ABC創立65周年記念ドラマ「氷の轍」をDVDで視聴しました。
二人の子どもをめぐる悲劇に涙がとまりませんでした。
戦後の混乱期に踊り子の子どもとして産まれた二人の姉妹は、「人買い」の手で、それぞれの家に引き取られていきます。
そして、現代になって、二人の姉妹が巡り合い、当時を知る人物との間で事件が発生します。
その事件を追う女性警察官が柴咲コウさんです。真摯な演技に好感が持てました。
姉を演じた宮本信子さん、妹を演じた余 貴美子さんの演技は重厚なものでした。
子どもを取り巻く環境は、戦後70年で大きく改善されていることは明らかですが、解決すべき問題は山積しています。
先日、営利目的で特別養子縁組をあっせんしたとして、民間団体の役員の男性が児童福祉法違反の疑いで逮捕されました。
先日、虐待を受けているとして警察が昨年、児童相談所に通告した18歳未満の子どもは5万4227人で、前年より46.5%を超えたと警察庁が発表しました。
これらの事実は、児童を巡る状況が、決して良好なものではないことを物語っています。
昨日、西宇部校区子ども会育成連絡協議会の総会に参加をしました。
資料の最後に「児童憲章」が掲載されていました。
児童憲章の冒頭には「われらは、日本国憲法の精神に従い、児童に対する正しい観念を確立し、すべての児童の幸福を謀るためにこの憲章を定める。」と書かれいます。
「児童は人として尊ばれる」「児童は社会の一員として重んじられる」「児童は良い環境の中で育てられる」と続きます。
「児童は良い環境の中で育てられます」を具体化して12項目書かれています。
1、すべての児童は、心身とも健やかに生まれ、育てられ、その生活が保障される。
3、すべての児童は適当な栄養と住居と被服が与えられ、また疾病と災害から守られる。
10、すべての児童は、虐待・酷使・放任その他不適当な取り扱いから守られる。
12、すべての児童は愛と誠によって結ばれ、よい国民として人類の平和と文化に貢献するように、導かれる。
格差と貧困が拡大している今日だからこそ、児童憲章をこの国に徹底させるときだと思います。
国は、児童を良い環境の中で育てるための施策を強める時だと思います。
このドラマの姉妹の悲劇が今日も繰り返されているとしたら、それを許すわけにはいかない。
このような気持ちになった良質のドラマでした。
監督の滝本智行さんにも今後注目していきたいと思います。
映画「追憶」に携わられるとのことで大いに期待しています。
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