月別アーカイブ:2018年9月

聲の形

 この夏、NHKで放映された山田尚子監督のアニメ映画「聲の形」を録画して観ました。

 小学校時代の聴覚に障がいをかかえる硝子に嫌がらせをする将也の関わりに胸を鷲掴みにされ、今、コミック本を一巻から読んでいます。

 公式ファンブックで漫画原作者の大今良時さんは、インタビューの中で、「いじめ」や「聴覚障害」という非常に重い事柄を、あえて作品のテーマに据えたことに対して次のように答えています。

 「『いじめがテーマ』とシンプルに語られることに、少し違和感を抱いているところはあります。自分としては『いじめ』や「聴覚障害』を主題にしたつもりはなくて、『人と人がお互いに気持ちを伝えることの難しさ』を描こうとした作品です。だから『聲の形』というタイトルにしても、『コミュニケーションそのものを描いた話』なんだよ、という想いを込めています。」

 「『聲の形』は、実体験に基づく要素がとても大きく影響しています。あの子の声を聞けなかった、気付けなかった後悔が、『ちゃんと見る』『ちゃんと聞く』いう石田が抱える課題に影響を与えています。きっかえとなったその友達の耳が聞こえなかったわけではありませんし、自分にとっては、硝子の聴覚障害は作品のテーマを読者に気づかせるためのモチーフのひとつであって、描くべき『本題』ではなかったんです。」

 友だちとの関係が世界そのものであるような小学校から高校までのヒリヒリする人間関係を物語に昇華させる大今良時さんの筆力に感服しました。

 漫画というメディアの可能性の深さを実感する作品でもありました。

 久しぶりに、ページをめくる手が止まらない漫画を読みました。

 高校の友人とここ数年、毎年のように会食をしています。

 同じメンバーであっても、上手く話せなくなったりすることが多々あります。

 同じ言葉を同じ人にぶつけたとしても反応が変わってくることがあります。

 言葉は表面的なものであり、やはり、トータルとして相手とコミュニケーションが取れているかどうかなのでしょう。

 大今良時さんが語るように、究極の相手とのコミュニケーションは「ちゃんと見る」「ちゃんと聞く」ですね。

 私は、「見ずに話す」「聞かずに話す」所があるなあと、この作品を見て実感しました。

 私は、日本福祉大学で学びゼミナールは「障害者福祉」でした。

 個人を取り巻く障がいを取り除き、一人ひとりの権利を尊重していくことの大切さを学びました。

 障がいを持った方々の問題に関しても「ちゃんと見る」「ちゃんと聞く」が原点だと思いました。

 私は、今、西宇部校区人権教育推進委員協議会の会長を務めています。

 「障がい者」の問題をはじめ様々な人権課題がありますが、その解決の原点は。「ちゃんと見る」「ちゃんと聞く」ことだとこの作品から気づかされました。

 全ての人々の人権が尊重されるためには、「ちゃんと見る」「ちゃんと聞く」ことが原点だと気づきました。

 山口県では来週から2学期です。この時期に、自殺をする児童・生徒が多い国となりました。

 私たち親たちが、スマホを置いて、この時期、子どもたちの「聲の形」を見つめる時だと痛感します。

 子どもを取り巻く大人たちが子どもたちのを「ちゃんと見る」「ちゃんと聞く」ことが大切な時だと痛感します。

 まずは、親として、わが子を「ちゃんと見る」「ちゃんと聞く」努力を続けたいと思いました。

 コミック「聲の形」、映画「聲の形」のファンの皆さん、感想をお聞かせ下さい。

イージス・アショア概算要求2352億円 前払い ツケ払い

 本日、山口市で行われた山口県医労連で日本共産党を代表して挨拶を行いました。

 山口県医労連挨拶

 第53回山口県医労連定期大会で挨拶を行う私

 私の挨拶した要旨は以下の通りです。

 第53回山口県医労連大会にお招きいただきまして誠にありがとうございます。前県議会議員の藤本です。一言、ご挨拶申し上げます。
 沖縄県知事選挙が今月30日投票で行われます。2013年1月、「オスプレイ配備に反対する県民大会」実行委員会と沖縄県議会、沖縄県市町村関係4団体、市町村、市町村議会の連名で、安倍首相に建白書を提出しました。建白書は①オスプレイの配備を直ちに撤回すること、②米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念することとあります。
 自民・公明の候補者は、前宜野湾市長の佐喜眞さん。佐喜眞さんは、宜野湾市長としてこの建白書にサインしています。亡くなられた翁長さんは、那覇市長として建白書にサインしています。
 佐喜眞さんは、建白書の立場を投げ捨てて、辺野古新基地建設を推進するために、知事の権限を行使しようとしています。
 昨日、沖縄県は、辺野古新基地建設に関する埋め立て承認を撤回しました。沖縄知事選挙は、日本の政治の在り方を左右する一大政治戦です。玉城知事を誕生させて、辺野古新基地建設をストップさせましょう。
 昨日、防衛省は、2019年度軍事費の概算要求を決定しました。この中に、山口県と秋田県に配備を計画している陸上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の取得経費2352億円を計上しています。
 防衛省は7月30日に、イージス・アショアに搭載するレーダーは、アメリカ・ロッキードマーチン社が製造する最新鋭のLMSSRだと選定しました。アメリカから、FMS(対外有償軍事援助)という契約で購入します。この契約は、米国の見積もりで前払いが特徴です。イージス・アショアは、まだ適地であるかどうかの調査を行うかどうかというという段階なのに、防衛省は、来年度、アメリカに、イージス・アショアの費用の前払い金として2352億円支払おうとしているのです。防衛省は地元説明会では「丁寧に」と言いますが、言行不一致とはこの事をいいます。山口県へのイージス・アショアの配備強行は絶対に許されません。
 辺野古新基地建設もイージス・アショアも根拠は、北朝鮮の脅威であり朝鮮有事のためです。世界史の一大転換点である、朝鮮半島で始まった平和のプロセスが成功すれば、辺野古もイージスも根拠が消滅します。

 ・・・

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙の報道によると、イージス・アショアを購入する経費は、歳出化経費から支出される見込みとのことです。

 歳出化経費とは、将来への借金ツケ払いである新規の「後年度負担」とするものです。

 防衛省が概算要求として計上したイージス・アショア2352億円は、対外有償軍事援助として前払いであり、歳出化経費としてツケ払いで支払われようとしていることが明らかになりました。

 本文で言っていますが、据え付ける場所が決まっていない装備品を先払い、ツケ払いで購入することは許されません。

 配備ありきの防衛省の姿勢が明らかです。

 防衛省が、地元には丁寧に説明するといいながら、イージス・アショア(レーダー部分)を来年度予算で、購入しようとしています。皆さんは、この問題をどうお考えですか。ご意見をお教え下さい。