日本共産党の志位和夫委員長は12日、米国と北朝鮮が軍事的恫喝の欧州をエスカレートしている事態を憂慮し危機打開を求める声明を発表しました。
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危機打開のため米朝は無条件で直接対話を
2017年8月12日 日本共産党幹部会委員長 志位 和夫
一、北朝鮮の核兵器・ミサイル開発をめぐる米国と北朝鮮の間の緊張が、軍事衝突の危険性をはらむ新たな事態へと深刻化している。
国連安保理が新たな制裁決議を採択したこと(5日)に対して、北朝鮮は7日、「断固たる報復で対処し、全面的に排撃する」と強く反発した。さらに10日、「アメリカに厳重な警告信号を送る」として、「グアム島周辺への包囲射撃」を検討していると表明し、米国を強く軍事的に威嚇した。
一方、米国のトランプ大統領は、「北朝鮮がこれ以上アメリカを脅すのであれば、炎と激しい怒りに直面することになるだろう」(8日)、「グアムに何かしたら、誰も見たことのないようなことが北朝鮮で起こる」(10日)などと発言している。
米朝両国が、直接相手の意図を確かめるすべのないまま、軍事的恫喝の応酬をエスカレートさせることは、たいへんに危険である。それは、当事者たちの意図にも反して、偶発的な事態や誤算による軍事衝突につながりかねないことを、強く憂慮している。
一、世界と地域の平和と安定を破壊し、おびただしい犠牲をもたらす軍事衝突は、絶対に回避しなければならない。
日本共産党は、現在の危機を打開し、問題の平和的・外交的解決をはかるために、関係諸国に対して、次の諸点を緊急に要請する。
(1)現在の危機がひきおこされた根本は、北朝鮮が、累次の国連安保理決議に違反して、核兵器・ミサイル開発を進めてきたことにある。北朝鮮に、国連安保理決議を遵守し、これ以上の軍事的な挑発行為――とりわけ無謀きわまる「グアム島周辺への包囲射撃」の計画を中止することを強く求める。
(2)米朝両国に対して、強く自制を求めるとともに、現在の危機を打開するために無条件で直接対話に踏み出すように呼びかける。直接対話に踏み出すなかで、核・ミサイル問題を解決する可能性を追求すべきである。この点で、トランプ大統領が、北朝鮮との交渉に関して、「オバマ(前政権)は話すらしたがらなかったが、私は話す。誰かがやらなければならない」(10日)とのべていることに注目している。
(3)日本は、米朝間で何らかの軍事衝突が起こった場合に、最大の被害を受ける国の一つとなる。日本政府は、緊張をさらに高める軍事的対応の強化でなく、米朝の直接対話を実現し、核・ミサイル問題を平和的・外交的に解決するための努力をはかるべきである。
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日朝の軍事的恫喝の応酬が激化しています。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
昨日、帰省した大学1年の長男と中学1年の長女と一緒に、映画「君の膵臓を食べたい」を観ました。
映画の原作である住野よる著「君の膵臓を食べたい」は、長女が大好きで、私も一気に読みました。
長女は、その後も住野よるさんの作品を読み続けています。
映画は、13年後の僕の視点も加わり、高校生の僕と桜良を振り返ります。
13年後の僕の視点が加わったので、私たち親世代でも共感できる内容になっています。
正直、小説で涙は出ませんでしたが、映画では何度も泣きました。
やっぱり、桜良が亡くなった後、桜良の家で、桜良が遺した「共病文庫」を読んだ後、僕が泣くシーンですね。
北村匠海さんの演技は、すばらしかったです。
そこで、私が涙したのは、桜良さんを愛おしい存在だと思えたからです。
そう思わせる瑞々しい演技をした浜辺美波さんもすばらしかったです。
原作の中で、桜良が遺した僕に向けての手紙に、次のようなくだりがあります。
「初めて私は、私自身として、必要とされているって知ったの。初めて私は、自分が、たった一人の私であるって思えたの。ありがとう。17年、私は君に必要されるのを待っていたのかもしれない。桜が、春を待っているみたいに。」
