本日、みんなの県政をつくる会(福江俊喜代表世話人)は、二井知事に対し「災害対策の拡充と原発からの撤退を求める要望書」を提出しました。
福江代表世話人から坂本課長に要望書が渡される
災害につよい山口県にという項目では、①地域防災計画の見直しは、地震・津波の最新の知見にもとづいたものにすること②学校耐震化を2015年までに完了させるため、市町への財政支援を行うこと③避難所への備蓄倉庫、貯水槽、トイレ、自家発電装置などを整備すること④治水、治山など防災関連予算を大幅に増やし、安全な県土づくりをすすめることを要望しました。
①の地域防災計画の見直しでは、担当者が、「年明けに県の防災会議を開催し、地域防災計画の見直す中身を具体的に明らかにしていきたい」と答えました。
②の学校耐震化の問題について担当者は、「現在、市町に無利子融資を行っている。新たな補助制度は考えていない。」と答えました。
③について担当者は、「基本的に市町が判断するものと考えている」と答えました。
④について担当者は、「8月23日、局地的な集中豪雨に対応した治水対策検討委員会から提言をいただいた。これに基づき新年度へ向けての予算化を急ぎたい」と答えました。
原発から撤退し、自然エネルギーの本格的導入をという項目では、①福島原発事故を踏まえ、上関原発計画への同意は撤回すること②原発建設中止後の上関町の振興策については、国とともに、特別の支援を検討すること③上関原発計画に関し、県内で開催された公聴会、シンポジウムで「やらせ」など不適切な対応がなかったかを徹底調査すること④小規模水力、太陽光、風力、潮力など自然エネルギーの本格的導入をすすめることなどを要望しました。
①について担当者は、「国の動向を注視し地元上関町の意向を尊重して対応する」と答えました。
②について担当者は、「今後、町から要請があれば、どのような対応が県として出来るのか検討したい」と答えました。
③について担当者は、「9月中には、国に要請を行っていきたい」と答えました。
④について担当者は、「今後は再生可能エネ法の動向を注視して対応したい」と答えました。
災害問題と原発問題で懇談が行われました
本日、岩国シンフォニアホールで、第5回錦川川づくり検討委員会が行われ、傍聴してきました。
傍聴席が20しか準備されていないと聞き、朝早く自宅を出発し、現地に10時前に到着しました。
11時30分に予約傍聴券が配布され、私は3番目でした。
傍聴が正式に受付られた午後1時には、「美しい錦川を未来に手渡す会」の方々など30名以上が会場周辺に集いました。
美しい錦川を未来に手渡す会の皆さんのアピール
錦川川づくり検討委員会は、今後30年間の河川整備の目標や整備メニューについて、平成18年に計3回の審議が行われていました。
国は、平成22年9月に、「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」を発し、都道府県に対し、「ダム事業の検証に係る検討」を実施するように要請しました。
これに基づいて、山口県は、「錦川川づくり検討委員会」を再設置し、委員の意見を聞くこととし、7月に第4回、そして今日第5回が行われました。
県は、8月にパブリックコメントを行い、県民の意見を募集し、今後、ダム事業の対応方針の原案を作成する計画です。
その後、その原案について、県公共事業再評価委員会の意見を聴いたうえで、県の対応方針決定し、国土交通大臣に検討結果を報告するとしています。
第5回の川づくり検討委員会は、第4回検討委員会で委員から出された意見とパブリックコメントで出された県民からの意見に対する県の回答が明らかにされました。
パブリックコメントは、8月3日から9月2日に行われてました。県外の方を含めて112名の方から意見が寄せられました。
平瀬ダムについて91%の人が反対を表明する意見であったことが報告されました。
特に多かったのは森林の保全を優先させ、ダムを建設する必要はない、いわゆる緑のダムが必要との意見で、25件あったと報告されました。
