昨日は、厚生委員会二日目、健康福祉部の質疑を行いました。今委員会も様々な議論を行いましたが、一部で、執行部の積極的な答弁がなされました。
第一の問題は、採血用穿刺器具の使用問題です。県は、30日に、県内での採血用穿刺器具の使用実態の調査結果を発表しました。県内で、針を交換せずに、器具を使用した事例はなかったものの、器具を複数人で使用した施設が224箇所ありました。また、県立施設では、総合医療センターと萩看護学校で新たに器具の使用が明らかになりました。委員会の冒頭、今回の件に関し、今村部長から、指導の徹底不足と県立施設での事案の発生に対して遺憾の意が表明されました。
その上で、私は、県立施設で不適切な使用を受けたとする患者さんが検査を受けようとした場合の費用は無料にするよう求めました。これに対して県は、総合医療センター、看護学校ともに無料にすることを明言しました。また、私は、新たな問題となっている真空採血管ホルダーについて質問しました。この器具の使用について、熊本県などが調査を行っています。これに県は、現時点で厚生労働省から調査の依頼はないし、調査する意向はないと答えました。
私は、その上で、山口県保険医協会から18日付で二井知事に要請書が提出されていることを取り上げ、今後、個人専用使用器具の安全基準を確立し、医療機関が過大な負担となる場合は、診療報酬での対応が図られるよう国に要請すべきと求めました。これに県は、検討すると答えました。県内で、この問題での混乱が収集され、該当する患者さんの健康の維持が一日も早く確認されるよう、私は、今後ともこの問題を注視してまいります。引き続き、みなさんのご意見をお聞かせください。
第二の問題は、障害者施設の石油高騰対策についてです。福祉作業所の全国組織「きょされん」の昨年の調査では、加盟する340施設の内、92%の事業所でガソリン代が増えたと回答しました。今月から、1リットルあたりのガソリン代が180円台となり、施設の深刻さは容易に予測ができます。
このような中、京都府は、障害者施設が実施する通所のための送迎サービスに、障害者送迎1往復あたり30円、事業所に補助する制度を創設しました。
私は、ガソリン代高騰で苦しむ福祉施設に対して県としても助成をすべきだと質問しました。この点について県は、すぐ検討するという答弁ではありませんでしたが、実態調査を行うべきとの質問には、調査の実施を約束しました。障害者施設は、一定の改善が図られたとは言え、自立支援法の下で、経営の困難が続いています。その上に石油の高騰で状況は深刻だと思います。障害者福祉の向上は、私の大学時代から取り組んでいるテーマです。ぜひ、多くの皆さんのご意見をお聞かせください。今後とも、この問題は、真剣に取り組んでまいります。
一方で、県民の命と健康にとって重大な計画の策定が委員会で報告されました。それは、「県立病院改革プランの策定について」です。
今年度、県は、県立病院(総合医療センター・こころの医療センター)について①経営の効率化②再編・ネットワーク化③経営形態の見直しなどを柱とする「改革プラン」の策定を国に義務づけられました。県は、今月から懇話会を設置し、12月までに骨子案を、来年3月までに原案を、策定することを明らかにしました。
県は、これまでに県立総合医療センター中期経営計画を作成するなど経営の中長期的な方向性は示しています。にも関わらず、国は、今年度中に全国の自治体病院の「改革」を性急に求めているのです。その改革とは、病院の再編・統合であり、医療費の削減が究極の目的であると私は思います。私は、この問題での質疑の冒頭に、この改革によって、県民の命が削ずられてはならないと主張しました。
