月別アーカイブ:2024年6月

しんぶん赤旗日刊紙に、山口県・山口市でパートナシップ制度導入の経過が特集されました

 山口県でパートナーシップ制度が導入されたことについて、3日のしんぶん赤旗日刊紙は、次のように報じました。
 「性的マイノリティーのパートナー関係を公認する『パートナーシップ制度』は人口の85%の地域に導入されていますが、都道府県でバラツキがあります。居住自治体にパートナーシップ制度がなく、転居する事例もあります。性的マイノリティーが安心して暮らせる街にしようと、新たな取り組みが広がっています。5月17日、結婚の平等を(同性婚)実現をめざす全国各地の団体が東京都内で記者会見しました。『昨年5月、保守「王国といわれる山口県で初めてプライドパレードをしました。そのさい、県内に住んでいる当事者の方々や、生きづらさを感じて県外に転出せざるを得なかった方々の声を集めました。まとめて山口市と山口県に提出したところ、パートナーシップ制度が、山口市で今年4月から、山口県で今年9月から導入されること運びとなりました」山口県のパートナーシップ制度導入を報告したのは田中愛生さん(34)。3月時点で、県内でパートナーシップ制度を導入しているのは宇部市のみ。47都道府県の中で、県庁所在地にもパートナーシップ制度がなかったのは山口県を含め5県のみでした。パートナーシップ制度の導入を求めて、山口市議会では立憲民主党の議員が、県議会では日本共産党の議員が継続的に論戦しました。性的マイノリティー当事者の手紙も昨年3月の県議会で取り上げられました。『私は、山口県の社会的弱者に対する冷たさに疲れ、生まれ育った山口県を離れることにします』。パートナーシップ制度のある福岡県に転居した当事者の声です。山口県弁護士会は2021年以来、3回にわたって、パートナーシップ制度の制定を推進する会長声明を、県や県内の全自治体に送りました。当事者と支援者の任意団体『レインボー山口』は、18年の発足以来、当事者のアンケート調査にとりくんできました。こうした下地の上に、昨年5月5日に行われた山口県初のプライドパレードがパートナーシップ制度導入へ、大きな変化をつくりました。田中さんは、山口レインボープライド2023実行委員会の委員長を務めました。『(田中)愛生さんは扇の要の役割を果たした』と、『レインボー山口』事務局長の鈴木朋絵弁護士は言います。東京都出身の田中さんはスペインに1年、フランスに5年住み、5年前に山口市に移住。ゲイ当事者です。地方都市におけるLGBTQ+(性的マイノリティ)の可視化をテーマにしたとりくみは注目を浴びています。2年前から、市内の湯田温泉街で性自認や性的指向にとらわれない、誰でも入れるゲイバーを経営しています。山口レインボープライドは、性的マイノリティーと支援者の存在を身近に感じてもらい、差別や偏見の解消を目指すイベントです。性の多様性にもとりくむ山口青年会議所が主催し、『レインボー山口』が共催しました。山口県弁護士会や山口県も後援しました。200人が市内をパレードしました。沿道の人々から送られる声援は『とても暖かい雰囲気でした。(報道機関の)世論調査を観ると、同性婚に7、8割が賛成している。山口もこれと同じ』と田中さん。イベントに合わせて『YOUR VOICE』というプロジェクトを実施し、県内の当事者の声を集めました。その中にパートナーシップ制度の導入を求める声がありました。親元の福岡県を離れ、山口県下関市に住む20代の当事者は、『結婚とはいかずとも、まずはパートナーシップを結びたい。お隣の福岡では認められているのに、なぜ山口ではダメなんでしょうか?』との声を寄せました。生きづらさを抱え、県外に転居した人の声もありました。昨年7月に山口市、10月に山口県に提出した要望書には当事者の声を盛り込みました。昨年3月の県議会で、『現時点では導入を考えていない』と答えてきた県。ところが今年1月23日、村岡嗣政知事は記者会見で、『制度の導入に向けた検討を開始する』と表明しました。その理由は『当事者団体から要望を聞き、生きづらさを軽減して、安心して暮らしていける環境の整備の必要性を感じた』からだと言います。県が設置した『山口県パートナーシップ宣誓制度(仮称)に関する調整会議』の委員に、田中さん、鈴木さん、そして県弁護士会性の平等に関する委員会委員の沼田幸雄さんも加わり、制度の要綱が作られました。県議会でパートナーシップ制度の導入を県に迫ってきた藤本一規県議(日本共産党)は、『当事者の声が顕在化し、制度導入に結び付きました。私も議会で当事者の声を紹介しましたが、今後ももっと声を聴きたい。それを生かして、議会の論戦に臨みます』と語ります。

