月別アーカイブ:2023年6月

LPガス世帯支援と農業者支援が実現

 6月14日、県議会議会運営委員会が開かれ、6月県議会定例会に付議される議案が示されました。財政課長は、144億円超の6月補正予算概要として50億円超の物価高騰対策が組み込まれる予定と説明しました。

 6月県議会に向けての議会運営委員会に臨む私

 日本共産党県議団は、5月9日、「『重点交付金』の有効活用で県民の生活と生業への支援強化を求める要望書」を県知事に提出し、①LPガス使用世帯への給付金支給②生産資材、肥料、飼料高騰の影響を受けている農林水産業者への支援を求めていましたが、これらの要望が6月補正予算に反映されています。
 6月14日の議会運営委員会後に、村岡知事は、記者会見で、6月県議会の補正予算の内、物価高騰対策について次のように説明しました。
 まず、LPガス利用者への支援です。今年1月から9月までの使用分に対する支援として、一般消費者・業務用利用者については、1世帯当たり3千円を、工業用利用者については、1立方メートルあたり20円を、9月から11月までの間に使用する料金から値引きが行われます。
 次に、農業・畜産業支援です。肥料価格高騰に対する支援として①水稲・大豆等の農家には、10aあたり1000円の支援②野菜・果樹等の農家には、10aあたり2000円の支援③施設花きの農家には、10aあたり5000円の支援が行われます。
 配合飼料価格高騰に対する支援としては、購入飼料1トン当たり5300円を、輸入粗飼料価格の高騰に対する支援として、乳用牛1頭あたり13000円の支援が行われます。

 6月県議会は21日に開幕します。しっかり準備をして大いに発言したいと思います。

 県政全般に関わる皆さんのご意見をお聞かせください。

阿武風力発電事業に関する要望書とアブサンショウウオの保護に関する要望書が知事に提出される

  15日、阿武風力発電所に関する要望書が、地元の3団体から県知事に提出されました。

 私と河合県議が同席しました。

 阿武風力発電事業に対する要望書が県知事に提出されました。手前が私です。

 15日、NHK山口放送局は、阿武風力発電所計画について次のように報じました。
 「阿武町で建設が計画されている風力発電所をめぐり、事業者が、資材などを搬入する道路を造ることについて地権者にのみ説明し、住民説明会での説明をしなかったとして、地元住民などでつくる団体が、県に適切な措置を講じるよう求めました。阿武町では。再生可能エネルギーの発電事業を行っている『HSE』が、最大13基の風車を設置する県内最大規模の風力発電所の建設を計画しています。この建設をめぐり、15日、地元住民などでつくる団体の代表らが県庁を訪れ、要望書などを提出しました。要望書では、『HSE』が建設資材などを搬入する道路を作ることについて地権者にのみ説明し、住民説明会では説明しなかったとして、県が事実を確認して適切な措置を講じるよう求めています。また、県から『HSE』に対して、住民に公開された形での住民説明会を改めて開くよう要請することなどを求めています。さらに、団体は、『HSE』が建設予定地で鳥類への影響を調査していることについて、県はどのように把握しているのかなどを問う質問書も提出し、今月(6月)中をめどに回答するよう求めました。要望を行った団体の1つの浅野容子代表は、『不安や懸念を伝えているが、事業者や行政からきちんとした回答がないまま進んでいる。事業者による説明を求めていきたい』と話しています。」
 要望書では、HSEが、地権者にのみ搬入路について説明している問題だけではなく、関係団体で、HSEに次の指摘をしたことが示されています。
 「環境影響評価配慮書知事意見において、『方法書では風力発電施設の設置等、及び工事計画を可能な範囲で明確にしたうえで当該地域を選定した理由から事業実施想定区域の設定、配置地区等の検討過程を具体的にわかりやすく記載すること』と勧告されているにもかかわらず、方法書でも具体的な計画が記載されておらず、方法書知事意見(2021年8月10日)でも『準備書では具体化した工事計画等を明確に記載する』よう再度勧告され、貴社は『具体的な事業計画及び対策につきましては準備書に記載致します』と回答しています。ところが、同年8月25日に開催された経済産業省環境審査顧問会風力部会議事録には『別添で非常に細かい土木工事の図面が用意されています』とあります。」
 要望書では、「質問に回答するよう求めたが、今もって同社は回答していない。」と指摘し、「県として、事の重大さを考慮され、その解決の為にも準備書縦覧の始まる前に、いま一度、HSE(株)が、一般にも公開した住民説明会を開催するよう求めることを要望する」としています。
 15日には、村岡県知事に「山口県阿武町に生息する『アブサンショウウオ』の保護・保全に関する要望書」も提出されました。
 アブサンショウウオは、今年1月、国の特定第二種国内希少野生動植物種に指定されました。
 また、環境省は、今年5月に、「特定第二種国内希少野生動植物種 止水性サンショウウオ類の保全の手引き」を作成しました。
 この手引きに、「対象とする止水性サンショウウオ類13種の地方自治体による規制(令和5年3月20日時点)」が示されています。
 都道府県では、愛媛・大分・鳥取・京都、奈良の各県が希少種保存等の条例による規制を行っています。
 また、大分・鹿児島の各県が、天然記念物に指定しています。
 アブサンショウウオに関しては、希少種保存等の条例による規制や天然記念物の指定は行われていません。
 要望書は「アブサンショウウオを山口県希少野生動植物保護条例に基づく、『指定希少野生動植物種』に指定し保護」することなどを求めています。
 私は、これまでも阿武風力発電事業の問題やアブサンショウウオの保護について質問を行っていました。6月県議会においても、これらの問題を取り上げていきたいと思います。
 これら問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

