14日のしんぶん赤旗日刊紙は、敵基地攻撃兵器の開発が進んでいるとして次のように報じました。
「日本政府は『島嶼防衛のため』と称して、南西諸島地域に、違憲の敵基地攻撃兵器=『スタンド・オフミサイル』(長距離巡航ミサイル)の配備を計画しています。このうち、音速の5倍以上に加速する『極超音速誘導弾』の開発に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が組み込まれており、同機構の『軍事化』と、日本の『宇宙戦争』参戦の懸念の声が強まっています。防衛省によれば、極超音速誘導弾の研究協力に関して、2016年にJAXAと防衛装備庁が取極を締結。25年度の研究終了を目指しています。17~18年度にかけて、JAXA角田宇宙センター(宮城県)で、推進装置である『デュアルモード・スクラムジェットエンジン』の燃焼試験を実施。さらに、現時点では、『飛しょう体の各要素についての共通技術課題を段階的に解明している』としており、本体=『飛しょう体』の研究協力を行っていることを明らかにしました。また、極超音技術の研究には、装備庁の『安全保障技術研究推進制度』に基づき、岡山大・東海大も参加。敵基地攻撃兵器の開発への動員であり、重大です。極超音速兵器は米軍主導の『弾道ミサイル防衛』網を突破し、低高度を超高速で飛行して攻撃します。中国やロシアが開発を先行。米軍も開発を急いでおり『ミサイル戦争』の次代の主役といえます。ここに、日本が参戦しようとしているのです。自民党内からは『敵基地攻撃に転用しうる』との発言も出ています。超音速兵器の開発へのJAXAの関与が発覚したのが、19年11月の防衛装備庁シンポジウムでした。軍事研究に反対する『軍学共同反対連絡会』は同年12月、質問を提出。JAXAは翌年1月、『防衛省とは、法に定められた範囲で、双方に共通する要素技術課題についての研究協力を実施しています』と回答しました。政府はこれまで、1969年の衆院決議に基づき、宇宙政策を『平和利用目的』に限っていましたが、08年に宇宙基本法を作成して宇宙の軍事利用に道を開きます。さらに12年のJAXA法改正で『安全保障』の研究開発が追加されました。同連絡会の小寺隆幸事務局長はこう指摘します。『百歩譲って(専守防衛)は(法の範囲内)であるとしても、JAXAが研究する超音速エンジンが、島嶼防衛のためとしつつも他国の先制攻撃に使われる可能性がある以上、それを(専守防衛)のためという虚偽性は明らかです。敵基地攻撃能力保持論の本質は、北朝鮮や中国と米軍との間に軍事衝突が起きたときに、米軍と一体化して相手の基地に自衛隊が先制攻撃を行うことを想定したものであり、明確な憲法9条違反です。」
14日付しんぶん赤旗日刊紙は、更に宇宙軍拡の動きを次のように報じています。
「2003年のイラク戦争を前後して、米国は宇宙軍拡に本格的に着手。圧倒的優位性を確保しますが、ロシアや中国も参戦し、宇宙での軍拡競争が過熱していきます。宇宙を新たな戦闘領域と位置付けるトランプ前政権は19年12月、独立した軍種である『宇宙軍』を編成しました。これに追随する形で、航空自衛隊も20年5月、『宇宙作戦隊』を創設。『我が国の宇宙利用の優位を確保する』(防衛白書)としていますが、実際は宇宙空間における米軍の優位性確保の一端を担うことにあります。宇宙作戦隊の主要任務に位置づけられているのが、宇宙状況監視(SSA)です。宇宙空間では、運用を終えた人工衛星に加え、中国などの『衛生破壊実験』による宇宙ゴミが増加。これらが人工衛星に衝突しないよう監視するとともに敵対国の宇宙監視も行う見通しです。その背景には米国の要求があります。日本の宇宙政策の司令塔である内閣府は、『米国は安全保障や民生利用に資する宇宙インフラの共同利用を、同盟国・日本に期待している』と説明。日本は世界第4位の衛星保有国であり、その資源活用が狙われているのです。15年の日米新ガイドライン(軍事協力の指針)で、SSAの『協力強化』を明記。さらに19年4月の日米安全保障協議会(2プラス2)では、①日本の深宇宙(DS)レーダー開発②23年打ち上げ予定の準天頂衛星システムへの米国のSSAペイロード搭載ーなどを確認しました。②について、日米両政府はすでに実施細目取極を実質的に承認しており、日米のシステムが連接します。