私は、県立総合医療センターのH18年度経常収支比率が100.5%になっている点や、病床利用率も91.6%である点を取り上げ、経営的には大きな問題がないと指摘しました。このような病院にも更に高い目標を設定させて、更なる民間委託の促進や職員給与の引き下げを求める厚生労働省の指導をあり方を批判しました。また、私は、両県立病院とも近くに自治体病院はなく、各医療圏で独自の役割を果たしており、再編・ネットワーク化の目標設定も無理だと主張しました。更に、私は、独立行政法人化に踏み切った国立病院では、職員の非正規雇用化が更に進み、患者の入浴回数が減るなどの弊害が出ている問題などを取り上げ、安易な経営形態の見直しは、患者さんや県民のための改革にならないと主張しました。これらに県は、今後、慎重に、懇話会の意見を聞いてプランを策定していくと答えました。
国の公立病院改革ガイドラインにともなう各自治体病院の改革プランの作成が県内の市町でも始まります。ぜひ、この問題に関しても皆さんのご意見をお聞かせください。県民の命を削る改革にさせない努力を尽くしましょう。
とにもかくにも委員会が終わってほっとしています。今度の私の議会の役割は、閉会日の反対討論です。閉会日まで気を抜かずにその任を果たします。
昨日は、厚生委員会の一日目、環境生活部の審議が行われました。昨日の審議で、私が、この間、委員会等で主張してきたことが前進してきていることを実感しました。そう感じる第一は、「循環型社会形成推進条例」の改正が、本議会に提案されている点です。私は、フェロシルトという県外廃棄物が山陽小野田市に搬入される問題を取り上げ、県外廃物のチェック体制の強化を主張してきました。今回改正された条例案には、①県外廃棄物を搬入しようとする事業者に直接、届出を提出させる②届出等の手続きをせず搬入した業者に勧告が出せるが、更に今回の改正で、勧告に従わなかった事業者の勧告内容を公表することができる規定などが加わりました。私は、県外廃棄物が処分される地域の自治体や住民などの同意の必要性なのではないかなども委員会で主張してきましたが、今回の改正の前進面は率直に認めたいと思います。
二つ目は、アルゼンチンアリ対策です。私が住む宇部市でもアルゼンチンアリの生息が確認され、問題が県内で広がり重大となっています。さて、昨日の委員会で、山口県や広島県などでつくるアルゼンチンアリ対策広域推進協議会が国の外来生物防除事業の交付金を要望していた問題で、先週末、国は交付の内定を通知してきたことが報告されました。日本共産党県議団は国会交渉に参加するなかで国の交付金の情報を収集し、県に申請を提案してきましたが、このことが実りました。今後、この事業が地域で運用されるとどのような効果を上げることができるのか引き続き注視していきたいと思います。
三つ目は、「食品衛生関係行政処分及び苦情等の処理に関する要領」の改正が明言されたことです。私は、相次いで食中毒等の事案を発生させた事業所への行政処分のあり方を見直すよう提起してきました。その結果、生活衛生課内での検討がすすみ7月以降の早い時期に改訂の内容が公表される見通しであることが表明されました。
更に、今回の委員会では議論しませんでしたが、4月1日から、山口県産業廃棄物処理施設の設置に関する指導要綱も改訂され施行されました。改訂によって、関係地域に影響を受ける地域を加えるられましたし、関係自治会や関係市町だけでなく周辺自治会や周辺市町にも配慮規定を追加されました。この問題も、美祢市での産業廃棄物処理施設の建設をめぐる問題を委員会で取り上げ要綱の改訂を要望しており、一定の改善が図られたところです。
しかし、今度の委員会で不十分さを指摘したのは、山口県の地球温暖化対策の取組みです。とりわけ事業者への規制強化について、山口県の取組みの現状は貧弱としかいいようがありません。昨日の朝日新聞には、コンビニの規制の問題が大きく取り上げられていました。また、東京都は、大規模事業所にCO2削減量を義務付け排出権取引を認める条例改正を行いました。私は、山口県として独自に事業者に対しCO2削減を求める方策を具体的に検討するよう強く求めました。
廃棄物・環境問題は、今後とも大いに取り組んでいきたと思っています。この点での皆さんのご意見を大いにお聞かせください。
さあ、今日は、健康福祉部の質疑です。引き続きがんばります。