山口県内の自衛隊基地7カ所が「強靭化」工事の対象 中国四国防衛局からレクチャー受ける

 大平よしのぶ比例中国ブロック候補と、木佐木大助・かわいきよ・藤本かずのりの各山口県議は、15日、中国四国防衛局に出向き、自衛隊施設の強靭化についてレクチャーを受けました。

 昨日、中国四国防衛局で自衛隊基地の強靭化工事についてレクチャーを受けました。(左から木佐木県議、私、大平中国比例候補、かわい県議)

 藤井裕二調達部調達調査課課長らは、強靭化の目的について「施設の抗堪性を高めることなど」だと答えました。抗堪性とは、攻撃に耐え再び攻撃する力を意味します。敵基地攻撃能力保有に備え施設を核シェルター化するのが強靭化だと分かりました。
 4月20日、日本共産党の山添拓参議院議員は、外交防衛委員会で、2023年度予算における「施設の強靭化に関する主な事業」について防衛省提出資料を基に示しました。山口県内では7施設の主な事業内容と事業額が示されています。県内7施設の強靭化について藤井課長らは「事業額等は防衛省が行ったもの」と中国四国防衛局は関与していないと答えました。大平比例候補らは、周辺住民が参加できる説明会の開催を強く求めました。

米兵犯罪不起訴9割超す 日米地位協定改定と密約解消が急務

 しんぶん赤旗日刊紙は、先日、米軍犯罪で不起訴が多いことについて次のように報じました。
 「国内で2022年に発生した米軍関係者(米兵、軍属、家族)による一般刑法犯(過失運転致死傷などを除く)の起訴率は9・6%どまりで、9割超が不起訴になっていることが、日本平和委員会が入手した資料で明らかになりました。同委によると起訴率10%割れは01年以降で初めて。近年の全国の一般刑法犯の基礎率は30%台後半で推移しており、これと比べると3分の1以下です。米軍関係者『優遇』の実態が改めて浮き彫りになりました。同資料は法務省が開示した『合衆国軍隊構成員等犯罪事件人員調』。これによると、米軍関係者による一般刑法犯は、起訴は10件に対し、不起訴は94件に上りました。強制わいせつ、強制性交等、強制性交等死傷、過失致死傷、脅迫、詐欺などはすべて不起訴になりました。窃盗での基礎は29件中1件だけ、住居侵入も11件中1件にとどまりました。一般刑法犯ではない『自動車による過失致死傷・過失運転致死傷』でも115件中36件が不起訴で、起訴率は23・2%にすぎません。米軍関係者による犯罪の起訴率が低い背景には、日米地位協定と日米密約があります。協定17条は、米軍関係者の事件が『公務中』の場合は米側が、『公務外』では日本側がそれぞれ第一次裁判権を行使できると明記しています。しかし、日本政府は、1953年の日米合同委員会で結んだ密約で、『実質的に重要であると考えられる事件』以外は裁判権を行使しないと約束しています。今回明らかになった起訴率の実態は、この密約が今なお効力を持ち続けていることを裏付けています。」

