議員日誌

下関市保健所で過労死ライン超

 今朝の毎日新聞は、新型コロナウイルス感染症への対応に追われる保健所で時間外労働が過労死ラインを超えている実態を報じています。

 まず、都保健所の状況について次のように報じています。

 「東京23区の保健所のうち、少なくとも12区で3、4月に時間外労働(残業)が過労死の危険性の高まる月100時間を超える職員がいたことが各区への取材で分かった。最大で月198時間に上った職員もいた。」

 次に、下関市立保健所でも過労死ラインを超える実態があったと次のように報じています。

 「下関市の市立保健所でも職員4人の時間外労働が3、4月続けて月100時間を超え、1カ月当たり80時間とされる『過労死ライン』を大きく上回っていたことが判明した。市職員課によると4人は同市で感染症が確認された3、4月、医療機関との調整や濃厚接触者の調査を担当。1人は3月の時間外労働が163時間に上った。」

 下関市は、市立保健所の労働環境の改善を早急に行うべきです。

 山口県も、健康福祉部の健康増進課の職員や各保健所の職員、環境保健センターの職員、総務部防災危機管理課の職員など新型コロナウイルス感染症防止への対応で業務が多忙化を極めていることが予想されます。

 私は、4月30日の臨時議会の質疑で、職員体制の充実について質し、弘田健康福祉部長は、「健康増進課に8名、保健所に13名、環境保健センターに2名増員した」ことを明らかにしました。

 毎日新聞は、県が新型コロナウイルス感染症拡大での相談業務に従事する保健師を25人募集すると報じています。

 職員体制の充実のために県が一定の対応を行っていることは評価します。

 その上で、残業時間という視点から、職員体制の状況を検証する必要性を下関市の例などで感じました。

 今後、県職員の残業時間の実態を調査し必要な発言を行っていきたいと思います。

 新型コロナウイルス感染症対策で対応する自治体職員が多忙を極めています。

 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

岩国基地関係の子どもたちの学習権の確保について

 昨日、日本共産党山口県コロナ対策本部は、全県的に授業の再開が本格化する小中学生に対する諸問題に対応するために、小中学校の教職員の方で組織されている山口県教職員組合(以下県教組)の役員の方々と懇談をしました。

 コロナ対策本部から、河合前県議と私が参加しました。

 県教組合からは、富永委員長と中村書記長が参加しました。

県教組と懇談

 写真手前左側が私、右側が富永県教組委員長

 懇談の中で、コロナまん延防止を学校で徹底しながら、子どもたちの学びや健康を維持するためには、教職員体制の強化が必要だという意見が出されました。

 また、夏休みの短縮も想定され、各教室への冷房設置などの必要性が話されました。

 この点については、今後の議会等でしっかり発言していきたいと思います。

 懇談の中で、岩国基地関係者の子どもが学校への登校を自粛させられている問題が話題になりました。

 組合事務所に東京都内で教員をされていた方から、岩国基地関係者の子どもたちが学校への登校を自粛させられている問題に関して電話があったそうです。電話の内容は、次のようなものです。

 「在日米軍基地のある地域で基地側が登校自粛を求めているのは、岩国基地と嘉手納だけのようだ。嘉手納基地では、基地関係者の労働組合が基地に働きかけをおこない、子どもたちの登校が可能になったようだ。実質、未だに、登校自粛となっているのは、全国で、岩国基地だけではないかと思う。」

 富永委員長は「毎日新聞の関連記事の中で、沖縄国際大学の前泊教授の次のようなコメントが紹介されていた。『米軍は基地内での感染状況を地域に公表せず、非協力的な態度を取る一方で、通学自粛を求めるというのは許されない。米軍は基地管理権を根拠にしているのだろうが、国民の教育を受ける権利や義務に反するもので、情報開示もしない米軍に対して、日本政府も抗議しなければおかしい。』全くその通りだ。教育委員会は、通学出来ていない子どもの実態を調査し明らかにすべきだ。」と話しました。

