月別アーカイブ:2017年4月

米国トランプ政権によるシリア攻撃について

 シリア北部での化学兵器による攻撃で子どもをはじめ多数の死傷者が出たとの報道を受け、米トランプ大統領は6日(日本時間7日)、シリア中部の空軍基地へ59発のミサイルを撃ち込みました。

 日本共産党の志位和夫委員長は7日、米国トランプ政権によるシリア攻撃について談話を発表しました。

 談話は以下の通りです。

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米国トランプ政権によるシリア攻撃について

             2017年4月7日
日本共産党幹部会委員長 志位 和夫

 

一、シリア北西部で、化学兵器とみられる攻撃で多くの犠牲者が出たと報じられるなか、米国のトランプ政権は6日(日本時間7日午前)、シリアの空軍基地へ数十発のミサイル攻撃をおこなった。

 化学兵器の使用は、誰によるものであれ、人道と国際法に反する重大で許されない残虐行為である。しかし、国連安保理の決議もないまま、米国が一方的に攻撃を強行したことは、国連憲章と国際法に反するものであり、厳しく抗議する。軍事攻撃は、シリア内戦をさらに悪化させることにしかならない。

一、米英仏は5日に提示した安保理決議案のなかで、シリアでの化学兵器使用について、国際的な真相究明を求めていた。米国の一方的な攻撃は、自らの主張にも反するものといわなければならない。国連を中心に、国際社会が一致協力して、化学兵器使用の真相をつきとめ、使用したものにきびしい対処をおこない、二度と使われることのないよう取り組みを抜本的に強めることこそ必要である。

一、とりわけ憂慮されることは、米国トランプ政権が、今回の攻撃を、「米国の安全保障上の死活的な利益にかかわる」と合理化していることである。「米国第一」の立場で一方的な軍事攻撃を合理化する態度はきわめて危険であり、絶対に認められない。

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 国連安保理の決議もない国際法違反の攻撃は、シリアの化学兵器問題の解決にもつながらず、同国の6年に及ぶ内戦の終結をさらに遠のかせる暴挙でしかありません。

 米トランプ政権によるシリア攻撃について皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

バラカ

 青木理著「安倍三代」の後半で、安倍晋三氏の恩師である成蹊大学名誉教授の宇野氏が、成蹊大学法学部出身の桐野夏生さんを語る行があります。

 この中で桐野夏生さん近著「バラカ」についての桐野さんの朝日新聞でのインタビュー記事が掲載されていました。

 「頭に来る。おめえが安全だからって、浮かれるんじゃねえよ。フクシマの復興を後回しにして、スタジアムかよ。資材も何もかも持って行きやがって。。あたしらは棄民かよ」(2016年4月12日付朝刊)

 そして、今、桐野夏生著「バラカ」を読んでいます。

 主人公は、大人たちの強欲で、翻弄させられる幼児のバラカ。

 バラカが大人たちに引きずり回されている間に東日本大震災と福島原発事故が発生します。

 この本を読みながら、浅井春夫著「戦争をする国・しない国」で紹介されていたユニセフ・イノチェンティ研究所の「先進国における子供のしあわせ-生活と福祉の総合的評価」(国連子ども基金 2007年)の冒頭の文章を思い出しました。

 「国の姿勢を示す本物の目安とは、その国の子どもたちに対してどれほどの関心を払っているかである」

  バラカを読みながら、今の日本は、この文章の子どもを被災者に変えても教訓とすべきだと感じました。

 「国の姿勢を示す本物の目安とは。その国の被災者たちに対してどてほどの関心をは払っているかである」

 日本は、残念ながら子どもにも被災者にも関心を払っていな国と言えるのではないか。

 桐野夏生さんは、「バラカ」を通じて、子どもと被災者を棄民する日本にモノ申したかったのではないかと思いました。

 2002年にあかつき川柳会が「赤旗川柳百人一句集」を発刊され、この中に私の句も選んでいただきました。

 「地雷踏み足のない子のうつろな目」

 子どもたちを棄民する社会を大人たちの力を解決していかなければならないと「バラカ」を読みながら感じています。

 桐野夏生さんは、江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞、直木賞、泉鏡花文学賞、柴田錬三郎賞、婦人公論文芸賞、谷崎潤一郎賞、紫式部文学賞、島清恋愛文学賞、読売文学賞など、25年の作家生活でこれだけの賞を受賞された実力ある作家です。