 過去のブログで県内で米兵犯罪が横行している実態を報告してきました。

  私は、昨年2月県議会で岩国市で起きた米兵による自動車盗難事件を取り上げ日米地位協定の改定を関係機関に求める質問を行いました。

 近藤総務部理事は「日米地位協定の改定については、基地を抱える都道府県で構成する渉外知事会において、これまでも、事件・事故に係る被疑者の起訴前の拘束移転などについて、日米両政府に対して、要請しており、引き続き、関係都道府県と連携し、国や米側に粘り強く働きかけていく」と答えました。

 事件・事故に係る被疑者の起訴前の拘束移転が行えるよう日米地位協定を改訂することは重要です。

 その上で、公務中ならば、米側が裁判権を行使できるとの地位協定の見直しも必要だと思います。

 更に、日米地位協定で結んだ「実質的に重要であると考えられる事件」以外は裁判権を行使しないとの密約の解消が必要だと思います。

 治外法権となっている米軍優遇の日米地協定を改訂し、日米の密約を解消していくことが急務だと思います。

 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

 

是枝裕和監督の映画「怪物」を観ました

 先日、是枝裕和監督の映画「怪物」を観ました。
 11日付、しんぶん赤旗日刊紙の「潮流」は映画「怪物」について、次のように報じました。
 「昔から『複眼』という言葉をよく耳にしました。複眼のすすめとか、複眼的思考とか。いろいろな立場や角度からものごとを見て考える大事さを説いた本もありました。『単一のせまい範囲内に限定されたものの考え方や価値観を越えて、もっと広い視野で自分や世界を多元的にとらえる能力』。以前、作家の片岡義男さんは『複眼とはなにか』にそうつづっていました。歴史や世界をとらえるときに欠かせない複眼。それは日常の出来事にも必要ではないか。公開中の映画『怪物』はそんなことを問いかけてきます。小学校で起きたトラブルをシングルマザーや教師、子どもたちの視点から描いていきます。見えない怪物というものを、映画を見た人たちがどこに見つけていくのか。是枝裕和監督は、言葉にできないことについての映画なので、簡単に言葉にできないという感想が一番うれしいと話しています。複雑な社会のありようや人間の内面を映し出してきた是枝監督。ものごとを単純化する傾向にある今のメディアに苦言を呈しています。『本来は事件や事故が起きたときに、どういう社会的な背景があるのか考えていくのが報道の役割だと思うんですが、社会的制裁をメディアが一緒になって加えていく』状況が一般的になってしまったと。自分にとっての正しさや価値観が他者への押しつけになってはいないか。人間同士が理解するためにはどうすればいいのか。複眼がいっそう求められる時代の中にあって考えさせられる作品です。」
 私は、先日ある会合に参加し、40代後半の独身のAさんにある方が、「今度は、Aさんの結婚祝賀会に参加したい」とみんなの前で発言しました。それに加勢する発言が続く中、別の方が「そのような事を公言するのはいかがなことか」と諫める発言をされ、私もその方の発言を支持する発言をしたことがあります。
 5月22日のしんぶん赤旗日刊紙のインタビューで映画「怪物」の監督、是枝裕和さんが「本作は『無自覚な加害性』という、非常に現代的なテーマを描いています」と述べています。
 私にもある「無自覚な加害性」に気づかせてくれるのが映画「怪物」だと思います。
 是非、一人でも多くの方に映画「怪物」を劇場で観ていただきたいと思います。

