から出されました。
私は、会議終了後、県森林整備課に対し、「自治会等への回答と説明会の開催の履行を事業者に伝えてほしい」と要望し、県は「事業者に伝える」と答えました。
引き続き、住民の皆さんの声を関係機関に届けて行きたいと思います。
メガソーラーに関わる問題について皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
10月27日、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動うべ実行委員会(総がかり行動うべ)は、宇部市長に対し、「宇部市政施行100周年記念自衛隊祝賀飛行に対する要望と質問」を行いました。
総がかり行動うべが、宇部市長に行った「要望と質問」は以下の通りです。
・・・
2021 年 10 ⽉ 27 ⽇
宇部市⻑ 篠﨑圭⼆ 様
宇部市制施⾏ 100 周年記念⾃衛隊機祝賀⾶⾏についての要望と質問
戦争させない・9条壊すな!総がかり⾏動うべ実⾏委員会
共同代表 佐々⽊明美
共同代表 坂⽥ 勇司
〒755-0031 宇部市常盤町 1-1-9 緑橋教会内
電話 090-3747-2855
⽇頃よりの市⺠へのご奉仕に感謝します。
さて、宇部市発表及び報道によれば、来たる 2021 年 11 ⽉ 1 ⽇、市制 100 周年記念にあたり⾃衛隊機が「祝賀」と称して宇部市上空を⾶⾏するとのこと。
この事について、下記、要望と質問をしますので、本書を受領されてから⼆週間以内に⽂書にてご回答下さい。また、回答書は⼿交の上、協議の場を設けてください。
記
1. 軍⽤機である⾃衛隊機の⾶⾏は、市制 100 周年と関係がないばかりか、社会教育上不適切だと考えます。また、関係基地の⼀つ築城基地所属の戦闘機による騒⾳被害には、宇部市⺠は⽇頃から悩まされていますし、⾶⾏が予定されている築城基地のF-2 戦闘機は、10 ⽉ 12 ⽇に時速約 830 ㎞・⾼度約 7 千 m において⾵防(約 90 ㎏)脱落の事故を起こしたばかりであり、半年前の 4 ⽉ 22 ⽇には⼭⼝県北部上空で⼆基の接触事故を起こし、やはり部品を落下させています。これらはいずれも⼀歩間違えば⼤惨事を招いた事故です。更には、かつて「宇部まつり」における⾃衛隊の展⽰について「⾒直しを含めた検討を⾏う」(宇広要第 67 号)とされた、宇部市の⽅針とも⽭盾するものです。以上の理由から、この度の⾶⾏を中⽌することを要望します。
2. この度の⾶⾏を中⽌なさらない場合は、この⾶⾏が、市政 100 周年並びにかつての宇部市の⽅針とどの様に整合するのか、合理的にご説明下さい。
3. どのような経緯で⾃衛隊が⾶⾏することになったのか、発議及び決定の経緯についてご説明下さい。
4. ⾃衛隊機の⾶⾏は当然、公費で賄われるのだと思いますが、宇部市と国でどのような⽀出分担になっているのかご説明下さい。
以上
・・・
総がかり行動うべの「要望と質問」に対して、11月9日付で、宇部市から文書回答が届きました。
宇部市からの文書回答は以下の通りです。
・・・
令和3年11月1日に迎える市政施行100周年という歴史的な大きな節目は、宇部のまちを見つめ直して『ふるさと宇部』への誇りと愛着を深めていただくとともに、さまざまな記念行事を通じて宇部の魅力を市内外に発信して、希望あふれる未来を次の世代へとつなげていく機会と捉えています。
市政施行100周年記念日に向けて、これまで本市は全市をあげてお祝いし、市民の皆さんお一人おひひとりにとって、記憶に残るものとなるよう様々な取組みを検討してまいりました。
このような中、自衛隊から、市政施行100周年を祝う取組みを行いたいと申し出がありました。
自衛隊機による展示飛行は、全国各地でも人気があり、ブルーインパルスにおいては、東京2020オリンピック・パラリンピックや国体開催等の大きなイベントにおいて飛行が行われております。
コロナ禍で人が集まるイベントが開催できない中、自衛隊と調整を進め、最終的に祝賀飛行の協力を得ることができましたので、市政施行100周年記念の大きなイベントの一つとして実施したものです。
自衛隊機においては、過去に事故等が発生していますが、今回の祝賀飛行では、曲芸飛行や白煙(スモーク)飛行は行わず、宇部市街上空を通過するルートとしており、事前の関係機関と調整を図り、関連規則等を遵守したうえで、安全な飛行に務められていましたので、一部予定を変更し実施いたしました。