 彼女の作品をこれまでも数冊読んでいますが、どの本もインパクトがあり、熱がある文章に圧倒されています。

 「バカラ」を読み始めたことを契機に、桐野夏生作品を最近の作品から順次読んでいこうと思いました。

 桐野作品から「今」をじっくり考えていきたいと思います。

 桐野夏生ファンの皆さん。お好きな作品をご紹介下さい。

 「バラカ」を読まれた皆さん、感想をお聞かせ下さい。

戦争は福祉と支援を求める国民を圧殺する

 念仏者9条の会主催で纐纈厚山大名誉教授から「日本近代史」の講義を受けています。

 特に、戦争に突入していった1930年代の学習をしています。

 「戦争と福祉についてボクらの考えていること」にある社会福祉福祉研究者・桂木志保さんの「戦争は福祉を変節させる-命と暮らしを損なう『福祉』を再登場させないために」という論文は、1930年代の日本の福祉の状況が丁寧に描かれています。

 1933(昭和7)年に救護法が施行、1938(昭和13)年に社会事業法が制定され、民間の福祉施設(救護施設、養老院、児童施設など)が公的救済の担い手として位置づけらたり、民間社会事業・福祉事業に公的支援の光が当てられました。

 しかし、1938年、国家総動員法が制定されます。

 桂木さんは、この時代の社会福祉をめぐる状況を次のように記しています。

 「戦争国家た姿勢の推進は、坂を転がり落ちる勢いで進み、当時自主的活動として生活困窮者の支援をしていた東京帝国大学セツルメントが解散命令を受ける(1938年)など、歩き始めたばかりの社会事業をはじきとばしてゆきます。」

 セツルメントとは、「植民の意味で、貧困地域に大学生などの知識人が移住し、教育や地域活動を通じて貧民を強化する慈善活動として始まりましたが、やがて問題解決には社会改良が必要なことが打ち出されてゆきます。」とこの本で解説されています。

 本ブログでも幾度か書いてきましたが、私は、大学時代に「ヤジエセツルメント」というサークルに所属していました。

 名古屋市南区弥次ヱ町にある公営住宅でセツルメント活動を行っていました。

 この地域は、伊勢湾台風で甚大な被害を受けた所で、この当時から私たちの先輩がセツルメント活動を行っていました。

 その後、この地域に公営住宅が建設され、公営住宅に在住する住民を対象にセツルメント活動を私たちは行っていました。

 セツルメントのルーツはイギリスにあり、日本には片山潜が明治時代に移入したとの歴史が語り継がれています。

 私も参加していたセツルメントが、戦前、国家総動員法が成立する歴史の中で、解散命令を受けていた事実は衝撃でした。

 1940年には、国民優生法が制定されます。

 桂木さんは、この時代の福祉の状況を次のように総括しています。

 「戦争は福祉を押し潰すだけでなく、障害者をはじめとする福祉の対象となる人々を貶め、その存在をも否定するものです。文字通り福祉とその対象となる人々を圧殺するものであることをわが国の歴史の事実は語っています。」

 私は、福祉を学び、福祉の充実を求める政治家の一人として、福祉とその対象となる人々圧殺してきた戦争を繰り返してはならない決意をこの小論を読んで新たにしました。

 ティラーソン米国務長官がシリアへの軍事行動を引き合いに、北朝鮮に対して「国際規範や合意に違反し他国への脅威となるならば、対抗措置が取られるだろう」と発言しました。

 この発言に対して、日本共産党の小池晃書記局長は「軍事的な選択肢を強調する大変危険な発言だ。対北朝鮮の問題は外交的解決以外にはありえないということを強く求めていきたい」と記者会見で述べました。

 世界は、紛争を戦争にさせない努力に徹するときです。日本はそのために十分な役割を果たす時です。

 今日の世界情勢を皆さんはどうお考えですか。

 

西宇部小学校入学式

 本日、宇部市立西宇部小学校で入学式が行われました。

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 入学式を終えて退場する新入生の皆さん

 私は、PTA会長として挨拶を行いました。

 挨拶の要旨は以下の通りです。

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 西宇部小学校に入学した皆さん、ご入学おめでようございます。お父さんやお母さんなど保護者の皆さんと先生方で作っているPTAという会の会長をしています。藤本です。一言、お祝いの言葉を述べます。