 この記事の私のコメント通り、これからも、当事者の声をお聞きし、一つでも願いが議会を通じて制度化されるよう論戦に臨みたいと思います。

 まずは、6月29日行われるレインボーパレードに参加したいと思います。

 LGBTQ+などの問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

西ヶ丘第二跨線橋に2100万円、真締川に1000万円の事業費が計上されました

 3日、宇部市・山陽小野田市・美祢市選出の県議会議員を対象にした今年度の公共事業説明会が、県宇部総合庁舎で行われました。
 県宇部土木建築事務所、県美祢農林水産事務所、宇部港湾管理事務所、厚東川工業用水道事務所から説明が行われました。
 県宇部土木建築事務所から説明があったことについて2点報告します。
 第一は、県道宇部停車場線の第二西ケ丘跨線橋についてです。

西宇部小学校・厚南中学校の通学路でもある歩道部分は、小学生同士でも離合できない

 昨年度、2100万円の事業費で設計が行われましたが、新年度は2100万円の事業費で耐震設計の予算が計上されました。
 私は、「事業の実施にあたっては、宇部駅側の歩道拡幅については、地元の切実な要望なので、是非対応してほしい」と要望しました。
 担当者は「歩道が拡幅できるかどうか設計の段階で検討している」と答えました。
 新年度も第二西ケ丘跨線橋に対し、予算が計上されたことは評価しつつ、引き続き、宇部駅側の歩道拡幅を求めていきたいと思います。
 第二は、真締川の浚渫工事についてです。

 

今年度も1000万円の事業費で、石田橋以北の浚渫工事が実施される予定です。

 昨年度は、1000万円の事業費で、広田地域から川添地域に掛かる川津橋から石田橋までの間の河川浚渫工事が行われました。
 新年度は、1000万円の事業費で、石田橋から、土田橋を越える約200メートルの間の河川浚渫工事が行われる予定です。
 今年度も真締川の浚渫予算が計上されたことは評価したいと思います。
 引き続き、県政に対する皆さんの要望をお聞かせ下さい。
 

陸上自衛隊山口駐屯地担当者が、昨年山口ちょうちん祭りパレードで武器携行を認める

 6月3日、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動うべ実行委員会(坂田勇司・佐々木明美代表)他8団体は、自衛隊山口地方協力本部と陸上自衛隊山口駐屯地に対し「各地の『まつり』への参加中止を求める要望書」を提出しました。

  自衛隊山口協力本部と陸上自衛隊山口駐屯地に要望書を提出する参加者

 要望書提出には、私と河合きよ県議が同席しました。

 昨年8月の山口ちょうちんまつりで武器携行行進を行ったことをはじめ、宇部まつりなど、県内各地の「まつり」に自衛隊が参加し車両展示等広報宣伝を実施しています。

 要望書は「『まつり』の最中、街中で厳めしい車両や迷彩服などを目にすることは、不安を覚えます。ましてや、人を殺傷することが目的の武器を目にすることは、苦痛と言わざるを得ない」とし、「自衛隊は、山口市、宇部市、他県内各地で開催される『まつり』等に参加しないこと」を求めました。

 対応した自衛隊山口地方協力本部広報室長の原二尉は、「要望書の内容は上司に伝える」「協力本部としては、武器を使用する展示は行っていない」などと答えました。

 陸上自衛隊山口駐屯地の板村三尉は、昨年、山口市で開催された山口ちょうちんまつりと宇部市で開催された宇部まつりの主催者にパレード参加を要請したことを認め、山口ちょうちんまつりでは「小銃及び無反動砲の武器を携行した」ことを認めました。

