月別アーカイブ:2013年9月

馬鹿が戦車(タンク)でやって来る

 山田洋次名作映画DVDマガジンVol.17「馬鹿が戦車(タンク)でやって来る」を観ました。

 山田監督が監督が初期の頃、メガホンを握った馬鹿シリーズの第3弾です。

 この作品は、1964年12月に製作とあります。まさに私が生まれた年月に製作されたものです。

 マガジンによると、この作品は、埼玉県鳩山町でロケが行われたとあります。

 私が生まれたころの日本の農村風景を懐かしく知ることができました。

 道路は舗装されておらず、農家の暮らしは、質素そのものです。

 物語は、奇想天外。日永村にいるサブは、耳の不自由な母と知的障がいを持った弟と暮らしています。

 村人は、サブ一家を忌み嫌います。

 ある日、サブは、酒を飲んで村中を暴れ回り、警察につかまります。

 ある村会議員がサブを釈放するために金がいるとして土地を抵当として巻き上げます。

 サブは怒って、村中を戦車で破壊していきます。

 そんな中、弟が事故でなくなり、サブは、弟を連れて村から消えていきます。

 山田監督は、映画の発想は、木下順二さんの「おんにょろ盛衰記」に学んだと書いています。

 村の疫病神の「おんにょろ」。山姥とオロチを退治する。

 それでも村人は、「おんにょろ」に出ていけと迫り、おんにょろは村から出ていく。

 山田監督は、「村から追い出される怒りと同時に、村人を喜ばせるために自分が立ち去らなければならないジレンマというかな。自己否定の劇的な瞬間こそがドラマなのだ、と著書で木下さんが語っていて、それが学生時代から印象に残っていました。」と語っています。

 日本の民話のような奇想天外な山田監督初期の喜劇「馬鹿が戦車(タンク)でやって来る」。ぜひ皆さんもお楽しみ下さい。

 一般のビデオショップには置いていないかも知れませんね。図書館などに置いてあるところもあるのではないでしょうか。

 次回のマガジンは、山田監督の第一回作品「二人の他人」と倍賞千恵子のヒット曲を映画にした「下町の太陽」です。

 これは、山田監督の第一作、第二作という貴重なものです。これも楽しみです。

 

中国電力本社と中国四国防衛局との交渉に参加

 本日、日本共産党国会議員団中国ブロック事務所主催で、中国電力本社と中国四国防衛局との交渉が行われ、参加しました。

 交渉には、中国地方各県の県議や市議と、仁比そうへい参議院議員、中国ブロック国民運動委員会石村智子責任者が参加しました。

 まず、中国電力との交渉です。

 中国電力とは、島根原発再稼働と上関原発新設の問題について交渉を行いました。

   中国電力本社での交渉(前列右端が私)

 上関原発の新設問題で、中国電力の担当者は「国のエネルギー基本計画の改定の動向を見守る」考えを示しました。

 私は、「中国電力が来年の電力供給計画に原子力を計上できない場合は、公有水面埋立免許は失効することになる」ことを指摘しました。

 次に中国四国防衛局との交渉です。

 中国四国防衛局とは、オスプレイ問題、岩国基地に関わる諸問題、低空飛行問題、美保自衛隊基地問題などについて交渉を行いました。

    中国四国防衛局との交渉(前列左端が私)

 オスプレイ関係に関して、防衛局の担当者は、岩国基地にオスプレイが1機残っている問題やアメリカでの事故内容について「現時点で情報が得られていない。得られた情報は関係自治体に伝える」と答えました。

 私は、「10月に、滋賀県と高知県でオスプレイが参加した日米合同の訓練が実施されることが発表されたが、岩国基地と部隊がどうこれら訓練に関わるのか。」と質問しました。

 担当者は、「現時点で、両訓練に対する岩国基地と部隊の関わりは分からない。分かり次第、仁比参議院事務所に伝える」と答えました。

 上関原発問題や岩国基地問題で今日は大いに担当者と議論しました。とても勉強になりました。

 9月議会に向けて、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

オスプレイ米国での事故、最も重大な「クラスA」

 しんぶん赤旗日刊紙は、9月2日、「米西部ネバダ州で8月26日(現地時間)に発生した米海兵隊MV22オスプレイの機体炎上事故について、米海兵隊安全センターは、27日、最も重大な事故である「クラスA」に分類していることが分かりました。」「同センターの公開資料によれば、オスプレイは、今年6月にも米南部ノースカロライナ州ジャンクソンビルで着陸後、地表が燃えて胴体に引火、大破して約6300万ドルの損害を出しました。」と報道しました。

 NHK山口放送局は、今日のニュースで、オスプレイ事故について、「事故機が所属するカリフォルニア州の海兵隊ミラマー基地は、3日、機体が着陸の際強い衝撃を受けるとともに燃えたことなどから修復が不可能であると判断し、今回の事故を最も深刻な「クラスA」に認定したと発表しました。」「海兵隊は飛行データを記録した装置の分析などを進めて事故原因を特定し、9月末までに報告書をまとめることにしています。」と報じました。

