月別アーカイブ:2024年4月

山口県の海域の利用に関する条例は、工作物の建設(使用)の許可は含まれない

 昨日、中国電力が、住民団体「上関原発を建てさせない祝島島民の会」に上関原発の予定地での海上ボーリング調査を止めないよう求めた訴訟の第7回口頭弁論が行われ、中国新聞は、次のように報じました。
 「山口県上関町に原発建設を計画する中国電力が、住民団体『上関原発を建てさせない祝島島民の会』に予定地の海上ボーリング調査を止めないよう求めた訴訟の第7回口頭弁論が18日、山口地裁岩国支部であった。調査の正当性をめぐり双方の意見が対立。結審は来年以降になる可能性が出てきた。両者とも準備書面を提出した。中電は2014年に島民の会などと和解した内容に基づき、原発建設の準備工事が中断しても埋立区域で同町で建設を検討している使用済み核燃料の中間貯蔵施設の設置許可の申請に調査結果を使うかどうかについては『関連づけることはできない』と答えた。一方、島民の会は調査に必要な県の一般海域の占用許可は、県条例に基づき申請書に利害関係人の同意書が必要だとし、祝島島民が同意しない限り申請は違法で、中電は専用できないとした。知事からの要請を受けて埋め立て工事の先行きが見通せない中、海の埋め立て権を根拠に調査を進めるのは権利の乱用だと指摘した点への中電の反論が不十分だとして改めて回答を求めた。中間貯蔵施設と調査結果の関連についても明確に回答するよう再度要求した。最後に裁判長が今後の流れを両者に確認。中電は主張を出し尽くしたと答えた。島民の会は漁民や漁業権に詳しい専門家への尋問を予定し、次期は年明け以降になると説明して閉廷した。」
 私は、本裁判を傍聴することができました。
 その後行われた報告集会に参加しました。

 上関原発を建てさせない祝島島民の会の弁護団にる第7回口頭弁論の報告集会

 報告集会では、「上関原発を建てさせない祝島島民の会」(以下、島民の会)弁護団が山口地方裁判所岩国支部に提出した「準備書面(6)」に関する報告を行いました。
 島民の会弁護団の準備書面は、一般海域占用の許可申請について論証しています。
 一つは、利害関係人についてです。
 山口県の一般海域の利用に関する条例の施行規則第二条第一項5号は「利害関係人がある場合にあっては、その同意書」を申請書に添付するとあります。
 準備書面は、2014年に中電が島民の会と交わした和解条項において祝島の漁民らを当事者にしており、「和解条項第3講において『船舶を進入させることのありうることも同意されているから、祝島の漁民らは、漁業権者であるか否かに関わらず、明らかに同規則で定める『利害関係人』である。」としています。
 二つは、海域の占用についてです。
 準備書面は「一般海域の『占用』とは、厳密には、『工作物の設置中及び設置後に工作物を存置し続ける(土地や水域を占用し続ける)こと』であり、他方で、一般海域の『使用』とは『工作物建設工事を実施すること』であるから、岡山県や長崎県の各条例と比べると明らかなように、山口県の一般海域の利用に関する条例第3条第1項には『工作物の建設(使用)』の許可は含まれておらず、一般海域の自由使用を妨げるような工作物の建設(使用)についいては得られていないことになる。したがって、山口県が管理する一般海域においては、原告が海上ボーリング調査を実施するとしても、本来、工作物の建設工事を実施することはできないはずである。」
 過去の議会で、祝島の漁民の同意が必要だとの議論はあったが、山口県の条例は工作物の建設(使用)の許可は含まれないとする議論は、行われていないと認識しています。
 この点については、今後の議会で議論していきたいと思います。
 大いに勉強になった一日でした。
 

