全日本民主医療機関連合会は、6日、東京都内で会見し、経済的理由で治療が手遅れになり死亡したケースが2018年に77事例あったと発表しました。
77事例のうち正規の健康保険証がある、もしくは生活保護利用の人が39例。そのうち22例は治療中断もしくは未受診の状態でした。無保険や短期保険証などが38例で、受診前の保険種別でみると3割を占めています。
昨日、発表した概要報告の冒頭、民医連は「国民皆保険制度といわれながら、経済的な困難から国保料(税)を滞納し、短期保険証や資格証明書が発行され実質的な『無保険状態』におかれ、手遅れとなった事例があとを絶ちません。」と述べ、「医療など社会保障に対する国の公的責任からの後退、放棄ともいえるような政策ではなく、憲法に保障された権利としての社会保障のさらなる充実を求めます。」と述べています。
山口県社会保障推進協議会の「山口県社保協情報」(2019年3月)には、19年度の一人当たり保険料(標準保険料の増減が明らかにされています。前年度比県平均で7321円増です。宇部市も6839円増となっています。
更に、2018年の年収400万円4人世帯の国保料と協会けんぽ保険料の数字を入手しました。
宇部市では、国保料461805円に対し、協会けんぽ保険料は、203600円です。国保料の方が25万円以上高いことが分かりました。
国保料には、世帯の人数一人につき一定額を加算する均等割があります。単純な掛け算になりっているので、子どもが多い世帯ほど負担が重くなります。
先ほどの宇部市の国保料から均等割り・平等割を除くと、保険料は299405円と大幅に減額されます。
7日、しんぶん赤旗日刊紙は、「非正規労働者や自営業者、無職の人らが加入する国民健康保険で、子どもの数に応じてかかる均等割りについて、独自に減免する自治体が全国で少なくとも25あることが本紙の調べで5日までに分かりました。」と報じました。
全国知事会は、1兆円の国費を国保に投入し保険料を下げることと、均等割の見直しを求めています。
日本共産党は、保険料の大幅引き下げと同時に、高すぎる国保料の原因の一つである均等割の廃止を提案しています。
高すぎる国民健康保険料を改善して、「経済的理由による受診困難」で死亡事例が生まれない日本を作っていきましょう。
国民健康保険に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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