24日、山口県保険医協会主催の県民公開講座「医療崩壊阻止のため」に参加しました。講師の埼玉県済生会栗橋病院副院長本田宏さんの話に魂が揺さぶられました。厚生労働省は、この間、国民に、「日本の医療費は高い」ことを国民に植え付けてきましたが、それは誤りで、日本の医療費が世界でいかに安いか、そして、自己負担がいかに高いかを様々なデータを元に語られました。数年前に日本の医療従事者の実態を見てヒラリー・クリントンが、「聖職者さながらの自己犠牲」だと語ったという話は印象的でした。
そして、本田先生は、日本の医師数が世界でいかに少ないかを語られました。そして、それが、医療事故に結びつき、それを刑罰強化だけで乗り切るのは惨いと話されました。また、日本にベットが余っているという宣伝の間違いも指摘されました。日本の敬老は軽老になっていると話されます。そして、話は、日本の国の方向に及びます。憲法25条を生かして、富国強経から、豊国幸民の政治を実現することが大切と話されました。
本田先生は、自らを「闘う医療界のスポークスマン」と述べておられますが、まさに職と命を賭して医療崩壊と闘っているという迫力に満ちた講演でした。私の生き方も大いに励まされました。
講演の後の宇部市内のある病院の外科医の話が印象的でした。「日々、サムライや兵士の気持ちを感じる。兵士は、突然、命を襲われることがあるが、医師は、いつ手術あるかあらかじめわかる分いいかと自らを納得させている。手術に向かうときは、今日でこの仕事も終わりかといつも頭をよぎる」「私は40代だが、私の下の医師がいない。この病院もあと数年と感じる。」「医師会・学会は、腐りはじめている。大胆に変革しなければいけない。」という趣旨の発言をされました。
この先生もまさに命を賭して医療と向き合っておられる迫力を感じました。身近の病院の同世代の先生の発言だけに、このまま医療崩壊を放置できない気持ちでいっぱいになりました。
一人の県議として、一人の県議会厚生委員会の委員として、12月議会から医療崩壊を阻止していくために闘います。
圧巻だった本田宏先生の講演
今日は、一日、PTA尽くしでした。午前中は、持久走大会の交通整理。親の応援が過熱して子どもたちが走るコースにはみ出るのを抑えるのがPTA役員の役目です。役目は果たしながら、3人の我が子の応援もしっかりしました。三男は、1年生男子で、6位。次男は、3年生男子で15位。長男は、5年生男子で30位。それぞれ練習よりタイムがよかったようで満足しています。
5年生の列が走っていく様子です。右端が長男。
午後は、毎年、私たちの小学校が地域の独居老人の方々にカレンダーを送っているのですが、このカレンダーづくりを3時過ぎまで行いました。新しい年のカレンダーの台紙に子どもたちの絵を貼っていきました。どの絵も力作揃いでした。来月には、地区の役員の方々に贈呈する式を行い、年内にお年寄りの皆さんにお配りします。
本日、みんなの県政をつくる会が二井知事に提出した「県民の暮らしを守るための『緊急要望』」に関する県担当者との交渉が行われ、私は参加しました。
健康福祉部関係では、「母子家庭医療費助成事業を父子家庭も対象にする」との要望が出されました。県担当者は、来年度から父子家庭にも医療費助成を実施する意向を明らかにしました。次に、「福祉医療制度の『自己負担なし』、『現物給付方式』の大原則を堅持する」との要望が出されました。これに、県担当者は、「市町と協議して決める」と回答しましたが、私は、土曜日の中国新聞報道などを示し「県は福祉医療制度の自己負担導入を検討しているのではないか」と質しました。これに、担当者は、あくまで市町と協議して最終的には決める事としながら、県として「一部負担金の導入を検討している」ことを認めました。また、私たちは、知事のマニュフェストには、「福祉医療制度の拡充」と書かれてあった事実を指摘し、「父子家庭を対象に入れることはプラスだが、一部負担金の導入は、大きなマイナスとなる。」と指摘しました。
現在の福祉医療制度に父子家庭を含めることで必要な財源について県担当者は、3500万円だと説明しました。しかし、福祉医療制度の一部負担金が導入されその合計額が3500万円を超えるのであれば、制度は拡充ではなく後退したと言えます。もし、知事がこのことを強行するなら「公約違反」は否めません。この問題は、12月議会の大きな論点になります。