映画「オッペンハイマー」を観ました。

 先日、映画「オッペンハイマー」を観ました。
 4月14日号のしんぶん赤旗日曜版に山崎正勝東京工業大学名誉教授がこの映画について寄稿されていましたので引用します。
 「映画には現本があります。私の尊敬する歴史家のマーティン・シャーウィン(2021年没)とカイ・バードの共著『オッペンハイマー(05年刊)です。シャーウィンは、原爆開発の経過を描いた『破壊への道程』を出した後、25年かけて、この本を書きました。『当初4~5年で完成すると思ったが、彼の個人史は複雑で、当時の米国史と深く結びついているので時間がかかった』といいます。映画は1954年の原子力委員会の聴聞会から始まり、過去を回想する構成です。背景を知らないと、なかなかむつかしいでしょうね。オッペンハイマーは聴聞会で、機密情報を得られる『保安許可』を奪われ、公職追放されます。その理由として映画は、彼が水爆開発に反対したことと、ストローズ原子力委員会議長の個人的な恨みを描いています。ただ水爆開発に反対しても排除されなかった科学者は多数います。オッペンハイマーは『原爆のことを完全に理解しているのは自分だ』と思い、あくまでもインサイダー(内にいる者)として振る舞おうとしました。『原爆投下で破壊力を示した後に国連で国際管理し、核軍拡戦争に至らせず廃絶する』ことを構想しました。自分の名声を使えば実現できると信じていたのです。最初はトリニティ実験(史上初の核実験)直後のポツダム会談でトルーマン大統領がスターリンと会談した機会に、その構想を実現しようとしたが、できなかった。そこでは次の水爆開発の段階で実現しようとした。世界は米ソ冷戦、核軍拡競争の時代に急速に移行しました。しかし自信家のオッペンハイマーは学者の役割を超えて政治を動かそうとした。それで最後はアイゼンハワー大統領の決裁で排除されたのです。保安許可剥奪の理由にもされたアメリカ共産党員との交流は、オッペンハイマーがロスアラモス研究所長に任命されたときに分かっていたことです。そういう問題があっても原爆開発に不可欠だとして任命されたのです。映画は広島、長崎の惨状を描いていないと指摘されますが、原本自体それを論じたものではありません。彼は原爆投下の標的選定会議にも参加しました。原爆投下がどんな被害をもたらすかを巡る想像力が不足していたのでしょう。映画公開を機に、今も危機的な状況にある核兵器問題への関心を深めていただければと思います。」
 映画のパンフレットに、映画の日本語字幕監修を行った物理学者の橋本幸士さんは、こう語っています。
 「僕が今過ごしている、京都大学の素粒子論研究室は、湯川秀樹が拓いた研究室である。湯川秀樹は、原子核の内部で働く力『核力』の起源を解明した、素粒子論の父とも呼ばれている物理学者である。もちろん、日本で初めてノーベル賞を受賞した人物としても名高い。その核力のエネルギーを爆発的に開放するのが、原爆である。湯川秀樹は終始、反戦運動を続けていたこともよく知られている。学生時代の僕も、それをよく知っていた。研究室に通っていた湯川が使った碁盤などに触れ、宇宙の真理に到達するとはどういう感触なのかを夢想した、そして同時に、自身が開拓した物理学が、様々な形で世界で利用され、そして世界を変えたことを、湯川がどう感じたのか、想像しようとした。それから、25年ほどが経っている。ずっと、心の隅に、もしくは芯に、それはあった。僕が本作の字幕監修に関わることを決めたのは、そういった長年の自分の気持ちに対して、何かヒントが得られるかもしれない、そう思ったからだった。」
 映画のパンフレットに映画監督李相日さんは、こう語っています。
 「原爆投下後、オッペンハイマーがフィルム映像を見るシーン。そこで広島、長崎での実際の被害の様子が映し出されることはなく、映画はあくまで彼の苦悩にフォーカスしていく。オッペンハイマーは映像から目を背け、頑なに見ようとしない。見ようとしないオッペンハイマーの姿は、ある意味、見ようとしなかったアメリカの姿であり、『その後』を見ようとしない世界を暗示しているようでもあった。日本映画はこの作品にカウンターパンチを打ち、同じように理性をもって戦争を描く必要があるのではないだろうか。その試練がつきつけられたと言えるかもしれない。」
 原発問題住民運動全国連絡センターが発行する「原発住民運動情報」第420号は、この映画が、「1400億円を超える興行収入で世界的ヒットを記録。3月11日に開催の第96回アカデミー賞では最多の13部門でノミネートされ、作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞など計7部門で受賞した」と報じ、「広島や長崎の被爆者らは『核廃絶への追い風だ』『日本の若者も鑑賞を』と歓迎する。」と書きました。
 オッペンハイマーの戦後の苦悩として「核軍拡競争」を止めることにあったことは事実のようです。
 私は、この映画から、いかに世界が核軍拡競争から核廃絶に足を踏み出すことができるのか政治家の一人として考えさせられました。しかし、世界は、核兵器禁止条約を持つに至っています。この条約をさらに実効性のあるものにして、ノーモアナガサキ・ヒロシマの願いが実現できる日本と世界にしていくことが大切だと感じます。唯一の戦争被爆国の日本政府が、核兵器禁止条約を批准することが急務だと感じました。
 とにもかくにも、この映画は、「核兵器」とは何か、「核兵器」の恐ろしさを再認識する作品であることは確かです。一人でも多くの皆さんがこの映画を鑑賞していただくことを願っています。