また、高高度を監視するDSレーダーが山口県山陽小野田市の海自山陽受信所跡地に設置される計画が進行。自衛隊初のSSA拠点となります。自衛隊にノウハウを提供しているのが宇宙航空研究開発機構(JAXA)です。防衛省は本紙の取材に、17年にJAXAとSSAに関する協力協定を締結し、同協定に基づき、航空自衛官1名が『知見を得るため』、JAXA筑波宇宙センター(茨城県)に常駐していることを明らかにしました。宇宙基本法の制定(08年)、JAXA法改定(12年)さらに『宇宙安全保障の確保』を第一に掲げた宇宙基本計画の改定(20年)は、こうした動きと軌を一にしています。JAXAは13年から始まった日米SSA協力に当初から参加。すでに、米国と同盟国の宇宙監視網の一部を構成しています。宇宙軍拡に警鐘を鳴らしてきた前田佐和子・元京都女子大教授は、日本が米国の『ミサイル防衛』計画に参加した2003年が転機だったとの見方を示しています。宇宙科学研究所(文部科学省)、宇宙開発事業団(科学技術庁)、航空技術研究所(同)が統合され、JAXAが発足したのがこの年でした。さらに12年、JAXAの所管が文科省から内閣府などのもとに移されます。『宇宙軍拡の体制を整えることが、内閣府の一元的管理を可能にする中央省庁の再編と結びついて進められた』。また、03年に米軍のGPS(全地球測位システム)衛星を補完する準天頂測位衛星の開発が開始されました。10年に『みちびき』初号機が打ち上げられ、23年度に7機体制となります。前田さんは、国産の長距離巡航ミサイル=極超音速高速誘導弾や、射程1000キロ以上が想定される12式地対艦誘導弾など敵基地攻撃兵器は、『詳細は不明だが、GPSや準天頂衛星が誘導する』と指摘します。一連の動きから『島嶼防衛』と称した南西諸島への『スタンド・オフミサイル』配備の深層は、米国の宇宙覇権を補完する動きであることがうかがえます。沖縄を宇宙戦争の実験場にするのか―が問われています。」
米国に「宇宙軍」が編成され、自衛隊に「宇宙作戦部隊」が創設されました。米国の宇宙覇権を補完する自衛隊としての体制が整備されています。
宇宙作戦部隊が行う宇宙状況監視(SSA)の拠点が山陽小野田市の深宇宙(DS)レーダーの整備です。
前田元京都女子大教授が指摘するように、開発されていることが明らかになった国産の敵基地攻撃能力を誘導する衛生と自衛隊の「宇宙作戦隊」及び米軍の「宇宙軍」との情報を結ぶのが山陽小野田市のDSレーダーだと思われます。
山陽小野田市のDSレーダーが日米の宇宙軍拡において重要な役割を担わされようとしています。
私は、昨年9月県議会において、山陽小野田市の宇宙監視レーダーについて次の質問を行いました。
「7月31日、山陽小野田市議会議員連絡会が開催され、我が党の山田伸幸市議の証言によると、参加した防衛省職員は、建設中の宇宙監視レーダーの任務について、これまで、宇宙ごみの除去としか説明してこなかったが、中国やロシアのキラー衛星の監視や米軍の宇宙軍に情報を提供することも任務に含まれると説明しました。県は、防衛省から宇宙監視レーダーの役割について、どのような説明を受けていますか、山陽小野田市議会議員連絡会で防衛省はどのような説明を行ったのか照会すべきですが、お尋ねしたいと思います。防衛省は、山陽小野田市の照会に対して、レーダーの設計が完了し、シミュレーションを行って、運用開始前に安全確認をした後に、改めて説明会を開催したいと説明しています。レーダーの任務の重大な変更が明らかになった今、県は、防衛省に住民説明会の早期開催を求めるべきですが、お尋ねをしたいと思います。」
この質問に内海総務部長は次のように答えました。
