議員日誌

バラカ

 青木理著「安倍三代」の後半で、安倍晋三氏の恩師である成蹊大学名誉教授の宇野氏が、成蹊大学法学部出身の桐野夏生さんを語る行があります。

 この中で桐野夏生さん近著「バラカ」についての桐野さんの朝日新聞でのインタビュー記事が掲載されていました。

 「頭に来る。おめえが安全だからって、浮かれるんじゃねえよ。フクシマの復興を後回しにして、スタジアムかよ。資材も何もかも持って行きやがって。。あたしらは棄民かよ」(2016年4月12日付朝刊)

 そして、今、桐野夏生著「バラカ」を読んでいます。

 主人公は、大人たちの強欲で、翻弄させられる幼児のバラカ。

 バラカが大人たちに引きずり回されている間に東日本大震災と福島原発事故が発生します。

 この本を読みながら、浅井春夫著「戦争をする国・しない国」で紹介されていたユニセフ・イノチェンティ研究所の「先進国における子供のしあわせ-生活と福祉の総合的評価」(国連子ども基金 2007年)の冒頭の文章を思い出しました。

 「国の姿勢を示す本物の目安とは、その国の子どもたちに対してどれほどの関心を払っているかである」

  バラカを読みながら、今の日本は、この文章の子どもを被災者に変えても教訓とすべきだと感じました。

 「国の姿勢を示す本物の目安とは。その国の被災者たちに対してどてほどの関心をは払っているかである」

 日本は、残念ながら子どもにも被災者にも関心を払っていな国と言えるのではないか。

 桐野夏生さんは、「バラカ」を通じて、子どもと被災者を棄民する日本にモノ申したかったのではないかと思いました。

 2002年にあかつき川柳会が「赤旗川柳百人一句集」を発刊され、この中に私の句も選んでいただきました。

 「地雷踏み足のない子のうつろな目」

 子どもたちを棄民する社会を大人たちの力を解決していかなければならないと「バラカ」を読みながら感じています。

 桐野夏生さんは、江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞、直木賞、泉鏡花文学賞、柴田錬三郎賞、婦人公論文芸賞、谷崎潤一郎賞、紫式部文学賞、島清恋愛文学賞、読売文学賞など、25年の作家生活でこれだけの賞を受賞された実力ある作家です。

 彼女の作品をこれまでも数冊読んでいますが、どの本もインパクトがあり、熱がある文章に圧倒されています。

 「バカラ」を読み始めたことを契機に、桐野夏生作品を最近の作品から順次読んでいこうと思いました。

 桐野作品から「今」をじっくり考えていきたいと思います。

 桐野夏生ファンの皆さん。お好きな作品をご紹介下さい。

 「バラカ」を読まれた皆さん、感想をお聞かせ下さい。

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