商工労働部関係では、マツダの派遣社員などの雇い止め問題に対する県の対応を質しました。県担当者は、「情報収集に努めている」としか答弁しなかったので、私は、「派遣社員が約500人雇い止めされる事実は、会社から県に報告がなかったのか」と質問しました。県担当者は「説明があった」と答えました。私は、「これ以上、何を情報収集するのか。県として今掴んだ事実への対策をただちに検討すべき時だ」と指摘しました。参加者からは、企業に雇い止めの中止するように求めたのかとの問いもありましたが、県担当者は、「今後、求めるかどうか検討する」と答弁しました。これらの答弁に、参加者は、「県は、年末に失業する県民の気持ちが分かっていない。県は、緊張感を持った対応を行うべきだ」などの抗議が相次ぎました。この問題も12月議会の重要なテーマです。
申し入れの冒頭発言を行う福江代表世話人
土曜日の中国新聞に、県の福祉医療助成について「本人一部負担検討」との記事が掲載されました。
私も独自に、市会議員さんを通じて複数の自治体の状況を聞いたところ、今月14日に行われた県主催の市町担当者会議で、県が「一部負担金導入を検討している」ことを明らかにしたようです。
確かに、福祉医療制度で、一部負担金を取っていないのは、群馬、神奈川、福井、山梨、岐阜、愛知、三重、和歌山、山口の9県です。しかし、山口県は、高齢者・少子化が全国トッププラスの県だから当然です。
「住みよさ日本一の県づくり」を標榜する山口県は、今後とも、本人負担のない福祉医療制度を堅持すべきです。
私は、昨日、宇部湾岸道路の下で半日過ごしましたが、改めて、「やっぱり、この道路の2階部分はいらなかった。」ことを痛感しました。全県ですすめられている高規格道路の工事費を縮小すれば、数百億円の財源は簡単に生まれてきます。また、過大な国体の箱物の予算の更なる縮小も急務です。県は、400億円の財源不足といいますが、見直すべき点は多数あり、私は、この制度は堅持すべきと考えます。
私は、金曜日に、都道府県議の研修会で、片山教授から「地方財政の基本は、住民福祉の向上」と学びました。この立場で、県は、現行制度の維持を続けるべきです。
更に、地方を財政難に追い込んでいるのは国の責任は重大です。交付税を復活させる。全国で行われている福祉医療制度は国の制度として行っていく。福祉医療制度を行っているなら国保への国の補助金をカットするというペナルティーはなくす。など、国がただちに行うべきことは山積しています。このことを、山口県は国に強く求めるべきです。
福祉医療の関係する子どもや母子や障害者の団体の方々とも連携し、県民の運動と議会での論戦を結合させ、福祉医療制度を堅持したいと私は強く思います。
この問題での皆さんのご意見をお聞かせください。
午前中、日本蜻蛉学会会員の原さんにヒヌマイトトンボの生息についてお話をお聞きしました。
原さんは、1995年に、宇部湾岸道路の建設用地周辺で、ヒヌマイトトンボを発見されました。同時にこの地域のヒヌマイトトンボの一部は、雌が雄と同じ緑色であることも判明しました。本州で、雌が雄と同色のヒヌマイトトンボの生息が初めて確認されたのがこの場所です。さらに、この地域には、ヒヌマイトトンボよりも稀少なベッコウトンボも生息している地域です。ヒヌマイトトンボは、環境省のレッドデーターブックでは絶滅危惧種Ⅰ類ですが、ベッコウトンボは、絶滅危惧種Ⅰ類に指定されていると同時に、希少野生動植物種(種の保存法)にも指定されており、捕獲が原則として禁止されたトンボです。原さんは、ヒヌマイトトンボとベッコウトンボが同時に生息しているのは全国でここだけではないかと話されていました。
原さんの指摘を受けて1998年から「厚南地区ヒヌマイトトンボ等対策検討委員会」が設置され検討が行われた結果、工事による影響を回避するために、代替地を確保し、トンボの生息を維持することになりました。ヒヌマイトトンボは、代替地で順調に生息が確認されてきたのですが、今年7月の調査で、急激に個体数が減ってきたことが明らかになりました。06年に代替地で1958匹確認されたヒヌマイトトンボが今年の調査では、466匹に激減しているのです。
原さんは、「地球温暖化の影響もあるだろうが、深刻な状況」と話されます。そして、原さんは、「この地域をきらら浜自然観察公園のように整備して、トンボなどを保護できる環境を保護・維持していくことが大切だ」と話されました。
私は、地元に住んでいながらあまりの勉強不足を恥じました。そして、ここまでトンボが減っている現状を共通認識とし、打開策を専門家を交えて協議していくために「ヒヌマイトトンボ等対策検討委員会」を再開する必要があることを現地に立って痛感しました。
その上で、原さんが提案される、公園としてこの地域を守っていく手法も検討していくべきだと感じました。
原さんが撮影されたオスと同色のメス
県が確保したヒヌマイトトンボの代替地(本日撮影)
