月別アーカイブ:2016年8月

特別支援学校在学者最多

 5日の中国新聞は、「文部科学省が4日公開した2016年度の学校基本調査(速報値)で、中国地方5県の特別支援学校の在学者(5月1日時点)は計8526人で、前年度を134人(1.6%)上回り、過去最高を更新した。」と報じました。

 特別支援学校の在学者は、幼稚部と小、中、高等部の合計で、鳥取県を除く4県で前年度より増加しました。

 広島県では、前年度比81人(3.1%)増の2673人。岡山県は、前年度比44人(2.0%)増の2292人。山口県は、前年度比10人(0.6%)増の1779人。島根県は、前年度比10人(0.6%)増の978人。鳥取県は前年度比19人(2.3%)減の804人。

 中国新聞は、「各県教委は、校舎の増築などの対応を迫られている。」と指摘しています。

 山口県教委は、14、15年にプレハブを1棟づつ増設した。中国新聞の取材に山口県教委特別支援教育推進室は「校舎の増設が望ましいが費用が多額。当面はプレハブなど暫定的な対応でしのぐ」と答えています。

 先日、県立宇部総合支援学校の横を通るとプレハブ校舎が数棟新設されていました。

 私は過去の県議会で、特別支援教育の拡充を指摘し、長門や美祢地域で分校が設置されるなどの前進を生むこともできました。

 山口県教委の特別支援教育へとこれまでの取り組むは一定評価しつつ、現在足りない教室は、暫定的にプレハブではなく恒常的な校舎が建設されることを要望します。

 皆さん、特別支援教育でご意見があればお教え下さい。

 

介護大改悪

 参議院選挙が終わったとたん安倍晋三政権が介護第改悪の動きを加速させています。

 8月から特別養護老人ホームなどに入所している利用者で新たな負担が増える人たちが生まれています。

 障害年金や遺族年金を受給している人の食費と居住費の軽減策が縮小されたためです。

 特養や老人保健施設などの利用者の食費と居住費は、2000年の介護保険発足時は保険給付の対象でした。05年の制度改悪で保険給付から除外されましたが、国民の批判の高まりをうけて、低所得者には軽減策(補足給付)をとることにしたものです。

 この軽減策の縮小を14年成立の「医療・介護総合法」にもとづき実行しているのが安倍政権です。

 最初の負担増は昨年8月から。夫婦の片方が特養などに入って世帯を分離した場合、それまでは入所した人のみ低所得(住民税非課税)なら軽減対象になりました。ところが、今度は配偶者も低所得基準を満たさなければ受けられなくなりました。単身で1000万円超の預貯金がある定収入の人なども軽減の対象外にされました。これと同時に、一定以上の収入がある人の介護サービス利用料負担を1割から2割へ引き上げる改悪まで行われました。

 軽減策がなくなると一日の食費が3倍にはね上がる人もいます。

 これらの結果、月の利用料負担が8万5千円から13万円以上になるなど過酷な状況も生じています。

 「認知症の人と家族の会」の影響アンケートには、生々しい弊害が浮き彫りになっています。

 要介護5の妻が特養ホームに入所する60大の男性は月7万5千円の負担増になりました。

 その方は「年金収入だけでは月1.5万円足らなくなる。仕方なく今年中に施設を退所させて在宅介護に切り替えるつもり」と語っています。

 安倍政権は、昨年4月、要支援1と同2の訪問・通所介護の「保険給付外し」や特養入所要件を原則要介護3以上に厳格化した上、介護の質を支える介護報酬も過去最大規模で引き下げました。さあに要介護1と同2の新たな「保険外し」に向けて議論をすすめています。

