議員日誌

上関原発 陸上部でボーリング調査

 18日付毎日新聞は、「中国電力は17日、上関町で計画する上関原発建設予定地の敷地内を走る二つの断層についてボーリング調査を行うと発表した。東京電力福島第一原発事故後に強化された新規制基準に基づくもので、鉱物層によって破壊されていないかを調べる。6月にも調査に入り、期間は約1年」と報じました。

 昨年8月3日、村岡知事は、中国電力に対し「上関原発に係る公有水面埋立免許の延長申請」を許可しました。

 同日、村岡知事は、中国電力の清水社長に対し「上関原子力発電所予定地の埋立工事について」とする要請を行いました。

 要請文は、「福島第一原子力発電所の事故以降、原子力発電所に係る国の安全基準が見直され、新たな規制基準が策定された中、上関原子力発電所の原子炉設置許可申請については、原子力規制委員会において審査中とされているものの、それ以降、国の審査会合は現在までに開催されていない状況にあります。」として、「発電所本体の着工時期の見通しがつくまでは、埋立工事を施行しないこと。」としています。

 毎日新聞は「準備事務所は『敷地内の調査であり、(昨年8月の)県知事の公有水面埋立免許延長許可に伴うものではない』としている。」とも報じています。

 中国電力がこれから行うボーリング調査は、陸上部でもものであっても、上関原発に係る審査会合が昨年8月以降も行われた形跡はありません。

 知事の中電への要請は、公有水面埋立に係るものであったにしても、中国電力が陸上部の調査を行うことは、社会的道義に反するものだと言わなければなりません。

 知事の要請の軽さが露呈した、中国電力の陸上部ボーリング調査開始発表と言えます。

 中国電力は、上関原発建設予定地周辺の町道を自らの資金で拡幅する工事を急ピッチで行っています。

 国の「エネルギー基本計画」が改訂作業も行われています。

 今年は、第5次エネルギー基本計画が策定される予定です。

 今年の3月25日には、上関原発を建てさせない想いの人々が、県内外から2500名集いました。

 上関原発を建てさせない運動を更に盛り上げ、国や県が中国電力の原発新設を後押しする動きをストップさせましょう。

 そして、上関原発の建設をストップさせましょう。

 上関原発に対する皆さんの想いをお教え下さい。

共謀罪と治安維持法

 「共謀罪」法案をめぐり、日本共産党など野党4党は、昨日、金田法務大臣の不信任案を提出しました。

 この不信任案は、自民、公明、維新の反対多数で否決されました。

 与党側は、今日の衆院法務委員会で「共謀罪」法案の採決強行を狙っています。

 16日のしんぶん赤旗「日刊紙」に、日蓮宗の僧侶であり、元大正大学助教授の小野文珖さんによる「共謀罪と治安維持法」という題名の小論が掲載されていました。

 小野さんは、「共謀罪」法案について「条約締結やテロ対策は口実で、真意(本音)は、計画や準備の話し合い段階での『合意』という心の中を調べて、これを処罰の対象とする『共謀罪』の成立にあるのである。」と断言しています。

 その上で、創価学会の戦中の歴史について、小野さんは以下のように書いています。

 「昭和5(1930)年11月、東京・白金小学校長牧口常三郎らは、『創価教育学会』を発足させ、『創価教育学体系』第1巻を刊行しました。翌年2月、第2巻『第3編 価値論』を出版した。教育勅語絶対の戦前の社会に、『人生の目的は幸福である、幸福とは価値の創造獲得以外の何物でもない』とドイツの新カント哲学や西洋のプラグマチズムを、自分の信仰する日蓮の思想から展開した初代会長は国家神道を批判。そのため、昭和18(1943)年、不敬罪・治安維持法違反の容疑で逮捕され、厳しい特高の取り調べの最中、ついに獄中で病死した。」

 その上で、公明党についてこう小野さんはこう書いています。

 「その(創価学会)原点は、教育勅語的国家体制に反対し、『人生地理学』『価値論』を主唱した牧口の、個人主義的ヒューマニズム、実利主義教育による社会変革、仏法救済論の実現にあった。共謀罪はその対極にあるものだ。公明党が共謀罪法案に賛成することは自らの首を締めるに等しい。少なくとも牧口常三郎初代会長の法難の死を、おとしめることにならないか。」