なお、祝賀飛行は、自衛隊の広報活動としての一面もございますので、宇部市の経済的な負担はしていません。
・・・
この文書回答を受け、11月12日、担当課の宇部市政策広報室市政施行100周年記念事業推進課(以下、市100周年推進進課)と総がかり行動うべとの懇談が行われました。
浜田宇部市政策広報室長が回答書を佐々木総がかり行動うべ共同代表に手渡す
まず、文書回答にある「一部予定を変更」の中身です。
自衛隊が祝賀飛行するのは、①海上自衛隊小月航空基地所属の練習機Tー5、航空自衛隊築城基地所属の戦闘機F-2、航空自衛隊春日基地
所属の練習機T-4でした。
市100周年推進課の担当者は「今年9月下旬に、自衛隊が3種類の自衛隊機の飛行を検討しているとの報告があった。10月12日のF-2の部品落下事故が起き、自衛隊から事故原因の解明がなされるまでは、飛行が出来ない可能性があることが示された。10月29日、自衛隊からF-2について事故原因解明の途上であることを理由に、飛行を取り止めるとの連絡があった。」
私は、「市のホームページで、『宇部市市政施行100周年記念祝賀飛行』について掲載したのは、10月21日。この中に、航空自衛隊築城基地のF-2も飛行する部隊として明記されている。その他として『飛行部隊については、現時点での予定であり、変更される場合がある』とは明記されているが、F-2の部品落下事故は10月12日に発生しているわけであり、具体的に、F-2については、事故原因の解明がなされない場合は飛行できない可能性があることを明記すべきだった。」と指摘しました。
参加者から「結果として、F-2戦闘機は飛行しなかったが、戦闘機を飛行させるリストに乗せて協議してきたこと自体が重大な問題だ。」との指摘がされました。
次に、総がかり行動うべの「要望と質問」の第一項目に対する明確な答弁がさなれていない点についてです。
2019年11月に行われた第68回宇部まつりの「消防・防災フェア」において、機関銃の搭載可能な軽装甲車など軍事車両が展示され、自衛隊員がそれら車両に子どもたちを乗車させるということがありました。
総がかり行動うべは、2019年11月11日、「宇部まつりにおける自衛隊の展示の見直しを求める申し入れ」を宇部市長に行いました。
申し入れ書は「山口県教育委員会は、1985年1月28日、市民団体からの申し入れに対し、『自衛隊駐屯地の公開への児童生徒の参加にあたっては、危険防止の立場から武器に触れることや戦争賛美となることなど自他の生命や人格を尊重する精神を損うことがあってはならない。』と回答しています。子どもたちを装甲車に乗せる行為は、県教委が指摘した『武器に触れること』ことにつながるものです。」と指摘しています。
宇部市は、11月22日付で「令和2年度以降の出展については、見直しを含めた検討を行う」と回答しました。
私は、「2019年の宇部まつりでの自衛隊の展示について『見直しを含めた検討を行う』とした宇部市の立場と、今回、自衛隊機を飛行させた宇部市の立場に整合性を見いだせない。」と質しました。
市100周年推進課の担当者は「2019年の宇部まつりでの自衛隊の展示は、防災に関する展示に相応しかったかどうかの見直しを含めた検討を行うとの回答である。市政100周年での自衛隊機の飛行に関し戦争を賛美する意図はない。」と答えました。
私は、「自衛隊機の飛行は戦争賛美の意図はないので、祝賀飛行に問題がないという判断であれば、今後も、宇部市の各種祝賀行事で自衛隊機が飛行することになる。宇部市として、今後、自衛隊機の飛行などを認める場合の明確な判断基準を示すべきである。」と質しました。
市100周年推進課の担当者は「今後、全庁的に考えていきたい。」と答えました。
参加者から「自衛隊機の騒音が宇部市内でも激しくなっている。このような中、宇部市が祝賀を名目に自衛隊機を飛行させることは、自衛隊機の騒音を宇部市が容認することになるのではないか。」との指摘が出されました。
宇部市政100周年に当たり自衛隊機が飛行したことに対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
ジャックリーン・ハウトマン、ウォルター・ネーグル、マイケル・G・ロング著、渋谷弘子訳「バイヤード・ラスティンの生涯」を一気に読みました。