 「介護離職ゼロ」どころか、介護保険制度の基盤を揺るがす改悪をおしつける安倍政権の暴走を認めることはできません。

 介護大改悪に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

岩国新聞 万華鏡

 7月22日発行の岩国新聞「万華鏡」に興味深い記事が掲載されていました。

 「▼月刊誌『選択』や『週刊金曜日』などに取り上げられていた『畑原県議が絡む大型公共工事について』の、山口県警の捜査資料といわれるものを当紙も入手した。資料は平成25年12月~平成26年5月までのもので60枚の資料の中には、県幹部や野党県議からの情報をはじめ捜査対象者や協力者、黒幕K氏の名前や利用していた店の名前などが書かれている。市民の代表である首長や議員などが、警察の捜査対象者になること自体が問題で『全体の奉仕者』と資格があるのか疑問である。さて、『志』ある政治家であれば、批判を甘んじて受け、そして反省するものであるが、中には『逆切れ』して、当紙の広告スポンサーに対し、圧力をかけてくる『政治屋』がいるようだ。許されざる犯罪である。▼一部の建設業者が政治権力者と癒着して利益をむさぼることは世の常といわれるが、市民の目の届かぬところで現在でもこの事態が続いているようだ。市内のG社やN社、T社などは代表的な建設業者であるが、いざ市長選や県議選挙になると物心両面で候補者を支えている。『政治屋』と組んで自社の利益を追求する、一部建設業者に対する市民の目は厳しいものになるだろう。また、安倍政権下の地元山口県で、『法の番人』の不正がまかり通るようでは、安倍政権そのものが疑われることになり、法治国家の根幹まで揺るがすことになる。」

 8月4日、平瀬ダムの定礎式が行われました。

 私は、平瀬ダムの入札を巡る問題を過去の議会で指摘しました。

 私が質問した前後の岩国市を中心とした大型公共事業の問題が複数の雑誌で取り上げられ、当時の山口県警の捜査資料といわれるものが一部マスコミに流れていることがこの記事から分かります。

 「安倍政権下の地元山口県で、『法の番人』の不正がまかり通るようでは、安倍政権そのものが疑われることになり、法治国家の根幹まで揺るがすことになる。」とする岩国新聞の指摘は、傾聴する価値が十分あると私は感じました。

 いずれにしても、この問題は、きっちり解決していかなければなりません。

 岩国市を中心とした大型公共事業に関わる問題について、ご意見や情報のある方は、私にもご連絡下さい。

日本の福祉を築いたお坊さん~日福マインドを受け継いで~

 昨日は、日本福祉大学山口県地域同窓生の集いに参加しました。

 同窓生の集いでは、日本福祉大学福祉経営学部明星智美准教授が「日本の福祉を築いたお坊さん ~日福マインドを受け継いで~」と題して講演を行いました。

 明星准教授は、私の2学年後輩にあたり、ヤジエセツルメントというサークルも一緒でした。

 妻と明星さんは同級で、3人で旧交を温めることもできました。

 日本福祉大学を創立したのは、鈴木修学さんという日蓮宗のお坊さんです。

 鈴木修学さんは、戦前からハンセン病療養所の運営や犯罪少年の更生事業に携わってきました。 

 戦後、法音寺を開山し、知的障害児施設の運営に取り組みます。

 1950年、東京に日本社会事業短期大学(現在の日本社会福祉事業大学)が、大阪に大阪社会事業短期大学(現在の大阪府立大学人間社会学部)が開設されました。

 鈴木修学さんが中心になって、1953年に、日本福祉大学の前身である中部社会事業大学が開設されました。

 1953年、鈴木修学さんは、「社会の革新と進歩のために挺身する志の人をこの大学を中心として排出させたいのであります。」「自己保身栄達のみに汲々たる気風ではなく人類愛の精神に燃えて立ち上がる学風が本大学満ち溢れたいものであります。」とする建学の精神を発表しました。

