ブログ

きらら浜にこれまで450億円、これから40億円超を投入する予定

 昨日の中国新聞は、新年度予算におけるきらら浜について次のように報じました。
 「山口市阿知須の山口湾沿いに、山口きらら博記念公園が広がる。供用面積は東京ディズニーランド2・5個分に当たる約130㌶。県は、この巨大な器をアフターコロナの県づくりの柱と位置付け、再整備に乗り出す。14日の予算発表の記者会見で村岡嗣政知事は『公園のポテンシャルを生かし、さまざまな世代が集い豊かさや住みよさを実感できる交流拠点アウトドアを楽しむ人が県外から集まる拠点の両面から整備していきたい』と強調した。約9千台分の駐車場があり、アクセス面も良好とアピールした。2023年度の当初予算案に盛り込んだ関連事業は新規9件を含む10件。計2億4300万円を計上し、うち1億1100万円を基本構想づくりに充てる。民間企業と協力して整備、運営する考えで4月に担当の推進室を新設する。恒例の野外音楽イベント『ワイルド・バンチ・フェス』に次ぐ大規模イベントの誘致にも力を入れる。19年度はスポーツやイベントで公園の有料施設を53万6千人が使った。新型コロナウイルス禍で20年度は10万2千人、21年度は16万人だった。県は26年度までの総合計画『やまぐち未来維新プラン』で公園の利用者を80万人とする目標を掲げている。ただ公園を訪れる実数が不明のため、今後は集計法を検討する。明治維新150年に県が威信をかけた大事業『山口ゆめ花博』があった18年度は195万9千人が利用した。あるベテラン県議によると、過去には、水面下でサッカー専用スタジアムの建設計画が浮上したこともあったという。『花博では周辺の道路が大渋滞した。集客面で問題があり、頓挫してしまった』と振り返る。県内外から来園者が増えれば、アクセス面の改良も必要になる。別の県議は『よほど大胆な手を打たないと、10年先には尻すぼみになる』と注視する。他にも目を背けてはならない課題がある。公園には隣接する約93㌶の巨大な未利用地がある。東京ディズニーランド1・8個分の土地が『塩漬け』となったままだ。周辺を散歩していた近くの60代男性は『長年、広大な土地が放置されたまま。もったいない』と有効活用を望んでいた。きらら博公園などがある阿知須干拓地の総面積は286・2㌶。1988年に県土地開発公社が国から取得した。県は00年度から11年度にかけて計約260㌶を275億4千万円で公社から購入。公社は12年に廃止された。未利用地の活用について村岡知事は『検討課題。これから検討していきたい』と歯切れが悪い。山口大学経済学部の立山紘毅教授は『民間活力はいいように見えるが、企業は投資効率を考える。事業の継続性を考えれば本当にいいのかという部分がある。一方で県の台所事情は苦しい。これまであまり見えてこなかった知事の個性の出しどころだ』と指摘する。未利用地は県の自然観察公園にも隣接しており『ハコモノを造る時代ではない。最低限の整備をし、自然の移り変わりを見る場にするのも手ではないか』と話している。

 私は、昨年11月県議会で、私は、「きらら浜は、もともとは国が干拓した286㌶の農用地でした。1979年に国は事業化を断念し、県は1988年に公共用地として取得しました。その後、県は2001年のきらら博の開催用地として、2000年には自然観察公園を含め73㌶、9年には37㌶、11年には141㌶を購入、その総額が実に450億円にのぼります。しかし、なお、3分の1の93㌶が未売却用地として残されたままです。国から公共用地として取得しながら、結局、県が巨額の税金を投じて購入した事実をどう受け止めていますか。残る93㌶の未売却用地をどのように処分しようとしていますか。」と質しました。

 和田土木建築部長は、きらら浜を県が税金で取得し続け、未売却用地が残っていることに「その時々の状況における熟慮と判断の下に対応してきたもの」と答え、未売却用地への対応について「関係部局の連携の下、未利用地の活用方法の検討を行っているところであり、現時点では、具体的な方法は決まっていない」と答えました。

 昨年11月10日、県が行った政府要望の中に、山口きらら博記念公園の交流拠点施設としての機能強化についてがあり、県は、パークPFIなど公園の魅力を高めるための民間活力の積極的な導入に必要な取組の支援を求め、国交省もしっかり支援したいと答えたとしています。

 私は、パークPFIのメリットとデメリットを昨年11月県議会で質しました。

 和田部長は「パークPFIでは、当該公園施設から生じる利益の一部をその周辺の公園施設に充当できるため、さらなる県の財政負担の軽減を図ることができますが、それに見合う収益が見込めなければ、従来の設置許可に比べ、民間事業者の参入が困難となります。」と答えました。

 中国新聞の記事の中で立山教授が述べているように「民間活力はいいように見えるが、企業は投資効率を考える。事業の継続性を考えれば本当にいいのかという部分がある。」との指摘は重要です。

 NHK山口放送局は、17日、新年度予算での山口きらら博記念公園の整備について「2月の補正予算案では40億円を積み立てて山口きらら博記念公園の整備を含む、活性化・県民活力創出基金を設けることにしています。」と報じました。

 山口きらら博記念公園に関しては、中国新聞の記事にある、2億4300万円だけではなく、当初予算で4億円、総額40億円の基金も含まれているとNHKが報じています。

 私が、11月県議会で指摘をしたように、きらら浜には、これまで450億円の税金が投入されています。その上、新年度少なくとも6億4300万円つぎこまれる、将来的には、少なくともプラス36億円をつぎ込もうとしているのです。

 中国新聞の記事の最後に立山教授が「ハコモノを造る時代ではない。最低限の整備をし、自然の移り変わりを見る場所にするのも手ではないか。」との指摘も重要だと思います。

 県は新年度以降、きらら浜の山口きらら博記念公園の整備に向けて大きな予算を計上しようとしています。

 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

トラックバック

コメントはまだありません

No comments yet.

コメント

コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。

メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。