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青森県、全国発、全研で小中学校給食無償化

 5月19日付「生活と健康を守る新聞」は、青森県での学校給食無償化の取組を次のように報じました。
 「青森県で『学校給食無償化等子育て支援市町村交付金』の創設を盛り込んだ2024年度予算が成立し、全県での小中学校給食の無償化が実現しました。青森県の宮下宗一郎知事は記者会見で、交付は今年10月に実施し来年度以降も継続すると表明。県によると都道府県単位で一律の給食費無償化は全国初です。これまでは実施主体が各市町村のため私立中学校や県立特別支援学校などは対象外でしたが、今回は県内全ての小中学校が対象となり大きな成果です。市民の運動や、議会で繰り返し迫ってきた団体の要求が実現しました。青森県では現在、主食とおかず、牛乳がセットの『完全給食』の他、おかずや牛乳のみの給食も含めると県内40市町村全てが何らかの形で学校給食を提供しており、このうち17市町村で、現在、給食費の完全無償化を実施しています。新設の交付金の使い道は、学校給食費の無償化を最優先とするとし、昨年度の全市町村の給食費平均単価を基に、1食当たり小学校280円、中学校310円を上限に無償化に必要な経費を全額補助します。しかし県は、すでに給食費の完全無償化を実施している市町村については『無償化を実現している市町村を支援することは市町村の自治権を侵害することになる』として給食費完全無償化には交付金を出さず、子どもの医療費、保育料、保育所の給食費など別の子育て費用無償化や、市町村が独自に行う子育て支援事業費の8割を県が補助するとしました。すでに頑張って実施している市町村は苦心して無償化に踏み切ったものであり、そこに支援がないというのは大きな問題です。青森全県の市民団体は、今後、『学校給食費無償、青森全県実施』という大きな成果を力に、さらに改善を求めて運動しています。第一は、すでに頑張って給食を無償化している市町村にも、交付金を使えるようにすることです。第二は、市町村がこれを機に、新たな子育て無償化事業に積極的に踏み出すように働きかけることです。第三は、給食材料費の高騰など対応できない面について、弾力的運用を求めていくことです。県社会保障推進協議会が行っている市町村へのアンケートによると、県が今回の交付金創設を発表してから、県内の市町村で無償化を決定したり、検討したりしている市町村が増えています。とても喜ばしいことです。学校給食は食育と子どもの健やかな成長を保障する学校教育の一環です。さらに地場産食材を取り入れることは、地場農漁業の振興や環境保全につながるものです。全国のみなさん、引き続き運動を広げていきましょう。」
 私は、宇部市に学校給食無償化を求める運動に参加しています。
 学校給食の無償化に向けて、都道府県で補助制度を創設したのは、青森県の他、東京都や和歌山県などがあります。
 山口県としても学校給食費への補助制度を創設するよう引き続き、求めていきたいと思います。