就学前教育・保育施設整備交付金、県内11施設で打ち切り、残り11施設の協議は打ち切ると国

 12日、中国新聞は、県内の保育施設整備費の国の交付金が想定の半分以下だと次のように報じました。
 「山口県内市町などが少子化対策の一環で力を入れる保育施設の整備を巡り、2024年度の国からの交付金が市町側の申請予定額を大幅に下回る見通しとなっていることが12日、分かった。市町や施設設置者の申請予定を取りまとめた県は『想定外で驚いている』とし、施設の整備が遅れかねない事態に困惑している。保育施設の整備費は原則として国が2分の1、市町と設置者が4分の1ずつ負担する。県は23年度中の市町や設置者の聞き取りを踏まえ、24年度は22保育所・認定こども園の増設や改修の費用として6億4700万円の交付を複数回にわけて国に申請予定だった。県こども政策課によると、2月に1回目の申請をし、3月末に計3億4000万円の交付が決まった。ただ、その際に『国の予算の都合で2回目の募集は行わない』などと連絡が決まった。例年も複数回申請し、申請額が交付されなかったことはないという。同課は『国から交付金が十分に出なければ、保育施設の整備がずれこむ可能性がある』と気をもむ。国の対応を受け、村岡嗣政知事と柳居俊学県議会議長は東京に出張。12日にこども家庭庁で古賀友一郎内閣府政務官と面会し、予算確保を要望した。県によると、古賀政務官から『今後の所要額について調査を実施している。緊急性や深刻な状況について聞かせてもらった上で、国として何が出来るのか考えたい』との回答があったという。県は少子化対策を県政の重要課題に掲げる。こども政策課は『緊急性などを伝え、国の動向を見守るしかない』としている。」
 県が、国に、14日に提出した「緊急要望」には「先日、国から、本年度の就学前教育・保育施設整備に係る協議の打ち切りが示されるとともに、各都道府県において、安心こども基金を活用し、整備を進めるよう、通知があった」とあります。今、県議団として、どのような通知が届いたのか健康福祉部に照会しています。
 また、「緊急要望」に「山口県における令和6年度整備計画(国庫補助所要額)・全22カ所6億4779万8千円うち今後所要額3億4357万1千円(11箇所)とあります。
 県議団の調査で、第1次分として、内示された県内の令和6年度就学前教育・保育施設整備交付金は、下関市9千963万2千円、山口市4千944万6千円、防府市261万2千円、光市8千57万9千円、周南市7千195万8千円であることが分かりました。
 国が今後の協議を打ち切り、県が緊急要望をしたことが分かりました。
 私が居住している宇部市に内示された交付金がありませんので、今年度整備計画を持ちながら内示の見通しが達っていない施設が市内にあるのかも知れません。
 内示を受けた施設の状況は分かりましたが、内示を受けていない施設の状況について健康福祉部に照会したいと思います。
 実情が分かれば藤本にお伝えください。
 政府はこども家庭庁を設置し、子育て支援に力を入れるといいながら、必要な就学前の教育・保育施設が設置できない事実は深刻です。
 結局、予算は大軍拡に向けられており、子育て支援は二の次になっているのではないかと心配してしまう状況です。
 県が、この問題で、緊急要望を行ったことは評価しますが、県の要望が通り、今年度県内で、整備計画通りの整備が行われるよう、引き続き、動向を注視していきたいと思います。
 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

