月別アーカイブ:2018年5月

子ども

 昨日のNHKラジオ「すっぴん」。高橋源一郎の「ゲンちゃんの現代国語」で、「あなた自身の社会 スェーデンの中学教科書」が紹介されていました。この本の中に、アメリカの家庭教育学者・ドロシー・ロー・ノルトさんの「子ども」という詩が引用されているそうです。

 子どもという詩はこのような詩です。

 「批判ばかりされた 子どもは 避難することを おぼえる

  殴られて大きくなった 子どもは 力にたよることを おぼえる

  笑いものにされた 子どもは ものを言わずにいることを おぼえる

  皮肉にさらされた 子どもは 鈍い両親の もちぬしとなる

  しかし、激励をうけた 子どもは 自信を おぼえる

  寛容にであった 子どもは 忍耐を おぼえる

  賞賛をうけた 子どもは 評価することを おぼえる

  フェアプレーを経験した 子どもは 公正を おぼえる

  友情を知る 子どもは 親切を おぼえる

  安心を経験した 子どもは 信頼を おぼえる

  可愛がられ 抱きしめられた 子どもは 世界中の愛情を 感じることを おぼえる」

 ドロシー・ロー・ノルトさんは「子どもが育つ魔法の言葉」の著作で有名な方です。

 堀川惠子さんの「教誨師」には、教誨師・渡邉普相さんが出会った多くの死刑囚の生い立ちが出てきます。

 堀川さんは渡邉教誨師の大橋光宏(仮名)死刑囚との邂逅の場面で次のように書いています。

 「死刑事件の加害者である死刑囚には、大橋と同じような被害者的な恨みに捉われている者があまりに多く見受けられた。幼い頃から家や社会で虐げられ、謂れのない差別や人一倍の不運に晒されて生きてきた者が圧倒的に多い。」

 死刑囚の生い立ちの共通点を考えると子どものころに「激励」「寛容」「賞賛」「友情」「安心」「愛情」に接することの大切さを痛感します。

 この詩を読むと、アメリカンフットボールの試合で日大選手が極めて悪質なタックルで関学大選手を負傷させた問題を思い出します。

 「フェアプレーを経験した 子どもは 公正を おぼえる」

 このような社会にしたいものです。

 その点で、今の政治はどうでしょうか。

 時事通信の直近の世論調査で、加計学園の獣医学部新設について「安倍晋三首相に責任がある」との回答が65・2%でした。

 安倍首相は、子どもたちに「公正」を教える時です。

 安倍首相は、加計・森友学園での自らの責任を国民と子ども前で明らかにすべき時です。

 4人の子どもを持つ親としてドロシー・ロー・ノルトの「子ども」という詩は座右に置きたい詩です。

 

 

赤い空とカラス

 赤塚不二夫さんの娘である赤塚りえ子さんの「バカボンよりもバカなパパ」を読み終えました。

 文庫版のあとがきに、森田拳次さんが代表理事を務める「八月十五日の会」の「私の八月十五日 昭和二十年の絵手紙」に収録された赤塚不二夫さんの「赤い空とカラス」とう詩が掲載されていました。

 「戦争は、日本が負けたのだった。その夕方、街の彼方の満州の空は、真っ赤に燃えていた。地上を覆った戦争の火が天空を染めて赤一色に塗りつぶしたかのように、それは燃えさかっていた。どこまでも続く大平原、はるか地平の彼方まで、血のような色の広がり。そのなかを何万羽という数知れぬカラスの大群が舞っていた。幾層にも重なって、わめき散らしながら、真っ赤な空を埋めるカラスの群舞。黒いものは次から次へと現れ、そしてどこへともなく飛んでいく。奇妙な叫び声が天地にあふれ、やがて統合されて、不思議な交響曲となる。楽章はとぎれることなく展開し、いつまでもぼくの耳に残る。この赤と黒との不気味で果てしない空間、現世の終末を思わせる色と饗宴。その光景は、次の日もその次の日も、夕方になると繰り広げられた。そして、小学校四年のぼくはというと、その光景の中に、呆然と、立ち尽くしていたのである。いまにして思うと、それがぼくの原風景となった。大人になってからも、何かの拍子に、赤と黒の光景を思い浮かべる。ときには夢にも見る。ぼくはその中にふわふわ漂っている。そして、しみじみ、ぼくの行き着く先は、その風景の中だと思う。そう思うと、ぼくは何でも出来るような気持ちになる。いまの世のもろもろのことが、実であって虚、虚のように見えて実。固定したものはなく、すべてが動いているのではないか。漫画をかいてもよし、ミュージカルの演出もいい、喜劇のおどけ約もやれば、ジャズフェスティバルにも興味がある。あるいはラーメン屋だっていい。何をしたっていいじゃないか。金があったって、なくったって、女友だちが何人いようが、酒をのめなくなろうが、決めてしまうことはないじゃないか。もともと赤い空とカラスの大群ではないか・・・。」