巨大地震が絶えない日本では「原発を建ててはいけなかった」と小出裕章さんが新潟市で講演

 朝日新聞デジタルは、17日、小出裕章・元京都大学原子炉実験所助教が行った新潟市での講演について次のように報じました。
 「東京電力柏崎刈羽原発の再稼働について考える講演会が新潟市で開かれた。講師の小出裕章・元京都大学原子炉実験所助教(74)=長野県松本市在住=は、再稼働後に巨大地震が起きれば2011年の福島第一原発事故を上回る破局的な事態になりかねないなどと警鐘を鳴らした。講演で小出さんは、13年前の東日本大震災や今年の能登半島地震など巨大地震が絶えない日本では『原発を建ててはいけなかった』とし、原発が機械である以上、『事故から無縁ではありえない』と語った。福島第一原発事故の処理や影響の収束が見通せず、政府が発生当時に出した原子力緊急事態宣言は今も解除されていないことを挙げ、『そんなときに(柏崎刈羽)原発を再稼働しようとするのか』と政府や東電の姿勢に疑問を示した。柏崎刈羽原発は、一つの発電所としては世界最大級の総出力(計821万キロワット、福島第一原発の約1.7倍)をもつ。そこでの事故は『まさに破局的になる』とした。5~30キロ圏内のUPZ(避難準備区域)の7市町は避難計画の策定を義務付けられているが、巨大地震と原発事故が同時に起きる事態を念頭に、小出さんは『実際には避難できない。特に(雪が多い)冬に事故が起きたら終わりだ』と指摘した。『仮に逃げられたとしても、避難をするということはふるさとを失うこと。避難計画というのは(ふるさと喪失計画)だ』とも述べ、『再稼働の是非を問う住民投票をやらせて、新潟県の皆さんが(ノー)の声を上げる以外に再稼働を防ぐ手段はない』と呼びかけた。講演会は、市民団体の『新潟の新しい未来を考える会』(片桐奈保美会長)が主催し、約300人が来場した。」
 私は、柏崎刈羽原発の視察を行った経験があります。日本海に面したひらけた海岸に、長く長く原子炉が林立している光景は脳裏に焼き付いています。福島原発の1.7倍の総出力を持つ原発で重大事故が発生したら、小出さんの「破局的」な影響が及ぶとの指摘を政府も東電も真摯に受け止めるべきだと思います。
 小出さんの巨大地震が絶えない日本では「原発を建ててはいけななかった」との指摘も重く受け止めなければならないと思います。
 わが山口県にも、上関原発計画に加え、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の建設計画が浮上しています。
 国ではエネルギー基本計画の見直し作業が始まりましたが、私たちの命を最優先するためには、原発をなくすことにしか未来は見いだせないと私は考えます。
 宇部市で小出さんには二度、お話をいただきました。中間貯蔵施設の建設計画が浮上した今、再度、お話をお聞きしたいと思います。