新日本婦人の会宇部支部総会であいさつ行う

 14日の日曜日、私は、新日本婦人の会宇部支部の総会であいさつしました。

 私が行ったあいさつの内容は、以下の通りです。

・・・

 新日本婦人の会宇部支部の総会にお招きいただきありがとうございます。
 さて、4月からNHKの朝ドラは、日本で最初に女性として弁護士試験に合格した3人のうちの一人、三淵嘉子さんがモデルの「虎と翼」です。
 ドラマの中で寅子(ともこ)は、戦前の時代に、弁護士として学んでいます。戦前の民法では、妻は「無能力者」と規定されています。
 弁護士の杉井静子さんは、著書「ジェンダー平等社会の実現へ」の中で、
 杉井さんは、妻は夫の許可なく「不動産の売買契約、家の賃貸契約、宝石類等の高価な購入等々、契約などの法律行為等取引行為ができなかったのです。妻は、社会生活の重要な場面である経済活動が単独ではできず、その点で一人前の人間とみなされていなかったのです。」と述べています。
 杉井さんは、平塚らいてうの戦前の様子を次のように書いています。
「28歳の時に5歳年下の奥村博を愛し同棲しました。しかし『家』制度のもとで婚姻届を出せば、妻は無能力者となることから婚姻届を出しませんでした。らいてうは『独立するについて両親に』と題する論文のなかで、『私は現行の婚姻制度に不満足な以上、そんな制度に是認してもらうような結婚はしたくないのです』『恋愛のある男女が一つの家に住むということほど当然のことはなく(中略)形式的な結婚などどうでもかまわないと思います』『ましてその結婚が女にとってきわめて不利な権利義務の規定である以上なおさらです』と言っています。100年以上も前の時代に書いたとは思えない先駆性を感じます」
 今でも、女性が差別的な状況に置かれ続けています。その一つが「選択的夫婦別姓」制度が認められていないことです。
 経団連の十倉会長が今年2月の記者会見で政府に対し、選択的夫婦別姓の導入に「一丁目一番地で取り組むよう求め」ました。
 参議院の予算委員会で小池書記局長が「経団連の十倉会長と共産党の小池が同じことを言っている。皆既日食みたいなものだ」と述べたことが話題になっています。
 それでも首相は、「国民の意見は分かれている」と導入に応じません。
 自民党政治全体が末期的状況です。女性の権利向上に蓋をしている自民党政治を変える絶好のチャンスです。日本共産党に大きなご支援を。