 鈴木修学さんは、釈迦の「如我等無異」(我が如く等しくして異なることなからしめん)という言葉を大切に福祉と教育に携わってこられました。

 2003年、日本福祉大学は学校法人日本福祉大学になりますが、それ以前は、学校法人法音寺学園でした。

 私が在学した1980年代は当然学校法人法音寺学園という名称でした。

 明星さんの話しを聞いて、鈴木修学さんというパイオニアがあっての大学であることを知りました。

 又、仏教を学ぶ一人として、(我が如く等しくして異なることなからしめん)という言葉が心に響きました。

 日福マイインドという点では、1963年の開校10周年の際に制定された教育標語の存在を知りました。

 「万人の福祉のために真実と慈愛と献身を」。今にも生きるいい言葉です。

 明星さんから「科学とヒューマニズム」「熱い心と 冷たい頭と たくましい腕」という言葉が日福マインドの一つとの話に懐かしさを覚えました。

 この二つの言葉は、大学時代サークルの先輩たちから繰り返し聞いたものでした。

 明星さんという親しみのある方から日本福祉大学創設の歴史と日福マインドを学び、リフレッシュできた喜びを感じました。

 懇親会では同窓会の先輩や後輩の皆さんから多くの刺激を受けることが出来ました。

 これからも日福マインドを持って、日々の活動に当たっていきたいと思いました。

 「熱い心と 冷たい頭と たくましい腕」は私の座右の言葉としたいと思いました。

 明星さん、同総会役員の皆さんありがとうございました。 

山口県弁護士会会長が「国家緊急権創設の改憲反対」と声明

 災害対策を理由に、日本国憲法に国家緊急権を具体化した緊急事態条項を創立する憲法改正を自民党改憲草案などで打ち出している問題で、山口県弁護士会の中村友次郎会長は、7月26日付で「国家緊急事態条項の創設のための憲法改正に反対する会長声明」を発表しました。

 会長声明の全文と資料は以下の通りです。

・・・

国家緊急事態条項の創設のための憲法改正に反対する会長声明

2016年(平成28年)7月26日
山口県弁護士会 会長 中村友次郎

 

  近時,災害対策を理由に,日本国憲法に国家緊急権を具体化した緊急事態条項を創設する憲法改正が,超党派で議論されている(注1)。
  国家緊急権(注2)とは,戦争・内乱・恐慌・大規模自然災害など平時の統治機構をもっては対処できない非常事態において,国家の存立を維持するために,憲法秩序を一時停止して非常措置を執る権限とされる。
  しかし,国家緊急権は人権保障の停止及び権力分立の停止をもたらすものであり,国家権力を抑制して人権保障を図る立憲主義を破壊する危険を持つ。歴史的にも,ドイツ・ワイマール憲法やフランス第5共和制憲法の下に於いて,国家緊急事態条項は濫用され,権力者の地位や政策の強化,反政府的言動をする者の排除,深刻な人権侵害がなされた(注3)。
  災害対応において,「普段できないことは本番でもできない」とされている(注4)ように,災害によって準備できていない事態が起きた場合には,国家緊急権の強力な権限でも対処できない。
  また,実際に災害が起きた場合,現行法制の下で,次のような対応が可能である。
  まず,内閣総理大臣は,非常災害が発生した際,災害緊急事態を布告し(災害対策基本法105条 注5),生活必需物資等の授受の制限,価格統制及び債務支払の延期等を決定できる(同法109条1項 注6)ほか,必要に応じて地方公共団体等に必要な指示ができるなど(大規模地震対策特別措置法13条1項 注7),内閣総理大臣への権限集中を定めた規定が既に存在する。
  また,防衛大臣が,災害に際して部隊を派遣できる規定もある(自衛隊法83条1項,注8)。
  さらに,都道府県知事の強制権 (災害救助法7,8,9,10条 注9),市町村長の強制権 (災害対策基本法59,60,63,64,65条 注10) など地方自治体においても,私人の権利を一定範囲で制限する規定も設けられている。
  以上のとおり,既存の法制を活用することで十分に災害に対応することは可能であり立憲主義を破壊し,基本的人権を不当に制約する危険性を持つ国家緊急権を災害対策として憲法に創設すべきではない。
  よって,当会は災害対策を理由とする国家緊急権創設のための憲法改正に反対する。

