しんぶん赤旗日刊紙は、中国電力が、上関町内に中間貯蔵施設の建設を進めようとする計画について次のように報じました。
「中国電力と関西電力が2日に動き出した、原発の使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設を山口県上関町内に建設する計画。原発推進の矛盾をいっそう広げるものです。再稼働への総力結集など原発回帰に舵を切った岸田文雄政権や電力会社にとって、全国の原発でたまり続ける使用済み核燃料は大きな問題です。政府は、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して核燃料として利用しようという核燃料サイクル政策に固執しています。その中核施設が青森県六ケ所村にある再処理工場で、その使用済み核燃料の貯蔵施設(約3000トン)はすでにほぼ満杯です。しかも、再処理工場は竣工時期の延長を繰り返し、着工から30年たっても操業できていないため、行き場のない使用済み核燃料は、各地の原発敷地内のプールにたまり続けています。大手電力会社でつくる電気事業連合会(電事連)によると、今年3月時点で、全国では敷地内の使用済み核燃料は1万6500㌧に上り、容量の8割近くに達しています。九州電力では86%、関西電力では82%、中国電力では67%まで埋まっています。使用済み核燃料の貯蔵場所がなくなれば、炉心から核燃料を取り出せず、原発の運転を停止しなければなりません。そのため、政府と電力業界は『貯蔵能力の拡大』が必要として、2020年代半ばごろに4000㌧程度の拡大、30年ごろに合計6000㌧程度の拡大に取り組むとして、各社の連携・協力をいっそう強化するとしています。東京電力と日本原子力発電は共同で青森県むつ市に中間貯蔵施設を建設中で、両者の原発から出た使用済み核燃料を最終的に5000㌧貯蔵するとしています。原発を保有する電力各社が共同利用する案を電事連が明らかにしましたが、同市が反対を表明した経過があります。今回、中間貯蔵施設の建設用地を共同で調査するという関西電力は容量がひっ迫しています。原発が立地する福井県に対し2000㌧規模の中間貯蔵施設の県外候補地を23年末までに選定すると表明していました。しかし、6月、約200㌧の使用済み燃料を20年代後半に研究するためフランスへ搬出すると発表。『約束をひとまず果たした』などと、問題先送りを合理化したばかりです。これ以上、核燃料サイクルの破たんに目をつぶり、核のごみをさらに押しつける将来世代に負担を増大させる再稼働は身勝手です。」
「原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員・持田繁義さん 日本の原発が『トイレなきマンション』という状態でスタートしたことが根本的な問題です。関西電力と共同で調査を行うということですが、もともと関電は福井県に対し県外に中間貯蔵施設を造ると約束をしています。しかし、6月、フランスに使用済み核燃料の一部を持って行く計画を発表したのも、いまだに候補地を示せていません。使用済み核燃料をどうするか、関電自身が何の方向性も示せていないなかで無理やり他の地域に持っていく、なし崩しのやり方ではないか。また、青森県六ケ所村の再処理工場は竣工がすでに26回も延期されており、見通しは立っていません。関電に限らず、使用済みの核燃料は行き先が無いのだから原発は止めなければいけません。また、危険性を伴う施設を造って町づくりをすることはできません。上関町は原発の誘致の計画が示された当初から強い反対運動があり、原発問題で町内に対立が続いています。上関町長は、中国電力に対して地域振興策を求めていますが、中間貯蔵施設の建設は町民の対立を深刻にします。対立を深めては本来の町の力を発揮できません。町づくりは、原子力に頼らない方向を模索すべきです。」
中国電力は、上関原発計画を堅持しつつ、中間貯蔵施設の建設を進める意向です。
使用済み核燃料処分のサイクルが未確立の中での中間貯蔵施設の建設は、実質的な最終処分場の建設を意味するものです。
持田さんが言われるように「使用済み核燃料は行先が無いのだから原発は止めなくては」なりません。
持田さんが言われるように「危険性を伴う施設を造って町づくりをする」ことはすべきではありません。
昨日、中国電力が上関町役場を訪ねた際にも、反対する住民の抗議行動が行われました。
今後、日本共産党県議団としても県などに対する申し入れを行う予定です。
上関原発に反対する県民の皆さんと連帯し、行動を共にし、必要な発言を続けていきたいと思います。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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