昨日、封切りされたばかりの三谷幸喜監督の映画「記憶にございません!」を観ました。
今朝のしんぶん赤旗「日刊紙」の「潮流」にこの映画の事が書かれていました。
「すさまじく国民から嫌われ、史上最悪と呼ばれるダメ総理。ある日、投げつけられた石が頭に当たり記憶喪失に。すると、金と権力に目がなかった悪徳政治家が善良で純朴な人物に変わる-」
三谷幸喜監督は映画のパンフレットでこう述べています。
「僕が作るコメディって、パロディの要素はほとんどないし、風刺喜劇でもないんすね。特に風刺は苦手。主義主張のために、自分の作品を使いたくないんです。だから今回も現実の政界を批判する気は最初からなかった。」
しかしながら、しんぶん「赤旗」今朝の「潮流」はこう書いています。
「国民に暴言をはき、消費税を挙げ、強行採決をくり返してきた首相がそれを反省して謝る場面も。」「一から政治を学び直して夢や理想をとりもどし、国民のための政策を実行する。それに逆行する政治が横行する世にあって、笑いに流されながらも政治とは本来こうあるべきなんだという思いがわいてきます」
黒田総理の恩師・柳友一郎先生が憲法について講義をします。
映画のパンフレットでこう解説しています。
三権分立については次のように解説しています。
「法律を作る力と行使する力、そして法律で誰かを裁く力-この3つの権力をあらかじめ分散させておくことで、致命的な暴走を防ごう。これはなかなかの知恵だと思いませんか?逆にいえば、権力がその3つを独り占めにできた状態、これ即ち『独裁』というわけです。」
憲法については次のように解説しています。
「法律をその手で使える内閣=国家は大きな力を持ち、その権力は濫用される危険性があります。そこで多くの近代民主主義国家では、すべての法律を越えたところから自国の政治のあり方を示し、同時に『国家権力を厳しく制限して国民の権利を守る』ために最高法規として〈憲法〉が置かれています。この、憲法で国の権力を縛るという考え方を〈立憲主義〉と呼びます。例えば、わが国の憲法第99条には『天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う』とありますが、ここに『国民』が入っていないことが〈立憲主義〉のあり方を明確にしているといえるでしょう。」
「潮流」はこう書いています。
「『二度と政治に失望させない。』。映画のなかで主人公が発した国民との約束。」
安倍政権が国民を失望させた最大の問題は、集団的自衛権行使容認の戦争法=安保法制を強行したことでしょう。
憲法を守るべき政権が憲法違反の法律を強行したことは立憲主義をないがしろにする行為にほかなりません。
「政治に失望させない」ために、先の参議院選挙で野党と「市民連合」が交わした「13項目」の共通政策の第一は、「安保法制の廃止」です。
三谷監督は、この映画は「風刺喜劇」ではないと言われます。
この映画は、憲法の原則にそった国民のための政治を取り戻そうという壮大なテーマがバックボーンにある素晴らしい作品でした。
大いに笑い、最後には大きな勇気が湧いてくる映画でした。
映画「記憶にございません!」。大いに笑いながら政治を一緒に考えてまいりましょう。
三谷幸喜監督すばらしい作品をありがとうございました。
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