以上
 

注1 自由民主党日本国憲法改正草案(抜粋)
第九章 緊急事態
第九十八条(緊急事態の宣言)
1 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
2 緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。
3 内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態の推移により当該宣言を継続する必要がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。また、百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない。
4 第二項及び前項後段の国会の承認については、第六十条第二項の規定を準用する。この場合において、同項中「三十日以内」とあるのは、「五日以内」と読み替えるものとする。

第九十九条(緊急事態の宣言の効果)
1 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。
2 前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。
3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。
4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。

注2  戦争・内乱・恐慌・大規模な自然災害など、平時の統治機構をもっては対処できない非常事態において、国家の存立を維持するために、国家権力が、立憲的な憲法秩序を一時停止して非常措置をとる権限(芦部信喜『憲法 第五版』岩波書店 2011 365頁)

注3  「緊急事態条項の是非について」飯島滋明(名古屋学院大学研究年報第28号(2015.12))48頁【2】ヴィマール共和国と非常事態権限,51頁【3】フランス第5共和制憲法の「緊急権」(16条),53頁【4】緊急事態条項の歴史と評価

注4  内閣府hpより,市町村における災害対策「虎の巻」(平成27年8月 内閣府)2ページ目「災害対応の原則」
注5  災害対策基本法 第百五条 (災害緊急事態の布告) 
非常災害が発生し、かつ、当該災害が国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進し、国の経済の秩序を維持し、その他当該災害に係る重要な課題に対応するため特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣は、閣議にかけて、関係地域の全部又は一部について災害緊急事態の布告を発することができる。
2 前項の布告には、その区域、布告を必要とする事態の概要及び布告の効力を発する日時を明示しなければならない。

注6  災害対策基本法 第百九条 (緊急措置) 
災害緊急事態に際し国の経済の秩序を維持し、及び公共の福祉を確保するため緊急の必要がある場合において、国会が閉会中又は衆議院が解散中であり、かつ、臨時会の召集を決定し、又は参議院の緊急集会を求めてその措置をまついとまがないときは、内閣は、次の各号に掲げる事項について必要な措置をとるため、政令を制定することができる。
一  その供給が特に不足している生活必需物資の配給又は譲渡若しくは引渡しの制限若しくは禁止
  二  災害応急対策若しくは災害復旧又は国民生活の安定のため必要な物の価格又は役務その他の給付の対価の最高額の決定
三  金銭債務の支払(賃金、災害補償の給付金その他の労働関係に基づく金銭債務の支払及びその支払のためにする銀行その他の金融機関の預金等の支払を除く。)の延期及び権利の保存期間の延長

注7  大規模地震対策特別措置法 第十三条 (本部長の権限)
  本部長(※)は、地震防災応急対策等を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときは、その必要な限度において、関係指定行政機関の長及び関係指定地方行政機関の長(第十五条において準用する災害対策基本法第二十八条の五 の規定により権限を委任された当該指定行政機関の職員及び当該指定地方行政機関の職員を含む。)、関係地方公共団体の長その他の執行機関、関係指定公共機関並びに関係指定地方公共機関に対し、必要な指示を行うことができる。
※  大規模地震対策特別措置法 第十一条 (警戒本部の組織) 
  警戒本部の長は、地震災害警戒本部長(以下第十三条までにおいて「本部長」という。)とし、内閣総理大臣(内閣総理大臣に事故があるときは、そのあらかじめ指名する国務大臣)をもつて充てる。

注8  自衛隊法 第八十三条 (災害派遣)
  都道府県知事その他政令で定める者は、天災地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のため必要があると認める場合には、部隊等の派遣を防衛大臣又はその指定する者に要請することができる。

