10月30日に行われた県教育庁主催の人権教育研修会で、NPO法人ジェントルハートプロジェクト理事、小森美登里さんのお話しをお聞きしました。
小森さんの娘の香澄さんは15才の時、いじめが原因で自殺してしまいます。
この経験を元にお話しされました。
小森さんは、講演で 「『いじめはだめだ、命は大切だ』は言わないようにしている。暗記ではなく、子どもたちに考えてもらう話をしている」と話されます。
また、小森さんは、「『傍観者は加害者である』というのも違うと思う。むしろ被害者である。いじめに関わるみんなが被害者だと思う」と話されます。
その上で、「いじめている子どもへの対応が一番大切だ」と話されました。
自らの娘さんが自殺に至る話しは涙なしには聞くことが出来ませんでした。
「娘の事を学校に相談し、カウンセラーに相談し、病院に相談したが、何も解決しなかった」
「実際起きているいじめの行為をなくさなければ、子どもの命は守れないことが分かった」と話されました。
この話からも、小森さんが言われる「いじめている子どもたちへの対応が一番大切」という話が身に染みて理解できました。
会場で、小森さんが書かれた「遺書」と言う本を購入して読みました。
本の中に、香澄さんが小学校4年の時に書いた「窓の外には」詩が載っていました。
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「窓の外には」
窓の外には夢がある
夢の隣には自然がある
自然の上には空がある
空の上には星がある
星の向こうに未来がある
未来の向こうに愛がある
愛の中には心がある
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私が、大森さんの講演で一番、心に届いたのは、「大人は、子どもたちに『やり返す連鎖』を促している」との話でした。
大森さんの講演で、これまでの「いじめ」の概念を根本から見直さなければ子どもたちの命が守られないことを痛感しました。
大人の「やられたらやり返せ」の理屈も見直さなければならないのではないかと考えさせられました。
香澄さんの「愛の中には心がある」との遺言を大人たちみんなで噛みしめたと思います。
昨日のブログに書いたように、調査の方法に変化があったにしても、子どもたちの周りにいじめがあります。
子どもたち一人ひとりが未来を信じて生きていける環境を大人たちが作っていくことがいじめをなくす土壌になると思います。
そして、何よりも大人の世界のいじめも無くさなければなりません。
皆さん、いじめ問題に対するご意見をお聞かせ下さい。