 小野さんは最後にこう訴えています。

 「今や信教の自由も危うくなった。戦時下、反戦平和を願った多くの宗教者が、徹底的に弾圧されたあの悪夢が再びよみがえろうとしている。この『法案』を葬り去らねばならない。」

 私は、浄土真宗本願寺派の門徒総代として、「念仏者9条の会」のメンバーとして、宗教者を弾圧した歴史を繰り返す「共謀罪」法案を葬り去るために力を尽くす決意です。

 宗教者の皆さん、様々な違いを超えて「共謀罪」法案を葬り去るために力を尽くそうではありませんか。

 今日は、19日。総がかり行動うべ実行委員会では宇部市役所前で、6時から「戦争法強行9・19忘れない行動」を行います。この場を宇部市から国会へ共謀罪を廃案に願いを届ける場にしたいと思っています。

 事務局長として集会への参加を強く訴えます。

 「共謀罪」法案に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

加計学園「獣医学部」新設計画で政府の内部文書明らかに

 安倍晋三首相が「腹心の友」と呼ぶ知人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)が愛媛県今治市の国家戦略特区に同学園・岡山理科大学の獣医学部を新設する計画について、内閣府が文部科学省に「総理のご意向だと聞いている」「官邸の最高レベルが言っている」などと伝えたとする一連の内部文書が17日、明らかになりました。

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙から引用します。

 「獣医学部の新設には、文科相や農水省が抑制する方針をとっていて、日本獣医師会も『特区』での死新設に反対の声明を出していました。ところが、16年11月、政府は、『国家戦略特別区域諮問会議』で、52年ぶりとなる『獣医学部の新設』についての制度改正を決定。17年1月には、内閣府と文科省が獣医学部の認可申請を受け付ける特例措置を告示しました。申請は加計学園の1件のみでした。現在、認可について文科省の大学設置・学校法人審議会で審議が進められています。『大臣ご指示事項』とされる文書では、冒頭に『内閣府に感触を確認してほしい』として、『大学として教員確保や施設設置等の設置確認に必要な準備が整わないのではないか』と、18年4月の開学はむつ海志位との見方を示しています。

 私も以前、本ブログで書きましたが、現在、山口大学獣医学部と鹿児島大学獣医学部が統合して運営されていると思います。

 政府は、国立大学の獣医学部の合理化を進めておいて、一方で、52年ぶりの「獣医学部の新設」を進めています。

 この異常をごり押ししたのが「総理のご意向」だったのなら、大問題です。

 日本共産党の穀田国対委員長は、昨日国会内で記者会見を行い「首相は一貫して関与を否定してきた。そのことを根底から覆す資料が出たもとで、真相を明らかにするために首相出席のもと予算委員会の集中審議を開く必要がある」と表明しました。

 この問題は、安倍首相が政治を私物化しているのかどうかが問われる大問題です。森友学園の徹底解明と合わせて加計学園「獣医学部」新設計画問題に関わる安倍首相の関わりについて徹底解明を図る時です。

 政治を私物化する総理を国民は望んでいません。国民の世論で安倍政権の退陣を求めていきましょう。

 この問題に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

「ザ・思いやり2」

 在日米軍の駐留経費を日本政府が負担する「思いやり予算」の不条理をつくドキュメンタリー映画「ザ・思いやり」の第二弾が6月にも完成するとのことです。

 「ザ・思いやり」第一弾は、昨年5月に宇部市でも上映会を開き、私も大いに勉強になりました。

 「思いやり予算」は、日本人が自ら働いて支払っている税金からアメリカ軍へ34年間で6兆円以上が投入され、年間、米兵1人当たり1300万円という莫大な額を支給しています。

 「ザ・思いやり」第二弾は、「希望と行動篇」と題して、沖縄の辺野古・高江の現状が報告されるようです。

 3月11日付の「東京新聞」は、この映画のメガホンを取ったリラン・バクレーさんを取材した記事を掲載しています。

 「続編では、日本で広く信じられている『中国脅威論』が本当なのかに切り込むことにした。『世界中に展開する基地は、武器や軍用機を売り込みたい米国の軍事産業のためではないか』との疑念もある。実際、北朝鮮の朝鮮人民戦略軍報道官は、今月六日の弾道ミサイル四発同時発射について「在日米軍基地を攻撃目標に行ったことは隠さない』と談話を発表した。基地が集中することで狙われるリスクが増大する。バクレーさんは今月中旬にも沖縄を訪れ、『米軍基地があることで、安心するか、不安か』を街角でストレートに問う予定だ。バクレーさんは言う。『自衛隊員も世界の戦争に巻き込まれ、犠牲になる可能性が増している。人の命や暮らしを大事にしてきた、大好きな日本の精神をなくさないでほしい』」