この意見に県の回答は、「森林の保水機能には限界がある」との日本学術会議の答申(平成13年11月)を根拠とし、ダムの必要性を強調するものでした。
総じて、様々な意見に対して県の回答は、「平瀬ダム+河川改修案」が最良とする内容でした。
川づくり検討委員会は、パブリックコメントに対する県の回答説明の途中で、時間切れとなり、次回に続きを行うことを確認して閉幕しました。
第5回錦川川づくり検討委員会の休憩の様子
次回は、今後の対応方針案や今後の予定なども協議される予定です。
私としても次回も是非傍聴したいと思っています。
平瀬ダムについては、パブリックコメントの結果からも県内外から多くの批判的な意見が出されています。
このまま、「検討の結果、平瀬ダム再開」という結論ありきの議論に終始させてはならないと痛感しました。
平瀬ダムが再開されるかどうかこの秋が大きな山場を迎えます。大いに県民的な議論を行う時だと思います。
平瀬ダムについて皆さんの意見をお聞かせ下さい。
本日、土木建築委員会の県内視察が行われました。
宇部市内の視察に地元議員として参加しました。
まず、一般国道490号交通安全施設整備を視察しました。
現地では、国道490号神原交差点付近500mの車線を増やす工事が行われています。
13億円の事業費で4車線を6車線にし、歩道部分を2mから6mに拡大する工事が行われていました。
神原交差点南側では歩道の整備が完了しました。
次に、東見初地区港湾整備事業を視察しました。
この地域の港湾整備事業は、当初79.2haを埋め立てる計画でした。現在、63.9haの1期工事が行われています。
当初、東見初地区港湾開発の事業費は194億円でしたが、約400億円と言われていました。現在、15.3haも埋立を縮小する計画であるのに事業費は406億円となっています。
63haを埋める用材は690万・要ですが、最大は413万・のしゅんせつ土です。約6割にもなります。主には、本航路のしゅんせつ土が主なものです。
つまり、63haの埋立地を作らなけらばならない主な理由として、しゅんせつ土の埋立場としての意味合いが濃いことは明らかです。
また、土地利用計画として一番ウエイトを占めているのが、緑地19.5ha、スポーツレク施設用地15.9ha。合計で、35.4haです。
宇部市の海岸部分に、巨額を投じて、緑地とスポーツレク施設が必要でしょうか。
これらで開発面積の2分の1以上を占めます。このことによっても、この埋立の目的がしゅんせつ土の捨て場ありきであることがよく分かります。
この事業は、1997年に事業着手されていますが、今年で14年目です。担当者は、ふ頭用地の供用開始を平成20年代後半だと説明しました。
合せて、埋立第五区画の一般廃棄物の埋立などは、平成35年位まで行われるということです。竣工は、あと12年。着工後、竣工するまで30年近くかかります。
事業が長引くことで更に事業費が増額することが予想されます。
30年後は、埋立てた土地の上をどう開発していくのか、これにも巨額のお金がかかります。
私は、今日、東見初港湾開発の現場に立って、改めて、この開発は、63haに留め、2期事業に着手すべきではない、ましてや、新沖の山地区の開発は中止すべきだと痛感しました。
東見初地区第5区画(廃棄物が埋立られています)
東見初第4区画(しゅんせつ土が埋立られます)
同時に、現在、宇部港が国際バルク戦略港湾に指定されたことが重大です。
現在、県が指定された港の育成プログラムを策定して国に提出したと担当者は説明しました。
今後は、国の予算確保がどの程度になるのか、県の負担がどの程度になるのかが注目されます。
国は、十二分な財政を国際バルク戦略港湾に確保すべきです。
県は、国の財源が不十分で、県に多大な財源が必要となった場合は、改めて「国際バルク戦略港湾」計画を進めるべきかどうか県民の意見を聞く機会を設けるべきだと思います。
とにかく、厳しい財政難、数百億円のお金が港で使われています。県民的な議論を大いに行う必要を痛感した視察でした。
