本日、二井関成著「住み良さ日本一の元気県づくり」を購入し、斜め読みしました。私は、二井知事は、「イベント知事」かと朝日新聞の取材を受け、その通りと答え、「地に足をつけて暮らしをよくしていく手法ではない」とコメントしました。私は、二井知事の著書を見て、やはり、二井知事は、イベント知事であろうとしていることを確信しました。本を開くと、カラーで「住み良さ日本一の元気県づくりに向けて」という特集があります。HOP―山口きらら博開催(2001年)。STEP―国民文化祭やまぐち2006。JUMP―おいでませ!山口国体。とあります。続いて18ページには、私の県政に臨む基本姿勢として、住み良さ日本一の元気県山口の実現をどのように図るのか図面で説明してあります。先ほどのホップ、ステップ、ジャンプの図面には、「全国規模の大型イベントを5年ごとに計画的に開催し、『県民力』や『地域力』を高める。」との説明文が添えられています。
つまり、二井知事は、表題の通り、山口県を「住み良さ日本一の元気県」にしたい。その手法は、大型イベントの開催によってであることを自らの著書で鮮明にしています。
ということは、二井知事は、「イベント知事」と言われることは、誉れなことだと思っているのではないでしょうか。
私は、イベントそのものは批判しません。しかし、税金を使う優先順位が間違っていることを指摘しているわけです。私の調査では、山口きらら博に、催事、施設整備、道路建設など合計し、704億円が使われました。国民文化祭には、催事だけで、14.8億円が使われました。国体には、催事や施設整備で、308億円が使われる予定です。
私の計算では、二井知事の三段跳びに1026.8億円の巨費が消えようとしています。私はこの税金の使い方を問題にしたいと思います。
二井知事の思惑が成就すれば、さぞかし、山口県の県民力、地域力は向上し、山口県は元気になったでしょう。しかし、二井知事の12年で、山口県の人口が約9万人減少しています。人口が減少している県が元気と言えるでしょうか。むしろ「地域力」「県民力」は後退しているのではないでしょうか。私は、二井県政の12年で、県民はイベントでは元気にならないことを人口減という数字によって示したと思います。だから私は一時的なイベントではなく、地に足のついた施策を進めるべきと言っているのです。
二井知事の著書には、アメリカの心理学者マズローの「欲求段階説」のことが書かれています。人間の欲求には、「生存の欲求」「安全の欲求」「帰属の欲求」「尊敬の欲求」「自己実現の欲求」があるという理論を持ち出し、「政治行政に携わる者は、人々の欲求のうち、生活の確保や安心・安全といった、いわゆるこの『マズローの欲求段階説』でいえば、『生存の欲求』『安全の欲求』に対する政策をもう一度点検して、見直していく、そのことが、現在の最も大きな課題の一つとなっていると、私は考えています。」と知事は著書で述べています。
知事は、この認識に立ちながら、実際に進めるしさくは、住み良さ指数やイベントの推進です。二井知事の政策は、県民に対して「大変だろうけど、気持ちを切換えて頑張りなさい。」という、、ものです。山口県は思うよりそんなに悪い地域ではないよと指数を出す。元気を出そうよとイベントを組む。
しかし、私は、県民は、県政に気持ちの切換えを求めているのではないと思います。県民は、暮らしの大変さそのものに対して、それを改善する具体的な施策を求めているると思います。
このことに二井知事が答えない限り、このまま、どんな住み良さ指数を出そうが、どんな魅力的なイベントを組もうが、人口は減り続けると思います。
県民の暮らしの実情に心を砕き、それに、具体的に手を差し伸べてくれる知事を県民は求めていると私は思います。
二井知事の著書は極めて二井知事らしいそつのない内容ですが、私の心には響きません。私は、二井知事の著書から県民の暮らしを立て直す展望を見出すことが出来ません。
知事選挙は、自由な言論によって大いに、よりよい県政とは何かを議論していく場だと思います。このチャンスを私は大いに生かしていきたと思います。
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