17日の毎日新聞は、高校生政治活動届け出制について以下のように報じました。
「高校生の校外での政治活動について、学校への事前届け出を認めた文部科学省の対応が「思想、信条に関する個人情報」の収集を禁じた個人情報保護条例に抵触する可能性が浮上している。専門家は『集会に出る生徒の名前を聞くだけで条例が禁じる個人情報の収集になる』と指摘している。福岡県教委は届け出が個人情報保護条例の趣旨に反するとして、届け出を不要と判断している。」
毎日新聞の記事の中で、新潟大学の鈴木正朝教授は「行き先を問わなくても政治活動に参加することを届け出るのだから明らかに条例が禁じる情報収集に該当する」「行き先を問わないのであれば、『安全を守る』という大義名分も成り立たないのではないか」と述べています。
内閣府情報公開・個人情報保護審議会の委員を務めた森田明弁護士は「政治活動の参加自体が政治的信条の一定の傾向を示すわけだから、届け出を求めること自体が問題ではないか。少なくとも(届け出の是非を)個人情報審査会などの第三者機関に諮るべきでだ」と述べています。
そこで、山口県個人情報保護条例を見てみます。
5条の2「実施機関は、思想、信教及び信条に関する個人情報並びに社会的差別の原因となる個人情報を収集してはならない。」とあります。
実施機関には教育委員会が該当し、当然、県立学校も実施機関に含まれます。
文部科学省は、この問題のQ&Aを作成し、放課後や休日に校外で行う政治活動を届け出制にすることを『必要かつ合理的な範囲内で適切に判断』と認めました。
山口県教育委員会は、高校生の政治活動の届け出制について、校長が適切に判断するとの方針を示しています。
本ブログで紹介したように、朝日新聞の調査で、県内私立学校を含む5校が届け出制を検討している事が明らかになっています。
公立学校では山口県個人情報保護条例を遵守する立場から届け出制を校長の判断であっても行うべきではありません。
私立学校においても、届け出制は憲法に抵触するとの指摘もあり、届け出制を行うべきではないと考えます。
その上で、山口県教委は、校長の判断で届け出制を認めてもいいとする方針を個人情報保護条例を遵守する立場から撤回するべきです。
文部科学省のQ&Aも、憲法や個人情報保護の観点から撤回すべきです。
高校生の政治活動届け出制は個人情報保護条例に抵触するとの指摘を皆さんはどうお考えですか。お教え下さい。
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