 昨日の中国新聞は、「米軍岩国基地(岩国市)は、新型コロナウイルス感染症防止のために所属の軍人や軍属たち全ての基地関係者に通知していた子どもの市立小中学校への登校自粛を6月8日に解除する方針を明らかにした」「市教委は18日、中国四国防衛局を通じ子どもたちの学習機会を保障するよう基地に申し入れた。林孝志学校教育課長は『解除の時期が示されたのは前進だが、基地には引き続き一日でも早く全員が登校できるように求める』と話した。」

 私は、山口県のこの問題での対応について調査しました。

 その結果、岩国市教育委員会と一緒に、県教委と県総務部は、18日、中国四国防衛局と独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構岩国支部に対して、「子どもたちの学習機会の確保について」とする要請を行っていたことが明らかになりました。

 要請書は「『米海兵隊岩国航空基地の新型コロナウイルスによる感染症に関するルール』においては、MLC/IHA従業員及び地位協定非該当の契約業者に雇用されている従業員等に対して、同居する子どもに通学を控えるよう強い要請があることから、関係する子どもたちの影響が懸念されるところです。つきましては、子どもたちが安心して教育が受けられるよう、学習機会の確保について格別のご配慮をいただきたくお願いします。」

 岩国市教育委員会は、登校を自粛している児童生徒の状況を明らかにすべきです。

 同時に、県教委は、登校を自粛している県立高校や県立特別支援学校に通う児童・生徒の状況を明らかにすべきです。

 毎日新聞のインタビューに前泊沖縄国際大学教授が指摘しているように、私は、米軍に、日本国民の教育を受ける権利を制限する権限はないと考えます。

 県教委と県総務部が、中国四国防衛局などに要請をしたことは一定評価しますが、更に県と岩国市が協力して、政府や米軍に働きかけ、児童・生徒が一日も早く通学できる状況にすべきです。

 前泊教授が指摘するように、何よりも政府は、米軍が、国民の教育を受ける権利を制限する状況にきっちり抗議すべきです。

 米軍は、岩国基地関係の子どもたちの登校自粛措置を直ちに解除し、何よりも、基地内での感染状況を当該地域に公表すべきです。

 岩国基地関係の子どもたちが市内の学校に通えない状況が続いています。

 皆さんは、この問題をどうお考えですかご意見をお聞かせ下さい。

新型コロナでの解雇者等へ県営住宅提供

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響による解雇等により、住宅の退去を余儀なくされるなど生活の場の確保を図るため、山口県は県営住宅を提供しています。
 提供戸数は、50戸です。うち即入居可能戸数は15戸です。
 (岩国市1戸、下松市2戸、防府市1戸、山口市1戸、宇部市2戸、山陽小野田市1戸、下関市1戸、長門市1戸)
 入居条件は、申込時点で県内に居住している方で、下記のいずれかに該当する方です。
 ①派遣契約の停止等に伴い、社員寮等の退去を余儀なくされ、住居を喪失した求職者(見込みの者を含む)
 ②廃業した方
 ③収入が本人の責任に帰すべき理由、都合によらず減少し、離職や廃業と同程度の状況にある方
 ④インターネットカフェ等、居住が不安定な方の一時的な居所となっている施設の利用が制限・停止される等により、緊急にその居所を確保する必要がある方
 入居できる期間は原則6カ月(延長可能)
 家賃は、3.300円~13.300円(各住宅の家賃の2分の1の額)
 家賃のほか、光熱水費、共益費、駐車場使用料が必要※駐車場は1住戸あたり1枠のみ
 敷金・連帯保証人は不要です。
 受付開始は、今年5月11日(月)から先着順で受付します。
 申込先は、(一財)山口県施設管理財団 県営住宅管理事務所 山口支所
 電話 083-934-2004
 (平日の午前8時30分から午後5時15分まで)
 市町の公営住宅についても提供している自治体があるので、各市町の担当にお問い合わせください。
 宇部市は、都市計画・住宅課 0836-34-8427 です。
 詳しくは、各担当にお問い合わせください。
 次に、住宅確保給付金についてご紹介します。
 生活困窮者のうち離職等により経済的に困窮し、住宅を喪失した又は喪失する恐れのある方に対し、賃貸住宅の家賃額に相当する額を支給する制度です。
 支給期間は原則3カ月間(最長9カ月)
 支給額は、生活保護の住宅扶助基準額(世帯の状況によっては特別基準額)を上限として、月ごとに家賃相当額が支給されます。
 実際の家賃額や申込者の収入状況等により、支給額が上限額を下回る場合があります。
 管理費、共益費や駐車場料等は支給対象外となります。
 詳しくは県内の自立相談支援機関にお問い合わせください。
 宇部市は、生活相談サポートセンターうべ 電話0836-43-7440です。
 18日付毎日新聞は、「新型コロナウイルス感染拡大に伴う生活困窮者の一時滞在先として、都道府県・政令市が確保した公営住宅やアパートへの問い合わせや入居相談が東京、兵庫、大阪、埼玉、福岡など少なくとも1,106件に上る」と報じました。
 私は、担当部局に、県内での相談や入居状況について問い合わせを行っています。その上で、この問題について必要な発言を行う予定です。
 県内の住宅確保対策に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

