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山口県の学童保育の待機児童の割合が全国ワースト3位

 6月4日付、中国新聞は、岩国市の学童保育の実態について次のように報じました。
 「共働きやひとり親家庭の小学生を預かる岩国市の放課後児童教室で、待機児童が解消されていない。4月1日現在、10教室で計52人が待機している。2015年度から4年生以上も対象になり、施設や支援員がより不足するようになった。市は低学年を優先して受け入れており、保護者からは改善を求める声が上がっている。『子ども一人で留守番させるのは心配』。岩国市の40代女性は共働きで小学生2人を育てる。2年の長女は預けられたが、6年の長男は定員から漏れた。女性は『6年生も対象なのに・・・。授業がなくなる夏休みまでには通わせたい』と願う。市は校内の専用施設空き教室を使い、小学校単位で32教室を運営する。22年度は1421人の児童を預かったが、希望する4年生以上の132人は定員を超えたため受け入れられなかった。うち52人は空きを待っている。市こども支援課は『保育の必要度を考えると、どうしても低学年が優先される』と説明する。児童福祉法の改正で、1~3年生だった対象が全学年に広がった15年度から登録者が急増し、市は定員を増やしてきた。だが、18年度は登録者が約1700人となり、82人の待機児童が初めて出た。19年度には最多の198人に上り、市は専用施設を新設するなど受け入れ枠を広げてきた。市内の東小は20年度に完成した新校舎に専用施設を設け、定員を80人から100人に増やした。土曜には同じ中学校区の装港小の児童も受け入れる。一方で、待機児童を引き受ける施設を確保できない学校もある。岩国小では専用施設と空き教室で194人を預かるが、待機する19人を迎えるスペースは校内にないという。麻里布小は専用施設を新設し18年度から使い、空き教室でも受け入れているが、11人が空きを待つ。見守る支援員も慢性的に不足している。市は19年度から待機児童が目立つ麻里布小などで運営の一部を社会福祉法人や学校法人に委託している。山間部の3教室では場所を用意できても支援員を確保できず、求人を出している。市子ども支援課は『少子化が進んでいるため、これ以上新たな施設を建設するのは難しい。学校近く空き店舗の活用を検討し、支援員も積極的に募っていきたい』としている。厚生労働省によると、全国で就学前の子どもを預かる認可保育所などの待機児童は減っていいうる。少子化や新型コロナウイルスの影響とみられるが、岩国市では保育所も定員に達するケースが少なくなく、希望の施設に入るため自主的に待機している保護者がいるという。」
 全国学童保育連絡協議会が2021年に調査した結果によると、山口県の待機児童数は、375人で、入所児童に占める待機児の割合は、2.4%です。この割合が、高い順から、沖縄県の3.8%、東京都3.1%、宮崎県2.4%です。山口県は、宮崎県と並んで、全国で、学童保育の待機児童の割合が3番目に多い県となっています。
 私が、健康福祉部に問い合わせたところ、昨年5月1日の県内の学童保育の待機児童数は、378人でした。
 市町ごとの待機児童数は、国が50人以上のみを公開しているということで次の通りでした。山口市は141人、防府市は76人、岩国市は60人。
 新年度、山口県は、学童保育の運営費を補助する「地域子ども・子育て支援事業」に約18億2千万円の予算を計上するなどしています。
 私は、先日、宇部市内の4つの学童保育を視察しました。学童保育事業へのハード・ソフトの体制の拡充の必要を痛感しました。
 県内の学童保育の待機児童を無くし、保護者と子どもたちが安心して利用できる学童保育にしていくために、更なる体制を拡充していくことの必要性を痛感しました。
 県内の学童保育の拡充について、来たる6月県議会で取り上げる予定です。学童保育に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

