介護保険の「要支援1・2」の高齢者(約170万人)向けサービスを介護保険から外して市町村による別のサービスに移行させる制度改悪で、初年度の2015年度中に移行できるのは114自治体(34都道府県)で、全体のわずか7.2%にとどまることが、厚生労働省の調べで明らかになりました。
この調査は、全1579自治体を集計したもので、都道府県別でみると13都県で移行自治体はゼロでした。
私が山口県の担当者に聞いた話では、移行ゼロの都道府県の中に山口県が含まれるとのことでした。
移行する自治体は、16年度でも227(17.5%)にとどまり、時期未定も119(7.5%)ありました。
大多数は最終期限の17年度に先送りしており、移行するうえで困難を抱えていることを示しています。
サービス事業には予算に上限がつけられ、自治体は給付費の抑制を求められます。
自治体や利用者からは「ボランティアなど受け皿がなく、移行は困難」「サービスが低下し、重度化が進む」との声が上がっています。
要支援サービス移行が進まない問題は、特別養護老人ホームから要介護1・2の人を締め出し、サービス利用料の1割から2割への引き上げなど負担増・給付減と併せて、「介護難民」の問題をいっそう深刻にするだけです。
公的介護保障を土台から掘り崩す改悪は中止・撤回し、引き続きこれまでのサービスが受けられるようにするなど国の責任で安心できる公的介護制度に抜本的に改革すべきです。
介護保険の制度改悪に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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