作家の池井戸潤さんが新作「俺たちの箱根駅伝」について、語ったインタビューが、23日付、しんぶん赤旗日曜版に次のように掲載されています。
「箱根駅伝を描き切った力作です。『疲れ切って、出がらしみたいになっています。(笑)。長編をひとつ書くと、いつも1週間くらい体調が悪くなるんです。それが、今回は2、3冊分くらい調子が悪くなった。最初の構想は(寄せ集め)チームが(箱根に行こう)と約束するところまで。下巻で描いた本選まで書くつもりはありませんでした。でも、周囲が許してくれなくて(笑)』執筆にはプレッシャーがありました。『自分では走らないから書くのも自信がない。箱根駅伝のファンやランナーはどう思うかと。厳しい読者が多いだろうから、巻末に謝辞を乗せませんでした。もし批判されたり炎上するようなことがあったら、取材に協力してくれた方々に迷惑をかけてしまうので。最近では一番たくさん取材した小説で、キーマンとなる方の話を聞けたのがよかった』放送人の取材も重ね、臨場感あふれる生中継を支える関係者の情熱と苦楽も描き込みました。一方で、スポーツと小説は相性が悪いと明かします。『特に駅伝は前に走るだけで、動きの描写で読ませるのは難しい。小説は内面の描写で話を進めていくものなので、どうやって書こうか悩みました。本選で、苦しみながらもタスキをつないだ登場人物と一緒に、作者も一度、連載途中で燃え尽きたり(笑)。登場人物の、救いになる言葉で作者も救われることもありました。〈今日は我々が敗者になった。明日、勝者になればいい。負けは勝ちより、人間を成長させてくれる〉〈失敗ってのはな、次につなげられるかどうかで、価値が決まるんだ〉バラバラだったチームが次第に団結します。その過程が感動的です。『登場人物のセリフは、事前に用意しておいたものではダメなんです。書きながら自然に出てくるアドリブでないと不自然になる。今回も、あらかじめ用意しておいたセリフはないですね。書いている時はその人物になりきっているので、この人なら何を言うか、その時の感情で書いていく。書けば書くほどその人の輪郭がはっきりしてきます。作者も(へー、そうなんだ)と驚くので、読者と同じ目線ですね。そして難しい場面から逃げないようにしてもいます。作者には書きにくくても、読者にとってそこが一番読みたいところだったりするので』新春の恒例行事が題材の物語。刊行は4月末となりました。『この時期に出したのは、内容に合っていたと思います。これはいわば、敗者の物語です。五月病という言葉もあるように、みんなが必ずしも第一志望の会社や学校に入れず、挫折感を抱えていたりもする。そういう人たちの背中を押せる小説にもなれるのではと。このテーマはこれで書き尽くしました。続編を書かないのかなどと言われると、気が遠くなってしまいます。この先の話があるとすれば、他の人にタスキを渡したい(笑)』ドラマ化も話題となった『半沢直樹』や『下町ロケット』『花咲舞が黙っていない』など注目作を連発してきました。『小説は、書けてもあと10年くらいだと思っています。今回のように大変なものはもう書けないかもしれない。その10年で、本当に自分が書きたいもの、書くべきものをいま選んでいるところです。これを読んで(元気が出た)と感想をもらうこともあるけれど、書くのは本当にくたびれます。なんだか(身代わり地蔵)みたいです(笑)』」
池井戸潤の小説は、「空飛ぶタイヤ」「鉄の骨」など、気骨のある作品に感銘してきました。
池井戸作品のほとんどがメディアミックスされていると言っても過言ではありません。
ドラマ、そして映画にもなった「空飛ぶタイヤ」。NHKドラマの「鉄の骨」はよかったです。
TBS系日曜劇場の池井戸作品はほとんど妻と一緒に観てきました。
「半沢直樹」「ルーズヴェルト・ゲーム」「下町ロケット」「陸王」「ノーサイド・ゲーム」
どの作品も食い入るように観ました。
この「俺たちの箱根駅伝」も必ず、映像化されると思います。今から楽しみです。
私は、中学校の第二部活で、駅伝選手をしていました。高校生の時にも第二部活で、駅伝選手をしていました。
中学校の時は、故郷・吉部の市街から、私の実家の辺りを走った記憶があります。
高校の時は、昔あった常盤公園内の国民宿舎から、阿知須のサンパーク辺りまで走った記憶があります。
高校の時は、走りはじめて、靴のひもがほどけて結ぼうかどうか悩みながら、タスキを次の選手に渡した記憶があります。私たちの頃は、美祢工業などが強かった記憶があります。
今朝も、ぼちぼち走りました。今、出場を決めている大会は、秋に開催される「角島夕やけマラソン10キロ」です。
高校時代の友人で、東京在住のM君から、「エントリーしたよ」とのメールが入り、私もエントリーしました。
緩く「駅伝」や走ることに関わってきた私は、「箱根駅伝」を観ると燃えます。正月には、観戦する時間の長短はありますが、往路復路の結果を気にしてきました。
「箱根駅伝」と言えば、三浦しをんさんの「風が強く吹いている」がよかったです。
小説も映画もしっかり観ました。
そして、今、池井戸潤著「俺たちの箱根駅伝」を読み始めました。
小説冒頭での監督交代、テレビ局を舞台とした場面など、スラスラ読めます。次の展開が気になります。
池井戸さんのコメントにあった「書けば書くほどその人の輪郭がはっきりしてきます」の通り、登場人物の言葉に臨場感があるから面白いのだと思います。
これから主人公が関東学生選抜の一員として箱根駅伝に出場するのかどうかという下りです。
小説をしっかり読んで映像化を待ちたいと思います。
池井戸ファンの皆さん、皆さんの感想をお聞かせください。
一つ年上の池井戸さん、「身代わり地蔵」大変でしょうけれど、10年とはいわず、末永く面白い作品を読者に届けてください。
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