東京都は、ホームページで「生活保護は権利」と「扶養照会」について明記

 4月29日付、朝日新聞は、生活保護の扶養照会について次のように報じました。
 「生活保護の申請を阻む最大の壁とされるのが、家族に援助が可能かを問い合わせる『扶養照会』だ。厚生労働省は昨年、本人が扶養照会を拒んでいるときは、家族が高齢であるなどの照会不要なケースにあたらないか、丁寧な検討を求める通知を出した。自治体窓口は変わったのか。法律上、扶養は生活保護に『優先』するが、扶養を受けられるかどうか保護の要否には影響しないものとされている。厚労省の調査では、扶養照会をしたうち家族からの金銭的援助につながった割合は約1・4%にとどまる(2016年7月の保護開始世帯)。扶養照会の見直しは国会でも議論となった。厚労省は昨年2月、援助が期待できない=扶養照会は不要、と判断する際の具体例を改めて整理し、通知で示した。DV(家庭内暴力)や児童虐待が背景にある場合、家族がおおむね70歳以上の高齢者や専業主婦(主夫)である場合、10年程度音信不通など著しく関係が悪い場合、などだ。同年3月の通知では、本人が『扶養照会を拒んでいる場合』の対応について、丁寧な聞き取りをして扶養照会が不要なケースにあたるかどうかを検討するよう求めた。これらの趣旨が、申請の相談時に自治体の福祉事務所が渡す資料『生活保護のしおり』に明記されているのか。地方議員や困窮者支援団体、大学生らでつくる『生活保護のしおり書きっぷり調査プロジェクト』は、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県にある157福祉事務所の『しおり』の扶養照会に関する記述を調べ、今年1月に公表した。調査は昨年9月から12月に実施した。その結果、扶養照会は援助が期待できる家族に対して行う(紹介しない場合もある)という趣旨を明記した福祉事務所は、約4%。DVや虐待経験がある場合は照会しない、という重要な点を説明しているのも約29%にすぎなかった。しおりを改訂して照会不要の具体例を明記した福祉事務所もあったものの、例外的だった。調査メンバーで東京都足立区議の小椋修平さんは『ほとんどの福祉事務所では国の通知後も改善されていない。扶養照会について窓口できちんと説明されているのかも疑問だ』と話す。ただ、調査公表後、修正の動きもある。例えば東京都は今春、生活保護制度について説明するウェブサイトの項目に、『扶養照会について』の注記を追加。扶養が期待できないと判断される場合には基本的には家族への直接照会はしないと明記し、福祉事務所への相談を促している。」
 日本共産党のとや都議が生活保護は権利であることを都のホームページに明記してあったが、各福祉事務所のホームページに明記せよと求め、東京都所管福祉事務所のホームページに、「生活保護の申請は国民の権利」が明記されました。
 山口県のホームページに、生活保護制度の紹介はありますが、「生活保護の申請は国民の権利」であることの明記や、記事にある東京都のような「扶養照会」に関する記述はありません。
 私は、県のホームページの生活保護制度の紹介の中で、「生活保護は権利である」ことの明記と、「扶養照会」についての明記を今後、県に求めていきたいと思います。
 また、県内の各福祉事務所のしおりに、「扶養照会」の内容が明記されているのか調査していきたいと思います。
 生活保護制度に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