裏表紙にあるこの本のストーリーを紹介します。
「バイヤードは、暴力に頼らずにトラブルを起こす達人でした。第二次大戦中、非暴力が正しいと信じて刑務所に入ることを厭わない勇気を持っていましたし、1963年の『雇用と自由を求めるワシントン大行進』を成功させた、頭脳明晰な人でもありました。キング牧師のような当時はまだ若い指導者たちに非暴力の闘い方を教え、そうした人たちを公民権運動で強い影響力を持つ人物に育て上げた謙虚な人でした。」
バイヤードが語った次の言葉が有名です。
「どんな社会にも、天使の心を持ちながらトラブルメーカーになれる組織が必要だ」
この本の中で、この言葉の意味がこう書かれています。
「バイヤードがいうトラブルメーカーとは、紛争解決の手段として、人種差別や性差別、貧困、暴力を武器として持ち出す人たちに、けっして妥協しない人びとのことです。また、天使の心とは、暴力を使わない優しい心のことです。」
バイヤードは性的マイノリティであることをカミングアウトして性的マイノリティの人権を擁護する活動に取り組んできました。
この活動について、この本にこう書かれています。
(バイヤードが)「しばしば言っていたのは、ゲイやレズビアンに対する差別や偏見をなくすことは、合衆国における人権問題を前進させるためになすべき、もっとも重要なことではないかということでした。『今が民主主主義の世の中であると確信をもって言えるかどうか、また、人権活動家と呼ばれる人たちがほんとうに人権活動家であるかどうか知りたければ、(ゲイのひとたちについてはどう考えますか?)と聞いてみるといい。この問いこそ、今の民主主義がどのようなものであるか判断するためのリトマス試験紙であるからだ』とバイヤードは述べています。」
「バイヤードはインタビューに答えてこう述べています。『もしゲイの差別をなくしたいのであれば、ゲイへの差別をなくしただけでは十分ではありません。だれに対する差別もなくす運動を前進させて初めて、ゲイへの差別もなくすことができるのです。すべての人のために闘い続けることで、ゲイや黒人、ヒスパニックの権利も、女性の権利も勝ち取ることができるのです』」
バイヤードは、オバマ大統領から大統領自由勲章を受けました。
授与式で、オバマ大統領は、バイヤードについて、次のように述べました。
「バイヤードは確固たる楽観主義者で、鋼鉄の神経の持ち主でした。そして、重要なのは、バイヤードが、正しい大義のもとで、人々がまとまって行動すれば、わたしたちの行く手をはばむものはないと強く信じていたことです。この偉大な指導者は、キング牧師と長い時間、歩みをともにしたにもかかわらず、何十年と正しく評価されてきませんでした。ゲイであることを隠さなかったからです。どんな勲章も、彼がゲイである事実をかえるものではありません。しかし、わたしたちがどんな人間であれ、だれを愛しているかに関係なく、わたしたちに代わって真の平等への歩みを進めてくれたバイヤード・ラスティンの業績を、きょう、ここにたたえます」
訳者の渋谷弘子さんが「訳者あとがき」でこう書いています。
「バイヤードはいかなる場面でもクエーカーの教えに支えられ、愚痴ることなく、いつも前を向いて闘い抜きました。ゲイであるがゆえに、歴史の中に葬り去られようしとしていたバイヤードが、今、日の目を見られるようになったのは、社会が一歩前進したことの証かもしれません。それでも『まだまだ』です。昨今のBlack Lives Matter の運動を見たら、バイヤードはなんと言うでしょう。バイヤードは黒人差別やゲイ差別だけでなく、戦争や原爆にも強く反対し広く平和運動をしてきました。わたしたちの生きる世界は『まだまだ』なのです。やるべきことは山とあります。」
私は、総選挙が終わった今、わたしたちの生きる世界は「まだまだ」やるべきことが山ほどあることを痛感しています。
この時に、「バイヤード・ラスティンの生涯」を読んで、とても励まされました。
楽観主義者で、鋼鉄の神経を持つバイヤードが今の時代をどう考えるだろうと想像します。
この本を契機に、バイヤードのことをもっと知りたいと思います。
多くの書籍や映画もあると聞きました。
これからも、バイヤードとの対話を深め、「まだまだ」やるべき問題に対峙していきたいと思います。天使の心を持ちながら。
「バイヤード・ラスティンの生涯」を一人でも多くの皆さんに読んでいただきたいと思います。