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是枝裕和監督の映画「怪物」を観ました

 先日、是枝裕和監督の映画「怪物」を観ました。
 11日付、しんぶん赤旗日刊紙の「潮流」は映画「怪物」について、次のように報じました。
 「昔から『複眼』という言葉をよく耳にしました。複眼のすすめとか、複眼的思考とか。いろいろな立場や角度からものごとを見て考える大事さを説いた本もありました。『単一のせまい範囲内に限定されたものの考え方や価値観を越えて、もっと広い視野で自分や世界を多元的にとらえる能力』。以前、作家の片岡義男さんは『複眼とはなにか』にそうつづっていました。歴史や世界をとらえるときに欠かせない複眼。それは日常の出来事にも必要ではないか。公開中の映画『怪物』はそんなことを問いかけてきます。小学校で起きたトラブルをシングルマザーや教師、子どもたちの視点から描いていきます。見えない怪物というものを、映画を見た人たちがどこに見つけていくのか。是枝裕和監督は、言葉にできないことについての映画なので、簡単に言葉にできないという感想が一番うれしいと話しています。複雑な社会のありようや人間の内面を映し出してきた是枝監督。ものごとを単純化する傾向にある今のメディアに苦言を呈しています。『本来は事件や事故が起きたときに、どういう社会的な背景があるのか考えていくのが報道の役割だと思うんですが、社会的制裁をメディアが一緒になって加えていく』状況が一般的になってしまったと。自分にとっての正しさや価値観が他者への押しつけになってはいないか。人間同士が理解するためにはどうすればいいのか。複眼がいっそう求められる時代の中にあって考えさせられる作品です。」
 私は、先日ある会合に参加し、40代後半の独身のAさんにある方が、「今度は、Aさんの結婚祝賀会に参加したい」とみんなの前で発言しました。それに加勢する発言が続く中、別の方が「そのような事を公言するのはいかがなことか」と諫める発言をされ、私もその方の発言を支持する発言をしたことがあります。
 5月22日のしんぶん赤旗日刊紙のインタビューで映画「怪物」の監督、是枝裕和さんが「本作は『無自覚な加害性』という、非常に現代的なテーマを描いています」と述べています。
 私にもある「無自覚な加害性」に気づかせてくれるのが映画「怪物」だと思います。
 是非、一人でも多くの方に映画「怪物」を劇場で観ていただきたいと思います。

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