二井知事(当時)の「新たな団地造成はできない」との答弁を重く受け止める時

 4月7日、中国新聞は、広島県が造成した産業団地について次のように報じました。
 「産業団地を造って売る広島県の土地造成事業が資金不足に陥っている。バブル崩壊で地価が下がった影響で累積赤字が膨張。県は2022年度、借金にあたる企業債を返済するため、積み立ててきた基金から初めて22億7700万円を取り崩す。31年度までの10年間で最大179億7900万円を公金で穴埋めする見通しで、甘い計画のツケが県民に回ることになる。県の土地造成事業の累積赤字は20年度決算で456億円。事業の全資産を処分しても返せない債務超過額は107億8600万円に上る。バブル期を中心に積極的に造成した用地が売れ残り、投じた費用よりも分譲価格を値引きして販売してきたためだ。22年度は企業債の返済などで38億5千万円の支出を見込むが、土地の賃貸料や手持ち資金を充てても22億7700万円足らない。県は税金を原資に返済用の基金に19年から毎年30億円を積み立て、21年度末時点で90億円を蓄えていた。31年度まで毎年度56億2100万~6600万円が不足する可能性があり、基金を蓄えたり、取り崩したりして運用し、返済する。県は1958年度に産業団地の造成を始め、43団地計2029・5㌶が売れ残っている。19年度の販売実績は3団地計5・3㌶だったが、20年度は1団地0・5㌶、21年度は2団地1・3㌶と減った。新型コロナウイルス感染拡大の影響で企業の投資も冷え込んでいる。特に21年12月に完成した三原市の本郷産業団地は前27・5㌶が売れ残っている。自動車用ゴムシール部品製造の西川ゴム工業(広島市西区)は20年11月に進出を撤回。住宅向けシーリング材など製造のオート化学工業(東京)も取得時期を23年6月に延期した。県産業用地課は『資金不足が生じ申し訳ない。県民負担を最小限にするため、未分譲地の早期完売に向け取り組む』としている。一方、県が臨海部で産業用地を作って売る港湾特別会計の事業でも同様に資金不足となる見通し。20年度決算の債務超過は170億1500万円だった。31から34年度で計166億200万円を一般会計の基金から繰り入れる可能性がある。」
 山口県も同様の状況があったことを私の2011年2月11日のブログの引用から示したいと思います。
 「現在、3公社の負債は、土地開発公社が231億円、道路公社で48億円、住宅供給公社で311億円、合計590億円です。」「土地開発公社の231億円の負債の内、きらら浜が170億円です。きらら浜の面積は、286㌶で、平成21年度末の処分面積は145㌶で141㌶が売れ残っています。処分が決まった所もほとんどが県有施設という状況で、やはり見通しのない用地取得であったことは明白です。土地開発公社の負債の残りの82億円は、産業団地です。平成21年度末で、県関与団地97・2㌶の内、処分が出来たのは24・8㌶。未処分が72・4㌶あります。未処分の内、宇部市に関わる宇部テクノパーク・宇部新都市・小野田楠企業団地で61.6㌶。未処分の85%が宇部市関係です。作りすぎた産業団地のツケを県民の暮らし切り捨てに転化してはなりません。」「産業団地への県の支援は際限がありません。まず、土地価格が上がらないように利子補給をしています。その額は平成21年度末累計で約15億円です。次の、企業立地促進補助金です。県関与団地には、限度額30億円出ます。平成20年度末で25億円支出されています。更に、県関与団地には、産業団地取得補助金が出ます。補助率は80%です。平成22年度末までに約2億5千万円支出されています。この補助金は、補助率が80%ですが、限度額に上限はありません。赤旗の1面にも掲載されていましたが、限度額がないのは、岩手・兵庫・山口だけです。」
 2011年2月県議会で土地開発公社などは廃止されました。土地開発公社の負債は、231億円にのぼり、公社の負債を穴埋めするために、新たな県債200億円が当初予算に計上されました。公社廃止の影響額は334億円にのぼりました。
 2011年2月県議会で私は次のように指摘しました。
 「県が造成に関与した97・2ヘクターのうち、分譲は24・8㌶にすぎない。しかも、つくりすぎた産業団地に県は、累計15億円の利子補給をし、もし企業が進出すれば、最高30億円も補助するだけでなく、土地取得の企業に80%も補助。『企業呼び込み競争』を県民の血税で続けるのはやめるべきだ」
 当時、二井知事は、県関与団地の大半が未売却となっているのは「長期経済変動を読み切れなかった私の不徳の致すところ。今後、新たな団地造成はできない。」と答え、初めて自らの責任を認めました。
 作りすぎた産業団地などの負債を大規模な県債発行などで穴埋めし、土地開発公社は廃止されました。作りすぎた産業団地の土地が値上がりしないように、利子補給をし、土地代の8割を上限なく補助してきたのが山口県です。
 2011年2月県議会での私の質問に、二井知事は「今後、新たな団地造成はできない」と答えたにも関わらず、わずか11年後の6月県議会に、16億円の総事業費をかけ光市に県関与の産業団地を造成するための経費と特別会計の創設が提案されているのです。
 私は、これまでに産業団地の負債に対し県財政で何億円の穴埋めをしたのか、土地の値上がりを防ぐため利子補給と80%の補助金を県財政から何億円支出したのか、担当部局に調査を依頼しているところです。
 更に、新たな産業団地を整備する経緯と、特別会計創設の経緯についても、今後、担当部局から説明を受けたいと思います。
 今回、県が創設しようとする産業団地整備事業特別会計が、広島県のように、債務超過とならないような見通しについて山口県は、県民にしっかり説明すべきだと思います。

阿武風力発電所計画地内でアブサンショウウオの生息が確認される

 昨日、阿武風力発電所建設を考える会など4団体が、村岡知事に、「山口県阿武町に生息する『アブサンショウウオ』の保護・保全に関する要望書」を提出しました。

 懇談の中で、阿武風力発電所計画地内で、今年1月にアブサンショウウオの生息が確認されたことが報告されました。

 県職員に、アブサンショウウオの保護を訴える浅野容子阿武風力発電所建設を考える会会長(左手前)