 沖縄が1972年5月15日に祖国復帰を果たして45年です。

 復帰45年がたってなお、日本の国土面積のわずか0.6%の沖縄に、在日米軍専用基地面積の7割が集中したままです。

 また、米軍岩国基地への空母艦載機部隊の移駐が7月にも始まろうとしています。

 空母艦載機部隊が移駐すれば、米軍岩国基地は、航空機は約120機、軍人軍属が約1万200人という東アジア最大の基地になります。

 山口県は「普天間基地移設の見通しが立つ前の空母艦載機部隊の先行移駐は認められない」としてきました。

 山口県や岩国市が、仮に、普天間の辺野古移設が進んでいるからと空母艦載機部隊の岩国基地移駐を受け入れるのであれば、この行為は、沖縄の基地機能強化と岩国の基地機能強化を共に推し進める愚策中の愚策です。

 14日の読売新聞のインタビューで二井前知事は「厚木から岩国への移駐だけでなく、普天間飛行場の負担軽減を含めての日米合意だと、国から説明があった。計画全体が一つのパッケージで、山口県が反対すると普天間の負担軽減もできなくなる」と述べています。

 しかし、政府は、「普天間基地撤去」という沖縄の願いに背を向けて、辺野古へ新基地を建設しようとしています。

 空母艦載機移駐の岩国移駐を見直し、辺野古新基地建設を見直す、安倍政権はその原点に立ち返ることが今求められています。

 そして、普天間基地の撤去を真摯に実行し、その後に、空母艦載機部隊をどうするのか国民的に議論していくことが必要です。

 それらの民主的手続きを踏まず、なし崩し的に辺野古新基地建設と空母艦載機部隊の岩国移駐を強行することは許されません。

 今こそ、「人の命と暮らしを大切にしてきた、大好きな日本の精神」に日本は立ち返る時だと思います。

 私は、その精神は、憲法9条だと思います。

 9条を壊そうとする安倍首相が、在日米軍基地の機能強化に躍起です。

 アジアの緊張を高め、そこに住む住民の命を守る点からも辺野古新基地建設と空母艦載機岩国移駐を見直す時だと思います。

 「ザ・思いやり2」をこの夏、宇部市で上映できるように、検討を始めました。

 「ザ・思いやり2」上映会が決まりましたら、本ブログでも紹介します。ご参加下さい。

 在日米軍を皆さんはどうお考えですか。

 辺野古新基地建設や空母艦載機岩国移駐をどうお考えですか。お教え下さい。

スマホを落としただけなのに

 志駕晃著「スマホを落としただけなのに」を読み終えました。

 本書(文庫)の裏表紙のストーリーを引用します。

 「麻美の彼氏の富田がタクシーの中でスマホを落としたことが、すべの始まりだった。拾い主の男はスマホを返却するが、男の正体は狡猾なハッカー。麻美を気に入った男は、麻美の人間関係を監視し始める。セキュリティを丸裸にされた富田のスマホが、身近なSNSを介して麻美を陥れる凶器へと変わっていく。一方、神奈川の山中では身元不明の女性の死体が次々と発見され・・・。」

 この作品は、第15回『このミステリーがすごい! 』大賞最終選考作品「パスワード」を改題し、加筆修正したものです。

 文庫版の解説は、作家の五十嵐貴久さん。「無限の可能性を秘めた超新星の誕生に寄せて」と題する解説に圧倒されました。

 「予言しておく。本書によって、日本7のミステリーは劇的に変わる。十年後、出版に携わる者、もちろん読者、そしてあらゆる階層の者たちが『志駕以前』『志駕以降』というタームで、ミステリーというジャンルを語ることになるだろう。」

 「ここがカジノなら、私は考える。志駕晃に、持っているチップをすべて賭ける。ひとつの新しい時代を、地平を切り開くであろう作家が、ここに誕生した。そのデビュー作の解説を書かせてもらう機会を与えられたことを、心から感謝したい。」