新型コロナ影響化での高圧ガス施設等の定期修理について

 経済産業省は、4月10日、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、高圧ガス保安法上の義務(保安検査及び定期自主検査)の期間を4ヶ月延長することを明らかにしました。
 山口県消防保安課は、経済産業省の検査期間の4カ月の延長を受けて、4月15日、ホームページで「新型コロナウイルスの影響を踏まえた高圧ガス保安法の措置について」という文書を発表しました。
 県は、文書で、経済産業省の検査期間の延長措置を紹介した上で次のように書いています。
 「県では、県内企業に対して、感染者が拡大している地域(以下『対象地域』という。)への従業員の方の出張を控えていただくとともに、対象地域から県内への来訪について自粛を要請しているところです。つきましては、講習等での対象地域への従業員の移動や、定期自主検査等の実施に係る作業員等の対象地域からの受け入れの計画に際しては、今回講じられる法令上の延長措置を最大限活用し、感染拡大防止、周辺地域の健康面、安全面の観点も十分考慮されるようお願いします。」
 県は、その上で、各事業所に対して、延長措置を活用する場合の延長期間について、また、延長措置を活用しないない場合には、事業所の感染予防対策について、事前に県に所定の文書での連絡を要請しました。
 県内企業の中で、定期検査を行う宇部興産株式会社は、4月22日のホームページで、「5月から約2カ月間、山口県宇部市の工場群において定期検査工事を予定しています」と発表しました。
 宇部興産は定期検査工事にあたって、新型コロナウイルス感染防止について「山口県、宇部市のご指導に従いながら、従業員及び工事業者の方々」に対して次の対策を講じるとしました。
 ①従業員及び工事事業者の工事入構時における検温の実施
 ②毎日の体調確認(健康管理記録表への記入等)と体調不良者の工場入構禁止
 ③マスク着用の徹底
 ④消毒剤による手指の頻繁な消毒とうがいの励行
 ⑤可能な限り、「3つの密」を避けた作業環境の実現
 ⑥不要不急の外出の自粛
 ⑦市内飲食店での食事等の自粛
 宇部興産は、5月7日、ホームページで、緊急事態宣言の延長を受け、4月22日で明らかにした対応に加え「各事業所健康管理責任者・衛生管理者が、工事業者の健康管理記録表を『毎日』把握し、新型コロナウイルス感染を少しでも疑う症状を持った人は入構させず、各事業所健康管理責任者・衛生管理者が産業医と連携し、健康観察及び感染拡大防止策を適切に実施すること」などの対応を取ることを明らかにした上で、「予定通り、本格工事を開始する」としました。
 宇部興産は、感染予防対策を行い、延長措置を活用せず予定通り点検工事を実施しました。
 私は、県消防保安課に対して県内企業者が、延長措置を活用したのか、延長措置を活用しなかった場合に、各事業者がどのような感染予防対策を行う県に連絡しているのかの状況の報告を求めています。
 茨城県は、経済産業省の検査期間4カ月延長の対応を受けて、鹿島東部コンビナートの定期修理を実施する17社に対し、開始期間を4月20日から5月12日にするよう要請を行っています。
 山口県も茨城県同様、県内企業に対して開始時期の変更を要請すべきではないかという点についても県からの報告を受けて、検証していきたいと思います。
 県内の多くの事業所で高圧ガス保安法上の検査が始まっています。
 関係者の皆さん、県民の皆さん、この問題に対するご意見をお聞かせ下さい。
 