注9  災害救助法 第七条 (従事命令)
  都道府県知事は、救助を行うため、特に必要があると認めるときは、医療、土木建築工事又は輸送関係者を、第十四条の規定に基づく内閣総理大臣の指示を実施するため、必要があると認めるときは、医療又は土木建築工事関係者を、救助に関する業務に従事させることができる。
2  地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)は、都道府県知事が第十四条の規定に基づく内閣総理大臣の指示を実施するため、必要があると認めて要求したときは、輸送関係者を救助に関する業務に従事させることができる。
3  前二項に規定する医療、土木建築工事及び輸送関係者の範囲は、政令で定める。
4  第五条第二項の規定は、第一項及び第二項の場合に準用する。
5  第一項又は第二項の規定により救助に従事させる場合においては、その実費を弁償しなければならない。
第八条 (協力命令) 
都道府県知事は、救助を要する者及びその近隣の者を救助に関する業務に協力させることができる。
第九条 (都道府県知事の収用等) 
都道府県知事は、救助を行うため、特に必要があると認めるとき、又は第十四条の規定に基づく内閣総理大臣の指示を実施するため、必要があると認めるときは、病院、診療所、旅館その他政令で定める施設を管理し、土地、家屋若しくは物資を使用し、物資の生産、集荷、販売、配給、保管若しくは輸送を業とする者に対して、その取り扱う物資の保管を命じ、又は物資を収用することができる。
2  第五条第二項及び第三項の規定は、前項の場合に準用する。
第十条 (都道府県知事の立入検査等) 
前条第一項の規定により施設を管理し、土地、家屋若しくは物資を使用し、物資の保管を命じ、又は物資を収用するため必要があるときは、都道府県知事は、当該職員に施設、土地、家屋、物資の所在する場所又は物資を保管させる場所に立ち入り検査をさせることができる。
2  都道府県知事は、前条第一項の規定により物資を保管させた者に対し、必要な報告を求め、又は当該職員に当該物資を保管させてある場所に立ち入り検査をさせることができる。
3  第六条第三項から第五項までの規定は、前二項の場合に準用する。