「まず、国からレーダーの役割について、県は、どのような説明を受けたのか、また、山陽小野田市議会議員連絡会で国がどのような説明を行ったのか照会すべきとのお尋ねです。宇宙監視レーダーの役割については、宇宙空間の安定的利用を確保するため、宇宙ごみや衛星の状況を監視するものと国から説明を受けています。また、国の山陽小野田市議会議員連絡会での説明に先立ち、事前にその内容について説明を受けていることから、県として、国に対し、改めて照会する考えはありません。次に、レーダーの任務に重大な変更があり、国に対し、住民説明会の早期開催を求めるべきとのお尋ねです。宇宙監視レーダーについては、衛星の監視等についても、当初より国資料において言及されており、その任務に変更があったものとは考えておりません。また、地元への説明については、国から、現在のレーダーの設計が終了しなければ、運用や影響などについて、具体的な説明ができないことから、レーダーの設計を終えた後に地元に対し、説明を行う旨聞いているところです。県としては、国の責任において、地元に対し丁寧に説明していただきたいと考えており、今後、山陽小野田市から要請があれば、連携して対応していくこととしております。」
2月7日付山口民報で、山田伸幸山陽小野田市議は「山陽小野田市埴生地区に建設が進めらている宇宙監視レーダーをめぐり、今年早々にも設計書が仕上がってくるとみられており、その内容が注目されます。」と述べています。
防衛省は、レーダーの設計書が仕上がったのなら、早急に、山口県や山陽小野田市と協議し、地元説明会の開催の協議を開始すべきです。
防衛省は、住民説明会の中で、宇宙監視レーダーが米軍の「宇宙軍」への情報提供を行う任務を担っていることやレーダーの住民生活に与える影響などについて説明すべきです。
改めて、山陽小野田市埴生地区に建設が進む宇宙監視レーダーについて皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
昨日、山口市内で「山口県センチュリー裁判を支援する会」結成集会が行われました。
昨年夏、山口県が「貴賓車」として高級車センチュリーを2090万円で購入しました。
マスコミでも大きく取り上げられ、全国注視の問題となりました。
私は、11月県議会でこの問題を取り上げました。
元県職員の松林俊治さんが、住民監査請求でこの問題を「村岡知事が、貴賓車センチュリー納車後にはじめて知ったのは職務の怠慢だ」などと訴えました。
監査委員は「貴賓車購入の契約執行の手続きが適正に行われており、知事の内部統制を欠いたとは認められない。」などと松林さんの訴えを棄却しました。
松林さんは、昨日の「センチュリー裁判を支援する会」結成集会の中で、住民訴訟の提訴の思いについて次のように語りました。
「センチュリー裁判を支援する会」結成集会で、住民訴訟提訴に至った思いを語る原告の松林俊治さん
「今回の山口県の貴賓車センチュリー購入が『県民の意思にかなったものか』、『否か』を社会的に判断してもらいたいと考えて、住民訴訟を行うべきものとの考えに至った。私たち山口県民に寄り添った『住民の暮らし・福祉増進』優先の施策を行う山口県行政にするきっかけになるような住民訴訟にしたい。」
内山新吾弁護士は、この裁判の争点について「センチュリーを購入したことが知事の裁量権の逸脱濫用にあたるかだ。あたれば、違法となる」と説明しました。
内山弁護士は「使用目的に照らして県がセンチュリーを購入する必要性がなかったことが明らかになれば、裁量権の逸脱を証明することになる」と説明しました。
私は、「11月県議会の一般質問で、内畠会計管理局長がセンチュリーを購入するよう宮内庁からの要請はなかったと答弁した。2019年度と2020年度を比較すると貴賓車が1台から2台に増えている。使用頻度が極めて少ない貴賓車、宮内庁から要請もされていない貴賓車の2台目を購入する必要性はなかったと考える。貴賓車は1台あるのだから、国産車の議長車か副議長車を1台購入すればよかったのではないか。そうすれば、県財政の軽減に繋がったと考える。私は、『議長車は新車のセンチュリー』との意向に執行部が答えた結果ではないかとの疑念を抱く。新車のセンチュリーに貴賓車という名目が、その時に加えられたのではないかとの疑念を抱く。」と発言しました。
松林俊治さんを原告とした住民訴訟は、山口地方裁判所に、2月18日10時頃提出される予定です。
私は、「センチュリー裁判を支援する会」の賛同者となり、今後この裁判を支援していきたいと思います。
又、県議会で必要な発言を行っていきたいと思います。
山口県が「貴賓車」として高級車センチュリーを2090万円で購入したことに対して住民訴訟が提訴されることになりました。
皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
1月26日、県教委は、山口県高等学校教職員組合に対して、「『休日のまとめ取り』のための1年単位の変形労働時間制に係る規定の整備について」とする文書を提示しました。
文書の内容は「学校職員のうち教育職員について、長期休業期間等に勤務時間が振られない日を連続して設けることを目的とする場合に限り、1箇月を超え1年以内の期間を平均して1週間あたりの勤務時間が38時間45分となるよう、週休日及び勤務時間を割り振ることができるようにするための規定の整備を行う」とし、施行日は、「令和3年4月1日としたい」としています。
2月5日付「山口県高教組新聞」は、「組合との交渉を経て2月22日からの県議会に条例案を出し、可決されれば4月1日から施行するとしています。」と報じました。
2019年12月「1年単位の変形労働時間制」導入を含む「改正教職員給与特別措置法(改正給特法)」が成立しましたが、2月県議会に、改正給特法で導入された「1年単位の変形労働時間制」を導入する条例が提案されようとしています。
文科省の「1年単位の変形労働時間制導入の手引き」には、「対象となる教職員の在校等時間に関し、指針に定める上限時間(42時間/月、320時間/年等)の範囲内であること」とあります。
文科省が言う導入の前提である年320時間を月平均すると26.7時間になります。19年度、県立学校で月平均36.4時間であり、現在の県立学校において、導入の前提である残業時間の上限を上回っています。
県が条例を制定し、教職員に「1年単位の変形労働時間制」を導入する前提がクリア出来ていない中、なぜ条例化を急ぐのでしょうか。
文科省の「導入の手引き」に「条例を整備するに当たっては、例えば県費負担教職員については、まず、各学校で検討の上、市町村教育委員会と相談し、市町村教育委員会の意向を踏まえた都道府県教育委員会において、省令や指針等を踏まえて条例等を整備すること」とあります。
高教組のアンケート調査(2月5日時点・483名が回答)では、管理職から1年単位の変形労働時間制導入に関する意見を聞かれたか?の設問で、聞かれたと答えた方が1%に留まりました。
各県立学校で十分な「検討」が行われている状況ではない中、県教委はなぜ条例化を急ぐのでしょうか。
時田宇部市議が宇部市教育委員会にヒアリングした結果、宇部市教委が県教委から変形労働時間制導入の意向だと報告を受けたのは、2月初旬に行われた市町教委の担当者会議の中だとのことです。その会議での報告は、県教委からの報告のみで、市町教委の「意向」を聴く場は持たれなかったとのことです。
市町教委からの「意向」が十分集約されない中、県教委はなぜ条例化を急ぐのでしょうか。
文科省は、「導入の手引き」で、「本制度は、これを単に導入すること自体が日々の教師の業務や勤務時間を短縮するものではありません。しかしながら、長期休業期間等において休日を集中して確保することで、教員のリフレッシュの時間等を確保し、ひいては児童生徒等に対して効果的な教育活動を行うことに資するとともに、教職の魅力向上に資することにより意欲と能力のある人材が教師を目指すことにつながることが期待されます。」とあります。
山口県の教職員の勤務実態は、1年単位の変形労働時間制を導入する前提を上回る長時間労働の状況にあります。山口県の教職の魅力向上のためには、勤務時間を短縮するものではない「変形労働制」の導入ではなく、クラスを少人数にして、児童生徒が効果的な教育を受ける環境の整備と、それに見合う教職員数に増やすことだと思います。
私は、山口県の教職員職場に「1年単位の変形労働時間制」を導入すべきではないと考えます。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
12日付(今朝)のしんぶん赤旗日刊紙は、高齢者施設など社会的検査が25都道府県で実施・計画されているとして次のように報じました。