 対応した、県自然保護課は、「要望書には、今月中に文書で回答する」と答えました。

 要請書は以下の通りです。

・・・

 

山口県知事 村岡 嗣政様

2022 年 6月2 日

阿武風力発電所建設を考える会代表             浅野容子
阿武・萩の未来を良くする会代表                 中村光則
阿武風力発電所ちゃあなんか考える会代表 宮内欣二
                   山里フォーラム のんたの会(あったか村)    白松博之

山口県阿武町に生息する「アブサンショウウオ」の保護・保全に関する要望書

 日頃の県民のためのお働きに感謝いたします。
 私たちは、現在、HSE社が阿武町内で計画している(仮称)阿武風力発電事業が、阿武町や萩
市の豊かな自然環境と生態系に大きな影響を及ぼすのではないかと危惧しています。今回は、事業
予定地内に生息する絶滅危惧種アブサンショウウオの保護並びに生息地の保全について要望いたし
ます。

                   記

 アブサンショウウオが絶滅危惧種として保護され、生息に不可欠な湿原が保全されるよう必要な
施策を早急に実施してください。生息地で事業が計画されている(仮称)阿武風力発電事業に対し
て、知事意見においても触れておられているところですが、より一層慎重な対応をお願いいたします。

 アブサンショウウオは2019年に京都大学研究チームにより発表された論文(注1)により、山
口県域において生息していたカスミサンショウウオの新種として確認されました。発見した松井正
文京都大学名誉教授は「2種とも山口固有と言ってもいいぐらい貴重な両生類。早急に(条例などで)保護するための対応をして欲しい」と指摘されています(朝日新聞2019年4月24日:添付資料1)。
 その後、2020年3月に発表された環境省のレッドリスト2020補遺資料では、近い将来におけ
る野生での絶滅の危険性が高い絶滅危惧種ⅠB類(EN)に分類されました。さらに、2022年1月
には「絶滅のおそれのある野生動物の種の保存に関する法律」に関する法律施行令の一部が改正さ
れ、アブサンショウウオも特定第二種国内希少野生動植物種として追加されました(注2)。選定の要件は「分布域が限定されており、かつ、生息地等の生息、生育環境の悪化により、その存続に支障をきたす事情がある種」です。
 山口県立博物館の公式サイトには中学生による論文「アブサンショウウオHynobius abuensisの地衣状斑紋」(『山口県の自然』第80号)が掲載されています。論文は「小グループに分化したHynobius属は限られた環境で生まれた適応種と考えられる。その環境が失われれば、その種が失われることにつながる高い危険性をはらんでいることが分かった。この貴重な地域の宝を、これからも大切に見守っていかなくてはならないと思った」と締めくくられています。2021年10月の山口県のプレス発表では、高校生によるアブサンショウウオの研究を、第65回日本学生科学賞に山口県代表として推薦したことが書かれています。
 この論文を書いた中学生たちや次に続く世代に貴重な地域の宝を残すためにも、最新の知見や希少野生動植物の保護に関する国の方針に則り、アブサンショウウオの生息に不可欠な湿原が保全されるよう必要な施策を実施していただくようお願いいたします。
 前述の京都大学研究チームの論文によれば(仮称)阿武風力発電事業が計画されている地域はア
ブサンショウウオの生息地内に含まれています(注3)。本年1月に事業予定地内2カ所で住民が
アブサンショウウオと思われるサンショウウオを見つけています(注4)。京都大学研究チームの研
究者に写真による同定を依頼したところ、「見た目はアブサンショウウオに見え、かつ阿武町で採集
されているのなら、ほぼアブサンショウウオで間違いないと思う」という回答を得ています。
 現在、(仮称)阿武風力発電事業は環境影響評価方法書を終え、環境影響調査が行われています。
方法書には具体的な工事計画が書かれていませんでした。同事業により森林伐採、湿地開発、林道
などの建設による森の乾燥化、工事により発生する濁水や土砂の流出、工事用道路による分断が予
測され、事業予定地内に生息するアブサンショウウオはじめ他の希少野生動植物にも悪影響が出る
ことを私たちは懸念しています。また、県自然記念物のミヤマウメモドキは指定地以外にも分布しており、影響が懸念されます。
 県知事におかれましては、生物多様性基本法第3条の基本原則(添付資料4)に則り、同事業による希少野生動植物への影響が回避されるよう、今後とも慎重な判断に基づき適切な指導を下されますようお願いいたします。 