生きるとはいくつになっても難しいものですが、「必要とされる」と思えることは大切ですよね。
だから明日も生きていこうと思えるのです。
それが、自立ということなのかも知れません。
自分の人生を振り返りながら、我が子のことを想像しながらそう思いました。
「君の膵臓を食べたい」は若者にとても支持されて大ヒット作となりました。
若者は、自分が必要とされていると思いたいとのだと改めて感じました。
長男が20才。長女が13才。
彼らの観たい作品を一緒に観て共感するという体験をこれからも続けていけたらと思います。
月川翔監督。「泣けました。」すばらしい作品をありがとうございました。
長女から借りて住野よるさんの他の作品も読んでみたと思います。
小説でも映画でも「君の膵臓を食べたい」の感想をお聞かせ下さい。
瀬永亀次郎さんの「民族の悲劇-沖縄県民の抵抗」を読んでいます。
大田知事(当時)が米軍用地強制収用のための「代理署名」を拒否し、村山首相(当時)が知事を相手取って「職務執行命令訴訟」に訴えました。
この職務執行命令訴訟の第一回口頭弁論で、太田知事側が提出した第一準備書面のなかに、沖縄における米軍用地の由来を、次のように書いています。
「沖縄における米軍用地は、沖縄戦に伴い米軍が住民の意思を無視して強制的に接収し、その後も銃剣とブルドーザーで強奪して形成されたものである。これについて日本政府は何ら抜本的な改善を行わないばかりか、むしろそれを追認したのである。その結果、戦後50年間も米軍基地として使用されているが、これは事実上、戦争による占領が現在もなお継続していることを物語るものである。」
この本の解説で、新原昭治さんは、「沖縄で今日見られる軍事用地とは、まさにここにのべられているとおり『事実上、戦争による占領が現在もなお継続している』ことを示しています。この半世紀に及ぶ沖縄の米軍基地をめぐる歴史を少しでもふりかえるならば、この指摘が決して言い過ぎでないどころか、ことがらの真相そのものであることを確認することができます。」
その上で、新原さんは「瀬永亀次郎氏による本書『民族の悲劇』は、その歴史の一端を、きわめてリアルな形で語ってくれる、数少ない文献の一つであり、この暴虐とたたかいぬいた沖縄県民の熱い思いの込もった、生々しい歴史の証言といえるでしょう」と書いています。
沖縄の軍用地は「銃剣よブルドーザー」で強奪されたことは知識として知っていましたが、この土地に人々の暮らしをイメージするためには、この本を読まなければなりません。
1951年4月、沖縄本島国頭村桃原部落に数台のトラックが土砂を田畑に投げおろし、ブルドーザーが整地していきます。
その様子をみてあるおばあさんが卒倒します。そのおばあさんのことを瀬永さんは、こう書いています。「夫が台湾製糖社に務めていて、永いこと台湾で共稼ぎをしていたが、敗戦1年前、郷里の桃里部落に家族をひきつれて帰ってきた。台湾で蓄えてた金と夫の退職金で例の田を買い入れ、その田を老後を支えるためのいのちとして、大事にまもりつづけていたのである。そのうち米軍の上陸となった。この戦争のため真っ先に夫がたおされた。つぎつぎ子供たちも沖縄戦で殺されてしまった。のこされたのはこのおばあさんの心細い生命と三千坪の田んぼとなった。細りゆく生命と田んぼを大切に、おばあさんはまったく天涯孤独のくらしをいとなんでいたのである。自分の命と同じ田んぼ、しかももう十日もすれば、刈り取れる青田を、そのままもっていかれたのだから、卒倒したのも不思議ではなかろう。」
9日の新聞あかはた日刊紙に映画「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」の紹介記事がありました。
是非、この映画を観たいと思いました。
そして、11月に沖縄に行った際に、瀬永亀次郎記念館「不屈館」に足を運びたいと思いました。
沖縄の今を知るために、瀬永亀次郎さんの本をこの夏しっかり読みたいと思います。
基地のない沖縄・日本を取り戻すために、瀬永さんの本をしっかり学びたいと思います。