 赤塚りえ子さんは、父=赤塚不二夫さんの上の詩を引用して次のように書いています。

 「父の人としての座標になったのは、この『赤い空とカラス』に象徴される満州体験だったのかもしれない。アチャメチャにみえる言動もすべてこの地平から出発しているのだったら、ものの本質とあまり関係ないちっぽけなことなんてどうでもよかったんじゃないか。父はもっと『生きる』という人間の根源的なところでものごとをとらえていたからこそ言えたのだと思う『これでいいのだ』と。そして、『笑い』が声明に直接的につながっていることを感覚で、また、体験からもわかっていたのだと思う。」

 りえ子さんは別のところでこうも書いています。

 「少年時代にたくさんの悲しい思いをしたからこそ、まず自身が笑う必要があったんだと、一心に突き進んでいく必要があったんだと。だから、赤塚マンガの奥底には悲しみの記憶が潜んでいるようにも思う。」

 りえ子さんは、文庫版あとがきの最後にこう書いています。

 「ひとりひとりに笑う力があれば、どんなかたちの家族があったっていいのだ!」

 この本を読んで、少し「笑う力」が減っている自分に気づきました。

 この本を読んで、赤塚不二夫さんから「これでいいのだ」と励ましていただいたように思えました。

 我が人生「これでいいのだ」だと思い知らされました。

 りえ子さんが、両親から自立する場面が後半に出てきます。10代から20代の子どもを持つ親としてもとても考えされられました。

 6月末からNHK土曜ドラマで、この本が原作の「バカボンのパパよりバカなパパ」がスタートします。

 ドラマを見ながら、この原作の世界に思いをはせたいと思います。

 赤塚不二夫さんの漫画から学びたいと思います。

 「これでいいのだ」という言葉の深さをかみしめる今日この頃です。

 赤塚りえ子著「バカボンのパパよりバカなパパ」お勧めの一冊です。是非読んでみて下さい。

 赤塚不二夫さんの漫画で好きなキャラクターをお教え下さい。

政府審議会 エネ計画案了承

 経済産業省の審議会は16日、2030年度の電源構成比率を原子力20~22%、再生可能エネルギー22~24%などと定めた政府目標の実現に全力を上げると明記した「第五次エネルギー基本計画」案をおおむね了承しました。

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙には、第五次エネルギー基本計画を次のように解説しています。

 「今後、1か月の意見公募を経た上で、政府は今夏に閣議決定します。計画案は、原発ゼロを求める国民多数の願いからかけはなれた原発推進路線に固執したものです。安倍政権下で二度目の計画。しかし、今回は、原子力や石炭を『重要なベースロード電源』と位置づけた2014年計画の『骨格を変えない』前提で議論されました。議論する審議会委員の顔ぶれも原発維持・推進派が多数。原発の新増設やリプレース(敷地内の建て替え)を主張する委員が少なくなく、経済的にも安上がりでないことが内外で明らかになった原発のコストなどの検証もありませんでした。今回の計画案は『2020年のエネルギーミックスの確実な実現に全力を挙げる』と明記しました。30年のエネルギーミックスとは、政府が15年に決めた『長期エネルギー需給見通し』のこと。30年度の電源構成の目標を原子力20~22%、石炭26%、再生可能エネルギー22~24%としたものです。これは原発30基台に当たり、再稼働や、最大60年の運転延長などをしゃにむに推進する数字です。再稼働反対の国民世論などを考えても『非現実的』と指摘されています。しかも計画案では、『原子力政策の再構築』と題した項目で、『原子力人材・技術・産業基盤の維持・強化』『再稼働や廃炉を通じた現場力の維持・強化が必要』と明記。一方に併記した『原発依存度は、可能な限り低減される』のまやかしは明らかです。原発輸出も世界への貢献などとしています。さらに、計画に新たに加えた、30年以上先の50年に向けたエネルギー戦略にも、原発を『脱炭素化の選択肢』として維持する方向を示し、『安全性・経済性・機動性に優れた炉の追求』などと、新増設のねらいを含んだものです。福島原発事故の教訓を踏まえ、これ以上の原発固執をやめて、原発ゼロの方向でエネルギー政策を転換すべきです。」

 今朝の毎日新聞は、国の「エネルギー基本計画」について「国が16日に公表した『第5次エネルギー基本計画』の原案は、原発の新増設に踏み込まなかった。原発を『重要なベースロード電源』と位置付けたものの、再稼働を優先する現計画を踏襲した形だ」「予定地の公有水面埋立免許は来年7月に期限を迎える。基本計画が原案通りに閣議決定されれば、県は、原発の新増設についての国の方針が不透明なまま、免許延長の可否を判断することになる可能性が高い。村岡嗣政知事は定例記者会見で、免許の延長については『中国電力の申請を踏まえて対処する』と述べるにとどめ、基本計画が許可に影響するかどうかへの明言は避けた。」と報じました。