鈴木達治郎長崎大教授が核燃料サイクルは「出口なき迷走」と指摘

16日付、中国新聞の特集「使用済み核燃料どこへ」は、大変興味深い内容でした。
 以下、紹介します。
 「核燃料サイクルは『出口なき迷走』状態にあるー。原子力委員会委員長代理をかつて務めた長崎大の鈴木達治郎教授(原子力政策)は、現状をこう表現する。国のエネルギー政策の柱にどんな課題があり、どう見直すべきなかの聞いた。-核燃料サイクルについてどう見ていますか。『出口なき迷走』をしている。当然、ウラン燃料は貴重で、国内で再利用することで準国産エネルギーの資源を得る計画だった。しかしウランは新たな鉱山の発見で価値が下がる一方、再処理の費用は増大。当初の目的は失われている。技術的な壁もある。核燃料サイクルは、商業原発で主流の『軽水炉(LWR)』と、消費分以上の核燃料を生成できる『高速増殖炉(FBR)』をそれぞれ中心とした二つのサイクルが連動して初めて回り続ける。しかし国は近年、FBRの実現が見通せなくなっているから、LWRの図しか示さなくなっているいるようだ。それではプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料が再利用できず、サイクルの回転は続かない。-なぜ国は政策を修正しないのでしょう。自らが修正するメリットがないためだ。核燃料サイクルを続ける場合の最大の課題はコスト。再処理の総事業費は約14兆7千億円で年2千億円以上の費用が今後数十年もかかる。すべて電気料金が原資で消費者負担だが、見えにくい仕組みのため広く知られていない。第2の課題は再処理で核兵器の原料となるプルトニウムが増えることだ。国際的な懸念が大きい。サイクルをやめる場合は、逆に、政府や電力会社にとってデメリットが大きい。再処理工場のある青森県六ケ所村では再処理を前提に使用済み核燃料が大量に保管されている。再処理をやめるなら、青森県は『使用済み核燃料は発生元の原発へ戻す』としており、各自治体が反発するだろう。これまで電力各社は立地自治体に『使用済み核燃料は将来、外に出す』と約束してきたからだ。-今後、国はどうすべきでしょうか。私は進めるデメリットが大きいと考える。撤退に伴う摩擦を最小化する方策を考えるべきだ。まず、『全量再処理』という硬直した政策は見直さなければならない。長期的に再処理の研究を続けることは拒否しないが、今すぐ再処理する必要性はない。使用済み核燃料を金属容器に入れ保管する『乾式貯蔵』が経済的で、こちらを優先した方がいい。その後は廃棄物として地下の最終処分場に直接埋蔵する選択肢も可能にするべきだ。このような案を実現するには、核燃料サイクル全体について第三者による総合的評価が要る。見直すには、再処理を担う日本原燃の経営問題や電力会社と消費者の負担、地元自治体と地域振興策など、関係者の調整が難しい。独立した第三者による検討の中で、徹底した議論をしなければならない。」
 私は、核燃料サイクルは、破綻していると言ってきましたが、鈴木教授の「出口なき迷走」の表明は、私の想いにもピタリと当てはまる表現です。
 私は、昨年の秋に、日本共産党県議団の視察で、青森県六ケ所村の再処理工場を見学しました。
 この再処理工場が、たとえ稼働したとしても、核燃料サイクルの破綻は明確だと思いました。
 再処理工場で、最終処分する廃棄物と再利用するMOX燃料を分離します。
 鈴木教授が指摘するように、MOX燃料を使用する高速増殖炉の破綻が明白なのに、このことを伏せたまま、「核燃料サイクル」は健全とする政府の姿勢に前から疑問を持っていました。鈴木教授の指摘で、私の懸念は、重要な問題だったことが分かりました。
 MOX燃料を使用しないのであれば、核燃料サイクルを見直す外ありません。
 中間貯蔵施設は、再処理工場までのもので、再処理工場が稼働すれば健全だと政府や電力会社は説明します。しかしながら、核燃料を再処理することへの見直しが必要ならば、中間貯蔵施設は必要ありません。
 核燃料サイクルの「出口なき迷走」を根本から見直す必要性の中で、中間貯蔵施設の必要性、原発の再稼働の必要性を根本から再検討すべきだと思います。
 鈴木教授の再処理のコストが全て電気料金に転嫁し、消費者負担であるとの指摘も、「出口なき迷走」を見直す必要性の重大な点だと思います。
 「全量再処理」の先が「出口なき迷走」になっている核燃料サイクルは鈴木教授が指摘されるように、第三者による総合的評価を早急に行うべきだと私も考えます。
 鈴木教授の指摘を受けて、上関町で計画が進む中間貯蔵施設の問題を再検証したいと思います。
 鈴木教授の指摘は、国民が必聴すべきものだと感じました。
 皆さんのご意見をお聞かせください。