NHK100分de名著6月はナオミ・クライン著「ショック・ドクトリン」お勧めです

 NHKEテレの「100分de名著」。6月は、ナオミ・クラインの「ショック・ドクトリン」です。解説は、国際ジャーナリストの堤未果さんです。
 先日立ち寄った本屋で、この放送を知り、テキストを買い、昨夜、第一回の再放送分をビデオで視聴しました。
 ナオミ・クラインの事を知ったのは、ある先輩の方から数年前にナオミ・クラインさんの本をプレゼントされて読んだのがきっかけです。

 一冊づつが、上・中・下刊であったり、上・下刊であったり(ショック・ドクトリンも上・下刊)で、中々、読了するのは時間が必要ですが、可能な限り、ナオミ・クラインさんの著作には触れる努力を続けています。
 ナオミ・クラインさんは、1970年生まれですので、私より若い50代前半のジャーナリストです。「ショック・ドクトリン」は2007年にアメリカで刊行された本です。刊行されて16年目の本が「100分de名著」で取り上げられるのも異例のことだと思います。
 この番組のテキストで解説の堤さんは「危機に便乗して過激な新自由主義を強引にねじ込むこの戦略を、クラインは『ショック・ドクトリン』と名付けます」と指摘しています。
 テキストの1回目の最後のページに「ショック・ドクトリン」にある「コーポラテイズム」について引用されています。
 コーポラティズムについて堤さんは「多国籍企業が政府と密接に結びつくことで、まるで株主が経営陣を動かすように、自分たちの都合の良い政策を次々と導入させて利益を拡大し、反対者を弾圧して黙らせるこのシステムを、ナオミ・クラインは『コーポラティズム』と表現します。」と解説し、「ショック・ドクトリン」の次の文章を引用しています。
 「コーポラティズムは、膨大な公共資産の民間への移転(往々にして莫大な負債を伴う)、とてつもない富裕層と見捨てられた貧困層という二極格差の拡大、そして安全保障への際限ない出費を正当化する好戦的ナショナリズムをおもな特徴とする。このようにして生み出された巨大な富のバブルの内側にいる者にとっては、これほど収益性の高い社会構造はほかにない。だが、バブルの外側にいる大多数の人々は明らかに不利な立場に置かれるため、コーポラティズム国家は露骨な監視活動(ここでもまた政府と大企業が互いに便宜を図り、契約を交わす)、大量の人々の監禁、市民的自由の制限、さらには多くの場合、拷問と言う特徴を持つことになる。」
 日本は、5年間で43兆円もの軍事費を使うことを宣言した「安保3文書」を昨年末、閣議決定し、大幅な軍事費増の新年度予算を編成するに至りました。
 まさに、日本は、ナオミ・クラインが指摘する「安全保障への際限ない出費を正当化する好戦的ナショナリズム」が爆走しています。
 ウクライナ戦争・台湾有事の「ショック」をあおり、軍事費を拡大する一方、社会保障費削減と増税を進めようとしています。
 ナオミ・クラインが指摘する「露骨な監視活動」は今国会で通過した「マイナンバー法」や「入管法」などにも表れていると感じます。
 日本は、「政府と財界の蜜月が生み出すコーポラティズム国家」を爆走している瞬間に立たされていると感じます。
 しかし、希望はあります。日本が進む「安全保障への際限のない出費を正当化」する流れに、抗して「敵基地攻撃能力反対」「9条改悪、絶対反対」をアピールする4年ぶりの若者憲法集会に1500人が集いました。
 G7サミットで回復していた岸田政権の支持率は、ANNの世論調査で前月より4・1ポイント支持率が下がり、36・9%になりました。不支持率は37%で6ポイント下がりました。マイナンバーの利用拡大に『不安を感じる』の質問に感じるは76%となりました。
 ショックをあおり、大軍拡により、大企業のもうけを最優先させ、国民の暮らしを削り、大増税をたくらむ岸田政権に総選挙ではノーの審判を下していきましょう。
 総選挙に向けて、この6月は、一人でも多くの方に、NHK100分de名著「ショック・ドクトリン」を観ていただいて、世界と日本の今を学び、国民にとって経済とはなにかを学んでいただきたいと思います。私も皆さんと一緒に、堤未果さん解説に耳を傾けたい、しっかり学びたいと思います。
 NHK100分de名著「ショック・ドクトリン」を視聴しておられる皆さん、感想をお聞かせくだしい。