瀬永亀次郎さんへの想いをお教え下さい。
沖縄県の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に所属する垂直離着陸MV22オスプレイがまた墜落しました。
事故はオーストラリア東部沖で発生し、乗員3人は死亡が確認されました。19歳~26歳の海兵隊員で普天間基地(宜野湾市)所属のオスプレイの死亡事故は初めてです。
米軍の統計資料などによれば、同機の事故に伴う米兵の死者は44人に達しました。
米海軍安全センターは7日までに、航空事故の重大さを示す4段階評価のうち、最も深刻な「クラスA」に分類しました。
オスプレイのクラスAの事故は、▽昨年12月の沖縄県名護市での墜落▽7月の米本土での機体整備中の落雷・整備士の脳死に続くもので、過去1年間で3件目という異常事態です。
このような中、「辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議」は、8日、幹事会を那覇市内で開き、12日の県民集会で、オーストラリア沖でのオスプレイ墜落を受けた沖縄県の飛行中止要請を無視して米軍が飛行訓練を強行することに抗議する特別決議を行うことを決めました。
10日から28日にかけて、北海道大演習場、矢臼別演習場、上富良野演習場など道内全域で米海兵隊と陸上自衛隊による米軍合同演習「ノーザンヴァイパー」が実施されます。
5日にオーストラリアで墜落事故を起こしたばかりのMV22オスプレイ6機を含むヘリ・航空機18機。兵員約2000人と海兵隊の参加は同種の演習では最大となります。
日本共産党の紙智子参院議員は「5日にもオーストラリアで墜落事故を起こしたその原因究明もされないまま、北海道の空で低空飛行訓練を強行することは、道民を墜落事故の危険にさらずもので絶対に許せません。」と政府に演習へのMV22オスプレイの参加中止を要請しています。
普天間基地のある沖縄県をはじめ、オスプレイ配備が計画されている横田基地(東京都)や、米空軍三沢基地(青森県)の周辺自治体は、防衛省に再発防止や飛行の自粛などを相次いで要請しました。
しかし、米国防衛省のデービス報道官は「日本の防衛と日米共通の安全保障上の目的を達成するために必要だ」と述べ、在沖4軍調整官は「沖縄に限らす世界中で飛んでいるので同列だ。軍の方針だ」として飛行中止は行わない意向だと述べました。
本ブログで繰り返し書いてきたように、岩国基地はオスプレイの拠点基地です。
オスプレイを配備するための米軍による「環境レビュー」において岩国基地のことが次のように書かれてあります。
「1個分遣隊(2~6機)を月2~3日、給油を目的として派遣する」
実際に、オスプレイは、岩国基地に毎月のように飛来しています。
今年に入って、1月(1回)、2月(1回)、3月(3回)、4月(2回)、5月(2回)、6月(1回)、7月(3回)、8月(1回)岩国基地にオスプレイが飛来しています。(山口県のホームページ参照)
オーストラリアの事故後の岩国基地への飛来は確認できていませんが、北海道での演習へのオスプレイの参加が強行されれば、岩国基地へのオスプレイの飛来は十分あり得ます。
山口県基地関係県市町連絡会は、7日、中国四国防衛局に、①オスプレイは米海兵隊岩国航空基地に度々飛来しており、今回の事故は基地周辺住民に不安を与えかねない。②事故に関する詳細な情報提供、原因究明と早期公表、外来機を含む岩国基地で運用されている全ての航空機の今後の一層の安全管理の徹底及び飛行の安全確保に努めるよう米側に求めることを要請する。との二点を要請しました。