(注1)
Systematics of the Widely Distributed Japanese Clouded Salamander, Hynobius
nebulosus (Amphibia: Caudata: Hynobiidae), and Its Closest Relatives
Masafumi Matsui, Hiroshi Okawa, Kanto Nishikawa, Gen Aoki, Koshiro Eto, Natsuhiko Yoshikawa, Shingo Tanabe, Yasuchika Misawa, Atsushi Tominaga. Current Herpetology 38(1):32-90,February 2019
(注2)
国内希少野生動植物種一覧 https://www.env.go.jp/nature/kisho/domestic/list.html
(注3)
同上京都大学研究チームによる論文:figure15
(注4)
アブサンショウウオ写真:撮影日2022年1月7日

【添付資料】
1)朝日新聞2019年4月24日記事「サンショウウオ、新種だった 遺伝子解析」
2)アブサンショウウオ写真:撮影日2022年1月7日
3)「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する 政令の概要」
令和3年度希少野生動植物種専門家科学委員会 (資料1-3)令和3年度国内希少野生動植物
種新規指定候補種の概要:両生類アブサンショウウオ
4)生物多様性基本法第3条基本原則

・・・

 自然を壊してまで、巨大な風力発電所を作る必要があるのかどうかが問われています。

 この問題を6月県議会で取り上げようと思っています。

 メガ風力発電所に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

補正予算に、学校給食費高騰助成や飼料高騰助成などが盛り込まれる

 昨日、6月県議会に向けての議会運営委員会が行われ、提出予定の議案の概要が報告されました。
 その中で、6月補正予算(案)が示されました。
 総額は、83.5億円で、その内、76.4億円が原油価格・物価高騰対策です。
 日本共産党県議団は、5月30日、「深刻な物価高騰とコロナ禍から県民の命と暮らしを守るための要望書」を県知事に提出しました。
 その項目に従って、補正予算の内、原油価格・物価高騰対策の中身について報告していきます。
 要望項目の第一は、学校給食等の保護者負担の軽減策についてです。
 補正予算(案)には、県立学校給食費等に係る物価高騰差額補助事業として1356万余円の予算が計上されています。
 この事業は、学校給食費の価格上昇分に対する補助を行うもので、学校給食を行っている県立の総合支援学校、中学校、定時制高校などを
対象に行うものです。
 補正予算(案)には、私立学校給食費等に係る物価高騰差額補助事業として、2億5716万余円が計上され、保育所副食費等物価高騰対策支援事業として、2億2320万円が計上されています。
 要望項目の第二は、飼料高騰で経営に苦しむ畜産家及び農家への支援です。
 補正予算(案)には、配合飼料価格高騰対策緊急支援事業として5100万円が計上されています。
 この事業は、配合飼料価格安定制度における生産者積立金を補助するもので、生産者積立金の2分の1を補助するものです。
 その他、補正予算(案)に、農業・漁業者を支援する事業として、「農業・漁業経営継続緊急支援事業(4億1300万円)」「農業省エネ対策緊急支援事業(1億811万余円)」、「漁業省エネ対策緊急支援事業(6千600万円)」が計上されています。
 要望項目の第三は、中小企業への支援です。
 補正予算(案)には、中小企業対策として、「中小企業原油価格・物価高騰等対策支援事業(15億4999万余円)」「中小企業制度融資(原油価格・物価高騰対応資金(10億8960万円)」「信用保証料率低減事業(405万円)」「小規模事業者応援キャンペーン事業(2億1400万円)」「新型コロナ対策EC送料支援事業(5400万円)」が計上されています。

 その他、補正予算(案)には、生活困窮者への支援として特例貸付の申請期限を8月末までに延長すること、低所得のひとり親世帯に対し、児童一人当たり一律5万円を支給することや、観光事業者支援として、宿泊事業者が取り組む省エネ対策や高付加価値化等を支援する制度の創設、公共交通事業者の事業継続を支援する制度の創設が盛り込まれています。

 日本共産党の要望項目に対して、予算対応された点は評価したいと思います。

 一方、補正予算(案)には、新たな産業団地整備のために、特別会計が新たに設置され、8千万余円が計上されました。光市小周防地区に分譲面積8ヘクタールの新たな工業団地を造成するものです。