 今日は沢山の地域の皆さんにご参加いただきました。ありがとうございます。ピカピカの1年生の登下校の見守りなどよろしくお願いいたします。

 さて、今日は、1年生の皆さんのために、1冊の絵本を持って来ました。アメリカのエリック=カールさんという方が描かれた「はぱぺこあおむし」という絵本です。皆さん、この絵本は読んだことありますか。この本が出来て40年ですから、お父さんやお母さんが子どもの頃からある絵本です。

 小さなたまごからからちいさなあおむしがうまれました。はらぺこあおむしは、たくさんのものを食べて、大きく成長して、さなぎになって、最後は、きれいなちょうちょになりました。

 1年生の皆さんは、たまごからあおむしになったばかりの頃かもしれません。小学校は、皆さんが、きれいなちょうちょになるために、大きく大きくなるところだと思います。

 皆さんが大きくなるためには、まず、あおむしのようにしっかり食べることが大切です。給食の先生方が皆さんにおいしいおひるごはんを作ってくださいます。しっかり食べて下さい。

 皆さんが大きくなるためには、次にあおむしのようにしっかり体を動かすことが大切です。皆さんが通っていた幼稚園や保育園よりもとてもとても広い学校ですね。しっかり体を動かして大きくなって下さい。

 最後に、皆さんが大きくなるためには、しっかり勉強してください。分からないことがあって当たり前です。そのために先生がおられます。分からないことはしっかり聞いて、しっかり勉強して大きくなって下さい。

 さて、最後になりましたが、保護者の皆さまにご挨拶申し上げます。

 本日は、ご入学まことにおめでとうございます。特に小学校に初めてご入学という皆さまには不安も多いかと思います。保護者と先生が支え合って子どもたちを応援するのがPTAです。PTA活動にご参加いただき、一緒に子どもさんを見守っていただきたいと思います。

 入学した1年生の未来が開かれることを願って挨拶といたします。

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 ぴかぴかの1年生50名が西宇部小学校に入学しました。

 今日、午後からは、三男が入学する高校で入学式に参加します。

 今日が、山口県の高校・中学・小学校の入学式のピークでしょう。

 すべての子どもたちに幸多かれとお祈りいたします。

 入学式を迎えられた保護者の皆さんご入学おめでとうございます。

「安倍三代」読書ノート②

 昨日は、岩国市で山口県PTA連合会の会合が行われました。夜懇親会もあったので、電車で約3時間、往復約6時間、電車の中では読書とうたた寝で過ごしました。

 青木理著「安倍三代」は、全て読み終え、今、塩田武士著「ともにがんばりましょう」を読んでいます。

 今日は、「安倍三代」から安倍晋三氏の章を中心に感想を述べたいと思います。

 私が、注目したのは、晋三氏が学んだ成蹊大学で長年国際政治学を教えてきた宇野重昭さんの指摘です。

 青木さんのインタビューに、宇野氏は、安全保障関連法制について「間違っている、と思います。私の国際政治学(の授業)をちゃんと聞いていたのかなと疑っているところです。正直言いますと、忠告したい気持ちもあったんです。成蹊に長く務めた人間として、忠告した方がいいという声もいただきました。よっぽど、手書きを書こうかと思ったんですが・・・」と答えました。

 インタビューを受ける宇野氏の姿を見て青木氏は「そういった瞬間、鵜のの目にはっきりと涙が浮かんでいるのに気づき、私はうろたえた。かつての教え子への憤りなのか、教え子が誤った道を進んでいることへの失望なのか、教員としての自らの力不足への悔悟なのか、理由を尋ねることはできななかったが、その目からは涙があふれそうになっていた。」と書いています。

 宇野氏は、「現在の自民党の保守主義なるものは、本当の保守主義ではないと思います」と述べたうえで「彼等の保守は『なんとなく保守』で、ナショナリズムばかりを押し出しますが、現代日本にあるべき保守とは何か。民衆は、生活のことを第一に考える穏健な保守を望んでいる層が大半でしょう。じんとうがもっとまともな保守に戻って、そうした民衆の想いを引っ張っていってほしい。私はいまでも彼・・・安倍さんを、100%否定する立場ではありません。数%の可能性に、機体しています。目を覚まし、正しい意味での保守、健全な保守を発見してほしいと思っています。でなければ、(肯定的な行きで)歴史に名を残すのではなく、とんでもないことをやった総理として歴史にマイナスな名を残すことになる。名誉ある安倍家の名を汚すことになる。そう言いたいです」と青木さんに応えています。