・・・

 引き続き、女性の権利向上のために力を尽くしていきます。

 皆さんのご意見をお聞かせください。

美祢市議会議員選挙スタート 三好むつこ候補の出発式で訴えました。

 昨日から、美祢市議会議員選挙がスタートしました。

 私は、地元の日本共産党を代表して、三好むつこ候補の必勝を訴えました。

 美祢市議選・みよしむつ子候補の出発式で訴える私、その隣が三好候補、その隣が大平比例候補

 私が訴えた内容は以下の通りです。

・・・

 三好むつ子候補の出発式にお集まりの皆さん、県議会議員・藤本かずのりです。今度の選挙で、三好候補をどうしても市議会に送らなければならない3つの理由についてお訴えいたします。
 第一に、今度の選挙は、日本を良くしなければならない選挙だからです。
 日本共産党がアンケートをお願いしたら、暮らしが苦しくなった、どちらかというと苦しくなったと答えた方が、68%おられました。
 また、「私たちは、1円でも安いものをとお金を大切に使っている。自民党のベテランと言われている人は、私達住民には考えられない事ばかりしている。」との声もありました。
 裏金問題を最初に取り上げ、企業団体献金の全面禁止を訴え、暮らしを良くする政策を語る日本共産党の三好むつ子さんを必ず市議会に送りましょう。そして、7月にもといわれる総選挙で、日本共産党を躍進させ大平さんを国会に送り、自民党政治を終わらせ、希望のある日本をつくろうではありませんか。
 第二に、今度の選挙は、美祢市を良くしなければならない選挙だからです。三好候補は、学校給食費のゼロ、子どもの医療費のゼロ、国保の子どもの負担ゼロの3つのゼロを訴えています。三好候補は、農産物の価格保障・所得補償を訴えています。三好さんは、JR美祢線の復旧と美東・美祢の二つの市立病院の存続を訴えています。
子どもたちの声が響く美祢市、農業が続けられる美祢市、JRも病院も存続する美祢市を三好むつ子候補の当選で実現してまいりましょう。
第三に、今度の選挙は、美祢市議会を良くしなければならない選挙だからです。公共施設使用料の値上げに、自民系・公明ら現職多数が賛成する中、三好候補は反対を貫きました。
美祢市立病院、美東病院などの公的病院の「再編統合」計画の撤回を求める請願に、自民党系・公明ら現職の多数が反対しましたが、三好候補は、賛成しました。
市民向けの政策を選挙では言うが、市議会では、市民を裏切る自民系・公明、維新系の議員ばかりでは、市民のための議会にはなりません。
三好候補の当選で、市民の声が通る美祢市議会にしてまいりましょう。

三宅唱監督の映画「夜明けのすべて」を観ました。

 三宅唱監督の映画「夜明けのすべて」を観ました。
 三宅監督映画を観るのは前作の「ケイコ 目を澄ませて」以来です。
 「ケイコ 目を澄ませて」は、YCAMで上映会があり、三宅監督のトークショーにも参加し、一緒に写真を撮っていただいたことを思い起します。

 YCAMで、「ケイコ 目を澄ませて」の上映会と三宅監督のトークショーがあった際に、撮影していただきました。

 前作の主人公は、聴覚に障害を持った女性でした。
 今回は、パニック障害、PMS(月経前症候群)、パーキンソン病など様々な困難を抱えた人たちが主人公の映画です。
 三宅監督ならではの当事者に寄り添いながら、抱えた困難を丁寧に描いた作品だと感じました。
 松村北斗さん演じるパニック障害を抱えた山添と、上白石萌音さん演じるPMSを抱えた藤沢が、支えあう映画でもあります。
 二人が勤める科学玩具メーカーの「栗田科学」で働く人たちの姿も丁寧に描いた作品です。
 競争は度外視で、働く人が過ごしやすい会社として「栗田科学」が描かれています。
 困難を抱えた人たちを排除するのではなく包摂しようとする社会のモデルが「栗田科学」だと感じました。
 もう一つ、この映画で描かれているのが、「自死遺族の会」です。
 「栗田科学」の社長の栗田も、山添が前に勤めていた会社の上司である辻本も、兄弟を自死で失っています。
 そのような過去を持つ栗田と辻本が、パニック障害を持つ山添を包摂しています。
 映画の中で、栗田社長の自死した弟が書いた「メモ」を藤沢が朗読します。
 メモはこう締めくくられています。
 「喜びに満ちた日も、悲しみに沈んだ日も、地球が動き続ける限り、いつか終わる。そして、新しい夜明けがやってくる。」
 夜明け前が一番暗い これはイギリスのことわざです。
 夜明け前で、私の敬愛する反戦川柳作家の鶴彬の次の川柳を思い出しました。
 「暁を抱いて闇にいる蕾」
 暗い中に佇む蕾は、花開く夜明けを待っている。
 この川柳は、鶴の作品で私が一番好きなものです。
 この句を思い出すと力が湧いてきます。
 原作「夜明けのすべて」は、本屋大賞作家・瀬尾まいこさんの作品です。
 今、文庫本を145ページ読みました。
 映画と原作の違いを見つけるもの楽しみの一つですね。
 原作を読了したいと思います。
 そして、なにより、三宅唱監督作品を観ることができたことに感謝したい気持ちでいっぱいです。
 三宅監督の次回作を大いに期待しています。
 三宅監督これからも応援させていただきます。
 三宅監督の映画「夜明けのすべて」を一人でも多くの皆さんに劇場でご覧いただきたいと思います。