中国四国防衛局は、①防衛省としては、米海兵隊からの第一報を受けた後、今回の事故に関する情報提供、原因究明及び再発防止を速やかに行うよう申し入れを行い、更に、国内におけるMV22オスプレイの飛行を自粛するよう申し入れたところである。②8月10日から実施予定の日米共同訓練ノーザンヴァイパーについては、MV22オスプレイが6機参加する予定となっているが、米側に対して飛行の自粛を申し入れたことを踏まえつつ、MV22オスプレイの本訓練への参加の取り扱いについて米側と調整している。③新たな情報が米側から得られれば、関係自治体にお伝えするなど、適切に説明していきたいと考えている。防衛省としては、今後とも、米軍機の飛行い際しては、安全面の確保が大前提との認識の下、米側に対して、安全面に最大限配慮するとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう求めてまいる。と答えました。
山口県基地関係県市町連絡会がオスプレイの飛行中止を求めていないことは甚だ残念です。
明日から北海道で行われる訓練へのオスプレイ参加が行われないように私も強く求めたいと思います。
沖縄県が求めているように、事故を繰り返すオスプレイの普天間基地への配備撤去を私も強く求めたいと思います。
オスプレイがまたオーストラリアで重大事故を起こしました。
米軍は、飛行停止しない意向です。皆さんはどうお考えですか。
ご意見をお聞かせ下さい。
全国革新懇ニュース(2017.7・8月合併号)に東京新聞社会部記者の望月衣塑子のインタビューが掲載されていました。
加計学園問題で注目された「総理のご意向」文書。それを「怪文書」として葬り去ろうとする菅官房長官に鋭く質問を続けて食い下がったのが望月記者です。
翻訳家の池田香代子さんは「私たちの知る権利を守るためにすい星のごとくあらわれた記者」と評しています。
望月さんは、「新聞記者としては、権力側ではなく、弱い側にたっていたい。判断い迷ったときは、弱い側の人に寄り添って判断する、これを大切にしたいです。質問するときはそこに気持ち、怒りを載せたい。私の質問が反響を呼んだとすれば、安倍一強のもと、「こんなことがまかり通るのか」という不満や批判が国民のなかに鬱積していた、いわばそれを突破してゆく流れのひとつの表象になったのかも知れませんね。」と革新懇インタビューで語っています。
望月さんの書著「武器輸出と日本企業」を読みました。
そもそも日本の武器輸出三原則が安倍政権のもとで形骸化されたことに根源があるようです。
1967年2月、佐藤栄作首相の国会答弁は次の通りでした。
①共産圏諸国への武器輸出は求められてない
②国連決議により武器等の輸出が禁止されている国への武器輸出は認められない
③国際紛争の当事者または、その恐れのある国への武器輸出は認められない
その後、76年2月、三木武夫首相が「武器輸出についての政府の統一見解」を発表します。
①三原則対象地域については「武器」の輸出を認めない
②三原則対象地域以外の地域については、武器の輸出を慎む
③武器製造の関連装備の輸出については、武器に準じて取り扱う
三木首相は、「平和国家としての我が国の立場から、これによって国際紛争などを助長することを回避するため、政府としては、従来から慎重に対処しており、今後ともその輸出を促進することはしない」と当時明言しました。
2014年4月、安倍政権のもと武器輸出三原則が47年ぶりに全面見直しされ、輸出容認に転換する「新防衛装備移転三原則」が閣議決定されました。
①国連安全保障理事会の決議に違反する国や紛争当事者には輸出しない
②輸出を認める場合に限定し、幻覚審査する
③輸出は目的外使用や第三国移転について適正管理が確保される場合に限る
この武器輸出容認方針について望月さんは以下のように述べています。
「一定の審査を通れば輸出が可能な仕組みとなり、従来の三原則からの大転換といえる。」「従来の三原則での『紛争当事者』になる恐れのある国』は禁輸の対象から外れた。また従来の三原則にあった『国際紛争の助長回避』という基本理念は明記されなかった。」
この本の中で獨協大学の西山純子教授が「防衛装備庁は、おそらくアメリカほどの規模を目指せないにしても、武器開発に特化するような軍事専門企業を作らせたいのではないでしょうか。もちろん、国民の税金を使ってです。軍需への依存率が1割に満たなかった日本の軍需企業の再編や合併が行われる可能性もあります」と述べています。
東京大学は、1959年、1967年に評議会で、次の原則を表明しました。
