議員日誌

鎌田實講演会

 今日は、宇部市と宇部医師会が主催した市民のための医療フォーラム10周年記念講演会である諏訪中央病院名誉院長の鎌田實さんの講演会に参加しました。

 私は、鎌田先生の著作の半分は読んでいます。鎌田先生は、私の敬愛する作家の一人で、議会中から、今日の講演会を楽しみにしていました。期待を裏切らないすばらしい講演会でした。

 鎌田先生は、講演の最初に、特定健診導入後、全国で、健診率が低下していることを指摘されました。平成24年度までに各市町国民健康保険事業で健診率が65%に満たない場合は、後期高齢者広域連合への拠出金を増やすとのペナルティーが生じることも話されました。

 私は、この話に大きく頷きました。実は、先の県議会厚生委員会で、準備していたが、福祉医療費助成制度の審議もあり、取り上げることが出来なかった課題が、この健診問題でした。

 山口県で、各市町国保での特定検診の受診率(昨年11月現在)で、最高が、阿武町の40.0%です。最低は、なんと宇部市の8.2%です。市部の最高は、光市の26.2%です。

 平成18年度の基本健康診査の受診率はどうでしょう。最高は、上関町の70.8%。市部の最高は、美祢市の58.1%でした。宇部市でも38.7%ありましたから、宇部市だけで考えても30%以上、特定検診になって検診率が下がっています。全県で、特定健診になって検診率が大幅に低下している傾向は顕著です。このままで推移すると、平成24年に検診率65%という目標の達成は極めて困難な状況です。そうなると全県で、ペナルティーということになることは必至です。

 先日の、後期高齢者広域連合の懇話会で、昨年12月現在の健診率が12.4%だったと報告されました。後期高齢者医療における健診率の低迷の背景には、検診が「努力義務」になったことや、山口県では、健診代が無料から有料(500円)となったことが考えられます。

 しかし、後期高齢者以外の各市町の国民健康保険事業に於いて、基本健診から特定健診に移行する中で、下関市、下松市、光市、柳井市、美祢市、長門市などでは料金が一部上がっていますが、宇部市などは、料金を下げているのに、健診率が大幅に低くなっているという状況があります。この辺りを県としても分析する必要を痛感しました。

 鎌田先生は、ガン治療において、健診率が50%越えることが重要だと繰り返し強調されました。

 そもそも国のペナルティーをやめる。メタボ健診に特化した国の健診制度を大幅に見直すことは急務です。

 そして、国保加入者は、保険料が払えない方が増えています。まず、料金を払えるものにしていくために、国の財政支出を増やすことと、健診事業への国とそして県の助成を増やすことが必要なのではないでしょうか。関係者をはじめ多くの県民の皆さんのこの問題でのご意見をお聞かせください。

 さて、私は、鎌田先生の近著「いいかげんがいい」を会場で購入して、なんとサインをしていただきました。先生は、「心」と書かれました。

 本を少しだけ読んでみると、講演でも語られましたが、鎌田先生は、48歳の時、あまりの多忙さで「パニック障害」を患われたそうです。鎌田先生は、今振り返ると「がんばる鎌田實を演じていたのかもしれない。」と書かれています。そして今、「いい加減」という言葉を復権させたいと述べておられます。

 私は、仕事の合間に、4月5日の空手での茶帯の審査に向けて精進をしている最中でもあるのです。

 この本の最後には、「仕事も生活も丸ごと楽しみたい。」とありました。私は、これからもこの言葉通りに生きていけたらと思っています。

 今日は、初めて、生の「鎌田實」先生にお会いできて幸せでした。これからも鎌田先生の言葉に励まされ、癒されながら生きていくのだろうことを予感しました。

 

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