 宇野氏の部屋には、教え子である作家の桐野夏生さんの近著「バカラ」の出版広告がありました。

 宇野氏は、桐野夏生さんのついて「彼女は本当に『成すことあらん』というタイプでした。女性というものを解放するだけではなく、女性を作り直すんだという強烈な使命感が学生時代からあった。その使命感を達成するためには、人間というのは浮く雑な存在だから心理学を学び、そういうところから推理小説の方にいくのかと思ったら、どんどんと社会小説の方にいきましたね」と青木さんに応えました。

 青木さんは、「晋三はどうか。少なくとも、桐野のように学生時代から『成すことあらん』という大志を抱いていた様子は微塵も感じられない。周囲に感化され後づけの皮相な思想らしきものに憑かれ、国を誤った方向に向かわせないでほしい-愛する母校の最高碩学が涙を浮かべつつ放った心底さらの諫言を、凡庸だが心優しき3代目は、はたしてどう受けとめるだろうか。」とこの本を結んでいます。

 今の安倍政治を深く切り取ろうと心意気に感服する青木理さんの「安倍三代」でした。

 改めて、是非、多くの皆さんにこの本を読んでいただきたいと心から推薦いたします。

 さて、次は、桐野夏生さんの「バカラ」を読むことにしましょう。

 安倍政治に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

核兵器禁止条約国連会議への日本政府不参加に山口県知事「理解」

 7日の中国新聞は、「村岡嗣政知事は6日の記者会見で、国連法部での『核兵器禁止条約』制定交渉会議に日本政府が参加しなかったことにについて、『熟慮を重ねた上で総合的に判断されたのでは』と理解を示した。交渉会議の第一回会期は3月末、日本政府や核保有国が不参加のまま閉幕した。村岡知事は『(核兵器廃絶は)人類に共通する喫緊の課題。実現に向け着実に取り組んでほしい』とする一方、政府に期待する役割を問われると『さまざまな国際関係がある中、どういう方法を取りながら実現するかは国の方で判断されるべきだ』と述べた。県内の被爆者の人口比率は広島、長崎両県に次いで全国3番目に高い。被爆地の両県知事は今回の政府の不参加の判断について、遺憾の意を表明していた。」と報じました。

 私は、広島県と長崎県のホームページから、各知事のこの問題での発言をチェックしてみました。

 長崎県は直近の記者会見の様子がアップされておらず、確認できませんでしたが、広島県の湯崎知事は、3月28日の記者会見で、核兵器禁止条約の国連会議で日本政府が交渉に参加しないことを決めたことを受けて「これまで核兵器廃絶に向けて、核兵器国とそれから非核兵器国の橋渡しをするんだということを(日本政府が)表明されてきたわけですけれども、本県としては日本政府として、そういった役割を果たしていくためにも、この条約交渉に参加していただきたいなとお願いしてきたところであります」「残念ながら不参加ということであって、それ自体は大変残念なことだと思っています。」「どうやって核兵器国を動かしていくかということについて、日本政府として役割を果たしていただきたいと、努力していただきたいと思います。」と述べています。

 日本共産党の志位和夫委員長は、しんぶんか旗のインタビューで「日本政府の『不参加』表明は、『被爆国の政府がとる態度か』という強い批判と失望をもたらしました。被団協事務局次長の藤森俊希さんは、『心が張り裂ける思いだ』とのべ、カナダ在住の被爆者・サーロー節子さんは『母国い裏切られた』と批判しました。私が懇談した各国政府代表からも『残念だ』との声が出されました。空席となった日本政府咳に『あなたがここにいてくれたなら』と書かれた折り鶴が置かれていました。会議参加者の気持ちをよく表していて、たいへん印象的でした。『核兵器のない世界』をめぐって、国連を舞台に、政界の本流と逆流が正面からぶつかり合った会議になったと思います。日本政府は、被爆国政府でありながら逆流のお先棒を担ぎました。日本共産党は本流のなかで、日本政府の代わって被爆国の声を届け、会議成功を促進する役割を果たしました。この対照が浮き彫りになりました。」と述べました。

 各知事の発言も、各国政府や各政党の態度も、「核兵器のない世界」をめぐって、政界の本流に手を貸すものか、逆流に手を貸すものかが大きく問われる瞬間です。

 私は、「核兵器禁止条約の国連会議」の開催と成功を心から喜び、「核兵器禁止条約」の早期締結を願い、これからも核兵器廃絶のために力を尽くしたいと思います。

 核兵器禁止条約の国連会議に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。