①軍事研究はもちろん、軍事研究と疑われる恐れのあるもの一切は行わない
②外国を含めて軍事関係から研究援助は受けない
さらに83年に労働組合と教授陣の間で以下の声明も加えられました。
③軍関係との共同研究は行わない、大学の施設を軍関係に貸さない、軍の施設をかりたりしない、軍の研究指導をしない
しかし、2015年、濱田東大総長は「東京大学における軍事研究の禁止について」を発表します。
「東京大学における軍事研究の禁止の原則について一般的に論じるだけでなく、世界の知との自由闊達な交流こそがもっとも国民の安心と安全に寄与しうるという基本認識を前提とし、そのために研究成果の公開性が大学の根幹をなすことを踏まえつつ、具体的な個々の場面での適切なデュアル・ユースのあり方を丁寧に議論し対応していくことが必要である。」
「デュアルユース」について望月さんは「文字どおり『二通りの使い道』を意味し、民間に使用されている(民生)技術を軍用でも使うことだ。」と解説しています。
アメリカ海軍海事技術本部「ONR」が資金提供した無人ボート大会に東大、東工大、阪大の三大学が資金援助受け参加したことなどがこの本に書かれてあります。
国立大学の運営費交付金が減少する中、「デュアルユール」を隠れ蓑に防衛省などの資金が大学に流れている実態がこの本の中で描かれています。
大学の研究とはどうあるべきか、この本の「あとがき」で戦後初代東大総長の南原繁さんの「南原繁 教育改革・大学改革論集」が掲載されています。
「大学は国家の名において学問研究の自由の範囲が著しく狭めらられ、時の権力者によって都合よき思想と学説が保護せられ、これに反するものはしばし迫害せられ、弾圧せられて来った・・・われわれは、わが国の教育をかような官僚主義と中央集権制度から解放し、これを民主的または地方分権的制度に改編しなければならぬ」
「国の政治に何か重大な転換が起きるときは、その前兆として現れるのが、まず教育と学問への干渉と圧迫である。われわれは、満州事変以来の苦い経験によってそれを言うのである」
「大切なことは政治が教育を支配し、変更するのではなく、教育こそいずれの政党の政治からも中立し、むしろ政治の変わらざる指針となるべきものと考える。・・・いまの時代に必要なものは、実の真理と正義を愛する真の自由の人間の育成であり、そういう人間が我が国家社会を支え、その担い手おなってこそ、祖国をしてふたたびゆるぎない民主主義と文化的平和国家たらしめることができる。」
望月さんは、この「南原三原則」を紹介した後でこう書いています。
「2005年以降から膨張する世界の軍事費や武器輸出の状況を観れば、軍備の拡大が、世界の平和や安定とは駆け離れ、政界各地で勃発する紛争の火種になっていることは一目瞭然だ。それでも日本は欧米列強に続けと、武器輸出へ踏み込んだ。」
「戦後70年、日本は憲法9条を国是とし、武力の放棄、交戦権の否認を掲げた。それらを捨て、これからを担う子どもにとって戦争や武器を身近でありふれたものにしようとしている。この状況を黙って見過ごすわけにはいかない。」
私の長男は公立大学の工学部で機械工学を学んでいます。
息子が知らず知らずに、軍事産業や武器輸出の一翼を担うのではないかと心配です。
日本が憲法9条の元で「民主主と文化的平和国家」として発展することをこの本を読んで心から祈念しました。
引き続き、望月さんから大いに学んでいきたいと思います。
昨日、原水爆禁止世界大会ヒロシマデー集会に参加し、会場で、原水爆禁止世界大会起草委員長である関西学院大学教授の冨田宏冶さんの近著「核兵器禁止条約の意義と課題」を購入し、読了しました。
全編を通じて、今年7月7日に国連会議で採択された「核兵器禁止条約」の歴史的意義が多彩に述べられています。
一番興味を持ったのは、なぜ「核兵器禁止条約」が採択されたのかという点です。
採択された背景の第一は「全会一致はめざすが多数決で」という点にあったと冨田さんは述べています。
国連会議の議長となったコスタリカのホワイトさんは、「全会一致はめざす」しかし、「最後は3分の2以上の多数決によって決定する」を提案します。