空自宇宙作戦隊発足と山陽小野田市のレーダー基地

 今朝の山口新聞は航空自衛隊に宇宙作戦隊が発足したと次のように報じました。

 「日本の人工衛星を守るため、宇宙ごみ(デブリ)や隕石、不審な衛星を監視する航空自衛隊の『宇宙作戦隊』が18日、府中基地(東京都府中市)を拠点に発足した。宇宙監視に専従する自衛隊の部隊設置は初めて。防衛省は米軍や宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携し、情報共有システムの構築を図る。米軍は昨年12月、陸海空と並ぶ独立軍として1万6千人規模の宇宙軍をスタートさせた。中国やロシアは他国の人工衛星を攻撃するとされ、加速する宇宙の軍事利用の動きに日本が影響を受ける可能性もある。」「防衛省によると、宇宙作戦隊は20人で発足。山陽小野田市に建設するレーダーで高度約3万6千キロの静止軌道を監視し、人工衛星をデブリなどから守る任務に当たる。2026年度までに、独自の宇宙監視衛星の打ち上げも目指す。JAXAは静止軌道に加え、高度千キロ以下の低高度周回軌道も担当。自衛隊がJAXA、米軍とお互いに情報を共有するシステムは、23年度から運用が始まる予定になっている。」

 2018年12月、安倍政権が閣議決定した中期防衛力整備計画(2019年度~23年度)には、宇宙領域の監視活動の必要性について次のように書いています。

 「宇宙空間の状況を常時継続的に監視するとともに、平時から有事までのあらゆる段階において宇宙利用の優位を確保しえるよう、航空自衛隊において宇宙領域専門部隊1個隊を新編する。」

 この計画の具体化が航空自衛隊内に発足した「宇宙作戦隊」です。

 内閣府の宇宙政策委員会に提出された防衛省の資料には次のような記述があります。

 宇宙の重要性として「弾道ミサイルの早期探知、緻密な誘導、遠隔地とのリアルタイム通信、情報収集など、宇宙空間は現代戦を遂行する上で死活的に重要、サイバー・電磁波を含め新領域(ドメイン)での攻防が、じ後の作戦の趨勢を決するため、宇宙能力の強化が極めて重要」

 防衛省は、山陽小野田市の宇宙監視レーダーの目的を「スペースデブリ」を24時間監視するため」としています。

 しかし、防衛省は、宇宙空間を「現代戦を遂行する上で死活的に重要」と位置付けており、そのための山陽小野田市の宇宙監視レーダーであることは間違いありません。

 宇宙空間での現代戦遂行のための宇宙作戦隊ならば、憲法との関係で矛盾が出てくることは必至です。

 そのための山陽小野田市の監視レーダーなら、「敵国」からみれば格好の標的になることは明らかです。

 山陽小野田市の宇宙監視レーダーは、2023年度からの運用開始を目指して着々と工事が進められています。

 航空自衛隊内に宇宙作戦隊が発足された今、山陽小野田市の宇宙監視レーダーの役割と必要性を再検証すべき時だと思います。

 皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

  