 「解説」とは、作家を評価するものではあるが、ここまで、取り上げる作家を評価した解説を過去、知りません。

 私は、五十嵐さんの解説を読んで、この本の購入を決め一気に読みましたが、大満足でこの本を読み終えました。

 五十嵐さんは、この作品の特徴をこう書いています。

 「誰もがパソコン、あるいはスマホに依存している現状を、志駕は読者に突きつける。そのセキュリティの脆弱さ、人間の心の弱さ、システムの盲点、インタネット攻撃とそれに対する無力さ、あらゆるリスクを容赦なく指摘していく。安全神話を信じて暮らしている人々の背後に、驚くほど深い落とし穴が待っていると警告している。」

 志駕さんは、私より一つ年上の1963年生まれ、現在ニッポン放送のエンターテイメント開発局長という要職に就いている方です。インターネットの光と影に精通した志駕さんが奏でる社会性のあるエンターテイメント小説と言えます。

 五十嵐さんは、本作品についてこうも解説しています。

 「あなたの意識は作品世界の中に深く入り込み、抜け出せなくなる。それだけの時間が確保されているかどうか、それを確かめてから頁を開いた方がいい。」

 この解説にも納得する作品です。この覚悟を持って、是非、この作品を読んでいただきたいと思います。

 この解説を書いた五十嵐貴久さんにも興味が湧き、今、五十嵐貴久さんのデビュー作「リカ」を読んでいます。

 「リカ」は、ホラーサスペンス大賞受賞です。

 平凡な会社員の本間が、「出会い系サイト」で「リカ」と名乗る女性と知り合います。

 彼女の「怪物」ぶりに引き込まれ、抜け出せなくなっています。

 五十嵐貴久さんも日本のミステリー界をけん引する一人であることに間違いありません。

 志駕晃さんの次回作品を待ちながら、今は、五十嵐貴久さんの作品にしっかり読んでいこうと思います。

 五十嵐さんは、幅広いジャンルの作品は発表されている作家さんです。この点でも大いに楽しみです。

 当面は、「リカ」シリーズである。「リカ」「リターン」「リバース」を読み進めることにします。

 「スマホを落としただけなのに」を読んだみなさん、五十嵐貴久ファンの皆さん、感想をお聞かせ下さい。

ストップ 共謀罪

 今週の国会は、「共謀罪」法案の衆院採決をめぐる与野党の攻防がヤマ場を迎えます。

 与党は17日の衆議院法務委員会で採決を強行し、18日の本会議で可決させる日程を描いています。

 しんぶん「赤旗」日刊紙は、「ストップ 共謀罪」の特集を連日掲載しています。

 12日付では、ジャーナリストの小笠原みどりさんが登場し共謀罪の狙いを赤裸々に告発しています。

 小笠原みどりさんは、米国家安全保障局(NSA)の元職員のエドワード・スノーデン氏にインタビューし、国家による市民監視の危険を告発しています。

 小笠原さんは、「共謀罪法案は権力が私たちの知らない間にすでに始めた違法な監視行為を反映し、追認し、合法化する手段といえます。スノーデン氏は私に、日本で13年に成立した特定秘密保護法は『実は米国がデザインしたものです』と語りました。彼はNSA内の法律の専門家たちが、いかに市民監視を禁じた憲法の守りをかいくぐって日本をNSA監視に組み込むか、そのために日本政府にどう圧力をかけてきたか、を現場でみてきました。秘密保護法によって、NSAと日本政府の違法な監視は公衆の目から隠され、強化しやすくなったのです。15年に盗聴法改正によって、盗撮捜査の対象が大幅に広がりました。共謀罪もこの一連の監視強化の中にあり、法律の形はとっていても、民主主義とは真逆の違法な権力行為を制度化する動きです。」と指摘します。

 小笠原さんは、インタビューの最後に、「スノーデン氏は『監視はどんな時代でも最終的に、権力に抗する声を押しつぶすために使われていきます。そして反対の声を押しつぶすとき、僕たちは進歩をやめ、未来への扉を閉じるのです』と語りました。共謀罪は戦争に反対する声を封じこめていく。いま共謀罪に反対することは、戦時体制の歯車を止め、未来を取り戻すことでもあるのです。」と語りました。

 「戦時体制の歯車を止め、未来を取り戻す」ために、共謀罪法案を廃案に追い込んでいきましょう。

 共謀罪法案に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。