「新型コロナウイルスの感染症拡大に伴う緊急事態宣言が10都府県で延長され、高齢者施設や医療機関でのクラスター(集団感染)が多発するなか、少なくとも18都府県が高齢者施設などの社会的検査を実施し、今後、実施を計画している自治体は7県にのぼることが本紙の調査でわかりました。全国の半数を超える25都府県が社会的検査を実施または計画しています。自治体レベルで高齢者施設や医療施設などへの社会的検査とその計画が広がっていることが明らかになりました。調査は9~11日にかけて、47都道府県の担当者に、医療機関・高齢者施設などで、感染者が判明していない場合にも職員や入所者に対するPCR等検査(社会的検査)を実施しているかなどについて聞きとりました。秋田、茨城、栃木、埼玉、東京、神奈川、長野、岐阜、静岡、京都、奈良、香川、福岡、長崎、宮崎、沖縄の各都府県が、医療機関、高齢者、障害者施設の無症状の職員に、少なくとも1回以上のPCR検査または抗原検査を行っていました。また、今後実施を計画・検討している自治体は、緊急事態宣言が出ている10都府県を除き、宮城、群馬、山梨、三重、滋賀、愛媛、佐賀の7県です。北海道や大阪府のように市町村レベルで実施している都道府県もあります。厚生労働省は4日付の事務連絡で、8日以降も緊急事態宣言が出ている10都府県(特定指定都道府県)に対し、感染多数地域における高齢者施設の職員への定期的PCR検査を行うよう通知。12日までに検査の集中的実施計画を提出するよう求めています。それ以外の地域(県)にも幅広い検査の積極的実施を求めています。本紙調査で、国が通知する以前から、自治体独自に無症状感染者の早期発見の取り組みが進められていることがわかりました。」
日本共産党県議団と日本共産党宇部市議団は9日の県知事への申し入れで、医療機関、介護施設などの「入所者、従業者全員を対象にした『社会的検査』を行うこと」を県知事に要請しました。
11日付、朝日新聞は県新年度予算の内容を報道する中でコロナ対策として次のように報じました。
「コロナ対策では、ワクチン接種の体制づくりのほか、医療機関の病床数確保や介護施設の感染対策に取り組む。」
私は、介護施設の感染対策として、入所者と従事者全員を対象にした「社会的検査」が実施されることを期待します。
しんぶん赤旗の調査で、「全国の半数を超える25都府県が社会的検査を実施または計画している」ことが明らかになった今、山口県の新年度予算に、社会的検査の実施の予算を加える時です。
社会的検査の実施・計画が全国に広がっています。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
9日、NHK山口放送局は、県のデジタル化について次のように報じました。
「山口県は、デジタル化の推進に向け、来年度、知事に提案や助言を行う『補佐官』のポストを儲け、IT大手の日本マイクロソフトや通信アプリ大手、LINEの幹部などを起用する方針を固めました。県は、最新の技術に精通した専門家を政策の策定に参加させ、デジタル化を加速させたい考えです。国は、『デジタル庁』の発足を予定しているなど、デジタル化を進めていますが、地方では、最新技術に精通した人材の確保が課題となっています。このため、山口県は、来年度、村岡知事がCIO=最高情報責任者に就任した上で、知事に、直接、提案や助言を行う『CIO補佐官』のポストを設け、民間の専門家を起用する方針を固めました。補佐官のポストは3つ用意され、県関係者によりますと、IT大手の日本マイクロソフトや、通信アプリ大手、LINEの執行役員などが就任する見通しだということです。県は、デジタル技術に精通した民間の専門家を政策の策定に参加させることで、県内のデジタル化を加速させたい考えです。あわせて、山口県は、新たに、デジタル化に向けた県の事業や県内の自治体との調整を統括する『デジタル推進局』を設置することにしていて、一連の政策でデジタル化がどこまで加速するか注目されます。」
10日、朝日新聞山口版は県のデジタル化について次のように報じました。