「日御子」読書ノート①

 引き続き、帚木蓬生著「日御子」を読んでいます。

 九州にあった那国の通訳として「あずみ」(代々中国や韓国との交易の通訳をしてきた)一族の灰が、漢へ渡り光武帝に謁見し、金印を授かる場面が、物語の冒頭に出てきます。

 教科書にも出ている有名な「漢委奴国王印」の金印の日本に渡来してきた経緯を語る物語です。

 灰は孫の針に「『那国』が『奴国』として漢の皇帝に伝えられ、授かった金印が『奴国』と刻まれた」ことは、自分の大きな失態だと語ります。

 文庫の「解説」で文芸評論家の末國善己さんは、この点を次のように解説しています。

 「ここに漢の役人の傲りと、発展途上国への差別感情を読み取ることは安易にできよう。そして先進国の漢に、日本の名誉を認めさせることが『あずみ』一族の悲願になっていくのである。」

 そして、針も通訳として漢に渡ります。今、この辺りを読んでいます。

 更に、本書のタイトルについてです。

 「日御子」は「ひみこ」と読みます。

 一般的な「卑弥呼」と「日御子」は同じ言葉です。

 作者はなぜ、「日御子」としたのか、末國さんは次のように書いています。

 「灰は、『卑しさを意味する(卑)』も悪字の一つとしている。おそらく本書のタイトルが、一般的な『卑弥呼』ではなく『日御子』とされているのは、『魏志倭人伝』の作者が、良字の『日』を悪字の『卑』に書き換えたとの判断に基づいているのではないだろうか。『後漢書』や『魏志倭人伝』の著者は中国人であり、聞きなれない国名や人名は、耳で聞いた音に適当な漢字を当てていたようなので、途上国への偏見があれば、(意識的か、無意識かは別にして)悪字を使う可能性は十分にあったはずだ。」

 金印の「奴国」の「奴」の字は何度も目にした文字でしたが、このような解釈があることを初めて知りました。

 また、卑弥呼の「卑」の文字も中国側から見た文字であるとの解釈も新鮮でした。

 今日、日本と中国、日本と韓国との関係は逆転したかのように捉える歴史観が広がる状況にあります。

 末國さんは、昨日紹介した「あずみの掟」の一つ「人を恨まず、戦いを挑まない」を引用して昨今の日中・日韓の状況をこう書いています。

 「韓国、中国への差別を平然と口にするヘイトスピーチの嵐が吹き荒れ、軍事力には軍事力で対抗すべきという声も高まっていることで『人を恨まず、戦いを挑まない』も排斥されつつある。」

 今、米海軍の空母でコロナウイルスの感染が拡大しています。

 南シナ海で活動していた米原子力空母セオドア・ルーズベルトでは、感染爆発が発生し、航行不能となり、グアムへ停泊しています。

 横須賀基地を母校にしている米原子力空母ロナルド・レーガンも、「30人近い」感染者の存在が明らかになりました。

 にも関わらず、レーガンが出航に踏み切り、空母艦載機部隊の空母離着陸訓練(FCLP)が硫黄島で始まり、岩国基地が予備基地に指定されました。

 コロナ禍の中で、米空母が出航したことについて昨日のしんぶん赤旗「日刊紙」は次のように報じています。

 「レーガンも同様のリスク(コロナウイルス感染)を抱えながら出航に踏み切る背景には、南シナ海や東シナ海での、中国との覇権争いがあります。佐世保基地(長崎県)の強襲揚陸艦アメリカと沖縄の第31海兵遠征隊(31MEU)が、ルーズベルト離脱の空白を埋めるため、南シナ海に展開していましたが、これ以上の航海延長は困難です。一方、中国海軍は4月、空母『遼寧』など6隻を、沖縄本島~宮古島の間を往復させ、公船が尖閣諸島で領海侵犯を繰り返すなど、コロナ禍でも力を誇示しています。新型コロナウイルスという、全人類が結束して立ち向かうべき脅威が目の前にいるにもかかわらず、米中両国は、『軍事対軍事』のパワーゲームを繰り返しています。」

 今こそ、「あずみ」の掟「人を恨まず、戦いを挑まない」社会の到来をコロナ禍は私たちに教えてくれていると思います。

 「あずみ」は、今の外交官のような存在でしょう。

 2世紀から3世紀の時代に、「あずみ」が国内外でどのような和平交渉にあたったのか、引き続き、「日御子」からしっかり学んでいきたいと思います。