自民候補者に官房機密費が支出されていたとの報道について

 11日付しんぶん赤旗日刊紙は、中国新聞が、自民党政権が、内閣官房機密費を使い候補者に陣中見舞いの現金を渡したと報じたいと次のように報じました。
 「自民党政権が選挙の際、候補者に内閣官房機密費(報償費)を使い陣中見舞いの現金を渡したとする関係者の証言を『中国新聞』(10日付)が報じました。これによると2000年以降の自民党政権で官房長官を務めた人物が、『国政選挙の候補者に陣中見舞いの現金を渡す際に官房機密費を使った』と証言したといいます。額は100万円だったとしています。9日付では、13年の衆院選で安倍信三首相(当時)が東日本の選挙区に応援に行った際、候補者に現金100万円を渡したと報じています。候補者の『個室で面会する場面があり、安倍氏から茶封筒を受け取った。茶封筒の中には白い封筒が入っており、その中に100万円が入っていた」という証言を紹介しています。この100万円について同紙は、複数の元政権幹部が使途が公表されない官房機密費が使われた可能性があるとの見方を示した、としています。また同紙参院広島選挙区を巡る河井克行法相=自民党離党=の大規模買収事件に関連して、安倍氏が2800万円、菅義偉官房長官(当時)が500万円を元法相側に提供した疑惑を示すメモを検察が押収したと報じています。年間12億円3021万円もの機密費を、自民党政権が国政選挙で裏金として流用していないか、その究明が求められます。」
 小池晃書記局長が13日の記者会見で、自民候補者に機密費支出の報道で、次のようなコメントを行ったと14日、しんぶん赤旗日刊紙が報じました。
 「日本共産党の小池晃書記局長は13日、国会内で記者会見し、自民党政権が選挙のさいに内閣官房機密費(報償費)を使って候補者に現金を渡していたとの報道について『官房機密費は国民の血税であり、選挙活動に使っていたとすれば選挙の公平性が損なわれる重大問題だ。民主主義の根幹にかかわる問題として徹底追及する』と表明しました。小池氏は、官房機密費は毎月約1億円支出されているものの、使途などの報告はおろか記録する義務もなく『裏金中の裏金だ』と強調しました。2018年に最高裁が官房機密費の支出関連文書の一部開示を国に命じたものの、いついくらが官房長官の金庫に入ったのか記録の開示にとどまっていると指摘。判決後、原告らが政府に要請した▽官房機密費を国会議員やジャーナリスト、公務員に渡すことの禁止▽一定の期間が過ぎた支出の公開ーすら実現していないと述べ、『官房機密費が政策買収や世論誘導などに使われない最低限のルールではないか』と語りました。NHKの『日曜討論』で機密費を『選挙目的で使うことはない』と断言した自民党の鈴木馨祐衆議院議員の発言について『機密費を何に使ったか官房長官しか知らないはずであり、選挙活動に使われていないと断言できるはずがない』と批判しました。」
 政治とカネの問題がついに機密費にまで及んでいたことが報じられました。
 小池氏が指摘するように、官房機密費は血税です。血税が自民党に流れ、自民候補者の選挙活動に使われていた事実は重大です。政治資金規正法改正の議論とともに、この問題の解明は、国会の重要事項です。

 中国新聞の報道はジャーナリスト精神に満ちたすばらしいものだと思います。

 また、官房機密費を自民候補の選挙で使ったということが事実ならば、自民党の国政私物化極まれりの状況だと思います。
 この問題に関する皆さんのご意見をお聞かせください。

国道2号線の吉見峠(厚東側)でトラック転落事故が相次ぐ 国へ再発防止対策強化を要請

 国道2号線の吉見峠厚東側でトラックが転落する事故が相次いでいます。
 昨年、7月5日、新幹線高架より下岡交差点側にトラックが転落する事故が発生しました。
 そして、5月2日、新幹線高架より船木側にトラックが転落する事故が発生しました。

 国道2号線吉見峠(厚東側)でトラックが転落した現場

 法面下の農地所有者とともに、事故車の早期撤去と再発防止対策を国に求めました

 今月の事故が発生した道路法面は、昨年6月末の大雨で、崩壊した崖がブルーシートで覆われた状況でした。
 私は、昨日、国土交通省山口河川国道事務所及び宇部国道維持出張所の担当者に対して、法面下の農地の地権者の方と一緒に、事故車両の早期撤去と、事故の再発防止対策の強化を要望しました。
 また、山口県警に対し、国道2号下岡交差点から厚東側の吉見峠での①過去10年の交通事故発生状況②その内、トラック転落事故の発生状況③昨年と今年のトラック転落事故に対して、県警として国交省に行った助言について照会を行いました。
 また、土木建築部に対して、事故が多発する国道2号の吉見地区について①道路構造の改善を国に求めたことはあるのか②国道2号のバイパス化を求めたことはあるのかについて照会を行いました。
 国道2号の厚東吉見地区でトラック転落事故が多発しています。
 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

藤本かずのり県議会報告(かえる通信)2024年6月1日 No110