昨日は、第8回都道府県議会議員研究交流大会に参加しました。朝、7時過ぎに家を出て、夜の11時前に到着するハードスケジュールでしたが、充実した一日でした。基調講演は、「地方分権時代と議会の役割」と題して元鳥取県県知事で、現慶応大学教授の片山善博さんが行いました。片山さんの話は、とても教訓的でした。ひとつは、「借金しなさい。交付税で面倒みるからという路線の誤り」を指摘されました。その一つは、バブル崩壊後の経済対策です。起債を認めるからどんどん公共事業をしないさい。償還財源は、交付税措置します。この間の借金の返済が今日、どれだけ全国の自治体を苦しめているか知れません。この時、なぜ、議会は、「この手法は問題がある」と言えなかったのかを片山さんは、考えるべきだったと語ります。
もう一つは、市町村合併。合併特例債を利用しなさい。その返済財源は交付税でみるから安心しなさいと経済対策と同じような手法が取られた。この時もバスに乗り遅れるなとの強烈な流れが出きて、次々に市町村合併が促進されました。今になって「そんなはずではなかった。」との想いが全国を覆い尽くしています。この時にも、全国が一斉に合併して交付税が足りるわけがない。結局、借金して苦しむのは、住民だということを議会がどれだけ指摘できたか反省しなければならないと片山さんは語ります。
そして、片山さんは、執行機関のチェックが議会としての役割だと語ります。具体的には、①労使交渉の結果を条例化、予算化する際のチェック②行政委員会委員の選任同意を適切に行っているか③工事請負契約の締結の承認案件の点検が重要だと話されました。
地方議会に本来、与党も野党もない。むしろ与党こそ、推薦した首長の品質管理をするために、厳しくチェックしなければならないと片山さんは語ります。
私は、片山さんは当たり前の話をされたと思います。この当たり前のことを、山口県から参加した全ての会派の議員が聞いたことに意義があったと思います。
私は、これからも執行機関をチェックする議会の構成員の一人として、その任を精一杯果たしていきたいと思います。
都道府県議会議員研究交流大会での片山教授
この点で、私が、この間、調査してきた問題が、今朝の中国新聞と明日付けの山口民報に掲載されています。それは、県が、平成18年2月に、キタイ設計株式会社山口支社に委託して作成した「やまぐち棚田保全モデル実証事業・やまぐち棚田実態調査業務楠北地区調査報告書」に、「吉部郷土史話」からの無断引用があったという事実です。
現在、楠北土地改良区理事長をされている田中さんは、吉部郷土史話の編集委員であり、この程問題になった報告書作成のために行われた座談会のメンバーでした。先日、田中さんから、私に、「県が作成した報告書と吉部郷土史話に酷似した記述がある」という指摘を受けました。私は、ただちに、県農林水産部にこの事を伝え、調査が行われました。その結果、報告書の11ヶ所で、吉部郷土史話からの引用があり、そのほとんどで出典が明記されていないことが明らかになりました。そして、18日に、県とキタイ設計は、田中さんに対して、「吉部郷土史話を報告書に無断で引用した事実があり、申し訳けなかった。」「関係者に出典を明らかにした報告書を届けたい。」と謝罪しました。
今回の報告書を県は、入札を行い、キタイ設計は、147万円で落札しました。税金が投入された報告書は、私が9月県議会で指摘したように、この地域では、ほとんど具体化されていない問題がまずあります。その上に、今回、この報告書に無断引用があったことが明らかになったわけです。
私は、県が、本当に棚田を再生しようよいう気があるのかを疑わせる問題として憤りが収まりません。結局この報告書は、税金の無駄だったと言わざるを得ません。
県とキタイ設計とが結んだ業務委託契約書の38条には、「甲(県)は、成果物にかしがあることを発見したときは、乙(業者)に対して相当の期間を定めて当該かしの補修を請求し」云々とあります。
私は、完成した報告書にかしがあるとして、県は業者に補修を請求出来るのではないかと考えます。私の指摘に対して県は、「業者にかしがあるとは言えない」と言っていますが、更にこの点は、追及していきたいと思います。
いずれにしても県が報告書を業者に丸投げして十分にチェックしていなかった体質が明らかになりました。県が業者委託して報告書などを作成した場合に、同様の問題が他にはないのか私は、引き続き県行政をチェックしたいと思います。
私は、県民の付託に応え、税金の無駄使いを無くすために、県がコンプライアンスを徹底するために、「千里の道も一歩から」の精神で今後も奮闘する決意です。
県民の皆さんの疑問や意見や情報を私に、どうかお寄せ下さい。