燃料費の高騰に抗議して、全国40都道府県の漁船20万隻が、本日、いっせいに休漁しました。山口県の漁業者も休漁しました。私は、吉田貞好衆議院中国ブロック比例代表候補と一緒に、県漁協宇部岬支店に出向き役員の方にお話を聞きました。
宇部岬支店の生田専務は、「今まで、上関の辺りまで操業していた船が、燃油高騰のため採算が合わないということで、最近は、漁港の近海しか操業していない。」と話されます。
二井知事は、石油高騰対策を求める県内の漁業者の要望を受けて、融資金利を0.5%引き下げました。しかし、これによって貸付を始めた組合員は、岬支店では皆無だと言うことでした。知事が行った対策以上に、現実は深刻だったのです。県内で苦悩する漁業者に応える対策が求められます。
更に、話は新規就業者対策になりました。漁業を始めたい人に対して、県は、1年半、15万円の生活費を支援しています。しかし、この制度を現在宇部市で利用しているいる人は、一人だと言うことでした。やはり、1年半を過ぎた後に、漁業で生活を継続していける見通しを県民は抱いていないのでしょう。
根本的な問題は、農業と同じですが、生活していける魚価を補償していくことしかありません。
今日は、4000人の漁業者が、東京に集結したようです。その中には、山口県の漁業者も含まれます。本日集会に参加した漁業者が求める燃油高騰の影響額を補てんする制度を国が早急に創設することが重要です。同時に、県としても何が出来るかの検討を行う必要が急がれます。
漁業者の怒りが頂点にたっする中で、知事選挙が行われます。みんなの県政つくる会の福江候補は、「育てる漁業、資源管理型漁業、沿岸漁業を振興させるために予算措置を拡充します。」「水産加工、商品開発、流通への支援を強め、漁業者の経営安定をはかります。」「輸入魚介類の増加で低下している水産物の自給率を向上させるため、魚介類の輸入を制限するよう国に求めるとともに、資源の枯渇解消、資源管理対策の強化にとりくみます。」とマニュフェストで述べています。
漁業の分野でも、漁業者が暮らしていける政策への転換が強く求められています。
燃油高騰の影響を聴く私(左)と吉田衆院候補(右)
本日、二井関成著「住み良さ日本一の元気県づくり」を購入し、斜め読みしました。私は、二井知事は、「イベント知事」かと朝日新聞の取材を受け、その通りと答え、「地に足をつけて暮らしをよくしていく手法ではない」とコメントしました。私は、二井知事の著書を見て、やはり、二井知事は、イベント知事であろうとしていることを確信しました。本を開くと、カラーで「住み良さ日本一の元気県づくりに向けて」という特集があります。HOP―山口きらら博開催(2001年)。STEP―国民文化祭やまぐち2006。JUMP―おいでませ!山口国体。とあります。続いて18ページには、私の県政に臨む基本姿勢として、住み良さ日本一の元気県山口の実現をどのように図るのか図面で説明してあります。先ほどのホップ、ステップ、ジャンプの図面には、「全国規模の大型イベントを5年ごとに計画的に開催し、『県民力』や『地域力』を高める。」との説明文が添えられています。
つまり、二井知事は、表題の通り、山口県を「住み良さ日本一の元気県」にしたい。その手法は、大型イベントの開催によってであることを自らの著書で鮮明にしています。
ということは、二井知事は、「イベント知事」と言われることは、誉れなことだと思っているのではないでしょうか。
私は、イベントそのものは批判しません。しかし、税金を使う優先順位が間違っていることを指摘しているわけです。私の調査では、山口きらら博に、催事、施設整備、道路建設など合計し、704億円が使われました。国民文化祭には、催事だけで、14.8億円が使われました。国体には、催事や施設整備で、308億円が使われる予定です。
私の計算では、二井知事の三段跳びに1026.8億円の巨費が消えようとしています。私はこの税金の使い方を問題にしたいと思います。
二井知事の思惑が成就すれば、さぞかし、山口県の県民力、地域力は向上し、山口県は元気になったでしょう。しかし、二井知事の12年で、山口県の人口が約9万人減少しています。人口が減少している県が元気と言えるでしょうか。むしろ「地域力」「県民力」は後退しているのではないでしょうか。私は、二井県政の12年で、県民はイベントでは元気にならないことを人口減という数字によって示したと思います。だから私は一時的なイベントではなく、地に足のついた施策を進めるべきと言っているのです。