「県は、デジタル施策について村岡嗣政知事に提案や助言をする非常勤特別職の『補佐官』を2021年度に新設し、IT大手・日本マイクロソフトの執行役員ら3人を登用する方針を固めた。デジタル技術に関する専門知識をもつ人材が政策決定に関わる体制をつくることで、産業の担い手の高齢化など県の抱える課題解決につなげるねらいがある。3人は、日本マイクロソフト、通信アプリ大手『LINE』の執行役員と、デジタル技術を活用して地域課題の解決に取り組む一般社団法人『コード・フォー・ジャパン』の代表理事。村岡知事は21年度に新たに設けるCIO(最高情報責任者)に就任し、3人は『CIO補佐官』として専門的知見から知事を直接サポートする。また、県が21年度に新設する方針を示したデジタル施策の専門部局は、総合企画部内に『デジタル推進局』として置く。県庁の情報システムやネットワークに関する予算はこの推進局に一元化され、全国知事会や市町との連携も担う。デジタル技術活用の取り組みを後押しするため、県民や民間企業、大学などが抱える地域課題の相談先となる『DX推進官民協働フォーラム』や、市町へのデジタル技術の支援などを担う『DX推進拠点』を設ける方向で調整している。」
総務省は、昨年12月25日に「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」を発表し、各自治体における取組の指針となる国による支援策を明らかにしました。対象期間は、2021年1月から2026年3月です。
自治体DX推進計画の柱の第一は、「推進体制の構築」です。首長、CIO、CIO補佐官等を含めた全庁的なマネジメント体制の構築、デジタル人材の確保・育成などを示しています。
NHKや朝日新聞が報じた山口県のデジタル化の内容は、総務省が示した「自治体デジタルDX推進計画」の具体化そのものです。
日本共産党県委員会と県議団が村岡知事に行った新年度予算編成への要望の中で、行政の「デジタル化」について以下の点について要望しています。
・・・
〇行政の「デジタル化」(DX)について
①「デジタル化」は、行政手続きのオンライン化や業務の民間委託などによる「自治体リストラ」の手段とするのではなく、職員が全体の奉仕者としての役割を発揮でき、行政サービスを向上させ、労働負担を軽減するための補助手段として活用する、ことを大原則とする。
②マイナンバーカードの普及促進、各種給付の迅速化を口実にした行政手続きのオンライン化などを通じた個々人の所得や資産、医療、教育などの「個人情報」の収集、それを悪用した社会保障の給付抑制は行わない。
③行政のデジタル化を踏まえ、個人情報保護条例に、どんな自己情報が集められているかを知り、不当に使われないよう関与する権利、自己情報のコントロール権、情報の自己決定権を保障することを加える。
④行政手続きのデジタル化、オンライン化を推進する際は、多様で多面的な住民ニーズに応えられる対面サービスの維持・向上にも努める。
⑤デジタル化の推進にあたっては、障がい者や高齢者などデジタルを使いこなすことが困難な条件や環境にある人、経済的事情でIT機器が利用できない人など、デジタル・デバイド(利用できる人と利用できない人との間に生じる格差)の是正・解消に取り組む。
⑥自治体の独自サービス低下や行政情報の公開抑制などにつながる行政サービスのシステムの統一・標準化を強要しない。
・・・
白藤博行専修大学教授は、しんぶん赤旗に「デジタル化と地方自治」として次のように述べています。
「政府が推進するデジタル化は、住民の生活の改善や地方自治の充実とは無縁の代物です。安倍政権以来の経済成長戦略の延長上にあり、各国企業・国家間の争いに勝ち残ることにのみ関心がある、国家目的のためのデジタル化であることを忘れてはなりません。政権は、新型コロナ感染症対策の失敗の原因をデジタル化の遅れにしたいようですが、とんでもない話です。例えば、住民のいのちと健康を守る砦であるべき保健所や公立病院を減らし続けた政策の失敗であり、デジタル化の遅れは何も関係ありません。」
「すべての問題は『デジタル集権化』に行きつきます。国や大企業が個人から情報を吸い上げ、管理統制を強めていくようなデジタル化では、暮らしも地方自治も破壊されます。デジタル化で便利になるといっても、個人の尊厳やプライバシーを侵さない仕組みやルールをはっきりさせた上で進めなければ身も凍えるような行政になりかねません。個人情報が民間企業等に不用意に流れないように、そして個人情報を自己コントロールできるようにすることが不可欠です。」
白藤先生の指摘に照らして、山口県のデジタル化をチェックしていきたいと思います。
新年度から山口県のデジタル化が加速しようとしています。
皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
日本共産党山口県議団(木佐木大助団長)と日本共産党宇部市議団(荒川憲幸団長)は、9日、「高齢者施設等のクラスター防止対策とPCR検査の拡充を求める要請」を村岡嗣政山口県知事に行いました。
荒川憲幸日本共産党宇部市議団長が要望書を渡す(荒川団長の右横が私)
宇部市船木の「扶老会病院」(精神科・一般50、療養116、認知症108の計274床)で、1月18日、発生が確認された新型コロナの集団感染は、日を追うごとに広がり、2週間を経過した現在も感染者が確認されるなど、収束の目途がつかない状況です。陽性者数は、2月9日現在、191人に達しています。
同病院の入院患者と職員及び家族はもとより、周辺地域の住民の不安も高まる中、日本共産党県議団と同宇部市議団は、次の点について要請を行いました。
1、扶老会病院において新型コロナ感染が拡大した経緯とその要因、県が講じてきた対応策について明らかにすること。
2、厚労省の事務連絡「高齢者施設等への重点的な検査の徹底について(要請)」(2020年11月19日付)にある「 高齢者施設等の入所者又は介護従事者等で発熱等の症状を呈する者については、必ず検査を実施すること。当該検査の結果、陽性が判明した場合には、当該施設の入所者及び従事者の全員に対して原則として検査を実施すること」に沿ったPCR検査の実施実績を明らかにすること。
3、扶老会病院での集団感染を教訓に、①医療機関、介護施設など、クラスターが発生すると多大な影響が出る施設等に「危機管理対応マニュアル」の徹底を改めて求めること。②入所者、従事者全員を対象にした「社会的検査」を行うこと。その際、保健所の負担を軽減するため、民間機関も活用した「自主検査」も併用すること。
4、新型コロナ感染者の治療、看護にあたる医療従事者が家族への感染防止のため、ホテルなどに宿泊する場合は、その経費を全額補てんすること。
要望書を受け取った県新型コロナウイルス感染症対策室の担当者は、要望項目1について次のように答えました。
「感染拡大の要因には、日常的な共用スペースの利用や入院患者の特性などがある。県では、扶老会病院に県のクラスター対策チームやDMATを派遣するとともに、医師や看護師を確保して感染症対策に対応している。扶老会病院への支援体制は、今後も維持して対応していく。1以外の項目は後日、文書で回答したい。」と答えました。
私は、「扶老会病院でのPCR検査の実施状況について」質問しました。
担当者は、「全ての入院患者と職員(約450名)に一斉検査を実施するとともに、現在も、医療スタッフに定期検査を実施している。陰性者とゾーンを分けた上、軽症者は院内、中程度以上は確保した病床に転院して対応している。」と答えました。
私は、「扶老会病院で陽性患者さんに対応するにあたっての費用は、国の緊急包括支援交付金の適応にならないのか。また、対応する医療スタッフが、宿泊施設を利用した場合の費用は、国の緊急包括支援交付金の適応にならないのか。」と質しました。
担当者は、「扶老会病院で陽性患者さんに対応する経費が、緊急包括支援交付金の対象になるかは後日回答する。陽性患者さんに対応する医療スタッフが宿泊施設を利用した場合の費用は、緊急包括支援交付金の対象になるものと考えている。」と答えました。
日本共産党宇部市議団からは、扶老会病院への県の支援に感謝の声が出されていることが紹介され、「扶老会病院の医療スタッフが、他の医療機関を利用した際、受診拒否があったとの問題も生じている。この問題についてもしっかり対応してほしい。」との要望が出されました。
入所者と医療スタッフで約450人に対して、191人の陽性患者が発生した今回のクラスターは県内最大級のものです。
収束に向けて県の支援の継続は評価しつつ、今回の事案を教訓にした県内の医療機関や高齢者施設などに対する感染防止マニュアルを策定することや、感染リスクの高い高齢者施設等の関係者への定期的なPCR検査の実施を引き続き、求めていきたいと思います。
感染リスクの高い施設でのクラスター発生に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。