注10 災害対策基本法 第五十九条 (市町村長の事前措置等)
  市町村長は、災害が発生するおそれがあるときは、災害が発生した場合においてその災害を拡大させるおそれがあると認められる設備又は物件の占有者、所有者又は管理者に対し、災害の拡大を防止するため必要な限度において、当該設備又は物件の除去、保安その他必要な措置をとることを指示することができる。
2  警察署長又は政令で定める管区海上保安本部の事務所の長(以下この項、第六十四条及び第六十六条において「警察署長等」という。)は、市町村長から要求があつたときは、前項に規定する指示を行なうことができる。この場合において、同項に規定する指示を行なつたときは、警察署長等は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。
第六十条 (市町村長の避難の指示等) 
災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、人の生命又は身体を災害から保護し、その他災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、必要と認める地域の居住者等に対し、避難のための立退きを勧告し、及び急を要すると認めるときは、これらの者に対し、避難のための立退きを指示することができる。
2  前項の規定により避難のための立退きを勧告し、又は指示する場合において、必要があると認めるときは、市町村長は、その立退き先として指定緊急避難場所その他の避難場所を指示することができる。
3  災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、避難のための立退きを行うことによりかえつて人の生命又は身体に危険が及ぶおそれがあると認めるときは、市町村長は、必要と認める地域の居住者等に対し、屋内での待避その他の屋内における避難のための安全確保に関する措置(以下「屋内での待避等の安全確保措置」という。)を指示することができる。
4  市町村長は、第一項の規定により避難のための立退きを勧告し、若しくは指示し、若しくは立退き先を指示し、又は前項の規定により屋内での待避等の安全確保措置を指示したときは、速やかに、その旨を都道府県知事に報告しなければならない。
5  市町村長は、避難の必要がなくなったときは、直ちに、その旨を公示しなければならない。前項の規定は、この場合について準用する。
6  都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、当該災害の発生により市町村がその全部又は大部分の事務を行うことができなくなったときは、当該市町村の市町村長が第一項から第三項まで及び前項前段の規定により実施すべき措置の全部又は一部を当該市町村長に代わって実施しなければならない。
7  都道府県知事は、前項の規定により市町村長の事務の代行を開始し、又は終了したときは、その旨を公示しなければならない。
8  第六項の規定による都道府県知事の代行に関し必要な事項は、政令で定める。
第六十三条 (市町村長の警戒区域設定権等) 
災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、人の生命又は身体に対する危険を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、警戒区域を設定し、災害応急対策に従事する者以外の者に対して当該区域への立入りを制限し、若しくは禁止し、又は当該区域からの退去を命ずることができる。
2  前項の場合において、市町村長若しくはその委任を受けて同項に規定する市町村長の職権を行なう市町村の職員が現場にいないとき、又はこれらの者から要求があつたときは、警察官又は海上保安官は、同項に規定する市町村長の職権を行なうことができる。この場合において、同項に規定する市町村長の職権を行なつたときは、警察官又は海上保安官は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。
3  第一項の規定は、市町村長その他同項に規定する市町村長の職権を行うことができる者がその場にいない場合に限り、自衛隊法 (昭和二十九年法律第百六十五号)第八十三条第二項 の規定により派遣を命ぜられた同法第八条 に規定する部隊等の自衛官(以下「災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官」という。)の職務の執行について準用する。この場合において、第一項に規定する措置をとつたときは、当該災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。
4  第六十一条の二の規定は、第一項の規定により警戒区域を設定しようとする場合について準用する。
第六十四条 (応急公用負担等) 
市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、応急措置を実施するため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該市町村の区域内の他人の土地、建物その他の工作物を一時使用し、又は土石、竹木その他の物件を使用し、若しくは収用することができる。
2  市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、応急措置を実施するため緊急の必要があると認めるときは、現場の災害を受けた工作物又は物件で当該応急措置の実施の支障となるもの(以下この条において「工作物等」という。)の除去その他必要な措置をとることができる。この場合において、工作物等を除去したときは、市町村長は、当該工作物等を保管しなければならない。
3  市町村長は、前項後段の規定により工作物等を保管したときは、当該工作物等の占有者、所有者その他当該工作物等について権原を有する者(以下この条において「占有者等」という。)に対し当該工作物等を返還するため、政令で定めるところにより、政令で定める事項を公示しなければならない。
4  市町村長は、第二項後段の規定により保管した工作物等が滅失し、若しくは破損するおそれがあるとき、又はその保管に不相当な費用若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、当該工作物等を売却し、その売却した代金を保管することができる。
5  前三項に規定する工作物等の保管、売却、公示等に要した費用は、当該工作物等の返還を受けるべき占有者等の負担とし、その費用の徴収については、行政代執行法 (昭和二十三年法律第四十三号)第五条 及び第六条 の規定を準用する。
6  第三項に規定する公示の日から起算して六月を経過してもなお第二項後段の規定により保管した工作物等(第四項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)を返還することができないときは、当該工作物等の所有権は、当該市町村
長の統轄する市町村に帰属する。
7  前条第二項の規定は、第一項及び第二項前段の場合について準用する。
8  第一項及び第二項前段の規定は、市町村長その他第一項又は第二項前段に規定する市町村長の職権を行うことができる者がその場にいない場合に限り、災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官の職務の執行について準用する。この場合において、第一項又は第二項前段に規定する措置をとつたときは、当該災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。
9  警察官、海上保安官又は災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、第七項において準用する前条第二項又は前項において準用する第二項前段の規定により工作物等を除去したときは、当該工作物等を当該工作物等が設置されていた場所を管轄する警察署長等又は内閣府令で定める自衛隊法第八条 に規定する部隊等の長(以下この条において「自衛隊の部隊等の長」という。)に差し出さなければならない。この場合において、警察署長等又は自衛隊の部隊等の長は、当該工作物等を保管しなければならない。
10  前項の規定により警察署長等又は自衛隊の部隊等の長が行う工作物等の保管については、第三項から第六項までの規定の例によるものとする。ただし、第三項の規定の例により公示した日から起算して六月を経過してもなお返還することができない工作物等の所有権は、警察署長が保管する工作物等にあっては当該警察署の属する都道府県に、政令で定める管区海上保安本部の事務所の長又は自衛隊の部隊等の長が保管する工作物等にあっては国に、それぞれ帰属するものとする。
第六十五条  
市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、応急措置を実施するため緊急の必要があると認めるときは、当該市町村の区域内の住民又は当該応急措置を実施すべき現場にある者を当該応急措置の業務に従事させることができる。
2  第六十三条第二項の規定は、前項の場合について準用する。
3  第一項の規定は、市町村長その他同項に規定する市町村長の職権を行うことができる者がその場にいない場合に限り、災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官の職務の執行について準用する。この場合において、同項に規定する措置をとつたときは、当該災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。

