議員日誌

「安倍三代」読書ノート②

 昨日は、岩国市で山口県PTA連合会の会合が行われました。夜懇親会もあったので、電車で約3時間、往復約6時間、電車の中では読書とうたた寝で過ごしました。

 青木理著「安倍三代」は、全て読み終え、今、塩田武士著「ともにがんばりましょう」を読んでいます。

 今日は、「安倍三代」から安倍晋三氏の章を中心に感想を述べたいと思います。

 私が、注目したのは、晋三氏が学んだ成蹊大学で長年国際政治学を教えてきた宇野重昭さんの指摘です。

 青木さんのインタビューに、宇野氏は、安全保障関連法制について「間違っている、と思います。私の国際政治学(の授業)をちゃんと聞いていたのかなと疑っているところです。正直言いますと、忠告したい気持ちもあったんです。成蹊に長く務めた人間として、忠告した方がいいという声もいただきました。よっぽど、手書きを書こうかと思ったんですが・・・」と答えました。

 インタビューを受ける宇野氏の姿を見て青木氏は「そういった瞬間、鵜のの目にはっきりと涙が浮かんでいるのに気づき、私はうろたえた。かつての教え子への憤りなのか、教え子が誤った道を進んでいることへの失望なのか、教員としての自らの力不足への悔悟なのか、理由を尋ねることはできななかったが、その目からは涙があふれそうになっていた。」と書いています。

 宇野氏は、「現在の自民党の保守主義なるものは、本当の保守主義ではないと思います」と述べたうえで「彼等の保守は『なんとなく保守』で、ナショナリズムばかりを押し出しますが、現代日本にあるべき保守とは何か。民衆は、生活のことを第一に考える穏健な保守を望んでいる層が大半でしょう。じんとうがもっとまともな保守に戻って、そうした民衆の想いを引っ張っていってほしい。私はいまでも彼・・・安倍さんを、100%否定する立場ではありません。数%の可能性に、機体しています。目を覚まし、正しい意味での保守、健全な保守を発見してほしいと思っています。でなければ、(肯定的な行きで)歴史に名を残すのではなく、とんでもないことをやった総理として歴史にマイナスな名を残すことになる。名誉ある安倍家の名を汚すことになる。そう言いたいです」と青木さんに応えています。

 宇野氏の部屋には、教え子である作家の桐野夏生さんの近著「バカラ」の出版広告がありました。

 宇野氏は、桐野夏生さんのついて「彼女は本当に『成すことあらん』というタイプでした。女性というものを解放するだけではなく、女性を作り直すんだという強烈な使命感が学生時代からあった。その使命感を達成するためには、人間というのは浮く雑な存在だから心理学を学び、そういうところから推理小説の方にいくのかと思ったら、どんどんと社会小説の方にいきましたね」と青木さんに応えました。

 青木さんは、「晋三はどうか。少なくとも、桐野のように学生時代から『成すことあらん』という大志を抱いていた様子は微塵も感じられない。周囲に感化され後づけの皮相な思想らしきものに憑かれ、国を誤った方向に向かわせないでほしい-愛する母校の最高碩学が涙を浮かべつつ放った心底さらの諫言を、凡庸だが心優しき3代目は、はたしてどう受けとめるだろうか。」とこの本を結んでいます。

 今の安倍政治を深く切り取ろうと心意気に感服する青木理さんの「安倍三代」でした。

 改めて、是非、多くの皆さんにこの本を読んでいただきたいと心から推薦いたします。

 さて、次は、桐野夏生さんの「バカラ」を読むことにしましょう。

 安倍政治に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

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