 オスプレイの今回の事故原因などの情報について、県や岩国市は、国に情報提供を求めていますが、現時点で、明確な回答が寄せられていません。

 アメリカ軍は事故原因を解明すると同時に、情報を日本政府に早急に開示すべきです。日本政府は、アメリカ政府にそのことを求め、事実は、関係する自治体に開示すべきです。

 重大事故をわずか2ヶ月で2回起こしたオスプレイは、沖縄で岩国で全国で訓練を行うべきではありません。日本政府は、米側に、オスプレイの訓練中止を求めるべきです。

 また、岩国基地には、普天間基地に追加配備される予定のオスプレイ1機がいまも駐機を続けています。

 岩国に残されたオスプレイ1機について、しんぶん赤旗日刊紙は8月31日に、「『1機は岩国にいる。いまシステムのチェックをしている。いつ普天間に配備されるかわからない』オスプレイの飛行士であるギューズマン大尉は記者団にこう述べ、岩国基地に残っている1機は機体に不具合があるため、30日の編成式典に間に合わなかったことを認めました。」と報道しました。

 山口県と岩国市は、国に、1機が岩国に残っている理由を問いただしていますが、具体的な理由が説明されていません。

 岩国に残ったオスプレイがどのような不具合があり、駐機したままなのか、アメリカ軍は日本政府に説明責任を果たすべきです。

 人命軽視で、アメリカ軍がオスプレイの訓練を強行すれば、沖縄や岩国をはじめとする国民の怒りは燃え上がるでしょう。

 日本共産党中国ブロック国会議員事務所主催で、明日、午後、仁比参議院議員と一緒に、中国四国防衛局との交渉を行います。

 その中で、私は上記のことを直接、国の担当者に問い質したいと思います。

 オスプレイの事故などの問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

萩市旧田万川町小川で被災者への聞き取り行う

 今日、日本共産党豪雨対策本部は、萩市旧田万川町小川で被災者への聞き取りを行いました。

 訪問した地域は、中小川。小川小学校の周辺です。

 この地域は、田万川周辺で、堤防が大きく崩壊した高岩橋からほど近い地域です。小川小学校裏の堤防が決壊し、県道益田阿武線までが川となって、周辺の家屋に被害をもたらしました。

 まずは、80代と70代の御夫婦のMさん。

 家屋は、床下浸水の被害です。Mさんは、もう少し家の床下を消毒してほしいと要望されていました。

 また、軽自動車が使えなくなったとのこと。萩市が軽自動車を減免することが急がれます。

 今日は、小雨が降っており、裏山から滝のように水が落ちてくるところがあります。

 今日も雨の中、山から水が滝のように湧きだしています

 以前から、山からの水がどうにかならないか萩市に伝えているとのことでした。

 次にお会いしたのは、60代後半のOさん。

 5反の水田は全て収穫できず、農機具も全て使えなくなったそうです。

 Oさんは、「これから4・5年は農業が出来ないだろう」と嘆いておられました。

 また、人に貸していたが、5月から入居者が入院して不在だった家屋が水害で全壊しました。

借家に人が住んでいなかったので生活支援制度はゼロ

 人が住んでいなかったので、生活再建支援制度は適用しないと市から説明されたとOさん。

 「せめて、解体した時の廃材を市に引きとってほしい」との要望を受けました。

 次にお会いしたのが60代前半のKさん。Kさんの家は、大規模半壊と認定されたそうです。

 被災したKさんの自宅。大規模半壊と認定されました

 Kさんは、近所の留守宅を購入することに決めたそうです。生活再建支援制度では、「購入」費用の一部が出るとのことです。

 Kさんは、「学校裏の橋の袂が決壊した水が、家を直撃した。復旧工事を行う時は、現況復旧ではなく、再度災害を起こさないような工事をするように県の担当者に要望した」と話ました。

