山田洋次名作映画DVDマガジンVol.17「馬鹿が戦車(タンク)でやって来る」を観ました。
山田監督が監督が初期の頃、メガホンを握った馬鹿シリーズの第3弾です。
この作品は、1964年12月に製作とあります。まさに私が生まれた年月に製作されたものです。
マガジンによると、この作品は、埼玉県鳩山町でロケが行われたとあります。
私が生まれたころの日本の農村風景を懐かしく知ることができました。
道路は舗装されておらず、農家の暮らしは、質素そのものです。
物語は、奇想天外。日永村にいるサブは、耳の不自由な母と知的障がいを持った弟と暮らしています。
村人は、サブ一家を忌み嫌います。
ある日、サブは、酒を飲んで村中を暴れ回り、警察につかまります。
ある村会議員がサブを釈放するために金がいるとして土地を抵当として巻き上げます。
サブは怒って、村中を戦車で破壊していきます。
そんな中、弟が事故でなくなり、サブは、弟を連れて村から消えていきます。
山田監督は、映画の発想は、木下順二さんの「おんにょろ盛衰記」に学んだと書いています。
村の疫病神の「おんにょろ」。山姥とオロチを退治する。
それでも村人は、「おんにょろ」に出ていけと迫り、おんにょろは村から出ていく。
山田監督は、「村から追い出される怒りと同時に、村人を喜ばせるために自分が立ち去らなければならないジレンマというかな。自己否定の劇的な瞬間こそがドラマなのだ、と著書で木下さんが語っていて、それが学生時代から印象に残っていました。」と語っています。
日本の民話のような奇想天外な山田監督初期の喜劇「馬鹿が戦車(タンク)でやって来る」。ぜひ皆さんもお楽しみ下さい。
一般のビデオショップには置いていないかも知れませんね。図書館などに置いてあるところもあるのではないでしょうか。
次回のマガジンは、山田監督の第一回作品「二人の他人」と倍賞千恵子のヒット曲を映画にした「下町の太陽」です。
これは、山田監督の第一作、第二作という貴重なものです。これも楽しみです。
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