二井知事の著書には、アメリカの心理学者マズローの「欲求段階説」のことが書かれています。人間の欲求には、「生存の欲求」「安全の欲求」「帰属の欲求」「尊敬の欲求」「自己実現の欲求」があるという理論を持ち出し、「政治行政に携わる者は、人々の欲求のうち、生活の確保や安心・安全といった、いわゆるこの『マズローの欲求段階説』でいえば、『生存の欲求』『安全の欲求』に対する政策をもう一度点検して、見直していく、そのことが、現在の最も大きな課題の一つとなっていると、私は考えています。」と知事は著書で述べています。
知事は、この認識に立ちながら、実際に進めるしさくは、住み良さ指数やイベントの推進です。二井知事の政策は、県民に対して「大変だろうけど、気持ちを切換えて頑張りなさい。」という、、ものです。山口県は思うよりそんなに悪い地域ではないよと指数を出す。元気を出そうよとイベントを組む。
しかし、私は、県民は、県政に気持ちの切換えを求めているのではないと思います。県民は、暮らしの大変さそのものに対して、それを改善する具体的な施策を求めているると思います。
このことに二井知事が答えない限り、このまま、どんな住み良さ指数を出そうが、どんな魅力的なイベントを組もうが、人口は減り続けると思います。
県民の暮らしの実情に心を砕き、それに、具体的に手を差し伸べてくれる知事を県民は求めていると私は思います。
二井知事の著書は極めて二井知事らしいそつのない内容ですが、私の心には響きません。私は、二井知事の著書から県民の暮らしを立て直す展望を見出すことが出来ません。
知事選挙は、自由な言論によって大いに、よりよい県政とは何かを議論していく場だと思います。このチャンスを私は大いに生かしていきたと思います。
私は、6月議会で、山口県の福祉医療制度の拡充について質問しました。私は、この問題で、二つの前進を評価しました。一つは、65歳以上の重度障害者が後期高齢者医療制度に加入していなくても、福祉医療の対象にした問題です。二つ目は、知事がマニュフェストに父子家庭も福祉医療の対象にするとしたことです。
しかし、山口県は、とても子育て日本一を誇れる状況ではないことが、乳幼児医療費助成制度に現れています。一つは、全国での対象の広がりです。現在の山口県の乳幼児医療費助成制度の水準は、市町民税所得割136700円以下の世帯で、年齢は、小学校就学前までです。しかし、現在では、東京が入院・通院とも中学校卒業まで無料です。群馬、神奈川、愛知は、入院の場合、中学校卒業まで無料。小学生に助成をしているのは、入院で・通院の両方が、栃木、兵庫、徳島で。入院のみが、新潟、京都です。二つ目は、県内市町村での単独の助成拡大の動きです。所得制限をなくしている(年齢制限はある)のが、下関、山口、下松、美祢、周南です。岩国、周防大島、和木、上関が年齢を小学校卒業までに延長しています。
私は、この6月議会で、乳幼児医療費助成制度について所得制限の撤廃と対象年齢の拡大を主張しました。県の答弁は、「逐次制度の改善を図っているところであり、現在、これ以上の拡大は考えていない。」との答弁でした。
逐次制度の改善を図ったのは過去の話であり、この数年の全国や県内での制度拡充を山口県は直視すべきです。そして、人口減少全国先進県として、切迫感を持った対応が必要です。
子育て日本一の山口県へ更なる改革が必要です。そのチャンスが今度の県知事選挙です。山口県を本当に子育て日本一の県にしていきましょう。福江候補は、マニュフェストで、乳幼児医療費助成制度について「所得制限の緩和・撤廃するとともに、医科・歯科ともに小学校卒業まで対象年齢を拡充します。」と訴えています。
妊婦検診を10回まで無料にし乳幼児医療費助成制度を拡大するためんの財源は15億円です。地域高規格道路・宇部湾岸線は、1キロ190億円です。湾岸道路の100メートル分で、子育て日本一に近い施策は実行できます。
チャンスは目の前です。
今日は鍛えられました。
9:00~ 生活相談
10:30~ こぐま保育園運営委員会
14:00~ 福江としきさんを励ます会
16:00~ 校区球技大会の準備
18:30~ みんなの県政つくる会うべ役員会
めまぐるしく一日が過ぎていきました。