山口県の港湾開発について、皆さんはどのようにお考えですか、ご意見をお聞かせ下さい。
数日前、玄侑宗久さんがラジオのインタビューで発言されていました。
玄侑さんは、福島県三春町在住です。
震災当時、長編小説を書き始めたところだったそうです。
その後は、この作品を書き進めてはいないと玄侑さん。
「原発問題を中心に震災と向き合い、多くの情報を発信している」と公式サイトのプロフィールにあります。
「原子力村の大罪」という本にも名を連ねている玄侑さん。少し作品が読んでみたくなり、「龍の棲む家」を読んでいます。
父が痴呆症となり、次男の幹夫が介護する日々を綴った物語です。
散歩中に知り合った介護のプロの佳代子が良い役割を果たしています。
「自分がいつでも負担をかける加害者で、相手が被害者であることに、あるとき耐えられなくなって、その必死な心の表現として、きっと妄想は発動するんです」と佳代子。
佳代子は、この関係を逆転させるために、父から書道を習いはじめます。
「お習字を習うことで、父さんもお世話する側にまわれるから、お世話される一方じゃなくなるし、それでバランスがとれるってこと?」と幹夫が佳代子に問い直します。
大切な視点だと納得しました。
玄侑さんは、現役の僧侶でもあります。
「誰でも無限の道に通じる過剰があるかもれないと思った」など難解な表現が出てきます。
この難解を難解として心に留めておくことができるのも玄侑さんの小説の特徴なのかも知れません。
被災地からの玄侑さんの情報。芥川賞作家としての玄侑さんの作品。
これから玄侑さんの文章に注目していきたいと思います。玄侑ファンの皆さん。どの作品がお薦めですか。
それにしても玄侑さんの文章は、読むだけで心が穏やかになるような気持ちになるのは私だけでしょうか。
大切な作家と出会えた嬉しい一日でした。
書店で、「おすすめ文庫王国2010-2011」エンターテーメント部門第一位という帯に魅かれ、沼田まほかるさんの「猫鳴り」を読みました。
1章は、子どもを流産した夫婦が猫を拾う物語。2章は、不登校になった中学生が猫を育てはじめる物語。
3章は、初老の男性が老猫を看取る物語。
通して感じたのは、作家の猫の描写の確かさした。
同時に、それぞれの章の人物描写の巧みさです。
1章の子どもを流産した母の切なさ。2章の不登校の男子中学生の心の闇。3章の初老の男性の不安と喜び。
特に、男子中学生の心の闇は、当事者でしかわからないような心の襞を照らしているようでした。
沼田まほかるさんは、1948年生まれといいますから、現在63歳の作家さんです。
主婦、僧侶、会社経営を経て50代でテビューとあります。
僧侶の経験からか、「悪人正機」の思想が垣間見れるようです。
1章の母は、実は、子猫を何度も捨てにいきます。2章の中学生は、幼児を殺そうとします。
それでも、人間は救われる存在なんだと説いているようです。
3章の男性は、20歳の猫を看取りますが、猫に「ダイジョウブ、スベテ、ダイジョウブ」と諭されます。
この本は、最初は、心がズキズキ傷みますが、最後になるほど浄化されるような気持ちになるものでした。
20歳の猫の話を読んで、私が、生まれた時から我が家にいた「チコ」という猫の事を想い出しました。
チコは、次姉と同じ年だったと思います。次姉が高校生の時に亡くなりましたので、17歳位は生きたのではないでしょうか。
私が小学生の頃は、傷だらけ、泥だらけで帰ってきたことを想い出します。
最期は、農業用倉庫の中で、首をもたげ遠くを見るような仕草をしたことを覚えています。
今、我が家にも「チョロ」がいます。少し前に、あわや下半身不随かと思われる怪我をしましたが、奇跡的に後遺症もなく元気になりました。
三男が小学校に上がったころから我が家にいますので、ただ今4歳。
これからも、チョロと我が家の一員として仲よく暮らしていけたらと思います。
今、沼田まほかるさんの「ユリゴコロ」を読んでいます。
8月議会も終わり、朝晩少し涼しくなってきました。この秋は、沼田まほかる作品に浸りたいと思っています。
沼田ファンの皆さん。お薦めの作品をお教え下さい。