 国は、原発ゼロを求める国民の声に耳を傾けて、原発の新増設やリプレース(敷地内の建て替え)は行わないことを「第5次エネルギー基本計画」に明記すべきです。

 そうすれば、いずれ原発はゼロになります。

 国は、「第五次エネルギー計画」に原発ゼロの方向性をはっきり示すべきです。

 そして、上関原発の建設を認めない「第五次エネルギー基本計画」にすべきです。

 国の審議会が「第5次エネルギー基本計画」案を了承しました。

 皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

陸上イージス 配備先(秋田・山口)を明言

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙は「小野寺五典防衛相は15日の記者会見で、導入を予定している地上配備型ミサイル迎撃システム『イージス・アショア』の配備先について、『候補地となると考えられる秋田県や山口県』と述べ、初めて具体的な県名を明言しました。配備のために日程調整をしていることも明らかにしました。政府は昨年、『イージス・アショア』2基の導入を閣議決定し、今年度予算に配備に必要な基本設計や地質・測量調査などの経費を計上しています。これまで秋田市の陸上自衛隊新屋演習場、山口県萩市のむつみ演習場が候補地として指摘されていました。小野寺氏は、14日に秋田県知事が記者会見で、防衛相東北防衛局からイージス・アショアについて事務的な調整を行いたいとの連絡があったと述べたことに関し、『地方自治体に対して、説明を行いうる日程の確認等のため事務連絡をさせていただいている』と語りました。地元住民に対する説明については『自治体との協議の中で検討していくことだ』としました。」と報じました。

 今朝の毎日新聞は、防衛省中国四国防衛局から14日に、陸上自衛隊むつみ演習場のある萩市と近隣の阿武町の両首長に説明したいとの連絡があったと報じ、更に「村岡知事は『我々が『イージス・アショアが来てほしい』と考えているのではなく、国から防衛政策上の必要として考えている。県を一つの選択肢として考えているのであれば、説明をお受けしたい』と述べた。萩市の藤道健二市長も15日の記者会見で『仮に萩に配備するのであれば、市民の安全安心のため国が主体となり説明してほしい』と要望したと報じました。

 毎日新聞は、「『イージス・アショア』配備計画の撤回を求める住民の会の森上雅昭さんの次の談話を報じています。

 「来月に予定されている米朝首脳会談など朝鮮半島情勢の変化を踏まえて『配備の前提が変わろうとしている。配備を強行すれば中露との緊張を強めかねない』」

  防衛省はイージスアショアの導入について北朝鮮の弾道ミサイル対応のためだと説明していました。北朝鮮情勢をめぐり、南北融和の動きや史上初の米朝首脳会談の実現など新たな展開となっている中で、1基約1000億円もするイージス・アショア導入を行うべきではありません。

 北朝鮮外務省は12日、北部の核実験場を廃棄する式典を23~25日の間に、気象条件を考慮して行うと発表しました。4月27日に板門店で行われた金朝鮮労働党委員長と文韓国大統領との会談が具体化されようとしています。