以上
 

・・・

 山口県弁護士会が、災害対策を李勇とする国家緊急権創設のための憲法改正に反対するとの会長声明を発表しました。

 この声明を皆さんはどうお考えですかお教え下さい。

銃撃とIED(即席爆発装置)で手足が吹き飛ぶ現代の戦場

 安保法制=戦争法の具体化、憲法改定へと突き進む安倍政権の下で、自衛隊は戦後初めて、海外で殺傷される危険性が高まっています。 

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙には、元陸自幹部からのメッセージが掲載されています。

 「現在の先頭で兵士が受ける外傷は凄惨です。武装勢力が持つ自動操縦ですら射程が伸び、命中精度が向上し、遠隔操作で装甲車も吹き飛ばせるほどIED(即席爆発装置)の破壊力が増しているように、戦闘員の戦闘能力は飛躍的に向上しました。他国の兵士をより効率的に、大量に殺傷することが可能になっています。仮に生き残っても、手足を失ってしまう危険を覚悟しなければなりません。」

 「現在、陸上自衛隊に支給されているのは止血帯1本と包帯だけ。包帯は被覆面積が狭いので、破壊力の強い銃弾で打ち抜かれた場合、創口をすべて覆うことができません。救急品が乏しいう上に、救急法教育は各部隊の指揮官が必要と判断すればやるという丸投げ状態で、標準化も徹底されていません。」

 「防衛省行政レビューによれば、他国軍隊と同レベルの個人用救急品の支給だけでも予算は12億~13億円となり、かなり難しいとのことですが、救急処置の教育を施すのみでも相当数の救命が可能なのですから、まず、教育を整備すべきです。与えない、教えない、示さないという現状のまま、自衛官の命を守るための体制を整えることなしに戦場へ送り込むのは重大な人権侵害、生命軽視です。」

 「南スーダンで『駆け付け警護』い踏み切れば、2020年の東京五輪・パラリンピックでは、車いすの自衛官が選手として出場するかもしれない」と陸上自衛隊の元幹部がしんぶん赤旗にメッセージを寄せています。

 元陸自幹部は、最後に、「自衛隊は海外で戦争すべきではないし、日本の生き方としてふさわしくありません。日本は戦争をせずに豊かな暮らしができるという見本を世界に示していくべきです。」と語っています。

 若い自衛官の命を奪う可能性が高まる南スーダンでの「駆け付け警護」が11月から実施されようとしています。

 「自衛隊は海外で戦争すべきではない」との元陸自幹部の言葉に政府は耳を傾け、『駆け付け警護」の任務付加は今からでも中止すべきです。

 皆さんは、元陸自幹部の言葉をどうお感じになりましたか。ご意見をお聞かせ下さい。