今朝の山口新聞は航空自衛隊に宇宙作戦隊が発足したと次のように報じました。
「日本の人工衛星を守るため、宇宙ごみ(デブリ)や隕石、不審な衛星を監視する航空自衛隊の『宇宙作戦隊』が18日、府中基地(東京都府中市)を拠点に発足した。宇宙監視に専従する自衛隊の部隊設置は初めて。防衛省は米軍や宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携し、情報共有システムの構築を図る。米軍は昨年12月、陸海空と並ぶ独立軍として1万6千人規模の宇宙軍をスタートさせた。中国やロシアは他国の人工衛星を攻撃するとされ、加速する宇宙の軍事利用の動きに日本が影響を受ける可能性もある。」「防衛省によると、宇宙作戦隊は20人で発足。山陽小野田市に建設するレーダーで高度約3万6千キロの静止軌道を監視し、人工衛星をデブリなどから守る任務に当たる。2026年度までに、独自の宇宙監視衛星の打ち上げも目指す。JAXAは静止軌道に加え、高度千キロ以下の低高度周回軌道も担当。自衛隊がJAXA、米軍とお互いに情報を共有するシステムは、23年度から運用が始まる予定になっている。」
2018年12月、安倍政権が閣議決定した中期防衛力整備計画(2019年度~23年度)には、宇宙領域の監視活動の必要性について次のように書いています。
「宇宙空間の状況を常時継続的に監視するとともに、平時から有事までのあらゆる段階において宇宙利用の優位を確保しえるよう、航空自衛隊において宇宙領域専門部隊1個隊を新編する。」
この計画の具体化が航空自衛隊内に発足した「宇宙作戦隊」です。
内閣府の宇宙政策委員会に提出された防衛省の資料には次のような記述があります。
宇宙の重要性として「弾道ミサイルの早期探知、緻密な誘導、遠隔地とのリアルタイム通信、情報収集など、宇宙空間は現代戦を遂行する上で死活的に重要、サイバー・電磁波を含め新領域(ドメイン)での攻防が、じ後の作戦の趨勢を決するため、宇宙能力の強化が極めて重要」
防衛省は、山陽小野田市の宇宙監視レーダーの目的を「スペースデブリ」を24時間監視するため」としています。
しかし、防衛省は、宇宙空間を「現代戦を遂行する上で死活的に重要」と位置付けており、そのための山陽小野田市の宇宙監視レーダーであることは間違いありません。
宇宙空間での現代戦遂行のための宇宙作戦隊ならば、憲法との関係で矛盾が出てくることは必至です。
そのための山陽小野田市の監視レーダーなら、「敵国」からみれば格好の標的になることは明らかです。
山陽小野田市の宇宙監視レーダーは、2023年度からの運用開始を目指して着々と工事が進められています。
航空自衛隊内に宇宙作戦隊が発足された今、山陽小野田市の宇宙監視レーダーの役割と必要性を再検証すべき時だと思います。
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