 日本だけが「圧力一辺倒」の外交と軍事的体制の強化を図ることは、世界の流れに逆行します。

 今日の世界情勢で、日本にイージス・アショアを配備することの不利益を検討し、安倍政権は、イージス・アショアの配備を撤回すべきです。

 イージス・アショアの配備先を小野寺防衛相が秋田・山口と発表しました。

 皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

きゅうり食べるだけダイエット

 知人の方から、「テレビで、『きゅうりダイエット』を取り上げていた。」との話をお聞きしました。

 今の季節のきゅうりは旬で一番おいしい時ですね。

 実家は農家ですので、子どもの頃は、夏のおやつはきゅうりでした。

 スーパーで売っているきゅうりよりは、濃い味だった記憶があります。

 日本料理店「分とく山」総料理長の野﨑洋光さんの「きゅうり食べるだけダイエット」には、きゅうりの6つの効用が書かれてあります。

 第一、きゅうりには、脂肪の代謝を促進する「ホスホリパーゼ」という酵素が含まれているということです。

 第二、きゅうりに多く含まれているカルシウムには、利尿作用や血圧を調整する作用があり、むくみを取り除く効果があります。

 第三、きゅうりは一本14キロカロリーでとても低カロリーだということです。たくさん食べても安心です。

 第四、きゅうりには植物繊維が多く含まれており、腸内環境を整え、便秘を予防します。

 第五、きゅうりには、血管や粘膜、皮膚を強くする働きのあるビタミンCやβカロテンが含まれ、肌荒れを防止します。

 第六、きゅうりの植物繊維の働きで、満足感が得られます。かじることにも効果が生まれます。

 こうも書かれてあります。

 「本書のダイエット法は『きゅうり』をきっかけに食生活を変えることを目的としています。」と書かれてあります。

 きゅうりを食べた先には、「ゆで野菜を取り入れる」「具だくさんのみそ汁を加える」「主菜は太らないおかずにする」などを取り入れるよう書かれています。

 妻がいつものように作る「具だくさんの豚汁」がとてもおいしく感じるようになりました。

 きゅうりは生で食べてもおいしいし、何かと和えてもおいしいです。

 毎日、きゅうりを食べながら、スロージョギングの回数を増やしながら、体重を数キロ落としたいと思っています。

 早速、1キロ程度の効果は出てきました。きゅうりを食べながらヘルシーにダイエットしたいと思っています。

 皆さんの健康法をお教え下さい。 

山本周五郎

 NHKラジオ「すっぴん」のコーナー「春日太一の金曜映画劇場」で「ひとごろし」が紹介されていました。

 大洲斉監督の映画「ひとごろし」をDVDで視聴し、山本周五郎の原作「ひとごろし」を読みました。

 春日太一さんがこの映画を紹介する前のトークに聴き入りました。

 春日さんは、小学校時代、教師によるいじめに会いました。

 不登校になりかけた太一さん。お母さんが「逃げることも必要」と太一さんを転校させました。

 新しい学校は春日さんにとって「パラダイスだった」と語ります。

 このエピソード通りの映画「ひとごろし」でした。

 1976年に公開された映画「ひとごろし」の主演・双子六兵衛を演じるのは、松田優作。

 松田優作は、臆病者の六兵衛を好演しています。

 福井藩随一の武芸指南である仁藤昂軒を演じるには、丹波哲郎。

 丹波哲郎が血気盛んな剣豪役をこれまた好演しています。

 ある日、昂軒が藩の有力者を殺してしまいます。

 藩主は昂軒を「上意討ち」することを六兵衛に命じます。

 六兵衛は藩きっての臆病者。武芸では勝てない六兵衛は心理戦で昂軒を追い詰めます。

 どのような心理戦だったのかは、映画と原作で確認いただきたいと思います。

 いよいよ追い込まれた昂軒は自ら腹を切るといいだし、後悔の言葉を吐きます。

 「武芸というものは負けない修行だ、強い相手に勝ちぬくことだと、強く、強く、どんな相手をも打ち任すための修行であり、おれはそれをまなびほとんどその技を身につけた、(中略)けれどもこんどの事でおれは知った、強い者に勝つのが武芸者ではないということを」

 「おれはこんどのことで初めて知ったのだが、強いということには限界があるし、強さというものにはそれを打ち砕く法が必ずある、おれに限らない、古来から兵法者、武芸者はみな強くなること、強い相手に打ち勝つことを目標にまなび、それが最高の修行だと信じている、しかしそれは間違いだ」

 「強い者には勝つ法がある、名人上手とうわれる武芸者はみなそうだった、みやもとむさしなどという人物もそんなふうだったらしい、だが違う、強い者に勝つ法は必ずある、そういうくふうは幾らでもあるが、それは武芸の一面だけであって全部ではない、-それだけでは弱い者、臆病者に勝つことはできないんだ」

 「どんな剣道の名人でもおまえのようなやりかたにかなう方、それを打ち砕くすべはないだろう、おれは諦めた、そうたくさんだ」

 臆病者=庶民が、武芸者=権力者に勝つためにはどうしたらいいのか考えさせられる作品でした。

 昂軒が言った「強いということには限界があるし、強さというものにはそれを打ち砕く法が必ずある」という言葉には今日的な意味があると思いました。

 柳瀬唯夫元首相秘書官の参考人招致に対し、中村愛媛県知事が反論する記者会見を開きました。

 この記者会見は柳瀬氏の記憶を打ち砕くものです。

 安倍政権の強さには限界がきている。

 安倍政権の強さを打ち砕くものは、粘り強く真相を解明していく努力ではないかと思います。

 今日、衆参予算委員会が開かれます。

 安倍首相の記憶を打ち砕き、「森友・加計学園」への関与を解明していく質疑になることだと思います。

 政治の主人公は私たち国民です。しっかり国会を監視していきましょう。

 さて、山本周五郎はやっぱりいいですね。久しぶりに原作を読んで痛感しました。

 私たち庶民の気持ちに寄り添い、庶民を励ます言葉が散りばめられた山本周五郎作品だと再認識しました。

 あなたのお勧めの山本周五郎作品をお教え下さい。