 要請行動参加者から「自衛隊による武器を携行したパレード行進は二度と行わないよう」強く求める声が出されました。

十種ヶ峰、秋吉台、油谷の各少年自然の家には点字ブロックが敷設されていません。

 この間、JIS規格の点字ブロックが敷設されてある県立施設について調査し報告してきました。
 この程、教育委員会関係の結果が届きました。
 教育委員会所管の社会教育施設でJIS規格の点字ブロックが敷設してある施設は、図書館と博物館、22校の県立学校です。
 JIS規格ではない点字ブロックが敷設してある施設は、由宇少年自然の家です。
 つまり、十種ヶ峰、秋吉台、油谷の各少年自然の家には点字ブロックが敷設されていないということです。
 県内には、県立学校が80校あります。つまり、58の県立学校には点字ブロックが敷設されていないことが分かりました。
 点字ブロックが敷設してある県立高校の名前を照会中です。
 県教委は、今後、増改築等を行う場合は、JIS規格の点字ブロックに転換する計画だとしています。
 しかし、この場合は、由宇少年自然の家のことです。
 私は、県教委に、点字ブロック未設置の教育委員会所管の県立施設への点字ブロック敷設を求めていきたいと思います。
 次に、県道での状況です。
 県道でのJIS規格の点字ブロックの敷設状況は、約35キロ。
 JIS規格ではない点字ブロックが約55キロ。
 今後は、改修等を行う際に、JIS規格のものに更新する計画だということです。
 県道に関しては、JIS規格の点字ブロックへの変更の促進とJIS規格の点字ブロックの敷設距離が延長されることを要望していきたいと思います。

県立学校校則で詰め襟36校、セーラー服12校 ジェンダーの視点で見直しが必要

 先日のブログで、宇部市立中学校が来年度から制服をブレザー化することを紹介しました。
 宇部市は、制服をブレザー化する理由を「経済性、寒暖調節のしやすさ、着心地・動きやすさ、多様性への配慮」としています。また、ジェンダーレスシルエットの型も選べ、ズボンとスカートも選べるとしています。
 私は、経済性と多様性への配慮などの面から、詰め襟・セーラー服からブレザー化した宇部市教委の判断は妥当だと考えます。
 その上で、県立学校の詰め襟・セーラー服の状況を調査し、この程、回答が届きましたので報告します。
 高校54校、中等教育学校1校、定時制11校、中学校1項、特別支援学校13校合計80校の内、詰め襟を義務化している学校が36校、セーラー服を義務化している学校が12校あることが明らかになりました。
 宇部市内では、宇部高、宇部工業高校、宇部西高校、宇部総合支援学校が詰め襟で、宇部高校、宇部総合支援学校がセーラー服です。中学校までは、ブレザーだった生徒が、これらの学校に入学・進学した場合、再び、詰め襟、セーラー服に戻ることになります。
 私は、詰め襟やセーラー服の県立学校は、経済性や多様性・ジェンダーに配慮したブレザー化を検討すべきだと思います。
 23年1月14日、埼玉新聞は、埼玉県教育局が、女性制服のある全ての県立高校で女子用スラックスを選択できるようになる見通しだと次のように報じました。
 「県教育委員会は12日の県教育委員会定例会において、2023年度から女子制服のある全ての県立高校で女子用スラックスを選択できるようになる見通しを示した。LGBT(性的少数者など)の暮らしやすい環境づくりなどを基本理念とする『県政の多様性を尊重する社会づくり条例』が22年7月に施行されたことを踏まえ、生徒の多様な悩みに対応する教育環境づくりを目指す。同局人権教育課は22年7月、生徒の意思で制服を選べるよう、女子制服にスラックスを導入して選択制とするよう、各県立高校に通知した。男子校や私服の学校を除いた、女子生徒の制服がある130校(現時点)のうち、21年度は91校(当時70%)が選択制で、22年5月時点で103校(79%)に増加。23年4月から130校全てで選択制となることが、各校へのヒアリングで確認できた。」
 私は、埼玉県教育委員会が、2022年7月、各県立高等学校校長にあてた通知を埼玉県教委を通じて入手しました。
 通知の題目は、「制服選択制の取組の推進についての継続的な点検・見直し及び『令和4年度県立高校における制服に関する調査』の回答結果送付について(通知)』です。 
 通知は、「原則として、令和4年度中には女子用制服を選択制とすること。制服の形状や業者の選定など、やむを得ない事情で令和4年度中の実施が困難な学校については、『県費外諸費に係る事務処理の手引き』を参考に選択制の実施時期を定めること。」などとしています。
 私は、県内の多くの県立学校で女子制服にスラックスを導入しているところがあることを知っています。
 しかし、県内12のセーラー服を女子制服にしている県立学校でスラックスは認めにくいのではないかと考えます。私は、この点からも、とりわけ、県立高校でのブレザー化を希望します。
 現在、山口県教委に、埼玉県と同様の「女子用制服の選択制を導入する」ことを求める通知を出しているのかどうか照会しています。
 更に、今後、県内で女子制服があるところで、スラックスを導入している状況、とりわけ、女子制服がセーラー服の県立学校でスラックスを認めているのかどうかの状況についても調査したいと思います。
 制服の詰め襟・セーラー服について、皆さんはどうお考えですか。ご意見をお聞かせください。