冨田さんは、議長がこの立場をとったのは、「2015年のNPT再検討会議で失敗した経験に学んだものと言えるでしょう。」と述べています。
「どうでもいいような小さな問題に核兵器国がこだわって、NPT再検討会議の最終文書の全体を反故にしたのです。」「全会一致ということを原則にしてしまうと、せっかく圧倒的多数の国々が合意しても、大国がそういう形で保護にできるということになりますから、そうならないようにしようというのが、議長が打ち出した考え方でした。」
「核兵器禁止条約」が成立した背景の二つ目は、「NPT条約の欠点を改めたため」と冨田さんは書いています。
NPT再検討会議のなかで「なかなか核兵器は禁止されるべき兵器だという合意ができない。しかし、廃絶に至る細かいプロセスが合意できないからといって、核兵器の違法性で合意できないかというと、そんなことはないわけです。それなら、核兵器の違法性を先行させ、とにかく核兵器を禁止してしまおう。その上で、廃絶に向かって次の階段へと進んで行こうという議論も、もう一方にあったのです。」
私は、「核兵器禁止条約」が採択された背景に、①多数決をとったこと②核兵器の違法性の合意を先行させたことがあったことをこの本で学びました。
冨田さんは、今後の課題として、「核兵器のない平和で公正な世界」をめざす問題を提起しています。
冨田さんは、「最新のデータでは、世界の富豪上位8人の総資産が、下位36億7500万人の資産を上回っているということです。ビル・ゲイツとかザッカーバーグだとか、そういう8人の試算の合計が、36億7500万人、世界人口の半分の資産より多いというわけです。」と指摘をし、今こそ、日本国憲法の前文でうたわれている「恐怖と欠乏から免れて平和のうちに生存する権利」の実現を世界が求めていると指摘します。冨田さんは「世界が日本国憲法に追いついてきた」とも指摘します。
その上で、冨田さんは、「核兵器をなくしていければ、少なくとも相当の軍事費が浮くことになります。たとえばアメリカの国防予算は、今年68兆円だと言われますが、それだけあったらどれだけのことができるかという話です。8人が持っているものが36億7500万人と同じということは、逆に言えば、貧しい人たちを救うのにたいしたおかなは必要ないということなのです。」「核兵器を中心とした軍備に使っているもの、その開発のために使っているものを、貧困と格差の解消のために回していけば何ができるかということを考え、打ち出していく必要があると思います。」と述べています。
冨田さんはさらに、「アメリカの8人と世界の36億7500万人の資産が釣り合っているという、このいびつな世界秩序がなぜ維持できているのかといえば、それは最終的には核抑止力、核兵器の圧倒的な破壊力によって維持されたものであるからにほかなりません。だから、これを解体していくことは、やがては世界全体の権力構造を変えることにつながるわけです。ある意味で、これこそ世界のあらゆる問題の解決の糸口なのだという展望を、僕らは持つべきだとろうと思います。」と世界の平和を展望します。
日本共産党は、26回党大会決定で、「20世紀におこった世界の最大の変化は、植民地体制が完全に崩壊し、民族自決権が公認の世界的な原則となり、100をこえる国々が新たに政治的独立をかちとって主権国家になったことにあった」と指摘し、「これは、まさに『世界の構造変化』と呼ぶにふさわしい巨大な変化だ」「今日の世界の特徴は、この構造変化が世界の平和と社会進歩を促進する力として、生きた力を発揮しだしたところにある」と解明しました。
「世界の構造変化」が核兵器禁止条約に結び付いたのでしょう。
民族自決権が世界の原則になり、今度は平和的生存権が世界の原則になり核抑止力を解決することができれば世界の平和と社会進歩が大きく促進されることでしょう。
そんなワクワクするような展望を「核兵器禁止条約」が採択された世界が持たせてくれています。
「核兵器禁止条約の意義と課題」を冨田さんの本から更に学び、世界から学んでいきたと思います。
「核兵器禁止条約」の意義と課題を皆さんはどうお感じですか。
ご意見をお聞かせ下さい。