 県内では、公共関与の産業団地が売れ残り、県の補助により、分譲価格を大幅値下げして売却している実態があります。

 民間の産業団地も散在する中、新たな公共関与の産業団地がなぜ必要なのか、この点は、補正予算を十分検証しなければならないと思います。

 県民の目線で、しっかり補正予算をチェックしていきたいと思います。

 県のホームページや昨日からのマスコミ各社の報道で、補正予算(案)の概要が示されています。

 補正予算(案)に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。 

県地球温暖化対策実行計画改定計画に「2050年の目指す将来像」を示すことを表明

 NHK山口放送局は30日、同日に行われた「山口県環境政策推進本部第1回本部員会費」について次のように報じました。
 「2050年に温室効果ガスの排出を実質ゼロにする『カーボンニュートラル』の実現に向けて、山口県は、幹部による会議を開き、産業部門の削減目標を盛り込むなど、2030年度の温室効果ガスの排出削減に向けた県の目標を改定し、来年3月に公表することを明らかにしました。山口県庁では、30日、環境政策の推進に向けた初めての会合が開かれ、県の幹部18人が出席しました。会議では、国が2030年度の温室効果ガスの排出削減目標について、去年10月、2013年度比で46%と目標を引き上げたことを受け、県も今の17.8%の削減目標を見直したうえで、地球温暖化対策の計画を改訂する方針を決めました。新たな計画では、県内の産業部門の削減目標を具体的に定めたうえで、達成に向けた計画も盛り込むことにしています。会議では、県内の温室効果ガスの排出削減に向けて、各部署の担当者からは、▼水素など二酸化炭素を出さない燃料について、県内の中小企業などが研究開発を行う際には補助金を出していることや、▼技術開発を後押ししようと、企業や大学などのマッチングを支援していることが報告されました。会議のあと、村岡知事は、『カーボンニュートラルの実現にあたっては、企業だけではなく、大学などとの連携が必要だ。県がリーダーシップをとって取り組みを進めたい』と述べました。」
 この記事にある、5月30日に行われた環境政策推進本部会議の資料は、県のホームページに掲載されていますので、皆さん、ご覧ください。
 資料に目を通し、いくつかの特徴について述べます。
 第一は、本部に改組された点です。
 これまでは、副知事を本部長とする環境政策推進会議でしたが、今回から、知事を本部長にする環境政策推進本部に改組されました。
 同時に、本部内に副知事を部会長とする「産業脱炭素化推進部会」が新設されました。
 第二は、山口県温暖化対策実行計画について「2050年の目指す将来像」を示すとしたことです。
 記事にある17.8%の2030年目標を今年度末までに見直すことは、過去の議会で、県が示した方向性です。是非とも積極的な目標を設定していただきたいと思います。
 私が注目したのは、今回の資料の中に、「2050年の目指す将来像」を示すとしたことです。
 県は、2050年カーボンニュートラル宣言については①県議会脱炭素特別委員会の提言②コンビナート低炭素化構想ーを踏まえ検討するとの姿勢を議会で示してきました。
 県議会脱炭素特別委員会は、「カーボンニュートラル宣言の推進」を言及しました。
 先日示された、「やまぐちコンビナート低炭素化構想(仮称)中間案」は基本目標を「コンビナートの国際競争力の維持・強化を図りつつ、2050年カーボンニュートラルを実現」としました。
 県が、カーボンニュートラル宣言を行うにあたり、踏まえて検討するとした二つの文書が、どちらも「2050年カーボンニュートラル」に言及しています。
 私は、山口県地球温暖化実行計画の改定作業の中で、2030年目標を再設定することに留まらず、2050年の目指す将来像を示す方針を是とします。
 その上で、県地球温暖化実行計画に新たに示される2050年の目指す将来像は、「カーボンニュートラル」にすべきだと指摘したいと思います。

 今年の11月には、2050年の目指す将来像が明記された県地球温暖化実行計画改定計画の素案が示されます。その素案を大いに期待したいと思います。
 環境省の資料によると、5月31日現在、47都道府県中42都道府県が2050年カーボンニュートラル宣言を行っています。
 山口県は、一日も早く、「カーボンニュートラル宣言」を行うべきであることを今日も、本ブログで指摘したいと思います。
 山口県の脱炭素化の取組について、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。