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山口県避難行動要支援者中名簿情報提供人数の割合が、全国ワースト3位

 3日、毎日新聞は、個別避難計画の策定状況について次のように報じました。
 「災害時に自力で逃げるのが難しい人の避難経路や支援者をあらかじめ決めておく『個別避難計画』の策定が、奈良県内で遅れている。国の調査によると、2023年10月1日時点で計画を作っていない市町村の割合は51.2%。奈良県のみが半数を超え、全国でも最悪となっている。なぜなのか。個別避難計画は、介護が必要な高齢者や障害がある人など、避難に支援が必要な人がどこの避難所にどうやって逃げるか、その際に誰が手助けするかなどを市町村がまとめたもの。21年に改正された災害対策基本法で策定が努力義務になった。自治体は避難行動に支援が必要になる住民(避難行動要支援者)の名簿をあらかじめ作ったうえで、計画を定める。計画を策定できない背景には何があるのか。多くの市町村が『人手不足』を挙げている。桜井市では福祉部局が名簿の作成を進めているが、『コロナの給付金事業など他の仕事で手いっぱいで、名簿にさく労力の余裕がない』状況だという。また、田原本町の担当者は『福祉と防災の両部門で進めるべき事業だが、横のつながりが薄く調整がうまくいっていない』と話す。理由は他にもある。名簿や計画の作成に理解が得にくいことも障壁の一つになっている。計画を『一部策定済み』のある市の担当者は『地元の協力が得られずに策定が難航している地域も多い。身の危険が迫る災害時に他の人も助けなくてはいけなくなることに抵抗感を感じる人が少なくないようだ』と話す。県央部のある町の担当者は計画策定のための説明に行く際、地域住民から計画の必要性に疑問を呈されることが何度もあったという。『奈良県は災害が少ない地域。被災経験のある人も少なく、防災意識がそこまで高くないことが県全体で策定が遅れている原因なのかもしれない』と分析する。一方、策定を早期に済ませることができ、その要因を『地元からの協力』に挙げる自治体もある。橿原市では14年ごろから計画の策定に取り組み、同意を得た対象者全ての避難計画がある。担当者は『民生委員などが協力的だったことが大きかった。今後も継続して協力を得られるかどうかが計画を維持するポイントになる』と話した。地元から協力を得る鍵は何になるのか。内閣府の防災担当者は『計画の具体的なイメージを住民に抱いてもらうこと』を挙げた。『個別避難計画を作ろうにも、そもそも災害時の避難はどう行動するものかがわかっていないと理解を得にくい。避難訓練をすることで、地域の人にも計画がどういうものかイメージしてもらいやすくなる』と説明した。また、『計画の目的は策定を通じて地域の防災意識を高めること。進捗(しんちょく)にとらわれず、あくまで防災力を高めるための道具として活用してほしい』とも語った。」
 内閣府・消防庁が昨年11月2日、昨年10月1日時点の「個別避難計画の策定等に係る進捗状況の把握について」とする調査結果の中から山口県の状況をお示ししたいと思います。
 山口県の個別避難計画の策定状況ですが、全部策定済の市町が1、一部策定済の市町が18となっています。
 国の昨年6月30日時点の調査では、県内で19すべての市町で、避難行動要支援者名簿は策定されているようです。要介護認定を受けている者や、身体障害者、知的障害者、精神障害者は、ほとんどの市町が名簿掲載の範囲としていますが、難病患者や自治会や首長が支援の必要を認めた者や自ら掲載を希望した者などは、半分程度の市町しか対象にしていません。
 山口県に、避難行動要支援者が5万865名ですが、事前に情報提供している人数は、1万3429人で、26.4%です。全国平均の39.6%を下回っています。山口県は、沖縄県、山形県に続いて、避難行動要支援者の内、平時から名簿情報提供人数が少ない都道府県となっています。
 避難行動要支援者が確実に避難できるような体制の整備が県内で急がれます。

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