 最後にお会いしたのは、60代前半のHさん御夫婦。

 Hさんの家は、床上50センチ以上の浸水被害を受けました。

Hさん宅の玄関。この壁の写真の中央まで水が来ました

 7月28日。水位が高くなって、裏山に逃げようと夫婦で話し合います。

 すでに、玄関前が川のようになっていました。

 Hさんの奥さんが水に足を取られます。ご主人は、必至で、奥さんの手を握ります。

 ご主人は、奥さんを引き上げることが出来ず、一緒に流されます。

 100メートル以上流されて、ご主人が民家の植木の枝を握り、九死に一生を得たHさん夫妻。

 今回の災害で、被災者の方からこれほどリアルな話を聞くのは初めてでした。

 Hさん宅では、床の張り替え工事の準備中でした。

 「もう少し生きろと神様に言われたので、ここで頑張って暮らしていく。せめて、床の張り替え後に出た廃材は、市で処理してほしい」との要望を受けました。

 日本共産党豪雨災害対策本部は、このような被災者への聞き取りを発災直後から続けています。

 寄せられた声は、整理して、国会議員や私たち県議や萩市・山口市議などを通じて関係する行政機関に届けています。

 来週、月曜日(9日)は、災害問題で国の省庁との交渉を行う予定です。

 今日は、大変勉強になりました。引き続き機会を作って被災地に出向き被災者の声をお聞きしたいと思います。

 何か要望がありましたら、お聞かせ下さい。

「ナンバー」「血の轍」「共震」

 ここ数日、相場英雄さんの小説を読み続けています。

 古い順で行くと、まず、「ナンバー」。

 30代の西澤は、警視庁捜査二課に配属されます。

 捜査二課は、知能犯などを扱う部署。

 汚職を扱う五課との確執。協力者との駆け引き。などなど迫力満点です。

 「へそ」という章は、特に面白く読みました。

 「真実を言っていないとき、絶対にへそを取調官には向けない。」

 これは、FBIの最新の取調べメソッドに書かれている内容だと紹介されていました。

 次に、「鉄の轍」。この作品は、2013年、第26回山本周五郎賞の候補作になった作品です。

 この作品は、警察内の公安部と刑事部との争いを扱った作品です。

 兎沢刑事の人生を縦軸に、二人の元警察官が殺された事件を横軸に、警察内部の状況がディープかつリアルに描かれています。

 テーマの面白さと同時に、物語そのものにグイグイ引きつけられ一気に読んでしまいました。

 最後は、相場英雄さんの最新刊の「共震」。

 みちのく麺食い記者でも有名な大和新聞の宮沢賢一郎記者が東日本大震災の被災地を訪ね、復興を支えた県職員殺害事件を追う物語です。

 本書の解説は、「遺体」の著者である石井光太さん。私は、釜石の遺体安置所をルポした石井さんの作品に心打たれた一人です。

 石井さんは、「本書は、現場と向き合ってきた相場なりの犠牲者への祈りであり、遺族への励ましであり、我々に対する指南だったといえるのだ。」と書いています。

 東日本大震災から2年半経過しましたが、「共震」とは、被災者の気持ちに寄り添い、一緒に歩んでいこうという作家のメッセージだということがよく分かりました。

 「震える牛」で相場英雄さんに出会いまだ1年半ですが、多くの刺激を受けます。

 相場さんの真骨頂は、事実に向き合う真摯な眼でしょう。

 ノンフィクションのようなリアリティーが作品全体を貫いています。

 私は、相場さんの全作品を今年中に読破しようと思っています。

 今日から「みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎シリーズ」を読もうと思っています。

 今、待っているのは、WOWOWでドラマ化された「震える牛」のレンタルDVDです。

 そして、次回作。相場さん筆致で、今度は、どんな真実が明らかになるのかとても楽しみです。

 相場英雄ファンの皆さん。感想をお聞かせ下さい。

 

豪雨災害で被災した農業への対応について

 7月28日の豪雨災害から1ヶ月以上が経過しましたが、被災者の方々のご苦労が続いています。

 災害が農業地域を襲ったこともあり、被災された農家の方々から多くの声が寄せられています。

 一つは、農業共済金の早期支払いについてです。

 この問題では、山口県で豪雨災害が発生した翌日の7月29日に、農林水産省経営局保険監理官から山口県農林水産部長に「大雨等による農作物等の被害に係る迅速かつ適切な損害評価の実施、共済金の早期支払等について」という文書が届きました。

 具体的には、「貴職におかれては、被災農業者に適切に共済金を支払うことにより農業経営の安定を図る農業災害補償制度の機能が遺憾なく発揮されるよう、これまでも、農業共済組合等に対し、災害発生時における遅滞なき被害申告、迅速かつ適切な損害評価の実施、今日最近の早期支払い体制の確立及び被害拡大防止措置の周知徹底についてご指導いただいているところですが、期間内の農業共済組合等の取組が更に徹底して行われるよう御指導願います」というものです。

 国からの要請を受けて、山口県農林水産部長は、7月31日付けで、各農業共済組合長に対して共済金の早期支払い等を求める文書を発出しました。

 各農業共済組合では、県の指導文書を受けて、被災農家に早期に共済金が支給されることを望みます。

 次に、被災農業者向け経営体育成支援事業についてです。

 日本共産党参議院議員の仁比聡平事務所から国において「平成25年6月8日から8月9日までの間の豪雨及び暴風雨による農業被害により被災した農業者に対し、農産物の生産に必要な施設の復旧等を緊急的に支援する」「被災農業者向け経営体育成支援事業」が創設されたとの情報が日本共産党山口県議団に寄せられました。

 助成対象者は、「気象災害による農業被害により農業用施設等が被災し、地方単独事業による支援、又は融資を受けて、被災施設の復旧等を行うことにより農業経営の継続を志向する農業者(市町村から被災証明を受けていること)」です。

 事業実施主体は市町村で、10分の3以内を国が補助します。

 「この事業が県内でどのように実施されようとしているのか?」、県農林水産部に調査を依頼しました。

 事業の実施状況が分かれば、報告します。

 被災農家の皆さんも各市町に問い合わせてみて下さい。

 日本共産党山口県委員会は、9月9日に、豪雨災害があった島根県委員会などと合同で、国に対策を要望する省庁交渉を行う予定です。

 被災者の皆さん、関係者の皆さん、引き続き、皆さんのお声をお聞かせ下さい。