25日、中国新聞は、安倍晋三元首相の妻明恵さんが代表を務める政治団体「晋和会」に、安倍氏死後、1.8億円が移動していたと次のように報じました。
「2022年7月に亡くなった安倍晋三元首相の妻昭恵さんが代表を務める政治団体『晋和会』に『自由民主党山口県第四選挙区支部』から約1億3千万円が寄付により移動していたことが24日、分かった。安倍氏が関係した他の政治団体からの寄付を合わせると移動額は約1億8千万円に上る。総務省が24日公表した22年分の政治資金収支報告書で判明。支部から晋和会への移動は、7月27日に5674万3022円▽翌28日に8千万円▽10月19日に27万193円▽12月22日に30万円ーの計1億3731万3215円だった。安倍氏は関係6団体のうち資金管理団体『晋和会』と政党支部『自由民主党山口県第四支部』の代表だった。ともに安倍氏が死亡した22年7月8日付で代表が昭恵さんに異動した。支部の21年分の報告書によると、1億9203万5558円が22年に繰り越され、うち2379万7612円は税金が原資の政党交付金の基金残高だった。支部は23年1月31日に解散。総務省の9月公表の政党交付金使途等報告書によると、基金は安倍氏死亡後も人件費や事務所費に充てられ22年中に使い切られた。政党助成法や党や党支部が解散した場合、政党交付金の残高を国に返すよう定める。神戸学院大の上脇博之教授(憲法学)は『安倍氏の死亡後も使い切るのはおかしい。政党交付金の国庫返納を逃れ、支部のお金を自分の政治団体に横流しして私物化している』と指摘している。」
25日、しんぶん赤旗日刊紙も、この問題について以下のように報じました。
「自民党山口県第四選挙区支部(解散)が代表だった安倍晋三元首相の死後に、同支部に残っていた資金のうち、約3080万円を政党助成金として使い切った形にして国庫に返還せず、約1億3700万円を元首相の資金管理団体だった『晋和会』に異動していたことが24日、総務省が公表した2022年分の政治資金収支報告書などから分かりました。両団体とも元首相が亡くなった昨年7月8日付で妻安倍昭恵氏が代表に就任しました。政党助成金は残額を原則として国庫に返還する決まりです。ただ帳簿上で助成金を使い切ったことにすれば、党支部にいくら資金が残っていても返還義務を免れることができます。助成金は税金が原資です。法律の抜け道をついて返還を免れる手法は、政党として道義的責任が問われます。政党助成金の使途等報告書によると22年に同支部に残っていた助成金約3080万円を使い切ったとしています。内訳は人権費、事務所費など。人件費は前年の2倍となる約2100万円。事務所費にはパソコンデータ抹消、金庫廃棄処分、文書溶解処理が含まれるなど事務所閉鎖に伴うとみられる費用が支出されていました。そのうえ、同支部は昨年7月27日に晋和会へ約5674万円を移動。以後、12月末まで3回送金を繰り返します。最終的に計約1億3700万円を映しました。仮に元首相の死後直後に政党助成金の残金約3080万円を国庫に返金したとしても、事務所閉鎖には十分な資金があった形です。また晋和会の収支報告書からは資金移動が必要な切迫した財政事情はうかがえません。晋和会の支出を見ると、元首相の死後は同僚議員のパーティー券購入を停止し、交通費や会合費(2回)がある程度です。翌年(23年)への繰越金は約1億3600万円もありました。昭恵氏に政党助成金を返還しなかった理由などを質しましたが、回答はありませんでした。(政治資金オンブズマン代表の上脇博之神戸学院大学教授の話)本来であれば安倍晋三首相が亡くなった昨年7月8日以降、自民党山口第四支部は政党助成金を使わず、国庫に返還すべきでした。それをせずに晋和会に資金を移したことは、国庫への変換のがれを実質的に行ったということができます。限りなく政党助成金の『私物化』に近い行為です。また支部にこのようなことを許した自民党の責任も問われます。」
自民党山口第四選挙区支部にあった、3080万円の政党助成金を国庫に返納せず、約1億3700万円を安倍晋三氏が死去した後に、政治家ではない安倍氏の妻昭恵氏が代表を務める政治団体に移動したことを、自民党山口県連として県民に説明すべきではないでしょうか。
「美しい国」を造るとした安倍氏死去後の政治資金の流れは、決して美しいとは言えない内容だと言わなければなりません。
昭恵氏はなぜ、政党助成金を国庫に返還しなかったのか県民、国民に説明すべきです。
山口県第四支部でなぜ、このような資金処理を行ったのかについて、自民党は県民、国民に説明すべきです。
この問題は、自民党の派閥の政治資金収支報告不記載問題と合わせて、自民党にとって重大です。
この問題に対す皆さんのご意見をお聞かせください。
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