明日は、終日、校区球技大会の運営委員として行事の裏方として働きます。打ち上げにも参加すると約束しました。
明日も鍛えられます。それでは、皆様おやすみなさい。
県議会厚生委員会の県外視察で山梨県を訪れました。山梨県は「環境首都」を目指して様々な取組みが行われていました。その中心の施設が「山梨県環境科学研究所」でした。この研究所には研究部門と教育部門があります。
研究部門では、基礎研究、特定研究、委託研究などが行われていました。研究分野では、自然環境、環境健康、地域環境政策などの研究が行われていました。何と言っても富士山麓という圧倒的な自然の中で、旺盛な研究が県行政のもとで行われていました。私は、独立行政法人化などの組織改変の動きがあるのか質問しました。県の担当者は、一時期そのような検討も行なわれたが、今はなく、当面は、県立施設のままで事業を継続していくと答えました。
教育部門でも旺盛な活動が展開されていました。専門の教育部門のスタッフが6人も配置されており、開設時の平成9年の年間来館者数は34992人だったものを平成19年に46142人へと、10年間で、1万人以上伸ばしていました。そして、驚いたのは、施設の利用料は全て無料だということです。私は、有料化への動きはあるのかと質問しました。答えは、これからも無料を継続するという答えでした。
環境研究所を県が設置し、独立行政法人化にもせず、利用料無料を貫いている。その姿勢に感服しました。私は、秋吉台地下水系がラムサール条約の登録湿地になった時、老朽化した当時秋芳町が保有していた秋吉台科学博物館を県立施設として新築するよう質問しました。しかし、県は、その事を検討しませんでした。また、私は、6月県議会の厚生委員会で、地球温暖化対策として排出量の多い県内事業所に対し県独自の抑制策を求めるべきと指摘しました。しかし、県は、この点でも十分な検討を行っていないことが明らかになりました。このような事では、環境分野で「住みよさ日本一の山口県」とは言いがたい状況です。山口県はこの分野でも腰を入れた対策を行うべきであることを山梨県の視察で痛感しました。
本日、県議会厚生委員会の視察から帰ってきました。老人医療費の低さ日本一の長野県。環境首都を掲げる山梨県。それぞれ充実した視察となりました。
今日は、一人当たりの老人医療費全国最低という長野県の秘密を解明したいと思います。長野県は、一人当たりの老人医療費が全国最低です。また、男性の平均寿命の全国1位が長野県です。更に、平均在院日数の最低が長野県です。長野県は、長寿でピンピンコロリの県といえます。
長野県の視察は、佐久総合病院と長野県庁と、松本市で行いました。視察を通じて、なるほどと思う点がいくつかみつかりました。
長野県でなぜ、老人医療費が全国一番低いのか。その一つの要因は、佐久総合病院の若月俊一先生を代表とする地域医療の実践が戦後すぐから行われたことにあることを実感しました。佐久総合病院の理念は、「農民のために」から「農民とともに」に変更され、60年近く取り組まれてきました。昭和20年代から、病院に劇団部が結成されたり、病院祭が行なわれるなど、地域医療が大きく進められてきました。
その実践が、長野県全体に波及し、健康スクリーニング事業へと発展していきました。
今の地域医療の到達を松本市で体感しました。それは、健康づくり推進員の取組みです。長野県では、ほとんどの市町村に、保健補導員が配置されています。松本市では、補導員を推進員とし、887名を配置していました。実に、100世帯に一人の配置です。この健康づくり推進員は、市民に検診を奨励していくことが目的であると同時に、まず、自らの健康のためにすすんで学習し実践するために配置されています。2年が任期ですが、30年近い取組みの中で、OBの推進員を含めると1万人を超える市民が、推進員を経験したことになるそうです。この広がりが、確実に、県民の健康を増進していることを実感しました。
決して医療を遠ざけるのではなく、医療を県民に近づけることによって県民の健康が高められ、医療費が削減されていることを学びました。
山口県は、住みよさ日本一を標榜していますが、それが空虚に思えました。やはり、標榜するからには、そのために何をしているのか、全国に誇れる地に足のついた実践を今からでも展開していくことが大切だと感じました。
明日は、環境日本一に取り組む山梨県での視察を報告します。