県内の児童相談所一時保護利用者約700名に対して意見表明支援者25名 支援者増員必要

 30日、毎日新聞は、児童相談所で一時保護された子どもの意見代弁について次のように報じました。
 「虐待を理由に一時保護されるなどした子どもの声を聞き、周囲に伝えるのを手助けする『意見表明支援員(子どもアドボケイト)』の配置事業を今年度、児童相談所に設置する全79自治体のうち約8割にあたる61自治体が実施することが、毎日新聞の調査で明らかになった。子どもの意見表明権を保障する取り組みの一環として、今年4月に施行された改正児童福祉法で自治体の努力義務となった。同法は、『家に帰りたくない』と児相に訴えていた千葉県野田市の小学4年の女児が一時保護を解除されて2019年に虐待死した事件などを受けて改正された。児相には、子どもの一時保護や施設の入退所などを決める際に本人の意見を聞くことを義務付けた。ただし、子どもが一人で意見をまとめたり、伝えたりするのは難しいこともあるため、児相から独立して子どもの側に立ち、意見表明を支援するアドボケイトの配置が法定化された。希望が反映されるよう児相に働きかける役割も担う。一時保護された子どものほか、親元から離れて児童養護施設や里親家庭で生活している子どもなども対象となる。児相は、都道府県、政令市のほか、中核市のうち横須賀、金沢、明石、奈良の4市、東京23区のうち、世田谷、江戸川、荒川、港、中野、板橋、豊島、葛飾の8区が設置している。調査は昨年11月~今月、24年度に一時保護中の子どもを対象に事業を実施するかどうかをたずねた。実施すると答えたのは61自治体で、法施行前から実施していたと回答した40自治体から、1.5倍以上に増えた。このうち全ての子どもを対象に実施するのは37自治体(全設置自治体の47%)、一部の子どもを対象に実施するのは24自治体(同30%)だった。事業の委託先は、専門の研修を受けた人が所属する民間の非営利団体が24自治体で最も多い。24年度は実施しない、または未定と回答した自治体に、その理由を複数回答で尋ねたところ『意見表明支援員の派遣を依頼する先が決まらない』が8自治体で最も多かった。西南学院大の栄留里美准教授(社会福祉学)は『8割近くの自治体の実施は、子どもの権利保障に取り組む前向きな姿勢の表れ』と評価。一方、児相OBなどの個人に委託する例もあり『アドボケイトが子どもの側だけに立つには、児相からの独立性を担保した体制が求められる』と指摘する。」
 毎日新聞の、「一時保護中に『意見表明支援事業』を実施する児童相談所設置自治体」の表で、山口県は「一部の子を対象」となっています。
 昨日、県こども家庭課の担当者に毎日新聞のアンケートにどう答えたかヒアリングを受けました。
 担当者は、「毎日新聞の問いが、24年度に、全ての子どもを対象にするのかとの内容だったので、一部の子どもを対象にすると答えた。一時保護した全ての子どもを対象に、意見表明支援員を配置する考えである。22年度に一時保護所を利用した子どもは約700人であり、意見表明支援員は25名である。支援員を増やすことは必要だと考えている。支援員派遣について山口県は、社会福祉士会に委託しているので、毎日新聞のアンケートに、委託先は専門職の団体と回答した」と答えました。
 県内で、児童相談所の一時保護を利用した子ども全てに意見表明支援員が配置できるよう体制の強化を引き続き求めていきたいと思います。
 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。